LAST UPDATE 1998/08/22


『 その11-6 』




 ■ 視点切り替えボタン


 いよいよ最後になった。せっかく3次元ゲームなのだから「視点切り替えボタン」ぐらいはつけたい。 フォーム上にはせっかく↑↓ボタンがあるのだからそれを使うことにする。ところが、キースキャン処理との兼ね合いで、これらのボタンはDisabledになってる。まずそれを解除する。
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 プルダウンメニューのモード選択部分コードのボタンのEnabled=Falseとしてあるところをコメントにする。 次に、それらのボタンがクリックされたときの処理を追加する。最初にモードをチェックし、それから回転させ、ボタンにそのままフォーカスが残るとキースキャンに影響が出るので、それそ解除してサブルーチンを終える。回転命令のRotate_Rの最初のパラメータはオブジェクトIDを表すが、これが-1の場合はシーン全体を意味する。これは本当のことを言うと、視点を変更(カメラを移動)させているわけではなく、シーン全体を回転させているのである。
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 ■ サル講座を終えて…

 これで、本講座は終了である。ほんの軽いノリで始めたつもりが、htmlで70ページ弱にもなってしまった。これが初心者の皆さんの役に少しでも立てば私の苦労も少しは報われると思っていると同時に、他人に何かを説明することの難しさを改めて思い知ったのである。
 今まで3Dアトリエ開発に伴って、数点のマニュアルも手がけたが、プログラマーにとって物を書くという仕事はとても重労働である。物書きの仕事を我々は「ワープラーになっている。」と呼んでいる。(←関係ない話)

 世の中にはマニュアル製作会社というものが多数存在していて、とても素晴らしいマニュアルを作ってもらえるそうなのだが、500万も1千万も料金がかかる。高いと払う立場では思うのだが、もし自分がマニュアルを作る立場になったとしたら、やっぱりそのぐらいの値段は請求するかもしれない。

 今回サル講座VB版はこれで終了するが、もし要望がたくさんたくさんあれば、まだまだ説明したことがたくさんある。
 例えばDLLの作り方である。これを知っているとVC++を使ってスピードの遅い部分を早くできる。うまくいけば20倍ぐらいのスピードになったりする。
 例えばもっとデイ~プにC++を使ってダイレクトXを直接いぢくりまわすというのも手である。
 究極はダイレクト3Dなどを使わずに全て自分で作るなどというのもある。

 我々は3Dアトリエを通じて、できるだけ多くの人達に、デザイナーとして、またはプログラマーとして育っていってほしいのである。ツール開発を会社として始めたからには、売ってそれまでという態度はよろしくないと常々考えている。
 だから、フォーラムなどを通してどんどん書き込みをして、皆さんの意見や質問などをたくさん聞かせてほしいのである。


 ■ モデルコンテスト 【 3Dアトリエオリジナルデザインコンテスト 】

 今年もまたコンテストを行うのである。ここでちょっと入賞へのヒントを去年の審査員の先生方との話から書き出す。
    1) ポリゴン数が多ければ良いと言うものではない。「そりゃーあなた、たくさんポリゴンを使えばそれらしい物作れますよ。」なのである。
    2) 動きが感じ取れるモデルを目指した方が良い。モデルのコンテストであるからして、静止している。しかしその中でいかに動きや世界の奥行きを表現するかがけっこう重要だったりする。
    3) やっぱオリジナリティーが大切。
    4) 3Dアトリエを使ってモデリングしてね。である。他のソフトで作られたことが簡単にわかってしまうようなモデルでは最初から印象がよろしくない。
 がんばって挑戦してほしい。



 ■ 次期バージョン

 現在モデラーは更に表示速度を上げ2.0の3倍程度は出ている。特にシェーディング時の表示速度が大幅に向上している。それから、新しい機能の一つに、「ポリゴンカッター」というのがつく予定で、任意の線でポリゴンを分割することができるので、超便利だ。
 モーションエディタは、前バージョンが機能があまりにも優先され、ユーザーインターフェースの煮詰めが足りなかった事を大反省し、徹底的に改良を行っている。
 AVIムービー編集を主な使用目的としたツールを開発中で、現在70%程度の完成度になっている。これさえあれば、3Dアトリエだけで音つきのムービーが製作できる。
 また、数点の外部モジュールも製作中でそれらをセットにしたVer2.5を秋ぐらいにはリリースしたいと考えている。



 ■ 次期次期バージョン

 これはもう鬼が大笑いの話になるかもしれないが、レンダラーもすでに開発がかなり進んでいる。2.5に間に合わせようと思っていたが、中途半端な性能のを出してもつまらないので、これはVer3.0に同梱されるようになると思う。レイトレースをサポートし、いろいろとエフェクトもかけられるようにやっている。問題はスピードで、これをどこまで速くできるかが勝負所であると考えている。


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