FreeWare Collection 3

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Text File | 1980-01-02 | 33KB | 708 lines

プログラム名：F2OP.BAS F2MAIN.BAS F2ED.BAS 対応機種：ＦＭＴＯＷＮＳ作者：オリジナル山本敦史 TOWNS用変更高坂武 ●口上第二次大戦当時の空母戦の雰囲気を再現した海戦ウォ－ゲ－ムです｡◎h！ＦＭ '90年8月号掲載のものを，作者および◎h！ＦＭ編集部のご好意で収録しました｡ ●バックスト－リ－ ---------------------------------------------------------------------------- 超弩級空母パトリシアの艦長として出撃したあなたは，苦闘の末作戦を完遂し，基地へ帰投しようとした。しかし，そのとき一通の電文が入電された。その電文によると，艦隊指令部のマクファーレン中将が反乱を起こしたというのだ！艦長であるあなたは，艦橋にある艦長室で考えを巡らせていた。反乱軍を鎮圧するためには，戦略／政略上，パトリシアの巨体を艦隊司令部のあるスプルーアンス島の沖に浮かべて威圧しなければならない。がしかし，反乱軍側に回ったフレッチャー空軍基地（スプルーアンス島中央部駐屯）の強大な航空兵力が，艦隊司令部を目指すパトリシアに攻撃を仕掛けてくることがわかっている。部下の命をみすみす危険にさらすことは得策ではないのかもしれない。しばらく悩んだ後，あなたは窓の外に広がる海を見つめながら，スプルーアンス島を目指し北上を開始するよう命じた……。 ---------------------------------------------------------------------------- というわけで，お待たせしました「FINAL WINNER」（Ｏｈ！ＦＭ'89年4月号掲載：ディレクトリ\OHFM\FINAL\FINAL1に収録）の続編ＦＩＮＡＬＷＩＮＮＥＲ IIです。前作のエンディング（あの，趣味に走ったほうではなくて，ちゃんとしたエンディングのほうですよ）を受けて，今回は「反乱軍側の空襲を直衛戦闘機と対空火器で防ぎながら，目的地のスプルーアンス島までの1,000海里強を無事航行する」という，苦しみ堪え忍びながら目的を達成するゲームにしています。前作のような，哨戒機を飛ばして索敵し，編隊を組んで反乱軍側艦艇／基地へ攻撃を加えるなどの「空母による航空攻撃」はフリーエリアの都合で割愛しました（前回のゲーム終了時点で爆弾などがつきてしまった，と考えてください）が，代わりに今回は乗員配置管理やダメージコントロールなどの「艦内活動」をシミュレートすることに充実させています。ウォーゲームというと「陣取り」や「敵の殲滅」におもしろさがあると思われがちですが，私は常々「ウォーゲームの醍醐味は防御にある」と思っていました。今回のゲームはこの信念をストレートにゲーム化したものです。派手さこそありませんが，海戦小説の艦内描写の雰囲気を味わえるようなゲーム内容になっています。ハヤカワ文庫ＮＶなどを愛読されている方，既存の海戦ゲームでは物足らない方はぜひ挑戦してみてください。前作以上の感動のエンディングが待っています。 ●起動方法プログラムは，オープニングと各種初期設定のF2OP.BAS，メインプログラムのF2MA IN.BAS，エンディング部分のＦ2ED.BASの3本のBASICプログラムから構成されています。まず，これらをワークディスクにコピーしてください。次に，プログラムがセーブされているディレクトリに，カレントディレクトリとカレントドライブをセットしておいてください（要は，Ａ:\BAS\にセーブされているなら， A: CD \BAS としておくということ）。準備ができたら，F-BASIC386（レベルは問わず）を立ち上げ， RUN "F2OP.BAS" でゲームがスタートします。 ●画面構成ゲームが起動してオープニングメッセージを表示すると，画面一杯にいろいろなデータが表示されます。大きく区分すると「艦体総覧エリア」「敵状報告表示エリア」「乗員配置表示エリア」「マルチスクリーン」「テンキー入力ガイド」の５つに分けられます。 ●艦体総覧エリア空母パトリシアの側面図や上面図が表示されている左上の部分が｢艦体総覧エリア｣で，上から，上空直衛戦闘機状況，艦体傾斜状況・速力,区画が表示されます｡・直衛機状態側面図の上が上空直衛戦闘機(直衛機)の状況表示で，整備前･整備後･直衛中の機数と,1回に発着艦可能な機数が表示されます。