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青空文庫
Blue Sky Collection
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No.
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著者名
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宮武外骨
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書籍名
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一円本流行の害毒と其裏面談
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底本
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一円本流行の害毒と其裏面談
1928(昭和3)年11月1日形式発行
有限社
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底本の親本
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入力者名
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河上 進
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校正者名
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八巻美惠
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著作権者名
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吉野孝雄
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作品について:大正15年、改造社の『現代日本文学全集』の刊行をきっかけに、一冊一円の廉価版の文学全集を予約出版する「円本」ブームが起こった。これにより、大部数を廉価で出版・流通する、現在の出版産業につながる体制ができた。宮武外骨は、このパンフレットのなかで、円本流行によって起こる16ヶ条の害毒を指摘し、するどく批判している。奥付には「(普及目的)有断許複製 本書紙型貸与亦諾矣」とあり、当時の出版状況に警鐘を鳴らす目的での出版だったことがわかる。(河上進)
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著者について:1867〜1955。香川県生。明治中期から昭和期にわたって活躍したジャーナリスト。1887年に出した『頓智協会雑誌』で、大日本帝国憲法を風刺したため不敬罪で発禁となり、投獄される。その後、8万部を売ったといわれる『滑稽新聞』や『スコブル』『面白半分』『震災画報』など個性的な雑誌を次々に発行する。彼が生涯に発行した新聞・雑誌は40点以上にものぼる。また、風俗史家としての側面を持ち、『猥褻風俗史』『賭博史』の著作を自分の出版社である半狂堂・有限社から刊行したり、学者と在野の好事家を集めて明治文化研究会を結成した。東京大学法学部の「明治新聞雑誌文庫」を設立者でもある。多彩な活動ぶりから、奇人と誤解されることが多いが、戦前という時代に反骨精神を貫いた希有な人物であろう。ちなみに、「外骨」は本名である。(河上進)
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