ADO 2.5 には、次に示す新機能、新しい参照トピック、および新しく強化されたマニュアルが含まれています。
このバージョンの ADO では、ファイル システムのディレクトリおよびファイル、電子メール システムのフォルダおよびメッセージなどの表示および管理が可能な Record を採用しています。Record は Recordset の行を表すこともできますが、Record オブジェクトと Recordset オブジェクトは、それぞれに異なるメソッドとプロパティを持ちます。
新しく採用された Stream オブジェクトでは、ファイルまたはメッセージのストリームを構成するバイトまたはテキストのバイナリ ストリームの読み取り、書き込み、および管理を行うことができます。
このバージョンでは、接続文字列およびコマンド テキストの代わりに URL (Uniform Resource Locators ) を使ってデータ ストア オブジェクトを指定することもできます。URL は、新しい Record オブジェクトおよび Stream オブジェクトだけでなく、従来の Connection オブジェクトおよび Recordset オブジェクトでも使用できます。
このバージョンの ADO では、各自の URL スキーマを認識する OLE DB プロバイダをサポートしています。たとえば、Windows 2000 のファイル システムにアクセスするための OLE DB Provider for Internet Publishing では、既存の HTTP スキーマを認識します。
"ドキュメント ソース" プロバイダという特別な種類のプロバイダは、フォルダおよびドキュメントを管理します。Record オブジェクトがドキュメントを表す場合、または Recordset オブジェクトがドキュメントのフォルダを表す場合、ドキュメント ソース プロバイダは、そのドキュメントの特性を記述する一意のフィールド セットをそのオブジェクトに配置します。これらのフィールドは、"リソース" の Record または Recordset を構成します。
このバージョンでは、次に示す新しいプロパティが追加されています。
プロパティ | 説明 |
Charset | 文字列型の Stream オブジェクトの内容を、どの文字セットに変換するかを示します。 |
EOS | 現在の位置がストリームの末尾にあるかどうかを示します。 |
LineSeparator | 文字列型の Stream オブジェクトの行区切り文字として使用するバイナリ文字を示します。 |
Mode | Connection オブジェクト、Record オブジェクト、または Stream オブジェクトのデータを変更するための有効な権限を示します。 |
ParentURL | 現在の Record オブジェクトの親 Record を示す絶対 URL の文字列を示します。 |
Position | Stream オブジェクト内の現在の位置を示します。 |
RecordType | Record オブジェクトの種類を示します。 |
Size | ストリームのサイズをバイト数で示します。 |
Source | Record オブジェクトで表すエンティティを示します。 |
State | 対象になるすべてのオブジェクトについて、そのオブジェクトが開いているか、または閉じているかを示します。 非同期メソッドを実行するすべての対象になる Recordset オブジェクトについて、現在の状態が接続中、実行中、または検索中のいずれであるかを示します。 |
Type | Stream オブジェクトに含まれるデータの種類 (バイナリまたはテキスト) を示します。 |
このバージョンでは、次に示す新しいメソッドが追加されています。
メソッド | 説明 |
CopyRecord | ファイルまたはディレクトリとその内容を別の場所にコピーします。 |
CopyTo | Stream オブジェクトから、指定した文字数またはバイト数 (Type によって決まります) のデータを別の Stream オブジェクトにコピーします。 |
DeleteRecord | ファイルまたはディレクトリとそのサブディレクトリを削除します。 |
Flush | ADO バッファに保持されている Stream オブジェクトの内容を、その Stream オブジェクトの基になるオブジェクトに反映します。 |
GetChildren | この Record オブジェクトで表されているディレクトリに含まれるファイルおよびサブディレクトリを表す行を持つ Recordset オブジェクトを返します。 |
LoadFromFile | 既存ファイルの内容を Stream オブジェクトに読み込みます。 |
MoveRecord | ファイルまたはディレクトリとその内容を別の場所に移動します。 |
Open (ADO Record) | 既存の Record オブジェクトを開くか、または新しいファイルまたはディレクトリを作成します。 |
Open (ADO Stream) | バイナリ データまたはテキスト データのストリームを操作する Stream オブジェクトを開きます。 |
Read | バイナリ型の Stream オブジェクトから、指定したバイト数のデータを読み取ります。 |
ReadText | 文字列型の Stream オブジェクトから、指定した文字数のデータを読み取ります。 |
SaveToFile | Stream オブジェクトの内容をファイルに保存します。 |
SetEOS | ストリームの終わりの位置を設定します。 |
SkipLine | 文字列型の Stream オブジェクトの読み取り時に 1 行全体をスキップします。 |
Write | バイナリ データを Stream オブジェクトに書き込みます。 |
WriteText | 指定したテキスト文字列を文字列型の Stream オブジェクトに書き込みます。 |
サンプルが強化され、Microsoft Visual C++® および Microsoft Visual J++® で記述されたサンプル コードが追加されています。サンプル コードをコピーしてエディタに貼り付けることができます。
ADO で OLE DB Provider for Internet Publishing を使用する方法を説明するトピックが新しく追加されています。
この新しいトピックでは、ADO で 各種のプログラミング言語を使用するためのヒントや技法を説明しています。従来の Visual C++ Extensions for ADO および ADO/WFC の構文インデックスに加えて、Microsoft Visual Basic®、Microsoft Visual Basic®, Scripting Edition、Microsoft JScript®、Microsoft Visual C++、または Microsoft Visual J++ を使用する開発者のための新しい情報が追加されています。