上空直衛……現在飛行中の機数発艦上限……１回に発艦できる機数。最大40機で，Ａ甲板の状態で変わる着艦上限……１回に着艦可能な機数。最大40機で，Ａ甲板の状態により変わる。上空直衛＞着艦上限の場合は，その差だけ墜落する整備完了……整備完了している機数未整備………これから整備しなければならない機数・傾斜／速力側面図の下が，被害に伴う船体の傾斜状況と，速力が数字で表示されます。傾斜……艦体の前後／左右の傾斜角度を表示。傾斜がない場合は「------------ --」を表示速力……現在速度を表示（単位：Knot）・区画表示上面図が表示されている部分は，上から上層甲板(Ａ甲板)・中層甲板(Ｂ甲板)・下層甲板(Ｃ甲板)を示し，各甲板は第１区～第６区に区分されています。被害を受けた区画は，青（浸水）ないし赤（火災）で表示されます。なお，ゲーム中ではＢ甲板の第３区（右舷後方）を「Ｂ-3区画」というように表記していきますが，一部の区画はリアリティの向上のため特別な呼称を用いて表現することもあります注排水区画状態……側面図の下部にある箱２つと，Ｃ-2・Ｃ-4区画にある箱がそう。注水されると青色になる被害区画表示………上からＡ甲板・Ｂ甲板・Ｃ甲板で，区画番号は ┏━━┳━━┳━━┓ ┃１ ┃２ ┃３ ┃ ┣━━╋━━╋━━┫ ┃４ ┃５ ┃６ ┃ ┗━━┻━━┻━━┛ のように割り振るなお，下記の区画には右側のような呼び名がある A-2区画＝第１艦橋 B-2区画＝第２艦橋 A-4区画＝左舷艦頭甲板 A-6区画＝右舷艦頭甲板 A-1区画＝第１機銃群 A-3区画＝第２機銃群 B-4区画＝第３高角砲群 C-3区画＝右舷機関室 C-6区画＝左舷機関室 ●敵状報告エリア左下に表示されるのが「敵状報告エリア」です。後述の「対空監視命令」により監視した結果発見された敵編隊の機種および機数が表示されます。敵編隊が発見されなかった場合は「敵影なし」と表示されますが，後述するように対空監視班の疲労度が高いと，敵機が近づいているのに見逃して｢敵影なし｣と報告することもありますので注意してください。敵状報告エリア……対空監視によって得られた敵機の状態を表示。左から，グループ番号，侵入方向，機種，機数の順に表示 ●乗員配置状態表示エリア右上の表部分が「乗員配置状態表示エリア」で，80名×14班の乗員（艦橋要員・機関兵・パイロットなどの固定配属乗員以外の乗員，いわゆる甲板員や運用要員と考えてください）の配置状況を表示します。表示内容は，各班ごとの，指揮官名，人数，疲労度，命令されている作業(仮眠・待機・対空監視・対空戦闘・被害区画復旧・直衛機整備・伝令)，配置位置，能力(St /Ｗa/Ｔe)です。なお乗員配置命令は，ここにカーソルが表示されている状態のときに入力します。班名………Ａ～Ｎで表わされる班名を表示指揮官……その班の指揮官名を表示。いない場合は「----」と表示される人員………その班の構成人員数を表示疲労………その班の疲労の度合を表示（単位：％）。初期値は０％状況………その班が現在受けている命令を表示仮眠＝仮眠待機＝待機監視＝対空監視対空＝対空戦闘復旧＝被害区画復旧整備＝直衛機整備伝令＝伝令位置………対空戦闘配置中ならその配置場所(第１～第３)，復旧作業中ならその配置区画を表示。待機・監視・整備・伝令では「------」が表示される。仮眠中は起床時刻を表示 St/Wa/Te…その班の能力を表示。Stは体力，Ｗaは観察力／判断力，Ｔeは技術力を示す ●マルチスクリーン右下は「マルチスクリーン」です。ここには，艦内諸状況・艦内管制命令入力（乗員配置命令以外の命令）・ゲーム進行状況に関する表示が，切り換え式でここに表示されます。・艦内諸状況艦内諸状況の表示は，甲板各区画・艦橋・機関室の被害の数値表示や，浸水による傾斜とバランスを取るための注水状況，浸水や注水による重量分布／重量偏差状況などを表示します。これらの表示は，プレーヤー側操作時に乗員配置状況表示の欄にカーソルがあるときに表示され，[←][→]キーや[－][／]キーで切り換え表示します。被害状況････艦橋と機関室の被害状況を表示する航行状況････敵弾回避方向の指定状況および機関出力の上限指定状況を表示する（｢/｣の左側はこのターンで新たに変更した値，右側は継続値）射撃状況････第１・第２機銃群および第３高角砲群の，射撃方向／角度を表示する（｢/｣の左側が変更値で,右側が継続値）艦内状況････復旧作業時に参照する被害状況データ。Ａ・Ｂ・Ｃ甲板の３画面分あり，各区画の被害状況を表示する。被害がない場合には「被害区画なし」と表示され，被害区画がある場合には，甲板の区画に対応した場所に被害の数値が表示される。