DOS/V Power Report 1996 February

home *** CD-ROM | disk | FTP | other *** search

/ DOS/V Power Report 1996 February / VPR9602A.ISO / fwindows / archive / cdcac226.lzh / CDCACHE.DOC next >

Wrap

Text File | 1995-09-13 | 80KB | 2,311 lines

CD-ROM Cache Driver CD-ROM 専用キャッシュドライバ Version 2.26 [Sep. 13,1995] Copyright by KAZU.M NIFTY-Serve : QZD03474 PC-VAN : FRN64280 説明書 Sep. 13,1995 - 1 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 1. はじめに最近では CD-ROM ドライブの普及が広く進んできたようで、CD-ROM によって提供されるソフトなども増えてきました。[*1] 本ソフトはその CD-ROM をより一層快適に使用するためのものです。CD-ROM 専用にできる限り最適化されています。快適な CD-ROM 操作の一助として使ってみてください。なお、本ソフトはシェアウェアです。継続して使用いただく場合には送金をお願い致します。詳しくは「使用・転載条件など」をご覧ください。 2. このマニュアルについてこの説明書の次の箇所には一通り目を通してください。その他の箇所は必要に応じて読んでください。・概要－動作環境・使用方法－インストール・使用方法－組み込み方法・その他－注意点・使用・転載条件など ISO-9660 と Apple_HFS ではフォーマット形式が異なりますが、この説明書ではどちらも「ディレクトリ」あるいは「ディレクトリデータ」という語を用いて記載してあります。所々に[*2]などの脚注がありますが、だいたいは作者の独り言なので、読み飛ばしていただいて構いません。 Windwos 用コントローラに関してはヘルプファイル「CDCWIN.HLP」も併せてご覧ください。読みにくい箇所も多々あるかと思いますが、マニュアルに関しても少しずつでも改善していきたいと考えていますので、ぜひご意見をお聞かせください。 3. 概要 3.1 特徴次のような特徴があります。 1. キャッシュ動作として３通りの方法を選択することができ、効果的なキャッシュ方法を指定できます。特に CD-ROM の半端な数ではない[*3]ディレクトリやファイルを考慮して、ディレクトリデータを優先してキャッシュすることができるようになっています。 -- note ---------------- [*1] 雑誌の付録が CD-ROM だったりしますからねぇ。 [*2] このような具合に。 [*3] そう多くはないものもありますが。 - 2 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 2. ディレクトリのキャッシュ動作は ISO-9660 または Apple_HFS [*4]規格のディレクトリ構造に特化しており、高速に動作します。それ以外の部分も CD-ROM 専用にできるだけ最適化してあります。[*5]また CD-ROM を頻繁に使用するのは i386 以降の CPU を搭載したマシンのユーザーがほとんどであろうと割り切って、32 ビット命令を使用したりしてさらなる高速化を図ってあります。[*6] 3. キャッシュの効果が出にくいアクセスにおいても内部バッファの効果により多少は通常のアクセスより高速になります。[*7] 4. 特定のファイルを予めキャッシュメモリに読み込んで、破棄不可としておくことにより、そのファイルに対するアクセスを飛躍的に高速化することが可能です。しかもファイルの特定の部分だけを指定したり、読み込みパターンを設定することができます。 5. Windows での動作も考慮されており、Windows 起動時に自動的にキャッシュメモリを変更することが可能です。また Windows 用のコントローラも用意してあり、Windows からキャッシュドライバを操作することができます。 6. 清水敏夫氏が制作された「Macintosh CD-ROM Driver (MACCD)」[*8]に対応しており、Apple_HFS フォーマットの CD-ROM に対してのキャッシュ制御が可能です。 7. MSCDEX / MACCD を通してのアクセスに対応しているので、CD-ROM ドライブの機種を問いません。また i386 相当以上の CPU を搭載した DOS マシンであれば動作可能です。 8. EMS / UMB に対応しています。特に EMS メモリが使用できる場合にはメインメモリへの常駐サイズは 4.4KB 程度になり、メインメモリを圧迫しません。 -- note ---------------- [*4] ちなみにハイブリッド CD-ROM はこの二つの規格を併せ持った CD-ROM です。もちろん、CDCACHE でも対応しています。 [*5] SMARTDRV と比較した場合、キャッシュヒット時には 10%～20% 程度高速です。 [*6] 実際、CD-ROM のセクタ管理は多くの場合 32 ビット単位で行なわれています。 [*7] 連続シーケンシャルリードでは効果が現われにくいのですが、間に何かの処理を挟む場合（例 VFW など）は効果があります。 [*8] Macintosh 用の CD-ROM、あるいはハイブリッド CD-ROM の Macintosh 用の領域をアクセスすることができます。ISO-9660 にも対応している MSCDEX 互換の CD-ROM Extensions です。NIFTY-Serve FWINF LIB 1 に Ver. 1.30 (1995/6/5 現在) が登録されています。 - 3 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 3.2 動作環境 CDCACHE は次のような条件を満たしている環境で使用できます。 1. CPU として i386 相当以降のものが搭載されている DOS マシン CDCACHE は 386 命令を使用しています。このため i386 相当以降の CPU [*9]を搭載したマシンでなければ動作させることができません。 2. XMS メモリ 2KB 以上キャッシュメモリとして XMS メモリを使用します。最低 2KB あれば動作します[*10]が、通常は 1MB ほどあれば良いようです。 3. CD-ROM Extensions (MSCDEX/MACCD) が必要 CDCACHE は MSCDEX または MACCD を通して CD-ROM にアクセスする場合のみ有効です。動作確認は後述の環境で行ないましたが、バージョンはどれでも問題ないと思います。 4. EMS メモリこれは必須ではありませんが、EMS メモリが使用できる場合、メインメモリへの常駐サイズを減らすことができるなど、より一層快適に使用できると思います。 3.3 動作確認以下の環境で動作確認しました。マシン EPSON PC-386GE (i386SX / IBM486SLC2) ＯＳ NEC MS-DOS 5.0A / 6.2 EPSON MS-Windows 3.1 CD-ROM ドライブ MELCO CDS-E Extensions MSCDEX.EXE Ver. 2.22 / Ver. 2.23 MACCD.EXE Ver. 1.30 機種依存する部分はないように作成してありますので、前記の条件さえ満たせば DOS/V マシンなどでも動作可能だと思います。 Windows は Ver. 3.1 で日本語表示が可能であれば動作すると思います。 -- note ---------------- [*9] i386 / i486 / Pentium / Cx486 /IBM486 等々 CD-ROM ドライブを日常的に使っておられるなら問題ないですよね。 [*10] 動作するというだけのことであって、効果はありません。まったくなくても組み込めますが、意味がないのは言うまでもありません。 - 4 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 4. 使用方法 4.1 インストール次の４ファイルが必要です。 CDCACHE.EXE キャッシュドライバ本体 & DOS 用コントローラ CDCWIN .EXE Windows 用コントローラ (Windows) CDCWAC .EXE CDCACHE Accelerator (Windows) CDCWIN .HLP ヘルプファイル (Windows) これらのファイルを同一のディレクトリにコピーしてください。起動時にファイルチェックをしているので、タイムスタンプを変更しないようにしてください。また、ファイル圧縮プログラム[*11]で圧縮しないようにしてください。この他に環境ファイルが作成されますが、これは DOS / Windows 共通で、 CDCACHE.EXE もしくは CDCWIN.EXE のあるディレクトリに作られます。この環境ファイルのファイル名は「CDCACHE.INI」となります。また CDCWIN.EXE はヘルプファイル CDCWIN.HLP を自身が起動されたディレクトリから探します。 4.2 組み込み方法 CDCACHE は MSCDEX / MACCD が組み込まれた後に組み込みます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ MSCDEX/MACCD を AUTOEXEC.BAT で組み込んでいる場合には、MSCDEX/MACCD の次の行に組み込みのための記述をしておくと簡単だと思います。組み込みのためのオプションは「/Z」です。絶対に必要なのはドライブ名とこのオプションだけです。 A>cdcache ドライブ名: [オプション] /Z [オプション] ドライブ名は省略することはできません。また１度に一つだけしか指定できません。複数のドライブに対してキャッシュしたい場合には、ドライブの数だけ組み込んでください。ドライブ名の後ろに「:」を忘れずに付けてください。「キーワードを入力してください = 」というメッセージが表示されたら、「CD-ROM Cache Driver v2.26」と入力してください。この時、大文字／小文字を区別し、スペースも確実に入力してください。このキーワード入力は組み込みの度に必要ですが、送金してくださった場合には、この解除方法をお知らせします。オプションの詳細は後述しますが、/Z 以外すべて省略可能です。この場合はデフォルト値、もしくは環境ファイルの設定が反映されます。 EMS または UMB にも組み込むことができます。EMS メモリへ組み込まない場合には 26KB 程度のメモリが必要です。EMS メモリが使用できる場合には、デフォルトで 388KB (18ページ) の EMS メモリを使用し、常駐サイズは 4.4KB 程度になります。 EMS メモリへ組み込まれると、メインメモリへ組み込まれた場合と比較して若干処理速度は低下しますが、内部バッファがメインメモリを圧迫しないなどのメリットがありますので、通常はこちらをお薦めします。デフォルトでは EMS メモリへの組み込みとなっています。組み込みの際には MSCDEX/MACCD の存在、CD-ROM ドライブなどをチェックし、XMS メモリからキャッシュ用メモリを確保します。なお Windows の DOS プ -- note ---------------- [*11] ハードディスク圧縮プログラムではありません。念のため。 - 5 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書ロンプトでは組み込むことはできません。