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[谷田一郎インタビューPHOTO]

Q・マックに対する不満とかはありますか?
 あんまりないんですけど、もう少し速くなって欲しいですね。どうなるかわかりませんけど、そろそろ純正のマックで映像がリアルタイムで画面を走り動くなんていうことが、ここ10年ぐらいの間にあると思うんですけど。まあ、それぐらいにはなって欲しいですよね。
 でも、この5-6年すごいですよね。信じられないですよね。僕は5年前にマッキントッシュのfxをリ−スで借りていたんですけど、この間リ−ス終わったんですが、終わりの1-2年は動いていませんでしたからね。

PHOTO Q・今後もデジタルにはこだわられていかれますか?
 そうですね。今デジタル面白いですよね。もうある程度、デジタル自体が普通になっているじゃないですか。普通の生活でも全部そうですよね。まあ、面白い面白いっていっているのもここ何年ぐらいで、あとはもう普通に電話とかファックスとかと同じような感覚になるんじゃないですかね。

Q・今後のデジタルの可能性ってどうなると思いますか?
 今はアナログでできているものを、みんなデジタルに置き換えていますよね。写真にしてもそうだし、DVDにしても何しても、実際はS-VHSとどっちの画像がいいかというと、S-VHSの方が粒子は細かかったりするわけじゃないですか。だからどんどんどんどん置き換えになっていっていくのも、ここ五年ぐらいじゃないですかね。でもデジタルは単純に便利ですよね。例えば実質作業でいけば、編集する時に今まではダビングどうしようかとか、機材は何百万もかかっていたところが、マック一台あれば時間かければ画像の劣化なしにできるじゃないですか。そういう意味ではいいですよね。あとは編集する時に、今までは頭からいれていかなければいけなかったものを、画面で入れていけますよね。僕は映像に対してそれから入って行ったので、前のABロールなりなんなりのアナログ編集がとてもじゃないけどもう出来ないという感じですね。短いものであればマックでやった方は楽ですからね。そういう意味でも、もう少し速くなってもらわないと困りますよね。画像に関しては今、B全のポスタ−作る時に、そんなに前ほどストレス無しでできるようになったのでフォトショップの性能が上がったといのが一番の要因だと思いますね。一枚絵の画像のことに関するとかなりのところに来ているんじゃないでしょうか? 実際、一つのB倍のポスタ−創る時に必要なデ−タ量は、B2で300DPIとかそれぐらいになるんですよ。それを引き延ばして大きくするんですけど、それぐらいのものだったら今なんとか作れますからね。ほとんど図形関係は来るところまで来ていますよね。

Q・ちなみに今使われているマシ−ンは何ですか?。
 今は180MPを使っていますよね。HDはディスクアレイと外付けのが2-3個ですね。メモリ−は300ぐらいです。フォトショップのバ−ジョンは4.0を使っています。プリンタ−は5年前に買ったものをそのまま使っていますけどね。今はカラ−の入稿はデ−タかポジなので、ほとんど反射原稿で入れることはないですね。

Q・今後、新しい分野を開拓していこうというものはありますか?
 メディアや分野的にはないですけど、絵的には新しいものを創りたいといつも思っています。方法論とかはないんですけど、単純に新しければいいという感じです。例えば、古い写真パっと見たときに、古いだけじゃなくて逆に新しく感じるときってありますよね。そういう意味での古いものを持ってくるとかじゃなくて、今までにあまりなかった、絵やビジュアルを創りたいです。それは、他人が創るのかもしれないし、後はトレ−ス的な要素があるのかわからないですけど。僕の作品とわからなくても新しいければ、おもしろければ別に僕が作らなくてもいいですよ。

Q・そういう可能性は、まだ残っているんですか?
 いくらでもあるんじゃないですか。あると思いますよ。気付かないだけだと思いますね。まだまだやられていない手法とかいろいろあると思いますよ。普通に考えられることは、ほとんど出来ているわけですからね。デジタルができて、広がりができて、あとは、人間の創造力の部分の問題でしょうね。

Q・谷田さんの作品は見ると谷田さんの作品と分かりますよね。そこを保持されながら新しい分野でとういうことですか?
 あんまり、自分風というのは意識していないんですよ。まあ、もちろん全然違っている人が作っているわけではないので分かるは分かるでしょうけどね。