数値は，赤色が火災，水色が浸水を表し，浸水のときは「被害率／浸水量（単位：ｔ）」となる。被害率は，浸水量／3000×100でこの値が100になると最大浸水量である3000トンになったということで，浸水は停止する。火災のほうは「被害率／区画内温度（単位：℃）」となり，被害率は（区画内温度／720 ）×100で表される（区画内上限温度は720℃）注水区画････注排水区画への注水状況を表示する補助区画････補助注排水区画への注水状況を表示する重量分布････艦載重量物 (このゲームでは艦内に存在する海水の重量のみと考える)の分布状態を表し，注排水作業の参照とする(各甲板の区画については被害区画表示を参照）。たとえば，Ｃ－２（Ｂ－２）区画に 1000ｔ浸水している場合（Ａ甲板には浸水はない），重量分布は右舷1000ｔとなり，Ｃ－１（Ｂ－１）区画に1000ｔならば右舷と艦首に1000ｔなる。つまり６区画のうち４隅の区画に浸水した場合には，２方向に重量が掛るようになっている重量偏差････総括的な重量分布状態を表し,注排水作業の参照とする。総重量(艦載重量物の和）は総重量＜＝重量分布モードで表示された各数値の和（等号は４隅に浸水していない場合のみ成立）となる。横二分線方向は，艦の右舷と左舷を結ぶ線の軸方向の重量差を偏差部位，偏差重量の順に表示する。このときに，偏差重量の値は「重量分布モードでの右舷の値－左舷の値」という式の絶対値で表示され，偏差がない場合には「偏差なし」と表示される。縦二分線方向も同様に，艦首と艦尾を結ぶ線の軸方向の重量差を偏差部位，偏差重量の順に表示する。・艦内管制命令入力艦内管制命令入力に関する表示は，直衛戦闘機発着艦命令，対空火器発砲方位・角度指示命令，機関出力や空襲時の回避方法などの航行に関する命令，注排水命令，画面表示速度調整の作業画面です。これらの表示は，プレーヤー側操作時にマルチスクリーンにカーソルがあるときに表示され，[↑][↓][←][→]キーや[－][／]キーで切り換え表示します。ゲームの進行に関する表示は，プレイヤーが命令した結果の実行状況や，敵の移動・攻撃の状況など，ゲームの進行状況を示す表示です。プレイヤー側操作時以外のときに，下記の進行手順（ターン構成）に沿って画面表示されます。 ●ゲームの進行ゲームの進行手順は以下のとおりです。１プレイヤー側の各種操作２仮眠班の処理３待機班の疲労度加算４警戒配備の変更５復旧関係の処理６復旧班の疲労度加算７発艦・着艦上限値の更新８注排水区画への注排水９補助注排水区画への注排水 10 艦体傾斜角の報告 11 機関出力の変更 12 艦の速度の報告 13 敵弾回避方向の変更 14 発艦管制の変更 15 伝令班の疲労度加算 16 整備班の疲労度加算 17 整備処理 18 直衛機の着艦処理 19 直衛機の発艦処理 20 会敵処理 (1) 敵機来襲状況の報告 (2) 対空射撃 (3) 上空直衛機による迎撃 (4) 敵弾回避運動 (5) 命中弾の処理・被害報告 (6) 乗員被害 21 対空戦闘班の疲労度加算 22 次ターンに出現する敵の設定 23 対空監視班の疲労度加算 24 時間の更新 25 被害率の増加 26 被害区画数のチェック 27 補助注排水区画への注排水 28 艦隊傾斜角の報告 29 機関出力の変更 30 艦の速度の報告 31 発艦・着艦上限値の更新 32 艦体総重量の算出 33 総航行距離に自艦速力を加算 34 敵情報告 35 カーソルの再表示まず，プレイヤーが，１の｢プレイヤー側操作｣のところで，Ａ．乗員配置Ｂ．直衛戦闘機発着艦Ｃ．対空火器発砲方位・角度Ｄ．航行Ｅ．注排水Ｆ．画面表示速度の６種類の命令を，乗員配置状況表示(Ａ)かマルチスクリーン(Ｂ～Ｆ)にカーソルを持っていって入力したあと，Ｇ．プレイヤー側入力終了の[HOME]キーを押すと，コンピュータ側処理に順番が移って表１のとおりゲームが進んでいきます（コンピュータ側処理中はプレイヤー側は見ているだけです。また。命令されなかったことや発生しなかったことは省略され，順番がきても画面表示されません）。ひととおりの処理が終わると，またに戻ってプレイヤー側操作とコンピュータ側処理を繰り返します(１回が１時間に相当)が，これは，勝利条件・規定距離（1000～1200海里の範囲内でランダムに設定される）の走破または，敗北条件・横方向傾斜角が25度以上・縦方向傾斜角が３度以上・艦体総重量が15000ｔ以上・被害区画数が９区画以上のいずれかが満たされるまで行われます。 ●乗員配置命令操作それでは，プレイヤー側操作について説明しましょう。まずは，このゲームの核である乗員配置命令についてです。