組み込みに成功すると次のようなメッセージが表示されます。 A>cdcache i: /z CD-ROM Cache Driver Version 2.26 [Sep. 13,1995] Copyright (C) KAZU.M CDCACHE はシェアウェアですキーワードは「CD-ROM Cache Driver v2.26」ですキーワードを入力してください = CD-ROM Cache Driver v2.26 ドライブ = I: (CDCACDR1/MSCDEX) 現在のキャッシュ容量 = 1024KB (MAX 8192KB) Windows 動作時のキャッシュ容量 = 1024KB 内部バッファ (EMS) = 32KB x 8 (MAX 32KB x 8) キャッシュメモリ使用率 = 0% ( 0/1024) 最近のヒット率 = 0% キャッシング = 有効キャッシュ頻度 = 1/ 5 キャッシュモード = ディレクトリ＋実ファイル交換後のディレクトリ読み込み = 随時キャッシュロックファイル = 無し ( 0 files) EMS メモリへ組み込まれましたそれぞれの表示の詳細は /I オプションと一緒に説明してありますので、そちらをご覧ください。 4.3 キャッシュ動作について CDCACHE は次のような３通りのキャッシュ動作を行うことができます。以降の説明で「キャッシュモード」という言葉が出てきた時にはこのキャッシュ動作のこととお考えください。キャッシュモードの指定方法は /J オプションの説明、あるいはヘルプファイルの「設定」の項目をお読みください。 4.3.1 ディレクトリ＋実ファイル CDCACHE のデフォルトのキャッシュモードです。ディレクトリやファイル名、実際のファイル内容が CD-ROM のどこに記録されているかなどの基本的なデータを優先的にキャッシュします。このデータは一度キャッシュされると CD-ROM を交換したり、ユーザーが初期化しない限り破棄されません。さらに、残りのキャッシュメモリを用いて実際のファイルの内容もキャッシュします。この実ファイルデータはアクセス経過とともに破棄されます。 4.3.2 ディレクトリディレクトリデータだけをキャッシュします。実際のファイルに対してはキャッシュ処理は行われません。 4.3.3 全データディレクトリデータ、及び実際のファイル内容などのデータをすべて一律にキャッシュします。このためディレクトリデータもアクセス経過とともに破棄されます。ただし、キャッシュロックされたデータは破棄されません。 - 6 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書このキャッシュモードではディレクトリ構造が ISO-9660 または Apple_HFS に準拠していない CD-ROM でもキャッシュすることができます。 5. DOS 用コントローラについて DOS 用コントローラ「CDCACHE.EXE」について説明します。なおこれは一部制限がありますが、Windows の DOS プロンプトでも使用可能です。 5.1 オプションについてそれぞれのオプションについて説明します。各オプションは組み込み時に有効なもの、組み込まれているドライバに対して有効なもの、そしてその両方の場合があります。以降の説明では次のような記号が付けてあります。 S : 組み込みオプション組み込み時に有効 C : コントロールオプション組み込まれているドライバに対して有効ほとんどの場合ドライブ名の指定が必要ですが、/Z オプションを除いて１コマンドラインに複数のドライブ名の記述が可能です。各オプションは指定のドライブに対して有効になります。 A>cdcache i: /i j: /c 上のような場合は、I:ドライブに対して /I オプションを、J:ドライブに対して /C オプションを指定したことになります。存在しないオプションについては無視されます。 - 7 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書オプションの概略は次のようになっています。 S /Z[E|N][L|U] : 組み込み C /R : 組み込み解除 S /ST=number : 組み込みスタイルの指定 SC /M=[size][,size] : 確保するキャッシュメモリの指定／変更 SC /G=[size][,size] : 内部バッファサイズ／数の指定 SC /H=rate : キャッシュ頻度の指定 S /S=segment : MACCD の常駐セグメントを指定 SC /J[A|D|F] : キャッシュモードの指定 SC /J[I|M] : MACCD アクセスフォーマット領域の指定 SC /A : CD-ROM 交換後ディレクトリ情報を随時読み込む SC /B : CD-ROM 交換後ディレクトリ情報を一括して読み込む C /D : すべてのディレクトリ情報を読み込む C /I : CDCACHE の状態を表示する SC /ON /OFF : キャッシュを有効／無効にする C /F filename : 指定のファイルをキャッシュロックする C /C : キャッシュを初期化する C /CF [number] : 指定のキャッシュロックファイルデータを初期化する C /W [number] : 環境ファイルを作成／更新する C /WF : キャッシュロックファイルを環境ファイルに出力する C /E : 環境ファイルを処理する C /@ filename : 指定のファイルのコマンドを処理する C /? : ヘルプスイッチ記号は「/」「-」どちらでも構いません。またオプションは大文字／小文字のどちらでも受け付けます。[] で囲まれたものは省略可能です。 5.1.1 /Z[E|N][L|U] (S ) このオプションは組み込みを指定します。コマンドラインにこのオプションが現れた時点で組み込みます。ですからこのオプションの後ろにコントロールオプションを指定することができます。逆に組み込みオプションは /Z オプションの前に指定しなければなりません。サブオプションとして次のようなものがあります。 E : EMS メモリへ組み込みます。 N : メインメモリへ組み込みます。 L : コンベンショナルメモリ[*12]へ組み込みます。 U : UMB へ組み込みます。 E か N、L か U のサブオプションを指定することができます。 U を指定した場合にはできるだけ常駐部分や内部バッファを UMB へ移動させます。この U サブオプションは DOS Ver.5 以降[*13]で有効です。それぞれのサブオプションはすべて省略可能です。なお、すべて省略された場合には /ZEL と同等となります。この /Z オプションは１コマンドラインに１回だけ指定可能です。複数のドライブに対して組み込みたい場合には、ドライブの数だけ実行してください。 -- note ---------------- [*12] アドレス 00000h ～ 9FFFFh の 640KB の領域 [*13] ついでに CONFIG.SYS で DOS=UMB の宣言が必要です。 - 8 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 5.1.2 /R ( C) 組み込み解除を指定します。もちろん既に組み込まれている CDCACHE に対して有効です。割り込みベクタ 2Fh が他のプログラムによって使用されている場合には、組み込み解除できないことがあります。また、Windows の DOS プロンプトでは組み込み解除はできません。 5.1.3 /ST=number (S ) 組み込みスタイルを指定します。この組み込みスタイルとは環境ファイルに記録されている設定状態のうち、どのスタイルを使用するか指定するものです。つまり、事前に環境ファイルに幾つかのスタイルの設定状態を記録しておき、組み込み時に任意のスタイルを指定して、設定状態を切り替えることができます。このオプションが省略された場合には、スタイルナンバー１の設定がデフォルトの設定として用いられます。環境ファイルが存在しない場合は内部のデフォルトの設定が用いられます。ちなみに、各オプションのデフォルト値として記載されているものは、この内部の設定値です。さらに詳しくは「環境ファイルについて」をご覧ください。 5.1.4 /M=[size][,winsize] (SC) キャッシュメモリの指定／変更をします。組み込み前に、つまり /Z オプションより前に指定された場合には、確保するキャッシュメモリを指定します。組み込み時に指定された容量のメモリを XMS メモリから確保します。容量は 2KB 単位で指定します。最小値は 2KB、最大値は 8192KB(8MB) です。同時に Windows 起動時のメモリを指定することができます。これは最初に確保するキャッシュメモリ容量を最大値とします。「,」で区切って指定してください。ちなみにどちらも同じ値に設定されている場合には Windows 起動時のキャッシュメモリ変更は省略され、内容も初期化されません。どちらのパラメータも省略可能です。デフォルトは 1024KB,1024KB となっています。このオプションは常駐サイズに影響します。ただし EMS メモリへ組み込まれた場合には常駐サイズには関係なく、最大キャッシュメモリ容量は 8192KB (8MB) となります。組み込み後にこのオプションが指定された場合には、コントロールオプションとして働きます。キャッシュメモリの容量を変更することができますが、メインメモリへ組み込まれた場合、組み込み時に指定した容量を越える値を指定することはできません。またキャッシュ内容が初期化されます。 1. A>cdcache i: /m=1024,1024 /z 2. A>cdcache i: /m=512,256 1.は 1024KB のキャッシュメモリを確保します。Windows 起動時にはキャッシュメモリの容量は変更しません。 2.は組み込まれている CDCACHE に対して、キャッシュメモリを 512KB に、 Windows 起動時には 256KB に変更するように指定します。 - 9 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 5.1.5 /G=[size][,size] (SC) CDCACHE が内部に確保するバッファの容量を指定／変更します。/Z オプションより前に指定された場合には指定の容量の内部バッファを確保します。以降、この時確保された容量内でのみバッファ要素を変更することができます。組み込まれている CDCACHE に対してこのオプションを実行した場合、内部バッファの編成を指定されたものに変更します。１バッファあたりのサイズ，バッファ数で指定します。サイズは 0KB～64KB の範囲内で 2KB 単位で、数は 0～16 の範囲内で指定することができます。ただし合計 256KB までとなっています。また CDCACHE が EMS メモリへ組み込まれた場合には、サイズは 32KB または 16KB 固定となります。バッファサイズ、バッファ数共に省略することができます。この場合、現在の設定数が用いられます。サイズ、または数で 0 を指定した場合には内部バッファは用いられずにアクセスされます。メインメモリへ組み込んだ場合のデフォルトは 8KB × 2 と設定されています。EMS メモリへ組み込んだ場合は 32KB × 8 (16KB × 16) と設定されています。この内部バッファを設定する際の目安については「その他－ワンポイント」をご覧ください。 5.1.6 /H=rate (SC) このオプションでは実ファイルデータをキャッシュする際の頻度を設定します。CDCACHE では実際のファイルの内容はこのオプションで設定されたキャッシュ頻度に従ってキャッシュされます。0～100 の範囲内で設定可能です。 