多次元スキーマおよびデータの概要

多次元スキーマの解説

"キューブ" は、ADO MD の中心的なメタデータ オブジェクトで、関連する次元、階層、レベル、およびメンバの構造化セットで構成されています。

"次元" は、多次元データベースから独立したデータの分類で、ビジネス エンティティから派生します。通常、次元にはデータベース処理のためのクエリ抽出条件として使用される項目が含まれています。

"階層" は、次元の集合のパスです。次元には、さまざまな高さのレベルがあって、それらが親子関係にあります。階層は、これらのレベルの関連を定義します。

"レベル" は、階層の一段落の集合です。複数の情報層を持つ次元では、それぞれの層がレベルになります。

"メンバ" は、次元にあるデータ アイテムです。メンバは、通常、キャプションを作成したり、データベースの基準を記述するために使用されます。

キューブは、ADO MD の CubeDef オブジェクトによって表されます。次元、階層、レベル、およびメンバも、DimensionHierarchyLevelMember などの対応する ADO MD オブジェクトによって表されます。

次元

キューブの次元は、ビジネス エンティティおよびデータベースのモデル化されたデータの型によって異なります。通常、それぞれの次元は、独立したエントリ ポイントまたはデータを選択するメカニズムです。

たとえば、売り上げデータを含むキューブには、次の 5 つの次元があります。Salesperson、Geography、Time、Products、および Measures です。Measures 次元には実際の売り上げデータ値が入り、その他の次元には売り上げデータ値を分類およびグループ化する方法を表現します。

Geography 次元には、次のようなメンバのセットがあります。

{All, North America, Europe, Canada, USA, UK, Germany, Canada-West,
Canada-East, USA-NW, USA-SW, USA-NE, USA-SE, England, Scotland, 
Wales,Ireland, Germany-North, Germany-South, Ottawa, Toronto, 
Vancouver, Calgary, Seattle, Boise, Los Angeles, Houston, 
Shreveport, Miami, Boston, New York, London, Dover, Glasgow, 
Edinburgh, Cardiff, Pembroke, Belfast, Londonderry, Berlin, 
Hamburg, Munich, Stuttgart}

階層

階層は、次元のレベルを "ロール アップ" またはグループ化する方法を定義します。次元には、1 つ以上の階層を含めることができます。Geography 次元には、固有の階層があります。

レベル

前の図で示された Geography 次元の例で、それぞれのボックスは階層のレベルを表します。

それぞれのレベルには、次のようなメンバのセットがあります。

メンバ

階層のリーフ レベルのメンバはを持たず、ルート レベルのメンバはを持ちません。その他すべてのメンバは、少なくとも 1 つの親と 1 つの子を持ちます。たとえば、Geography 次元の階層ツリーを部分的に見てみると、次のような親子関係があります。

メンバは、次元ごとに 1 つ以上の階層ごとにまとめることができます。Time 次元を見てみると、Days レベルから Year レベルにロール アップする方法は、2 つあります。

また、この例はほかの特性も示しています。Year-Week 階層の Week レベルのいくつかのメンバは、Year-Quarter 階層のどのレベルにも表示されません。したがって、1 つの階層に次元のすべてのメンバを含める必要はありません。