乗員配置命令は，[↑][↓]キーでカーソルを動かして班を選択し（仮眠中および全滅した班は選択できません），[１]～[７]の数字キーで対象作業を指示します。この命令は実行（[HOME]キーを押す）前なら何度でも変更することが可能です。下した命令は，原則的には以後のターンに継続されます。つまり，一度監視命令を下すと，その班にほかの命令をするまでは監視を続けるというわけです（復旧命令で被害区画が完全に復旧された場合は待機になります），各命令の概要は以下のとおりです。 [１] 仮眠命令疲労を回復させるため，８時間の仮眠を命じます。仮眠中は何が起ころうが絶対に起きて活動することはありませんので，現在時刻の隣りに表示されている起床時刻を見て，その時刻まで本当に眠らせていいかどうか考えてから実行してください。敵の来襲は昼に激しく，夜はそれほどでもないので，なるべくなら夜間に仮眠中の班が多くなるようにするべきでしょう。 [２] 待機命令何も任務を与えずに待機させておきます。 [３] 対空戦闘命令対空火器への配置命令です。この命令を下すと，マルチスクリーンに「第１機銃群・第２機銃群・第３高角砲群のいずれに配置するのか」という旨の選択指示が表示されますので，[１]～[３]で選択してください（キーで中止できます）。この命令は，Wa値とTe値の高い班ほど効率的なので，敵機が発見されたらそうした班を配置しましょう。同一部署に複数の班を配置すれば，それに応じて攻撃力も上昇しますので，通常は各部署に２班ずつ，計６班ほどを配置します。もちろん敵の数に応じて，増減させるとよいでしょう。ただ，上昇値には限界がありますので，むやみに配置してもムダです。。なお，対空要員を配置したら，後述の対空火器の射撃方位と角度設定を忘れないでください。 [４] 対空監視命令対空監視を命じるコマンドで，敵機の機数や種類をある程度の精度で知ることができますが，精度は，動員する人数を多くするほど向上します。なお，監視結果は，次のターンに報告されます。また，監視命令にはWA値の高い（ほかは低くてもよい）班が適任なので，ＣやＧ班あたりがお勧めです。 [５] 復旧命令被弾・被雷区画に対して，消火・排水作業を行わせる命令です。この命令を下すと，マルチスクリーンで復旧したい区画を聞いてきますので入力してください（リタ－ンキーを押すと命令中止となります）。一般には火災区画よりも浸水区画を優先させたほうがいいでしょうが，例外として夜間はＡ甲板の火災区画を先にすべきです（なぜなら，攻撃目標となりやすいからです）｡また,浸水区画の中でも傾斜方向の区画は最優先にしたいところですし，第1･第 2艦橋と対空火器群のある区画も重要です｡なお，敵機種による被害の違いは表２のとおりです。 [６] 整備命令上空直衛戦闘機機（戦闘機LD-909 ）の整備を命じます。運よく敵の姿が見えなかったときはもちろんのこと，乗員に余裕があるときは,整備を命じて,直衛機94機すべてを発進できるようにしまいましょう。 [７] 伝令命令第１・第２艦橋の被害率が高くなると，後述の艦内管制命令が艦内各部署に伝達されにくくなりますが，この「伝令命令」で伝令要員を確保することにより，一時的に命令伝達の成功率を向上させることができます。たとえば，注排水区画に注水を指定して，重量分布等の項目を見てもなんの変化もしない場合があります。これは，艦内管制命令は，命令を発令しただけで，命令が伝達されたかどうかは確実ではないからです。こういった場合に利用します。なお，つまり第１艦橋管轄下の命令ならなら第１艦橋の被害率によって左右されるます。実際の伝達率は，（100－被害率）％となりますので，もし被害率が100％の場合は，伝達される可能性が全くないというわけです。ですから，そういったときには復旧命令で艦橋のある区画の被害率を下げるか，伝達命令を使って一時的に伝達率を上げておく必要があります。ただし，これにも例外がありまして，対空火器の射撃方位と射撃角度についての指定は第１艦橋の被害率に影響されず，100 ％伝達されます。これはゲームバランスを考えてということです。これらの命令を与える際，当然のことながら各班の状態を考えて配置しないと，効果があがりませんが，配慮しなければならない要素は以下のとおりです。 ●能力各班ごとにＳt(体力)/Ｗa(観察力･判断力)/Ｔe(技術力)からなる固有の能力値が設定されていますが，この値によって「どの命令が得意」で「どの命令が不得手」かを表現しています。命令と能力の関係は以下のとおりです。 ┏━━┳━━┳━━┳━━┓ ┃ ┃ St ┃ Wa ┃ Te ┃ ┣━━╋━━╋━━╋━━┫ ┃仮眠┃ － ┃ － ┃ － ┃ ┃待機┃ － ┃ － ┃ － ┃ ┃対空┃ １ ┃ ３ ┃ ２ ┃ ┃監視┃ ０ ┃ １ ┃ ０ ┃ ┃復旧┃ ６ ┃ ２ ┃ ５ ┃ ┃整備┃ １ ┃ ０ ┃ ４ ┃ ┃伝令┃ １ ┃ ０ ┃ ０ ┃ ┗━━┻━━┻━━┻━━┛ 表中の数値は，各値の重要度の整数比になっています。　たとえば，整備命令ではＴeが重視されていますので，Ｔeの値が高い班に命令したほうが大きな成果をあげることができます。Stの値は整備にはそれほど影響がないので，低いよりは高いほうがマシという程度です。Waは０なので，整備に関してはなんら影響しません(整備能力は，50/20/80の班と50/90/80の班は等しい）。 ●疲労能力の次に配慮すべきなのが疲労です。疲労は命令を実行するごとに蓄積されていきますが，疲労度が高くなると作業効率が落ちてきます。場合によっては，疲労している能力が高い班より，能力が低くても元気な班のほうが効率がよいということも出てきます。重点部署には元気な班を配置できるよう，うまくローテーションを組んで仮眠を取らせるようにしてください。なお，実行する命令によって疲労度は異なりますので，ローテーションを組む際は下記表を参照してください。 ┏━━┳━━┳━━┳━━┓ ┃ ┃第３┃第２┃第１┃ ┣━━╋━━╋━━╋━━┫ ┃仮眠┃ － ┃ － ┃ － ┃ ┃待機┃ ２ ┃ ３ ┃ － ┃ ┃対空┃ ６ ┃ ９ ┃ ４ ┃ ┃監視┃ ４ ┃ ６ ┃１２┃ ┃復旧┃ ４ ┃ ６ ┃ ８ ┃ ┃整備┃ ４ ┃ ６ ┃ ８ ┃ ┃伝令┃ ４ ┃ ６ ┃ ８ ┃ ┗━━┻━━┻━━┻━━┛ ●人員１つの班は80名の乗員で構成されていますが，作業している区画に被弾・被雷すると減っていきます。当然のことながら，人数の減った班の作業力は低下しますので，乗員配置命令を下すときは，この値も注意してください。なお，班を合併したりすることはことはできませんが，複数の班に同じ命令を与えることはできます。作業力を上げたい場合に有効な方法です（ただし，ある程度で上昇率は頭打ちになります）。 ●指揮官忘れてはいけないのが指揮官です。班と同様に指揮官にも固有の能力値が存在し，指揮している班の能力値に指揮官の能力値が加算されます（指揮官のいない班には当然何も加算されません）。この能力値はゲーム中は目に見えませんので，推測するしかありませんが，作業力にかなり影響するので必ずチェックしてください。なお，各指揮官の力量が見えてきたら， [INS]キーで指揮官の交代を行うのもよいでしょう。[INS]キーを押すと，カーソル位置の班の指揮官が，マルチスクリーン右側にある「更迭」という項目の指揮官と入れ換わります。ですから，たとえばＡ班とＢ班の指揮官を交代したいときには，カーソルをＡ班にもっていって[INS]キー，次にＢ班にカーソルを持って言って[INS]キー, さらにもう一度Ａ班に移動させて[INS] キーを押せば，見事に入れ換わるというわけです。使い方としては，指揮官には疲労度というファクターがありませんので（24時間戦えます！），仮眠させたい班に有能な指揮官がいる場合に，このコマンドを使って他の班に投入することなどができます。 ●艦内管制命令Ａ班より上，もしくはＮ班より下にカーソルを動かすとマルチスクリーン内にカーソルが移動し，艦内管制命令の入力状態になります（ちなみに，第１艦橋管轄下の項より上，もしくはウェイト値変更の項より下にカーソルを動かすと，乗員配置状態表示エリア内にカーソルが戻ります）。このマルチスクリーン内に表示される命令は階層化されていますので，注意してください。上位の命令に行くには[－]キー，下位へ行くには[／]キーを押してください（[←][→]キーでもＯＫです）。命令の指定は，最上位項目までカーソルをもっていき，そのモードから抜けるだけです。確定キーというものはありませんが，ちゃんと実行されるので心配はいりません。言葉で聞くとよくわからないかもしれませんが，実際に操作してみればすぐにわかると思います。それでは，個々の命令について解説していきます。 ◎第１艦橋管轄下主として艦外活動に関連深い項目の指定を行うモードです。この項目にカーソルを合わせて[－]キー([→]キー)を押すと以下の３つの下位メニューが表示されます。 ○発艦管制整備命令で，整備された直衛機に対して発着艦命令を下すモードです。通常は対空火器で対処して，ここぞというときに投入すべきです。なお，発艦した直衛機は，対空火器が打ちもらした敵機を迎撃します。戦力差が大きいほど迎撃率が高まりますので，飛ばすときは発艦上限の40機同時にいかせれるよう，整備しておきましょう。