0 に設定された場合には、実ファイルデータはキャッシュしないことを意味します。また 1 に設定された場合はすべての実ファイルデータをキャッシュします。デフォルトでは 5 になっていて、５回の実ファイルに対するアクセスのうち１回のアクセス結果をキャッシュするようになっています。なお「全データ」キャッシュモードでは、ディレクトリデータもこのキャッシュ頻度の設定に従ってキャッシュされます。 5.1.7 /S=segment (S ) CDCACHE は組み込み時に MSCDEX/MACCD の一部を変更します。そのため組み込み時にメモリをサーチして MSCDEX/MACCD を探します。このため MACCD が UMB に組み込まれていたりすると、このサーチに多少時間がかかります。[*14]このオプションは MACCD の組み込まれているセグメント[*15]を指定することによって、このサーチの時間短縮と確実な組み込みを実現します。なお、この値は16進数で指定してください。 DOS の MEM コマンドなどを使用して調べてみてください。ちなみに MEM コマンドですと /D オプション付きで実行することによって調べることができます。 A>mem /d アッパーメモリの詳細: -- note ---------------- [*14] MSCDEX のサーチは v2.25 より、より早く確実な検出方法に変更されています。このためこのオプションは MSCDEX に対しては無効になりました。 [*15] 「セグメント」がよくわからない方はこのオプションは指定しなくて構いません。 - 10 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書ｾｸﾞﾒﾝﾄ領域合計名前種類 ------- ------ ---------------- ----------- -------- 0D001 1 32,784 (32K) MACCD ﾌﾟﾛｸﾞﾗﾑ ~~~~~ | +--- この値をパラメータとして指定する A>cdcache i: /s=0d001 /z ~~~~~ 5.1.8 /J[A|D|F] (SC) このオプションによってキャッシュモードを指定します。サブオプションとして A/D/F のいずれかを指定します。 A : 全データ D : ディレクトリ F : ディレクトリ＋実ファイルキャッシュモードが変更された時には、すべてのキャッシュデータが初期化されます。 5.1.9 /J[I|M] (SC) このオプションは MACCD を使用時、そして「全データ」キャッシュモードではない場合のみ有効です。ハイブリッド CD-ROM をアクセスする際に、ISO-9660 / Apple_HFS どちらのフォーマット領域をアクセスするかを指定します。セットされている CD-ROM がハイブリッド CD-ROM でない場合には無視されます。また MACCD が /I オプションつきで組み込まれている場合には常に ISO-9660 フォーマット領域がアクセスされます。 5.1.10 /D ( C) CDCACHE は通常、ディレクトリのアクセスが初めて生じた時点で、アクセスされたディレクトリデータをキャッシュします。２回目以降はこのキャッシュされたデータが有効になります。この /D オプションは、これを一括して行ないます。つまり、すべてのディレクトリデータを一度に読み込んでキャッシュします。ですからこのオプション実行後はディレクトリに対して一切アクセスしません。[*16] CD-ROM を交換しないで使用する場合などはこのオプションを実行しておくと効果的だと思います。なお、このオプションはキャッシュモードが「全データ」以外の場合に有効です。 5.1.11 /A /B (SC) このオプションは /D オプションを自動的に実行するかどうかを指定します。 /B : 最初のアクセス時にディレクトリデータを一括してキャッシュしま -- note ---------------- [*16] もちろん、CD-ROM が交換されたり、/C オプションが実行された場合は別です。 - 11 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書す。このため、最初のアクセスには多少時間がかかります。 /A : ディレクトリのアクセスが生じた時点で随時アクセスされたディレクトリデータをキャッシュします。デフォルトでは /A が指定された状態になっています。なお、このオプションも /D オプションと同様、キャッシュモードが「ディレクトリ＋実ファイル」あるいは「ディレクトリ」のどちらかの場合に有効です。 5.1.12 /I ( C) 組み込まれている CDCACHE の状態を表示します。組み込み時にも同じメッセージが表示されます。このオプションはドライブ名を省略することができます。ドライブ名が省略された場合、すべての CD-ROM ドライブについて情報を表示します。キャッシュモードによっては無効になる項目がありますが、それらは表示されません。 A>cdcache i: /i CD-ROM Cache Driver Version 2.26 [Sep. 13,1995] Copyright (C) KAZU.M ドライブ = I: (CDCACDR1/MSCDEX) 現在のキャッシュ容量 = 1024KB (MAX 8192KB) Windows 動作時のキャッシュ容量 = 1024KB 内部バッファ (EMS) = 32KB x 8 (MAX 32KB x 8) キャッシュメモリ使用率 = 5% ( 51/1024) 最近のヒット率 = 15% キャッシング = 有効キャッシュ頻度 = 1/ 5 キャッシュモード = ディレクトリ＋実ファイル交換後のディレクトリ読み込み = 随時キャッシュロックファイル = 無し ( 2 files) 1 : I:\VFWRT11\DISK1\SETUP.EXE (1/0/0/1/13) 2 : I:\VFWRT11\DISK1\SETUP.INI (1/0/0/1/1) 上記のように表示されますが、それぞれの項目の意味は次のようになっています。ドライブ制御対象のドライブ名です。括弧の中は CD-ROM デバイスドライバ名、及びドライブが MSCDEX/MACCD のどちらによってサポートされているかを表わします。現在のキャッシュ容量キャッシュ容量ですが、/I オプションが実行された時点での容量です。括弧の中は組み込み時に指定した容量で、/M オプションにより変更指定できる最大値となります。EMS メモリへ組み込まれた場合、この括弧の中の数 - 12 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書値は 8192KB 固定となります。 Windows 動作時のキャッシュ容量 Windows 起動時に、表示されているキャッシュ容量に変更されます。内部バッファ /G オプションによって設定されたものです。１バッファあたりのサイズ x バッファ数を示します。括弧の中の数字は確保されている内部バッファ用メモリ容量で、/G オプションでこの容量内で変更することができます。キャッシュメモリ使用率どれだけのキャッシュメモリが現在実際に使われているかを示します。最近のヒット率最近のアクセス時におけるキャッシュヒット率です。キャッシングキャッシュ動作が有効であるかどうかを示します。無効である場合には CDCACHE が組み込まれていない状態とほぼ同一です。キャッシュ頻度 /H オプションによって設定されたキャッシュ頻度です。キャッシュモード /J[A|D|F] オプションによって指定されたキャッシュモードです。このキャッシュモードによっては他の項目の中に表示されないものがあります。 MACCD アクセスフォーマットこの項目は MACCD によって制御されているドライブで表示されます。ハイブリッド CD-ROM をアクセスする時に ISO-9660 / Apple_HFS どちらのフォーマット領域をアクセスするかを示します。/J[I|M] オプションによって設定された状態を表示します。交換後のディレクトリ読み込み CD-ROM が交換されたり、キャッシュが初期化された場合に、ディレクトリデータを一括して読み込むかどうかを示します。これは /A /B オプションの設定状態です。/A を指定した場合は「随時」、/B を指定した場合は「一括」と表示されます。キャッシュロックファイル現在キャッシュロックされているファイル数とファイル名、及びパラメータです。パラメータに関しては「キャッシュロックのパラメータについて」をお読みください。 - 13 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 5.1.13 /ON /OFF (SC) キャッシュの有効／無効を設定します。通常はキャッシュ有効のままで問題ないと思います。無効にした場合には、CDCACHE が組み込まれていない状態とほぼ同等となります。 5.1.14 /F filename[,s,b,s,r] ( C) 指定のファイルをキャッシュロックします。キャッシュロックとは、指定されたファイルを予めキャッシュし、これを破棄不可（ロック）とすることです。ディレクトリデータと扱いが同一になり、キャッシュメモリが一杯になっても破棄されません。頻繁にアクセスするファイルをキャッシュロックしておくと効果的です。ファイルの指定の際には、DOS 準拠のワイルドカード指定が可能です。キャッシュロック処理の際にフルパス名を得ます[*17]が、指定の際にはカレントディレクトリ、またはルートディレクトリからのパスを指定してください。キャッシュロックの際に、パラメータによってファイルの特定の部分だけを指定したり、キャッシュパターンを指定することができます。このパラメータに関しては「キャッシュロックのパラメータについて」をお読みください。ちなみにパラメータが省略された場合にはファイル全体が対象になります。残りキャッシュメモリよりもファイルサイズが大きい場合[*18]には、可能な限り読み込んでキャッシュします。この場合、これ以降新たにキャッシュすることはできません。 A>cdcache i: /f \vfwrt11\disk1\setup.* ドライブ I: の「\VFWRT11\DISK1\SETUP.*」に合致するファイルをキャッシュロックします。このようにパス名の前のドライブ指定は省略できます。カレントディレクトリが「\VFWRT11\DISK1」である場合には下のようにもできます。 A>cdcache i: /f setup.* 5.1.15 /C ( C) すべてのキャッシュデータを初期化します。同時に MSCDEX/MACCD のバッファもクリアします。CDCACHE は CD-ROM の交換を監視しているので、通常は[*19] キャッシュと実際の CD-ROM の不整合は生じません。それでも何らかの理由で、表示されるディレクトリなどがおかしな場合は、このオプションを実行してください。 -- note ---------------- [*17] これが苦労しました。未公開ファンクションが CD-ROM でも素直に使えれば簡単だったのですが。 [*18] CD-ROM ではこの状況が当たり前のように生じます。 [*19] CD-ROM デバイスドライバを直接制御するソフトや、MSCDEX ファンクションを使用する場合でも交換チェックをしていないソフトを併用した場合には不整合が起きる可能性があります。 - 14 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 5.1.16 /CF [number] ( C) 指定のキャッシュロックファイルを初期化します。/I オプションによって表示されるキャッシュロックファイルの番号を指定します。番号が省略された場合にはすべてのキャッシュロックファイルデータを初期化します。