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Text File  |  1999-04-30  |  4KB  |  79 lines

  1. 2090年頃の地球は、それまで行われてきた温暖化の抑制政策に失敗した上に、
  2. 発展途上国の人口爆発による大規模な森林伐採が追い打ちをかけて、酸素濃度が薄く
  3. なってきた。
  4. そこで宇宙にスペースコロニーを作って、増えすぎた人類を送り込んで、地球の浄化を
  5. 図ろうとしたが、一般市民が納得するはずもなく、コロニー建設は行われたが、移住
  6. した人は総人口の10%程度だった。
  7.  
  8. その為食料不足やエネルギー不足、それに環境汚染がさらに進んだが、そんな時に、
  9. あるバイオ製薬会社が「植物活性化細菌」を開発した。
  10. それは、本来植物が生息する気候ではその気候に適した植物が地質を問わず必ず
  11. 生育する効果を生む細菌で、ようするに海とかは無理だが、気候が合えばコンク
  12. リート上でも植物が自生できてしまう訳である。
  13. しかも細菌は空気感染しないし、一世代で死滅するから安全に植物を増やしたい場所に
  14. 増やせる。
  15.  
  16. ところがそのバイオプラントが2095年に爆発して、細菌が突然変異を起こした。
  17. その変異とは、空気感染力と繁殖能力を持った上に動物に対して有害な毒素を出す
  18. ようになったのだ。その結果陸に住む全ての動物が危機に直面した。
  19.  
  20. 幸い繁殖する為の分裂速度がとてもゆっくりだったので、対策を立てる余裕ができ
  21. 各国とも競ってほとんど人の住まなかったスペースコロニーへ移住を始めた。
  22.  
  23. だが既に国土の大半が都市化していたので宇宙空港を建設するだけのスペースが
  24. 無かった為、海に面した多くの国は巨大な人工の浮き島を作ってそこに宇宙港を
  25. 建設した。
  26. また海が無くて国土の狭い国や発展途上国は宇宙港のある国から脱出しなければなら
  27. なかった。
  28.  
  29. 日本の新小笠原島はその時できた浮き島の一つだが、日本はアジアの途上国を受け
  30. 入れなければならなかったので、ヨーロッパやアメリカ等の国々に遅れをとって
  31. しまった。
  32. その結果日本も含めたアジア系の避難民はスペースコロニーじゃなくて月の南極とか
  33. 裏側の、ようするに地球を直視できない場所に移住が集中した。
  34.  
  35. それから約10年、人が住めなくなった地球には植物活性化細菌を撃滅する為の
  36. 研究所が各地に作られたが、一方の植物は猛威を振るい、皮肉にも陸地の大半が
  37. 緑に覆われてしまった。
  38.  
  39. 2110年、突然太陽系を、銀河をさまよう移動小惑星帯が襲った。
  40. 天文台が発見した時には残された時間はたったの15時間だった為にたちまち幾つかの
  41. スペースコロニーが粉砕され、地球や月にも小さな小惑星が激突した。
  42. もっとも、脱出カプセルに退避したり宇宙服を着込むには余裕があったし、わずか
  43. 1日だけの事だったので、直撃を受けたコロニーは全滅に近かったけど、人類滅亡の
  44. 危機とまでは言わない。
  45. 実際の被害は、直撃を受けたコロニーが1つ。そのまわりに集まっていた3つぐらいの
  46. コロニーが爆発に巻き込まれて爆発した程度で、記録では小さめの小惑星が月と地球に
  47. 1個づつ衝突した程度だった。
  48. 当時のスペースコロニーは5つぐらいが集団になって地球のまわりに点在していた
  49. から大半のコロニーは無傷で残った。
  50.  
  51. だが、数時間後に最初の衝突で破壊されたコロニーの破片が無事だったコロニーに
  52. 激突した。もちろんそれらの破片は月や地球にも落下した。
  53. また最初の移動小惑星の内の1つが月の北極付近に落下した時に岩石等を巻き上げた
  54. が、数時間後に放物線を描いて、落下地点から遠く離れた月面上のコロニーにまで
  55. 降り注いだ。
  56. その時大きな被害が出なかったのは、アジア系のコロニーが集中する月の南極地帯
  57. であった事から、この事が現在の人種の割合を大きく左右している。
  58.  
  59. 最終的には総人口の99%の命が失われてしまったが、地球に連日連夜、落下物が
  60. 流星や火球になって大気中に散らばり、植物活性化細菌の大半を消滅させた。
  61. その時すでに10年間の研究成果で少量の細菌なら無害化する事に成功していたから、
  62. ようやく地球は動物が住める惑星に戻った。
  63. だが、無害になったとはいえ細菌の繁殖力が衰えた訳じゃなく、今の状態で地球に
  64. 戻れば植物に覆われて、文明が確実に衰退する事が判った事や、動物の体は肥料に
  65. なるから常に危険な状態には違いない等の理由で、地球上には従来通り研究機関を
  66. 中心にした限られた都市だけにして、そこに携わらない者は宇宙での生活を続ける
  67. 事になった。
  68.  
  69. それから24年後の2134年、突然太陽系にバイタル人が侵攻してきた。
  70. 迎え撃った地球の宇宙船は、飛び散った小惑星とかコロニーの破片を処理する仕事に
  71. 従事していたものだから機動性が抜群だったので、スピードが速くてもそれだけの
  72. バイタルの戦闘艦は大半がだ捕された。
  73. その時火星と木星の間にあるアステロイドベルトで大きな戦いがあり、これを
  74. アステロイド戦役と言う。
  75.  
  76. 捕虜にしたバイタル人から事情を知った地球側は、そのままバイタル人の移住を認め
  77. 今日に至る。
  78.  
  79.