・逐次発艦・格納待機このモードで，直衛機を発艦させるか，発艦させないかを指定します。逐次発艦では，発艦上限値が許す限り整備された直衛機全機を発艦させますが，格納待機モードでは直衛機の発艦を中止して，整備機を待機させておきます。格納待機から逐次発艦へ変更したときには，艦隊総覧エリアにある発艦上限の左側に「＊」が表示されます。ですから，「＊」印の有無で格納待機か逐次発艦かを知ることができます。なお，一度に発艦・着艦できる上限機数は，それぞれ左舷艦首甲板・左舷艦尾甲板の状態によって増減します。上限機数＝(100－被害率)×40／100 収容機数が着艦上限機数を上回った場合，その超過分は海上に墜落してしまいます ○対空火器対空火器の射撃包囲，射撃角度を指定するモード。・第１・２・３機銃群指定したい部署を選択します。・右舷・左舷・右舷前方射撃したい方位を指定します。狙える方位は，各部署ごとに違うので注意して設定してください。第１機銃群は右舷・左舷・右舷前方，第２機銃群は右舷・左舷・右舷後方，第３高角砲群は左舷前方・左舷・左舷後方を狙えます。敵の攻撃編隊は対空火器で指定する射撃方位のどれか一方から出現しますが，この出現方位と対空火器の射撃方位が一致した場合,その対空火器は通常の1.5倍の攻撃力を持つことになります｡・高角度・中角度・準水平射撃射撃したい角度を指定します。敵の攻撃編隊は単一機種で構成されており，その機種は急降下爆撃機，水平爆撃機，雷撃機のうちのいずれかです。対空火器の射撃角度も上記の３機種に対応して，高角度（急降下爆撃機），中角度（水平爆撃機），準水平（雷撃機）の３種類があり，角度の誤差が大きくなるにつれてその火器の攻撃力は低下します。たとえば，敵機が雷撃機の場合，準水平が一番で，中角度，高角度の順に威力が低下していくというわけです。 ○配備変更警戒配備の変更を行うモードです。・第１・２・３警戒配備警戒配備は，１～３までの３段階があり，数字が小さくなるほど警戒度が増して班活動の際の成果が上がります。ただし，その際には疲労度も一緒に増大します。 ◎第２艦橋管轄下主として艦内活動に関する指定を行うモードです。 ○艦底機関室速力の上限に直接関わってくる，機関出力を設定するモードです。・停止・半速・全速船の速力を指定するモードです。浸水量，注水量ともに０の場合半速なら15ノット，全速なら30ノットまで出ます。通常は全速航行しますが，被害がひどい場合はを停止にして，被害の増加率を抑えることもあります。速力１ノットにつき，被害の増加率が１％増加しますので30ノットで航行しているときと停止しているときでは，実に30％も違ってくるのです。ただし，当然ながら速力が下がると敵弾の命中率が上がってしまうので，艦を停止させるのは敵機のいないときに限ったほうがよいかもしれません。なお，速力指定は原則的には指定したとおりに変更されますが，右舷・左舷機関室の被害率が30％以上のときは半速以下，70％以上のときは停止の指定に強制的になってしまいます。ただし，機関出力の指定自体は有効ですから，機関室の被害率が30％未満に回復した時点で出力は元に戻ります。なお，この上限は艦内諸状況の被害状況モードで表示されます。また，総重量が０より大きい場合には，その大きさに応じて速力が低下します。さらに艦が傾斜している場合，横傾斜１度に付いて３ノット速力が減速されます。 ○主舵取室敵弾の回避方向を指定するモードです。有効な回避運動をとれた場合，命中する敵弾は回避方向に集中しますが（右舷回避時には右舷側から接近する敵の弾は100％，左舷側から接近する敵の弾は75％程度が右舷に命中する），有効でない場合や蛇行回避をした場合には，命中する敵弾の90％が敵の来襲した方向に着弾します。ゲームを進めていくと，指揮官の戦死や人員の減少に悩まされるはずです。そしてその人的損失のうち，大きな部分を占めているのが復旧班の戦死なのです。それを少しでも防ぐために活用してほしいのが，回避方向の設定です。つまり，復旧作業を行うときに班を右舷か左舷に集中させておいて，その反対側を回避方向にするのです。こうすれば復旧班の被害を最小限に食い止められると思います。ただし，回避方向の設定は，艦速が下がるほど無意味になるということを忘れないでください。自艦速力はかなり重要なファクターで，この値が大きければ敵弾が命中しにくくなります。加えて，自艦速力が21ノットのときには必ず有効な回避運動をとることができますが，21ノット未満のときには速力が小さくなればなるほど，有効な回避運動をとれない可能性が高まります。・右舷・蛇行・左舷回避右舷回避は，敵弾を右舷方向に回避させるもので，敵の弾は右舷側に集中して左舷側には当りにくくなります。