この度は、カノープスのビデオボード『Power Movie』および『Power Movie /V』をお買い上げいただき、ありがとうございました。 このファイルは、Power Movie に関して、マニュアルに記載されていない事項について述べられています。今後 Power Movie が改訂された場合には、是非このファイルをご覧ください。
このドキュメントでは、『Power Movie』と『Power Movie /V』の両方を Power Movie として取り扱っています。
Movie Recorder がキャプチャ動作を開始すると Power Window の仮想スクリーンをロックし、画面がスクロールしないようになっています。詳細は補足説明をご覧ください。
Video for Windows 1.1 または Video for Windows 1.1 ランタイム版をシステムに組み込んでください。付属の "MediaBlitz!" は、標準インストール時に Video for Windows 1.0 ランタイム版 を組み込んでしまいます。"MediaBlitz!" はカスタムインストールによってシステムに組み込み、Video for Windows 1.0 を組み込まないようにしてください。Video for Windows 1.0 を組み込んでしまった場合、Video for Windows 1.1 ランタイム版 を組み込み直してください。
Power Vision で作成された Motion JPEG AVI ファイルはそのまま PowerMovie で使用でき、オーバーレイ再生やビデオ出力が可能です。ただし、各フレームをソフトウェアで伸張/表示しているためパソコンの処理能力に大きく依存し、動きの滑らかさが損なわれることがあります。JPEG Engine を装着している場合、Power Movie に最適化した Motion JPEG AVI に変換することにより、最高で毎秒30フレームのフルモーション再生が可能になります。付属の Movie Editor または Video for Windows 1.1 日本語版 に付属のビデオエディタでこの変換が行えます。
Video for Windows がすでにシステム内に組み込まれていて Power Movie に付属しているランタイム版をインストールするべきかどうかわからない場合、SETUP.EXE の代わりに PWMSETUP.EXE を実行してください。システム内の Video for Windows が古いもの(Version 1.0)であれば、ランタイム版のインストールを開始します。すでに新しいものが組み込まれている場合、ランタイム版の組み込みを省略して Power Movie 用のドライバやアプリケーションのインストールを開始します。
● Power Window の仮想スクリーンモードへの対応について
ウィンドウアクセラレータ Power Window シリーズをご使用になっている場合、広大なデスクトップの一部をディスプレイ画面に表示させ、マウスの移動に応じて表示範囲をスクロールさせる仮想スクリーンモードを利用できます。
仮想スクロールによる画面の移動は Power Window のハードウェアによって処理されており、Windows の管理外にあります。一般のビデオオーバーレイボードを使用している場合、ビデオ画像をオーバーレイ表示しているウィンドウが仮想スクロールによってディスプレイ画面中を移動してもビデオ画像はディスプレイ画面上の元の位置から移動しません。そのため、ウィンドウの表示内容がずれたり、場合によってはディスプレイ画面全体の表示がおかしくなる場合があります。
Power Movie のドライバは仮想スクリーンモードにおけるディスプレイ画面のサイズ変更やスクロールの動作に応じてオーバーレイ表示させるビデオ画面ののサイズや位置を自動的に調整しています。したがって、仮想スクロールや実画面サイズの変更を行ってもビデオ表示中のウィンドウの内容は正しく更新されます。
Movie Editor の編集メニューの『エフェクト』のタイトラーは、AVIファイルにビットマップファイルを重ねることができます。ここで使用するビットマップファイルは、8ビット、15ビット、16ビット、24ビットのいずれか形式で、非圧縮形式のものを指定してください。また、ビットマップファイルの画像サイズは、それを重ねるAVIファイルの画像のサイズと同じものを使用してください。もし異なるサイズのビットマップファイルを使用すると、画像サイズを合わせるために透明色が表示される場合があります。
● Movie Editor におけるエフェクト「オーバーラップ」での加算とフェード付き加算の違いについて
256 色以下の Windows 環境では、フルカラーの画像を表示するためにディザと呼ばれる方法で擬似的に色を表現しています。このため、同一の色で塗りつぶされている画像に、模様が入っているように表示されることがあります。たとえば、サンプル "PWMOVIE.AVI" の先頭のフレームは明るい灰色で塗りつぶされていますが、256 色の Windows 環境では黒い網点模様が表示されることがあります。
Movie Editor のファイルメニューの『AVIファイルの生成』あるいは『AVIファイルに名前を付けて保存』で、オーディオ形式を指定できます。このとき元より低いサンプリング周波数を指定すると音質が低下します。たとえばオーディオストリームが44kHzで作成されたAVIファイルから、22kHzのAVIファイルを生成すると、音質が低下します。ご了承ください。
● Power Movie によるパソコン画像の劣化の抑止について
Power Movie はパソコン自体のRGB信号とビデオ機器の信号とを合成し、それをRGB信号としてCRTに出力することによりオーバーレイ表示を実現しています。このため、パソコン本来の画像が Power Movie を装着していない場合に比べて若干ながら劣化します。このような劣化を最小限に抑えるため、MS-DOS および Windows 用のユーティリティが用意されています。画像劣化の度合いは使用しているシステムによって異なります。劣化が感じられる場合には以下に示す2つのユーティリティを使用することにより、画像の劣化を抑止することができます。
改訂版テレビチューナー(ノイズ対策が行われているもの)をお使いになるときは、Windowsディレクトリにある初期設定ファイル "CANOPUS.INI" の [PWM TV Tuner] セクションに Mute=1 という行を追加してください。
● ULTRA AUDIO を用いた音声の録音
ULTRA AUDIO を用いると、標準的な PCM 形式の他に ADPCM, A Law, Mu Law および ATRAC という形式で音声を録音することができます。これらの形式で録音することにより、高い音質を保ったまま音声データのサイズを小さくすることができます。したがって、ビデオのキャプチャ時に同時録音する場合、これらの形式を選択するとビデオデータのコマ落ちが少なくなります。
各形式の詳細については、ULTRA AUDIO に付属していているドキュメントを参照してください。
● アドビ・プレミア 4.0 を使用する場合の注意
プレミアで「ムービー取り込み」コマンドを実行すると、『キャプチャデバイスと接続できない』という内容のエラーメッセージが出ることがあります。これは、キャプチャデバイスドライバが、Power Movie のオーバーレイ表示機能を使用できないために発生します。プレミアが初期化を行っている段階から AVI の再生ドライバをオープンしたままにしてしまうため、Power Movie のオーバーレイ表示機能が再生用に予約されてしまうことが原因と考えられます。、再生ドライバとキャプチャドライバは、どちらもオーバーレイデバイスを必要としているため、同時に使用することはできません。
下にに示す (1) または (2) の方法により対処してください。
(1) ムービー取り込みコマンドを使用しない(プレミア実行中にキャプチャしない)
あらかじめ Movie Recorder または Video for Windows 付属の VidCap を使用して、素材となるムービーファイルを作成しておきます。この場合、プレミアは終了しておいてください。
(2) ドライバの設定を変更する(プレミア実行中にキャプチャを可能にする)
AVI の再生のためにオーバーレイを使用しないように設定します。コントロールパネルのドライバアプレットで次のような操作を行います。