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1999-04-17
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2KB
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45 lines
人類が宇宙で生活しなければならなくなった事で、人々の意識も変わた。
2110年の移動小惑星と太陽系の接触による大惨事以降、人類は大きな意識改革が
行われた。
それは『死なない事』と『子孫を残す事』が最優先事項になった事だ。そしてその
二つが社会のあらゆる分野に変化をもたらし、根幹となっている。
例えば「子供を産んで育てる事に障害があるなら、技術と制度で改革する」と言う
政府の方針が明確化された。
特に『子孫を残す事』は女性にとって、大きな発展となった。
技術が未熟な時代には『子孫を残す』という事は、女性を過剰に保護(一種の閉じ
込める事)するような後退的に解釈されるのが普通だったが、今は障害を感じたら
技術や制度で感じ無いようにするという事を意味する。
もちろん後退的に解釈して閉じ込めようと考えている者も多少いる事は否定できず、
しばしば論争となる事もある。
また『子孫を残す事』は女性の生き方にも大きな変化を与え、出産と育児、それに
就業について新しい考え方を生んだ。
それは、13~15才で出産するというもので、これは子孫を早く残しておいて
その後の人生を気兼ね無く過ごす場合である。
これは出産した者に対する完全な出産以前の状態の社会的保証が制度化された事に
よる。例えば子ずれ登校、出勤等は当然の事であり、希望があれば夫婦で同じ
職場に転属する事も保証されている。
ちなみに育児は次の世代を担う重要な仕事として認識されているので、当然男性
が職場で行う事も可能であり、在宅にあっては男女を問わず在宅勤務として扱われる。
一方『死なない事』という意識改革は主に科学分野と女性に影響を与えた。
科学分野においては、基本設計段階においてまず「死なない事」というのが
前提となっていて、同時に発明品の母体ともなっている。
一方女性の意識は「恥じらい」という点でそれ以前の時代と大きく異なり、それは
衣食住すべてにおいて変化をもたらした。
ただこれは主観的なものであるから、育った環境や普段の生活環境によって違う
のは当然であり、例えば地球育ちの者とスペースコロニー育ちの者とでは「恥じ
らい」の程度が異なるし、宇宙で生活している者と地球上で生活する者とでも
異なっている。
またそれとは異なるが、地球上で浴びる日光も宇宙では殺人光線に等しいことから、
男性でも女性でも宇宙で生活している者にとって、最高のバカンスは「地球上で裸に
なって日光に当たる事」である。
この場合「恥じらい」の程度は極力小さくなり、大抵の地球上の保養地では全裸で
過ごす事も珍しくない。
ちなみに、このバカンスは社会制度上保証されていて、旅費等は半分以上が補助
される。