複数のファイルを指定することができます。 A>cdcache i: /cf 1 1 番のキャッシュロックファイルを初期化します。 A>cdcache i: /cf 1,3 1,3 番のキャッシュロックファイルを初期化します。 A>cdcache i: /cf 1_3 1～3 番のキャッシュロックファイルを初期化します。複数のファイルを指定する時の「_」はアンダースコアです。[*20] 5.1.17 /W [number] ( C) 現在の設定を指定のスタイルナンバーを付けて環境ファイルに出力します。スタイルナンバーが省略された場合には、組み込みの時に参照されたスタイルナンバー[*21]が用いられます。このスタイルナンバーを組み込み時に指定することによって初期設定状態を指定することができます。環境ファイルは CDCACHE が実行されたディレクトリから探します。見つかった場合にはそのファイルに設定状態を出力します。見つからなかった場合には「CDCACHE.INI」というファイル名で作成します。この環境ファイルは DOS / Windows 共通です。この環境ファイルは組み込み時に参照されます。なお、内容の詳細については「環境ファイルについて」をご覧ください。 5.1.18 /WF ( C) 現在のキャッシュロック状態を環境ファイルに出力します。出力するディレクトリや、環境ファイルが見つからなかった場合の扱いは /W オプションと同じです。キャッシュロックファイルに関する情報は /W オプションで出力される他の設定とは別扱いになっています。詳細については「環境ファイルについて」をご覧ください。 5.1.19 /E ( C) 環境ファイルのキャッシュロックに関する部分を処理します。つまり /WF オプションで出力された情報を読み込み、この情報にしたがってファイルをキャッシュロックします。詳細は「環境ファイルについて」をご覧ください。 -- note ---------------- [*20] 「-」をオプションスイッチとして処理してしまうものですから... [*21] これも省略された場合にはスタイルナンバーは１になります。 - 15 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 5.1.20 /@ filename (SC) コマンドを記述したレスポンスファイルを指定して実行します。指定するファイルは予めエディタなどで編集しておいてください。/@ 以外のオプションを記述することができます。数行にまたがっても構いません。 J: /M=1024,512 /C /D /I 上のようなファイルを作っておいて /@ オプションで指定するとJ:ドライブに対して /M /C /D /I の各オプションが実行されます。 5.1.21 /? 簡単なオプションの説明を表示します。このオプションはドライブ名の指定は必要ありません。 5.2 その他 5.2.1 キャッシュメモリの切り詰め組み込まれている CDCACHE に対してキャッシュメモリの切り詰めを指示することができます。これは /M オプションのパラメータとして 0 を指定してください。 A>cdcache i: /m=0 現在使用されているキャッシュメモリを確保したまま、残りを解放します。ただし、Windows の DOS プロンプトでは実行できません。 5.2.2 キャッシュメモリの確保についてメモリマネージャによっては、組み込み時に 16KB 単位でキャッシュメモリを指定しないと正常に確保してくれないものがあります。余裕があるのにメモリが確保できなかった場合は、この点を試してみてください。 5.2.3 常駐サイズについてこの項は EMS メモリへ組み込まれた場合には関係ありません。メインメモリへ組み込まれた場合に影響します。組み込みの際にはプログラム本体の他に様々なワークエリアが確保されますが、/M /G の３つのオプションは常駐サイズに影響を与えます。特に内部バッファはメモリ（しかも大抵の場合メインメモリ）を消費しますので、それぞれの兼ね合いを考慮して設定してください。それぞれを設定する目安として「その他－ワンポイント」もご覧ください。 - 16 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 5.2.4 EMS 組み込みとメインメモリ組み込みの相違メインメモリへ組み込まれた場合と、EMS メモリへ組み込まれた場合には常駐サイズのほかに幾つかの相違があります。まず、最大キャッシュメモリは 8192KB (8MB) 固定となります。さらに、内部バッファサイズは 32KB または 16KB 固定となります。 +--------------------------------------------------------------+ | | メインメモリへ | EMS メモリへ | |------------------------+------------------+------------------| |最大キャッシュメモリ | 1024KB（可変） | 8192KB（固定） | |------------------------+------------------+------------------| |内部バッファ | 8KB × 2 | 16KB/32KB × 16/8| +--------------------------------------------------------------+ 複数のドライブに対して組み込んだ場合でも EMS メモリを使用すれば、ドライバ本体部分を共有するので、いくらかはメモリの節約になります。 6. Windows 用コントローラについて Windows から CDCACHE を制御するコントローラについて説明します。なお、ここでは一通り簡単に説明しますので、さらに詳しい操作方法などは「CDCWIN. HLP」をご覧ください。 6.1 起動方法プログラムマネージャなどに登録してそこから、あるいはファイルマネージャなどからファイルを指定して起動してください。ファイル名は「CDCWIN.EXE」です。オプションはありません。 CDCACHE が事前に組み込まれていない場合には起動することができません。起動すると設定情報などが表示されたメインウィンドウが開きます。 6.2 操作方法 6.2.1 メインウィンドウメインウィンドウには常時 CDCACHE の状態が表示されています。内容は /I によって表示される情報とほぼ同一です。このメインウィンドウからメニュー、またはボタンを選択することによって以下の操作ができます。 (1) 内部バッファ、キャッシングなどの設定 (2) キャッシュロックファイルの操作 (3) キャッシュメモリの初期化 (4) ディレクトリデータの一括読み込み (5) ヘルプの表示 - 17 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 6.2.2 設定「CDCACHE 設定」のダイアログボックスでは内部バッファやキャッシュ頻度などの設定ができます。またこの設定を環境ファイルに保存することもできます。各ラジオボタンの選択、またはエディットボックスへの入力によって設定してください。[OK] ボタン、または [保存] ボタンを押した時点で設定されます。 [保存] によって現在の設定を環境ファイルに出力します。環境ファイルは DOS / Windows 共通で「CDCACHE.INI」です。 6.2.3 キャッシュロックファイル「キャッシュロックファイル」ダイアログボックスではキャッシュロックに関する操作が行なえます。リストボックスには現在キャッシュロックされているファイル名が表示されます。このファイル名をダブルクリックするとキャッシュロックファイル情報が表示されます。 [追加]を選択するとさらにファイル指定のダイアログボックスが開きます。ここでファイルを指定したり、パラメータを設定します。ちなみに、ファイルマネージャなどからのドラッグ＆ドロップによってもキャッシュロックは可能です。 [削除]はリストボックスで選択されているキャッシュロックファイルを削除します。すべてのキャッシュロックファイルを削除する時には、メインウィンドウより[初期化]を選択すると、より簡単に実現できます。 [保存]は DOS コントローラの /WF オプションと同じ働きをしますが、キャッシュロックファイルに関する情報を環境ファイルに記録します。 [読み込み]では環境ファイルに保存されているキャッシュロックファイル情報に従ってキャッシュロックを実行します。 6.2.4 初期化キャッシュメモリ全体、あるいはキャッシュロックファイルデータのみのどちらかを初期化します。 6.2.5 ディレクトリデータの一括読み込みまだキャッシュされていないディレクトリデータを読み込んでキャッシュします。/D オプションと同じ動作をします。これは「全データ」キャッシュモードでは実行できません。 6.2.6 ヘルプの表示「CDCWIN.HLP」を表示します。このファイルにさらに詳細な操作方法などを記述してありますので、CDCWIN.EXE を使用する場合にはこちらもご覧ください。 6.3 Windows 用コントローラの制限 Windows 用コントローラではキャッシュメモリの変更はできません。これは DOS 用コントローラの /M オプションに相当します。 - 18 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 6.4 その他 CTL3D.DLL / CTL3DV2.DLL に対応しています。これらのファイルが Windows ディレクトリにある時には表示が 3D 化されます。 7. CDCACHE Accelerator について CDCACHE Accelerator は指定されたファイルを解析し、自動的に CDCACHE の設定を調整する Windwos 用のアクセサリです。 CDCACHE のバッファ／キャッシュ頻度などを調整するとファイルアクセス速度がかなり変わりますが、手作業で行なっていたのでは大変なので、これを自動で行う機能を持たせたのが、CDCACHE Accelerator です。主に VFW の再生能力の向上を目的としていますが、他のどんなファイルでも、高速にアクセスすることができるようにCDCACHE を設定することができます。 7.1 使用方法ファイルマネージャ等から起動してください。アクセスを高速化したいファイルを指定して、[OK] ボタンを押すと、ファイルの解析、バッファ／キャッシュ頻度の設定、可能ならキャッシュロックなどの処理を行います。ドラッグ＆ドロップにも対応しているので、ファイルマネージャ等からファイルをドロップするだけで、簡単に実行できます。指定のファイルへのアクセス中は CDCACHE Acclerator は終了させないでください。終了させると CDCACHE の設定は元の状態に戻されてしまいます。 8. 環境ファイルについて環境ファイルは CDCACHE.EXE または CDCWIN.EXE が起動されたディレクトリに作成されます。DOS / Windows 共通[*22]なのでこれらのファイルは同じディレクトリに配置してください。このファイルには設定状態や、キャッシュロックファイルに関する情報を記録しておくことができます。ファイル名は「CDCACHE.INI」となります。 8.1 内容の詳細環境ファイルは CDCACHE の初期設定やキャッシュロックファイルに関する情報が記録されています。各セクション／エントリの意味は次のようになっています。 [CDCACHE] 環境ファイル自身についての情報が記録されているセクションです。 Setting= [Setting??] セクションがいくつあるかを示します。 -- note ---------------- [*22] Windows には関数が用意されていますが、DOS ときたら...