home
***
CD-ROM
|
disk
|
FTP
|
other
***
search
/
DOS/V Power Report 1999 October
/
VPR9910A.BIN
/
OLS
/
LIE2SP
/
LIE2SP.LZH
/
設定集
/
生活
/
衣服.TXT
< prev
next >
Wrap
Text File
|
1999-05-02
|
3KB
|
49 lines
衣服は人類の意識改革によりもっとも顕著に表れた一例である。
特に女性のスカート丈がミニだけになってしまったのは、直接「死なない事」と
結びついて、移動惑星帯との接触以来まったく変化する事なく今日に至っている。
これは宇宙服を着ようとしたらスカートが邪魔で正しく着用できなくて沢山の女性が
窒息死した事が教訓として残り、また現在でも年に1・2度コロニーに穴が開く事件
が起こっているからである。
だが2160年代においてようやく冥王星で開発された伸縮型の形状記憶繊維の
おかげでロングスカートが市販化されるようになった。
もっとも常温で120時間しかもたず、しかも保存はマイナス100度以下でなけ
ればならない等、冥王星以外では普及していないのが実情である。
宇宙服を着込む時は、排泄装置を使う事が前提なので、必ず下着を脱ぐ事になる。
現在のスボンは下着と一体化しているので、通常はスボンを脱いで宇宙服を着込む
事になるが、スボンの前と後が瞬時に裂けるようになっているから緊急時では一々
脱ぐ事はなく宇宙服を着込める。ただし宇宙服を脱ぐと下半身が丸見えの状態になる
ので、女性は普段からスボンよりもミニスカートを履く。(宇宙服を脱いでもスカート
を下ろす事で隠す事ができるので)
なお女性用の下着も強く引っ張ると腰の辺りで切れるので、非常時には脱がなくても
いいようになってる。
瞬時に裂けたり切れるのはマジックテープと同じ構造状態に繊維を織り込んである為
である。だからある方向から普通にかかる以上の強い力が一瞬加わった時だけ裂ける
仕組みになっている。
なお極最近開発された最新式の非常用宇宙服の場合、男性は絶対スボンを裂いて
宇宙服に入らなければならないが、女性は下着をつけたままでもよくなった。
これは宇宙服を着込んだ後からでも下着を裂いて用を足せるようになった事を意味
するが、男女の構造の違いから実現できた仕様である。
但し、危険が伴うので非常時でも多少の余裕があれば推奨されていない。
ところで整備関連の技術者は勤務時間内は下半身だけ宇宙服を着用する事になって
おり、またパイロットも待機任務中は宇宙服を着用したままでいる。
特に整備関連の技術者に宇宙服の着用を求めるのは、宇宙船の場合、飛行中よりも
整備中の方が危険な状態にあり、事故に備えて技術者はすぐに宇宙服をまとえるように
下半身だけ何時も宇宙服を着用する事になった。
以上の点を除けば20世紀から今日までそれほど衣服に大きな違いは見当たらない。
ただ、宇宙空間が生活の場になったので、見た目には20世紀の物と変わりがないが
繊維自体に特殊な物を使って、熱や放射線等から人体を守っていたり、宇宙服を
着込みやすい素材であったり、着込んだ時の通気等、多くの改良が加えられている。
また長年女性はミニスカートしか着用しなくなったので、ファッションセンスは
それ以前の女性と異なっていて、過去に於いて「古臭い」とか「地味」と言われ
ていたようなデザインでもとても目新しく感じる傾向にある。