Q・最近気になる同じ分野の方っていますか?
 勢いがあるなとか、いい仕事しているなという方は何人かいますけど。単純にデザインとかじゃなくてデジタルとかそういうくくりで考えれば、またタイクーンや田中秀幸とか、あと松本弦人なんかもいいですよね。俺にはこれは出来ないなという作品創りますよ。

PHOTO Q・KUKIとのご関係は?
 もともと僕が出したCD-ROMをKUKIさんに持っていって、その時からのつきあいです。

Q・谷田さんは売り込みもされていたんですか?
 ええ、2年半ぐらい前に僕ほとんど仕事していなかったんです。プ−タロ−だったんです。チョロチョロと月の食べる分ぐらいはしていましただけなんです。こういう事務所を構えたのは、最近なんですよ。

Q・仕事をしようと思ったきっかけとかあったんですか?
 ええ、お金がなくなったのが最大の理由ですね。仕事していないときは絵を書いたり、本を読んだりしていました。その2年間は楽しかったですよ。もう、戻ることはないでしょうけどね。でも、レコ−ドは買っていました。テレビはありませんでした。もともとテレビは観ない人なんですけど、二年ぐらい本当に観ていなかったですね。観てないもなにも持っていないから観ていなかっただけなんですけど。夜は毎日のように飲みに行っていましたね。

Q・メジャ−になられたきっかけはあるんですか?
 それはCD-ROM創ってからですね。それから依頼が多くなりました。今は忙しいですね。ほとんど食事の時間と寝る時間以外はやっていますね。

Q・作品に構想を考えている時間は多くないですか?
 そうですね。でも分からない時でも、僕はとりあえず手を動かしますけどね。

Q・ゲ−ムは創られないんですか?
 ゲ−ムは今度創ります。来年発売のアクションものなんです。全体のビジュアルとキャラクタ−を考えることになっています。自分ではゲ−ムはしないんですけどね。特に今はジャンルにこだわりはないんですよ。

Q・映画とかは観られますか?
 観ますけど、映画好きかといわれると「いや−」と答えますね。すごく好きなんですけど、映画好きな人って本当に好きですから僕みたいな人が映画好きとか言うと悪いなみたいなところがあるんですよ。

Q影響を受けたものとかはありますか?
 現代美術とかも好きですから、もちろんそういうところから影響も受けたりもしました。今でもいろいろ観たりはしますけどね。最近は資料として観るのがほとんどですね。
 読書も好きなんですけど、最近読む時間がなくて読んでいないんです。小説とか好きですね。一番最近読んだのが、フィクションものの『不夜城』という新宿マフィアの話のものを読みました。

PHOTO Q・広く浅くがモット−ですか?
 それすらも考えていないんです。あんまりいろんなこと知りたいと思わないですよ。単純に仕事だけしているという感じですね。

Q・ストレスはたまりませんか?
 たまりませんね。何か作っているのが好きなので大丈夫なようですね。仕事がどうのこうのはありませんね。そういえば今、犬が好きですね。犬飼っているんですよ。猫も飼っているんですが、ゴ−ルデンと日本猫仲いいですよ。散歩は妻が毎日していますけど、僕は夜にたまにするぐらいですね。犬・猫には赤ちゃん言葉を使ってしまいますね。
 仕事ばかりで、最近はお酒も飲まないですから。忙しくて飲まなくなったら飲めなくなっちゃったんですよ。タバコは一日一箱ぐらいは吸いますけどね。

Q・それでは最後に、「Be」を「世の中の流れに流されなく、既存のしがらみにとらわれず、自分自身の価値観を信じ、本当にいいモノを作ること。新たなる可能性を秘めている」と位置づけると谷田さんにとってはなんですか?
 今のことばいいですね。やっぱり、新しいことですよ。新しいことやるのはいいと思おいますよね。今いったまんまだと思います。

--おわり--
 きれいに刈った頭に髭を蓄えた姿は、一見、近寄りがたいイメージです。はっきりいってインタビュアーは最初ビビっておりました。でも、お話しするうちに「笑顔の素敵な谷田さん」という、新たな面も見え、初めのイメージと何だか随分変わりました。明るいオフィスに3-4人の若い方々がいらっしゃるのは、面倒みのよい谷田さんの人柄を象徴しているようです。
 谷田さんは、自分の世界を大切にする、「あまりものごとにこだわりをもたないのが一番のこだわり」といった俺流の方です。プータロー生活も俺流で楽しんでいた、という意外な過去を持つ、現在愛犬をこよなく愛する超多忙人間です。(1997,6/7 15:00)
[谷田一郎PHOTO]

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