左舷回避はその逆です｡また,蛇行回避は文字どうり船を蛇行させて敵弾を避けるというものです。 ○注排水指揮注排水区画に注排水を行うモードです。注排水区画とは，艦体の平衡を保持するためにもうけられた区画のことで，ここに海水を注入することにより艦体の傾斜を抑えます。当然ですが，注水は傾斜方向とは逆の区画に行いますので，たとえば右舷に傾斜しているのなら，左舷の区画に注水するというわけです。艦が傾斜すると，傾斜角が横方向なら25度以上，縦方向なら３度以上ですと復元不可能とみなされてゲームオーバーになってしまいます。またそこまでいかなくても，艦速が低下してなにかと不利になりますので,注排水区画をうまく利用してください｡ちなみに，注水することによっても艦速は低下しますが，それでも傾斜によっての艦速低下よりは改善するようにプログラムは組んであります。なお，プレイヤー側が指定する注排水区画のほかに，被害を受けると自動調整する補助注水区画もあります｡この区画は右舷,左舷，艦首，艦尾の４か所にあり，各々海水1500t分の容量を持つ注排水区画ですが,プレイヤーが何もしなくても艦体の傾斜が最小となるように注排水が行われます。つまり，縦か横方向の重量偏差がそれぞれ15 00ｔ以内までなら常に艦は平衡に保たれます。ですから，プレイヤー側指定の注排水は，かなりの被害を受けたときにおおよその調整に使い，細かいバランスは補助に任せることになります。なお，総重量が15000t以上になるとゲームオーバーですので,注意してください｡・注排水区画（縦・横）艦首または艦尾に注水したい場合は縦，右舷か左舷に注水したい場合は横を指定してください。・艦首・艦尾・右舷・左舷注排水区画注水したい区画を指定します。・０ｔ・1500ｔ・3000ｔ注水する水の量を指定します。 ◎ウェイト値変更メッセージの表示時間を変更するモードです。 ◎システムウェイト値は０－９の10段階あり，数字が小さいほど待ち時間が短くなります。－キーを押すとウェイト値が小さくなっていき，０を超えると９に戻るループになっています。ちなみに初期値は５です。 ●プレイヤー側入力終了するべきことをやり終えたら，[HOME]キーを押して入力作業を終了させてください。ただし，HOMEキーを押すことができるのは，カーソルが乗員配置状態表示エリアにあるときと，マルチスクリーン内のトップメニューにあるときだけで，その下位メニューにカーソルがあるときは終了することができません。 ●ゲームのこつこれまで説明した内容の中にヒントは充分含まれていますが，すぐにゲームオーバーになってしまうとか，なかなか勝てないという人のために，ちょっとしたコツを書いておきます。まず最初にしなければいけないことは，監視要員の確保です。これをしっかり確保しておかないと，実際は多数の敵が押し寄せて来ているのに「敵影なし」と報告してきたり，機種や機影の誤差が大きくなってうまく反撃できなくなったりと，ろくなことがありません。次に，可能な限り直衛機の整備に人数を確保します。ゲームを進めていくとわかりますが対空戦闘や復旧に人手を取られて，なかなか整備が進みませんので，運よく敵の姿が見えなかったときはもちろんのこと，敵機の来襲中でも手空きの班があれば整備に回しましょう（第１ターンは敵機が現われないので絶対整備する）。なお，Te値の高い班ほど効率がよくなっています。そして，いざというときに40機ずつ発艦させます。こまめに飛ばすと，整備に手間がかかるほか，戦闘効率が悪いため逆に撃墜さる可能性が高くなります。初めのうちはじっと耐えて，大編隊が襲ってきたときとか，乗員のローテーション上絶対に被害を出したくないとき（日没前後）などに飛ばします。よって，敵情報告エリアに敵編隊が表示された場合は，通常Ｗa値とＴe値の高い班に対空戦闘を命じて処理します。各部署に２班ずつ，計６班を配置しておけば充分でしょう。もちろん敵機の数や疲労度に応じて増減してください。ここで，忘れてはいけないのは，対空火器の射撃方位と角度設定です。このときに，機数の少ない敵機群に合わせて確実に撃墜するか，機数の多い敵機群を少しでも減らすかを迷うところですが，一般には後者のほうが有利だと思います。そして，被害を受けてしまったなら復旧を命じてください（敵機群が迫っていて人数的に余裕がないというときは迎撃のほうが優先ですが）。浸水も火災も，放っておくと被害が深刻になりますので，可能な限り早く対処してください。Ｓt値とＴe値が高くて元気な班を，被弾したばかりの区画に復旧作業に向かわせた場合,火災なら1班, 浸水なら2班で1回で復旧できたりしますが，被害率が高くなると5～6班で数回作業しないと復旧できないことありますなお,復旧の優先順位は,昼は浸水区画，夜はＡ甲板の火災区画です。