この部分はアセンブラで組むんじゃなかったかなぁ - 19 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 CacheLock= [CacheLock??] セクションがいくつあるかを示します。 [Setting??] 初期設定に関するセクションです。１スタイル１セクションとなります。 Style= スタイルナンバーです。各設定はこのスタイルナンバーによって識別されます。/W [number] オプション、あるいは /ST=number オプションで指定します。 InstallMode= 組み込み状態です。「Nomal」の場合はメインメモリへの組み込みを、「EMS」の場合には EMS メモリへの組み込みを意味します。また「,UMB」キーワードを続けることによってUMB への組み込みを指示します。/Z[E|N][L|U] オプションに相当します。 CacheMemorySize= 組み込み時に確保されるキャッシュメモリ容量です。2KB 単位で設定することができます。 /M=[size][,winsize] オプションの第一パラメータに相当します。 WindowsCacheMemorySize= Windows 起動時にキャッシュメモリはこのサイズに変更されます。/M=[size][,winsize] オプションの第二パラメータに相当します。 AllocateCacheMemory= キャッシュメモリの確保方法です。「Upper」である場合にはなるべく上位メモリから、「Low」の場合には通常の方法で確保されます。/U /L オプションに相当します。 MSCDEXSegment= MACCD が常駐しているセグメントです。これが指定されていないと組み込みに多少時間がかかる場合があります。/S=segment オプションに相当します。 Caching= キャッシング動作です。「On」または「Off」となります。 /ON /OFF オプションに相当します。 AllDirectoryCaching= ディレクトリキャッシュの方法を指定します。「Yes」の場合には一括キャッシュを、「No」の場合には随時キャッシュを意味します。/B /A オプションに相当します。 BufferSize= １バッファあたりのサイズです。0KB ～ 64KB の範囲で 2KB 単位で指定できます。 /G=[size][,size] オプションの第一パラメータに相当します。 Buffers= 内部バッファの数です。0～16 で指定できます。内部バッファとして確保されるメモリ容量はこの数とバッファサイズとの乗数になります。/G=[size][,size] オプションの第二パラメータに相当します。 - 20 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 CacheRate= キャッシュ頻度です。これが 0 の場合は実ファイルデータはキャッシュしないことを意味します。/H=rate オプションに相当します。 CacheMode= キャッシュモードを意味します。/J[A|D|F] オプションに相当します。 All : 「全データ」 Directory : 「ディレクトリのみ」 File : 「ディレクトリ＋実ファイル」 [CacheLock??] 個々の CD-ROM のキャッシュロックに関する情報があるセクションです。 VolumeLabel= CD-ROM のボリュームラベルです。自動キャッシュロックの際、CD-ROM はこのボリュームラベルによって判別されます。ただし、中にはボリュームラベルを持たない（厳密には全文字スペース）ものもありますが、こうしたもの同士は判別できません。 CachingFile??= キャッシュロックするファイル名です。このエントリで記録されているファイルは /E オプションによって参照されます。/F filename オプションに相当します。 [CDCWIN] CDCWIN.EXE 用の情報が記録されたセクションです。 DropCLFParam= ドラッグ＆ドロップのよるキャッシュロックの際にパラメータを設定するかどうかを指定します。「Yes」の場合は各ファイルに対してパラメータを設定することを意味します。 [Setting??] [CacheLock??] CachingFile??= の ?? は二桁の数字です。環境ファイルは普通のテキストファイルなのでエディタなどで編集していただいて構いません。ただし、?? の数字は重複してはいけません。また連続してもいなければなりません。通常は /W /WF などのオプションによって自動的に作成しておいて、これらのセクション名以外の部分を編集するのが無難です。行頭に「;」を付けることによって、その行をコメント行とすることができます。 8.2 環境ファイルの処理について環境ファイルの [Setting??] セクションは組み込み時に処理されます。指定のスタイルナンバーの設定を環境ファイルから得て、初期設定とします。スタイルナンバーが指定されなかった場合には、スタイルナンバー１の設定が用いられます。一時的に設定を変更して組み込みたい場合には、スタイルナンバーを指定して、初期設定を行った後に通常の方法でオプションを指定することができます。 - 21 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 A>cdcache i: /st=2 /m=512 /z ~~~~~ ~~~~~~ | | | +- ここで設定を変更することが可能 | +-------- この時点で環境ファイルのスタイルナンバー２の設定が初期設定とされる [CacheLock??] セクションは DOS 用コントローラでは /E オプション、 Windows 用コントローラでは「キャッシュロックファイル」の [読み込み] によって処理されます。セットされている CD-ROM のボリュームラベルを調べ、VolumeLabel= エントリに記録されているボリュームラベルと一致した場合、続く CachingFile??= エントリに記録されているファイルをキャッシュロックします。 8.3 環境ファイルの作成／変更 DOS / Windows どちらのコントローラでも環境ファイルを作成／変更することができます。この場合にはコントローラが起動されたディレクトリに作成されます。 DOS コマンドラインからは /W [number] または /WF オプションで実行します。/W [number] オプションでは [Setting??] セクションが扱われます。既に同じスタイルナンバーで存在する時には各エントリが変更されます。スタイルナンバーが省略された場合には、組み込み時に参照したスタイルナンバーが用いられます。 /WF オプションでは [CacheLock??] セクションが扱われます。現在セットされている CD-ROM のボリュームラベルと、キャッシュロックされているファイル名、及びパラメータが出力されます。/WF オプションでは、同じボリュームラベル名が存在した場合、そのセクション全体が更新され、以前のキャッシュロックファイル情報は残されません。なお、/W /WF どちらのオプションでも拡張子を「ORG」に変更して以前の設定ファイルを保存します。既に「CDCACHE.ORG」ファイルが存在する場合には削除されますので、ご注意ください。 Windows コントローラでは「設定」の[保存]を選択します。DOS コントローラの /W オプションに相当する処理が、つまり [Setting??] セクションの作成／変更が行なわれます。キャッシュロックファイル情報の記録は「キャッシュロックファイル」の[保存]によって実行します。DOS コントローラの /WF オプションに相当する処理が行われます。 - 22 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 8.4 実際の環境ファイル例 ; ; コメントです ; [Setting00] Style=1 ; スタイル番号 InstallMode=Nomal ; メインメモリへ CacheMemorySize=1024 ; キャッシュメモリ容量 WindowsCacheMemorySize=1024 ; Windows 起動時のキャッシュメモリ容量 BufferSize=8 ; バッファサイズ Buffers=2 ; バッファ数 AllocateCacheMemory=Low ; キャッシュメモリ確保方法 MSCDEXSegment=D000 ; MSCDEX/MACCD の常駐セグメント Caching=On ; キャッシング CacheRate=5 ; キャッシュ頻度 AllDirectoryCaching=Off ; ディレクトリキャッシュの方法 CacheMode=File ; キャッシュモード [Setting01] Style=2 InstallMode=EMS,UMB CacheMemorySize=1024 WindowsCacheMemorySize=512 BufferSize=16 Buffers=16 AllocateCacheMemory=Upper MSCDEXSegment=D000 Caching=On CacheRate=0 AllDirectoryCaching=Off CacheMode=Directory [CacheLock00] ; キャッシュロックファイル情報 VolumeLabel=VFWRT11 CachingFile00=\VFWRT11\DISK1\SETUP.EXE,1,0,0,1 CachingFile01=\VFWRT11\DISK1\SETUP.INI,1,0,0,1 [CDCACHE] Setting=2 CacheLock=1 [CDCWIN] ; CDCWIN.EXE に関する情報 DropCLFParam=Yes - 23 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 9. キャッシュロックのパラメータについてキャッシュロックの際にパラメータを指定することによってファイルの特定の部分だけをキャッシュロックしたり、キャッシュパターンを指定したりすることができます。 9.1 パラメータの指定方法 Windows 用コントローラでは「キャッシュロックファイルの指定」ダイアログで、あるいは「キャッシュパラメータ指定」ダイアログでパラメータを入力します。 DOS 用コントローラでは /F オプションのファイル名に続けて指定します。 A>cdcache i: /f ファイル名,[先頭セクタ],[最終セクタ],[スキップセクタ数],[読み込みセクタ数] 各パラメータはすべて、あるいはそれぞれを省略することができます。省略時にはデフォルト値が用いられます。 9.2 パラメータの意味各パラメータの意味は次のようになっています。なお、すべてセクタ単位での指定となりますが、CD-ROM の１セクタは 2048(2K) バイトです。[*23] Apple_HFS では 512 バイト／セクタですが、CDCACHE では 2048 バイト／セクタとして扱います。先頭セクタ指定のファイルの何セクタ目からキャッシュロックするか指定します。デフォルトでは 1、つまり先頭セクタからとなっています。最終セクタ先頭セクタからどこまでキャッシュロックするかを意味します。0 を指定するとファイルの最後までを意味します。デフォルトでは 0 になっています。スキップセクタ数このパラメータと次の「読み込みセクタ数」でキャッシュパターンを指定します。読み込みセクタ数このパラメータと「スキップセクタ数」でキャッシュパターンを指定します。スキップセクタ数、及び読み込みセクタ数の両パラメータによって次のように動作します。 (1) 指定された読み込みセクタ数だけキャッシュする (2) 指定されたセクタ数だけファイルをキャッシュしないでスキップする (3) 以降、(1) (2) の繰り返し -- note ---------------- [*23] 厳密には多少違うのですが、大抵の場合 MSCDEX は 2048 バイト／セクタでアクセスしているのでこのような扱いにしてあります。 - 24 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書スキップセクタ数、および読み込みセクタ数のデフォルト値はそれぞれ 0、1 です。これはすべてのデータをキャッシュロックすることを意味します。 /I オプションで表示されるパラメータは左から、先頭セクタ、最終セクタ、スキップセクタ数、読み込みセクタ数、そして実際にキャッシュされたセクタ数となっています。 9.3 具体例 (1) A>cdcache i: /f filename,1,10,3,2 (1)の場合は指定のファイルの第１セクタから第10セクタまでキャッシュロックされますが、その間の一部のデータはスキップされます。第１，２セクタ 4096(4K) バイト : キャッシュ第３～５セクタ 6144(6K) バイト : 読み飛ばし第６，７セクタ 4096(4K) バイト : キャッシュ第８～１０セクタ 6144(6K) バイト : 読み飛ばし合計４セクタ 8192(8K)バイトがキャッシュロックされます。 (2) A>cdcache i: /f filename,10,20,5,7 (2)の場合は指定のファイルの第10セクタから第29セクタまでキャッシュロックされますが、その間の一部のデータはスキップされます。第10～16セクタ 14336(14K) バイト : キャッシュ第17～21セクタ 10240(10K) バイト : 読み飛ばし第22～28セクタ 14336(14K) バイト : キャッシュ第29 セクタ 2048( 2K) バイト : 読み飛ばし合計14セクタ 28672(28K)バイトがキャッシュロックされます。 10. エラーメッセージについて DOS 用コントローラで表示されるエラーメッセージや対策について簡単に説明します。・/@ オプションのネストはできませんレスポンスファイル中に /@ オプションを記述することはできません。・i386 以降のシステムで使用してください CDCACHE は 386 命令を使用しています。i386 相当以降の CPU を搭載したマシンでなければ動作させることができません。・MSCDEX/MACCD が組み込まれていません CDCACHE を組み込む前に MSCDEX/MACCD を組み込んでください。・MSCDEX/MACCD を変更することができませんでした既に SMARTDRV が組み込まれていないか確認してください。/u オプションを指定しないで SMARTDRV を組み込んだ場合、CDCACHE は MSCDEX を変更することができません。 - 25 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書また、環境ファイルの MSCDEXSegment= エントリ、あるいは /S=Segment オプションによって指定したセグメント値が間違っていないか確認してください。・Windows 動作中には実行できません Windows の DOS プロンプトでは /Z /R /M の各オプションは実行できません。・新たな環境ファイルを作成できませんでした CDCACHE を起動したドライブが書き込み禁止のメディアである可能性があります。あるいは空き容量を確かめてください。・異常終了しましたキャッシュロックの処理中、あるいはディレクトリデータの一括キャッシュ処理中に何等かの原因で処理が中断しました。念のため、キャッシュを初期化してください。・拡張メモリを確保できませんでした XMS メモリをキャッシュメモリとして確保できませんでした。指定された容量の連続メモリが空いているか確認してください。・環境ファイルが見つかりません CDCACHE.EXE があるディレクトリに環境ファイル CDCACHE.INI がありません。・キャッシュメモリに余裕がありませんキャッシュメモリがディレクトリデータ、あるいはキャッシュロックファイルのデータにより使用されているため、新たにキャッシュロックすることができません。必要のないキャッシュロックファイルを初期化してください。・キャッシング無効のためファイルのキャッシュロックはできませんキャッシング有効の状態 (/ON) で実行してください。・キーワードが正しくありません「CD-ROM Cache Driver v2.26」というキーワードを大文字、小文字を区別して入力してください。・組み込まれていません指定のドライブに対して CDCACHE が組み込まれていません。・組み込みに必要なメモリを確保できませんでした CDCACHE は組み込み時に約 50KB のメモリが必要です。組み込み後は約 26KB（EMS メモリへ組み込んだ場合は 4.4KB）となります。・現設定ではディレクトリデータのみのキャッシュはできません「全データ」キャッシュモードではディレクトリデータを優先してキャッシュすることはできません。・現時点では組み込み解除できません /Z オプション実行直後（組み込み直後）に、同一コマンドライン上で /R オプションを実行することはできません。・このオプションは MACCD 使用時のみ有効です /J[I|M] オプションは MACCD によってサポートされているドライブに対してのみ有効です。MSCDEX でサポートされているドライブに対して指 - 26 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書定することはできません。・指定のキャッシュ頻度には変更できませんキャッシュ頻度は 0～100 の範囲で設定可能です。・指定のキャッシュロックファイル番号は無効です指定されたキャッシュロックファイル番号が /I オプションで表示される番号ではありません。連続して初期化する場合には注意してください。・指定のドライブは無効です指定されたドライブが CD-ROM ドライブではありません。または CDCACHE がキャッシュ制御している CD-ROM ドライブではありません。・指定のバッファサイズ／バッファ数には設定できません内部バッファサイズ／バッファ数は組み込み時に確保した内部バッファ容量より大きな値を設定することはできません。EMS メモリへ組み込んだ場合には内部バッファサイズは 16KB/32KB 固定となります。・指定のファイルが見つかりません指定されたファイルが指定の CD-ROM に存在するかどうか、パスは間違っていないか確認してください。・指定のメモリ容量には変更できません組み込み時に指定したキャッシュメモリ容量以上のメモリをキャッシュメモリとして指定することはできません。・既に組み込まれています指定のドライブに対して CDCACHE が既に組み込まれています。２重に組み込むことはできません。・既に読み込まれています指定のファイルは既にキャッシュロックされています。・全データキャッシュモードでは無効です「全データ」キャッシュモードでは /J[I|M] オプションを実行することはできません。・ドライブが指定されていません制御対象の CD-ROM ドライブを指定してください。ただし、/I /? オプションではドライブを指定する必要はありません。・ファイル指定に誤りがありますキャッシュロックファイルを指定する際に制御対象とは異なるドライブが指定されています。指定パスではドライブ名は省略することができます。・割り込みベクタ 2Fh が他のプログラムによって使用されています割り込みベクタ 2Fh が他のプログラムによって使用されているため、 CDCACHE の組み込み解除ができません。CDCACHE を連続して組み込んだ場合には、組み込み解除する順番に注意してください。 - 27 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 11. その他 11.1 ワンポイント続く項で、内部バッファサイズを設定する時の目安などについて簡単に説明します。興味のある項目だけ目を通していただくだけで構いません。 11.1.1 内部バッファについて通常のアクセスに関しては内部バッファの設定がアクセス速度に大きな影響を与えます。 CDCACHE は読み込みデータをどれだけ読み込むのが効率的か、どこに読み込むのが効率的か、などを判断して読み込みます。この判断には内部バッファサイズ、及び内部バッファ数が影響を及ぼします。この内部バッファは先読みバッファとして機能すると同時に、CD-ROM ドライブのヘッド移動をなるべく抑えるように働きます。先読みバッファとしての機能を発揮させるにはある程度のバッファサイズを、ヘッドの移動を抑えて速度を改善するにはバッファの数を増やします。[*24] とはいえ、メインメモリへ組み込まれた場合、内部バッファは大抵の場合コンベンショナルメモリに確保されるため、メモリをかなり消費します。この事を念頭において以下続きをお読みください。まず、幾つかのファイルを同時にアクセスするような時やサイズの小さなファイルをランダムにアクセスする時には、内部バッファの数を増やすと速度の改善が期待できます。次にサイズの大きなファイルをアクセスする場合ですが、ランダムなアクセスの場合はバッファ数を増やしたほうがやはり効果があります。しかしシーケンシャルなアクセスではバッファサイズをある程度大きく設定したほうが効果的です。Windows で画像ファイルや動画ファイルをアクセスする時にはバッファサイズを増やすことをお勧めします。特に VFW で動画ファイルを再生するときには、バッファサイズを大きめに設定し、なおかつキャッシュ頻度を 0 に設定すると再生能力が向上します。[*25] 簡単ではありますが、以上のようなことを目安に設定してみてください。大抵の場合は内部バッファの効果によって若干ながら速度が改善されます。ただし例外はある[*26]ものでして、データを逆に後ろから読み込む場合にはほとんど効果ありません。BMP ファイルなどはデータの順序が下から上へとなっているので、これを上方から表示するソフトの中にはデータの後ろの方から読み込むものがあります。このような場合にはさほど速くはなりません。いずれにしても使用環境は人それぞれですから、最適な設定状態を得るには何 -- note ---------------- [*24] あるいはキャッシュ頻度を高めに設定すると、ほぼ等価の効果が得られます。 [*25] さらに動画ファイルをキャッシュロックしてしまうのも一つの手です。この時、スキップセクタ数とバッファサイズを同じにするのがポイントです。（バッファサイズが 32KB ならスキップセクタ数は 16 とする）これを自動的に行うのが CDCACHE Accelerator です。 [*26] そうです、得意な部分があれば、不得意な部分があるのは CDCACHE も例外ではありません。（あれ？） [*27] CDCACHE Accelerator を使用するとファイルの指定だけで簡単にほぼ最適な設定状態にすることができます。 - 28 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書回か試行錯誤していただくことになると思います。こうしたことが面倒な場合は初期設定のままお使いください。[*27] CDCACHE はキャッシュメモリ、内部バッファ状態などを総合的に判断して一番高速と考えられる手段で読み込みますから、初期設定のままでもオーバーヘッドによる速度低下はほとんどないと思います。なお、バッファサイズを 2KB と指定した場合には、CD-ROM の１セクタ＝ 2KB の関係上内部バッファが使われずにアクセスされるため、意味がありませんのでご注意ください。 11.1.2 キャッシュ頻度について先に書いたように大容量な CD-ROM のデータをいちいちキャッシュしていたのではすぐにメモリ一杯になってしまいます。