また，浸水区画の中でも傾斜方向の区画は最優先にしたいところですし，第１・第２艦橋と対空火器群のある区画も重要です。また，注排水区画をうまく利用して傾斜の回復を行い，回避方向をうまく設定して復旧班の被害を最小限に食い止めることを忘れないでください。夜間なら停止させて被害上昇率を低下させることもです。さて，一番の問題はいつ仮眠を取らせるかでしょう。疲労度の高い班から仮眠させるのはもちろんですが，数はあまり多くさせてしまうと，戦力が足りなくなってしまいますし。かといって命令を出し渋っていると後で疲労度の高い班ばかりになってしまいます。基本的には，ローテーション予定を立てて，昼に２～４班くらい，残りは夜間に時間をずらして仮眠するようにすればよいのですが，交代予定時間に復旧や整備で人手不足のこともままありますので，そのあたりは柔軟に対処してください。このほかにも有用な方法はまだあると思いますが，それらはあなた自身で見つけ出してください。それによってゲームがよりおもしろくなると思います。 ●リストについてリストは見てのとおり巨大でかつ入り組んだものですので，改造して遊ばれる方は少ないと思います。よって，フローチャートや変数表の類は付けませんが，３点だけ説明しておきます。 ◎評価関数について乗員配置命令の成果を決定する評価関数は次の式を用いています。 ((ST+st×0.3)×W1+(WA+wa×0.3)×W2+(TE+te×0.3)＊W3)＊110－疲労度) ×班人員数×(1.1+RND×0.2)×(0.7+0.3×警戒指数)×W4/10000 式中のST,WA,TE,st,wa,teはそれぞれ部隊能力値のSt値/Wa値/Te値，指揮官能力値のSt値/Wa値/Te値（指揮官がいなければすべて０です）を表しています。また，W1， W2，W3はSt値/Wa値/Te値の重み付け計算に使われる引数で，表３中の数値です。次に警戒指数は，第１警戒配備時が３で，順に２，１の値が代入されます。W4は調整用の引数です。たとえば，整備ならば，W1＝0.2,W2＝0,W3＝0.8,W4＝0.08として算出された数値が，そのまま整備機数となります。 ◎指揮官能力値の変更指揮官能力値は画面上には現われない隠れパラメータとなっていますが，そんな曖昧なことには耐えられないという方は，次の変更を行ってください。最初にF2OP.BASをロードして11300行をREM文にします。そしてさらに11310行の「`」を取ってセーブし直します。こうすると，指揮官が存在するときのみ，班能力値が約 1.3倍になるものとして扱われます。ただし，ある条件を満たしたときには，例外もあります。 ◎クロック周波数･映像出力･音声出力設定小さなことにはこだわらない方や，めんどくさい，あるいは「どういう意味かわからない」という方は，この変更を行う必要はありません。なぜなら，これは直接ゲームには関係してこないからです。それではなぜ行うのかというと････(モゴモゴ)。まず，F2ED.BASをロードして30110行を見てください。DA$(0)，DA$(1)，DA$(2)という文字変数がありますね。このうちDA$(0)は，メインCPUのクロック周波数（単位は MHz）を代入するパラメータです。次に，DA$(1)は映像出力の値ですが，おそらくマニュアルにも載っていないと思いますので，あなたのCRTの低格電力の値（CRTの裏側に書かれていると思います）を代入していただきます（単位KW）。最後のDA$(2)ですが，これには外部スピーカの音声出力の値をKWで代入してください。わからなければ，適当な値を代入してけっこうです。 ●最後にさて，以上でこのゲームの解説はすべて終わりです。シミュレーションゲームという性格上，文章がやや難解でしかも冗長になってしまったかもしれませんが，理解していただけたでしょうか。わかりにくい部分はプレイしながら読んでいただければ，なんとかなると思います。最後に，不可解なアクシデントが度重なり，一時は絶望視されたものを不屈の闘志で完成させたスタッフ一同に，この誌上を借りて心から感謝させていただきます。それでは，いっち，にーの，バッハハーイ！（なぜか，小森まなみと化してしまう私であった････） ● 著作権・再配布についてこのプログラムの著作権は作者が保持しておりますが，著作権法の定める「個人的な利用」の範疇であれば自由に利用してくださってけっこうです。ただし， ◎h!FM編集部及び山本敦史の許可を得ずしてのパソコン通信ネットワーク上やディスクによる転載・再配布については，これを認めません。