これはキャッシュヒット率が低下するばかりか、読み込み速度の低下にもつながります。そこで CDCACHE は実際のファイル内容のキャッシュの際には設定されたキャッシュ頻度にしたがって動作します。キャッシュ頻度設定の目安としては、サイズの小さなファイルをアクセスする場合には小さめの数値を指定すると効果があるようです。逆にサイズの大きなファイルをまんべんなくキャッシュしたい場合には、大きめの数値を指定するとよいでしょう。ただし、いずれにしても複数回同じファイルをアクセスするのでなければ意味がないのは言うまでもありません。「内部バッファについて」の項でも触れましたが、VFW 再生時には 0 に設定すると一般に再生能力が向上するようです。 11.1.3 キャッシュモードについて CDCACHE では３通りの方法で CD-ROM をキャッシュすることができますが、「ディレクトリ＋実ファイル」「ディレクトリ」の二つのキャッシュモードはディレクトリ部分のキャッシュ動作が ISO-9660 または Apple_HFS のディレクトリ構造に依存しています。このため、ディレクトリのキャッシュを高速に、そして優先して行うことが可能な反面、ISO-9660 あるいは Apple_HFS に準拠していない CD-ROM に対してはキャッシュが効きません。このような場合には、「全データ」キャッシュモードにして使用してください。また、キャッシュメモリを最低限に抑えたい場合には、「ディレクトリ」キャッシュモードにして、/D オプションによりディレクトリデータをすべてキャッシュします。その後、/M=0 オプションによってキャッシュメモリを切り詰めることができます。ただし、この場合 CD-ROM が交換されないことが条件となります。 11.1.4 MSCDEX の /M オプションとの兼合いについて CDCACHE は通常、ディレクトリなどの基本的なデータを最優先でキャッシュするのが特徴となっています。このため MSCDEX の /M オプションによって数多くのバッファを確保する必要はありません。 11.2 使用上の注意など 11.2.1 リードエラーについて CDCACHE はリードエラーが生じた場合には、リトライの関係で組み込まれていない状態と比較して多少処理時間がかかります。ただし、再度同じ箇所を読み込む際には CDCACHE では一切処理しないようにしています。このため、最初の１回 - 29 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書は時間がかかっても２回目以降は通常の時間で処理できます。また、CDCACHE は未記録部分はアクセスしないように処理しますので、PHOTO CD なども内部バッファサイズに関係なくアクセスすることができます。 11.2.2 他の CD-ROM ドライブ操作ソフトとの併用 CDCACHE は MSCDEX/MACCD を通してアクセスされる場合のみ有効です。したがって独自の方法で直接 CD-ROM ドライブを操作するソフトとの併用時には注意が必要です。実際の CD-ROM とキャッシュの間に不整合が生じる可能性があります。このような場合には、必要に応じてキャッシュを初期化 (/C) していただくか、キャッシュ OFF で使用してください。CDCACHE はキャッシュの初期化時には MSCDEX/MACCD のバッファも初期化して、不整合を防ぎます。 MSCDEX のファンクションにより CD-ROM をアクセスする場合でも、CD-ROM の交換チェックを厳密には行なっていないソフトもあるようです。この場合にも不整合が生じる可能性があります。この時もキャッシュを初期化、あるいはキャッシュ OFF で使用してください。なお、MSCDEX ファンクションにより CD-ROM デバイスドライバのアドレスを得て、直接デバイスドライバを呼び出す時には注意が必要です。CDCACHE が組み込まれている場合、このアドレスが正確でない可能性があります。それでも、まず支障は生じないはずです。自分でプログラムされるなどで、この事についての情報が必要な方は直接作者宛メールにてお問い合わせください。 11.2.3 CD-ROM ドライブとの相性 CDCACHE は基本的には MSCDEX/MACCD を通してアクセスされる CD-ROM ドライブなら機種を選びません。しかし、CD-ROM ドライブ、あるいはそのデバイスドライバによっては[*28]キャッシュによって無駄なアクセスが減る結果、動作に異常を来す場合もあるようです。実際、キャッシュの効果で特定の CD-ROM のディレクトリデータが正常に読めなかったことがありました。[*29]これはすべての CD-ROM で起きるというものでもなく、特定の読み込みパターンで起きることもあるようです。もし、特定の CD-ROM でいつも異常が起きるようでしたら、キャッシュを OFF にして使用してください。また、バッファサイズを 64KB にすると動作に異常を来す場合があるようです。[*30]このような場合にはバッファサイズを変更して使用してください。 11.2.4 SMARTDRV との併用 CD-ROM 対応の SMARTDRV と併用する場合[*31]には、SMARTDRV を組み込む際に /U オプションを指定してCD-ROM キャッシュのモジュールを組み込まないようにしてください。２重に組み込んでしまった場合、メモリを消費するのはもち -- note ---------------- [*28] 同一の CD-ROM ドライブでもデバイスドライバを変えたら直ったという例もあります。 [*29] デバイスドライバは正常に読めたと結果を返してきたが、タイミングが狂ったのか違う箇所のデータを返してきました。これは後に作者が所持している CD-ROM ドライブそのもの (MELCO CDS-E) に問題があることが判明しました。CDCACHE ではそのための対策を施してあります。 [*30] 作者のところでは 64KB × 1 の内部バッファを確保して使用中、リードエラー時にハングアップしてしまいました。エラー時以外は同バッファサイズで正常にアクセスできました。 - 30 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書ろん、動作速度が低下します。[*32] 11.3 ファイル改変チェックについて CDCACHE.EXE は実行時に自分自身をチェックしています。簡単なコンピューターウイルスの防止のためです。[*33]そのため不用意にタイムスタンプを変更しないように注意してください。また、ファイル圧縮プログラムで圧縮することも避けてください。 12. 使用・転載条件など 12.1 シェアウェア CDCACHE はシェアウェアです。プログラム的に試用期間などは設けてありませんが、とりあえず試用期間は２週間とさせていただきます。これ以上継続して使用してくださる場合には送金をお願い致します。送金を確認しましたら、メールでキーワード入力の解除方法をお知らせします。 12.2 送金方法送金は NIFTY-Serve のシェアウェア送金代行サービスをご利用ください。シェアウェア番号： 1134 名称： CD-ROM Cache Driver 金額： 1,000 円もし、シェアウェア送金代行サービスがご利用できない場合には下記銀行口座への振り込みでも構いません。第一勧業銀行松本支店普通預金口座番号： 1505360 牧内一浩なお、こちらに振り込まれた場合には、お手数ですが別途作者までメールにてお知らせくださるようにお願い致します。送金を確認次第、キーワード入力の解除方法をメールにてお知らせします。現時点では NIFTY-Serve または PC-VAN を介しての方法以外の連絡の手段は準備していません。予めご了承ください。なお、送金して（あるいはメールで送金の旨連絡して）から１週間以上作者から連絡がない場合には、メールで催促してやってください。 -- note ---------------- [*31] わざわざこんなことをする人はいませんか。 [*32] それでも一応正常にアクセスできました。って実際に試した私(^^; [*33] これで完全にチェックできるほど最近のウイルスは甘くないようです。皆さんもウイルスにはご注意を。 - 31 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 12.3 サポート CDCACHE のサポートは下記会議室、または作者宛のメールで受け付けます。 NIFTY-Serve FGALTL ８番会議室メール宛て先 : NIFTY-Serve QZD03474 PC-VAN FRN64280 質問、要望、不具合報告等をお寄せください。[*34] 要望や不具合に関しては作者の力の及ぶ範囲内で、できる限り対応させていただきたいと思います。ことに不具合に関しては極力なくしたいと考えていますので、皆様のご協力とご指導をお願い致します。また、バージョンアップ等によるライブラリへの登録のおりにはメール、あるいは会議室にてお知らせしたいと思います。なお、ある程度修正・改良がまとまった時点でライブラリへは登録させていただき、それまでは修正差分などによるアップデートをお願いしたいと考えています。お手数をおかけしますが、あらかじめご理解いただきますよう、お願い致します。 12.4 転載について CDCACHE は事前連絡無しの転載は禁止させていただきます。転載を希望される方はお手数ですが、作者まで連絡をお願いします。 12.5 CDCACHE Light について CDCACHE からディレクトリのキャッシュ機能だけを取り出し、徹底的に高速化と軽量化を施したのが「CD-ROM Cache Driver Light」です。CDCACHE ユーザーの方はこちらもご利用いただけます。NIFTY-Serve FGALTL LIB 11 に登録してあります。 13. 謝辞 MACCD への対応化にあたり、作者の清水敏夫氏には大変お世話になりました。有用な情報を頂いたり、チェックを引き受けて頂き感謝致します。この場を借りてお礼申し上げます。また、ユーザーの皆さんのご報告により、いくつもの不具合を修正することができました。特に手元のマシンで再現できなかった場合などには、何度もテストをお願いしたりして大変お世話になりました。ありがとうございました。 -- note ---------------- [*34] もちろん、叱咤激励でも構いません。 - 32 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 14. 最後に作者は CD-ROM 対応の SMARTDRV を持っていなかった[*35]ので、CD-ROM アクセス、特にファイルマネージャ等によるディレクトリのツリー表示の遅さに我慢できずにこの様なものを作成しました。当初はディレクトリだけキャッシュするものだったのですが、ハードディスクと比較するとかなり遅い CD-ROM アクセスを全体的に何とか高速化[*36]できないかと、少しずつ改良しているうちに現在の形となりました。劇的なものではありませんが、キャッシュが効きにくい通常のアクセスも少しは高速化できました。作成にあたっては、「キャッシュドライバを組み込んだらキャッシュの効かない場合はかえって遅くなった」というのでは意味がないということを常に念頭に置きました。その結果浮かび上がったのが内部バッファやキャッシュ頻度、キャッシュロックというものですが、まずまずの効果を得られたのではないかと思います。本当に最後になりましたが、CDCACHE が皆様の快適な CD-ROM 操作の一助となることを願っています。 KAZU.M 牧内一浩 NIFTY-Serve : QZD03474 PC-VAN : FRN64280 -- note ---------------- [*35] 今はあります。が、使っていません。(^^; [*36] ある程度これが達成できた後は省メモリ化に励みました。 - 33 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 ―目次― 1. はじめに ...................................................... 2 2. このマニュアルについて ........................................ 2 3. 概要 .......................................................... 2 3.1 特徴 ...................................................... 2 3.2 動作環境 .................................................. 4 3.3 動作確認 .................................................. 4 4. 使用方法 ...................................................... 5 4.1 インストール .............................................. 5 4.2 組み込み方法 .............................................. 5 4.3 キャッシュ動作について .................................... 6 4.3.1 ディレクトリ＋実ファイル ............................. 6 4.3.2 ディレクトリ ......................................... 6 4.3.3 全データ ............................................. 6 5. DOS 用コントローラについて .................................... 7 5.1 オプションについて ........................................ 7 5.1.1 /Z[E|N][L|U] (S ) ................................... 8 5.1.2 /R ( C) ............................................. 9 5.1.3 /ST=number (S ) ..................................... 9 5.1.4 /M=[size][,winsize] (SC) ............................ 9 5.1.5 /G=[size][,size] (SC) ............................... 10 5.1.6 /H=rate (SC) ........................................ 10 5.1.7 /S=segment (S ) ..................................... 10 5.1.8 /J[A|D|F] (SC) ...................................... 11 5.1.9 /J[I|M] (SC) ........................................ 11 5.1.10 /D ( C) ............................................ 11 5.1.11 /A /B (SC) ......................................... 11 5.1.12 /I ( C) ............................................ 12 5.1.13 /ON /OFF (SC) ...................................... 14 5.1.14 /F filename[,s,b,s,r] ( C) ......................... 14 5.1.15 /C ( C) ............................................. 14 5.1.16 /CF [number] ( C) .................................. 15 5.1.17 /W [number] ( C) .................................... 15 5.1.18 /WF ( C) ........................................... 15 5.1.19 /E ( C) ............................................ 15 5.1.20 /@ filename (SC) ................................... 16 5.1.21 /? .................................................. 16 5.2 その他 .................................................... 16 5.2.1 キャッシュメモリの切り詰め ........................... 16 5.2.2 キャッシュメモリの確保について ....................... 16 5.2.3 常駐サイズについて ................................... 16 5.2.4 EMS 組み込みとメインメモリ組み込みの相違 ............. 17 6. Windows 用コントローラについて ................................ 17 6.1 起動方法 .................................................. 17 6.2 操作方法 .................................................. 17 6.2.1 メインウィンドウ ..................................... 17 6.2.2 設定 ................................................. 18 6.2.3 キャッシュロックファイル ............................. 18 6.2.4 初期化 ............................................... 18 6.2.5 ディレクトリデータの一括読み込み ..................... 18 6.2.6 ヘルプの表示 ......................................... 18 6.3 Windows 用コントローラの制限 .............................. 18 6.4 その他 .................................................... 19 7. CDCACHE Accelerator について .................................. 19 - 34 - CD-ROM Cache Driver Manual CDCACHE CD-ROM Cache Driver 説明書 7.1 使用方法 .................................................. 19 8. 環境ファイルについて .......................................... 19 8.1 内容の詳細 ................................................ 19 8.2 環境ファイルの処理について ................................ 21 8.3 環境ファイルの作成／変更 .................................. 22 8.4 実際の環境ファイル例 ...................................... 23 9. キャッシュロックのパラメータについて .......................... 24 9.1 パラメータの指定方法 ...................................... 24 9.2 パラメータの意味 .......................................... 24 9.3 具体例 .................................................... 25 10. エラーメッセージについて ..................................... 25 11. その他 ....................................................... 28 11.1 ワンポイント ............................................. 28 11.1.1 内部バッファについて ................................ 28 11.1.2 キャッシュ頻度について .............................. 29 11.1.3 キャッシュモードについて ............................ 29 11.1.4 MSCDEX の /M オプションとの兼合いについて ........... 29 11.2 使用上の注意など ......................................... 29 11.2.1 リードエラーについて ................................ 29 11.2.2 他の CD-ROM ドライブ操作ソフトとの併用 .............. 30 11.2.3 CD-ROM ドライブとの相性 ............................. 30 11.2.4 SMARTDRV との併用 ................................... 30 11.3 ファイル改変チェックについて ............................. 31 12. 使用・転載条件など ........................................... 31 12.1 シェアウェア ............................................. 31 12.2 送金方法 ................................................. 31 12.3 サポート ................................................. 32 12.4 転載について ............................................. 32 12.5 CDCACHE Light について ................................... 32 13. 謝辞 ......................................................... 32 14. 最後に ....................................................... 33 - 35 -