Internet Express (IExpress) は、セットアップ処理を簡単にするために設計されたテクノロジです。IExpress ウィザードに従って処理を 1 ステップずつ実行すれば、内部のセットアップ プログラムを自動的に実行するような自己展開型のキャビネット (.cab) ファイルを容易に作成することができます。
セットアップ プログラムは、.inf ファイル、実行可能プログラム、一連のコマンドのいずれでもかまいません。IExpress の .cab ファイルは、インストールが終了するとセットアップ ファイルを自動的に削除するため、時間と労力を節約することができます。
IExpress ウィザードを使用すれば、ユーザーに表示されるプロンプトを制御したり、インストール後にユーザーにリブートさせるかどうかを決定したりなど、カスタム ブラウザ パッケージの特殊なインストールを実行できます。IExpress ウィザード (IExpress.exe) は、\Program Files\IEAK\Tools というフォルダに入っています。このウィザードで指定する選択肢は、バッチ モードでのセットアップ スイッチに対応しています。
IExpress セットアップ パッケージを作成するには、パッケージに関する情報を格納するための自己展開型ディレクティブ (SED) ファイルの作成から始めます。IExpress ウィザードを実行する際は、既存の SED ファイルを使用してもかまいませんし、ウィザードで新しい SED ファイルを作成してもかまいません。SED ファイルには、セットアップ パッケージに関する情報および指示が格納されます。
IExpress のテクノロジには、次のような機能があります。
Internet Explorer 4.0 の自動サイレント インストール。
以前にインストールしたものを削除しなくても、アップグレードすることができます。
同じ作成方法を使用したリフレッシュまたは再インストール。
インストールするときに OSR2 コンピュータをリブートする必要がありません。
IExpress のテクノロジは、強力で柔軟性に富んでいます。ここでは、ユーザーが指定できる設定の一部を紹介します。
自動インストール パッケージを管理者向けと一般ユーザー向けのいずれにするか決定する。
埋め込まれているインストール コマンドの実行に関して、Normal、Admin quiet、Users quiet モードといった複数の方法を設定する。
ユーザーのコンピュータ上にある IExpress ダイナミックリンク ライブラリ (.dll) が現行のものより古くなった場合に、それを更新するかどうか決定する。
オペレーティング システム、ブラウザ、およびアプリケーションに関して、該当パッケージを使用できるバージョン (対象バージョン) の範囲 (1 つまたは複数のバージョン) を指定する。
バッチ モードの場合、該当パッケージの別のコピーが実行中のときは警告を出して 2 つのパッケージを同時に実行しないようにするか、または何もしないかを決定する。
該当パッケージを作成し直すことなく、UPDFILE ツールを使って IExpress パッケージを更新しファイルを追加する。
ジョブの実行順序とステータスの表示に関して、発行者に制御を任せ、Runonce を RunOnceEx で置き換える (iernonce.dll の新しいバージョンがある場合)。
Internet Explorer 管理者キットとアクティブ セットアップを統合することによって、10MB の一括ダウンロードに関連する問題を解消し、ISP が 5 枚組のディスク パッケージで配布する必要性をなくす。
ローミング ユーザーをサポートするのに必要な機構を、企業内管理者に提供する。
カスタム コンテンツをユーザーに提供するような設定済みデスクトップの入ったパッケージの生成方法を、ICP および ISP に提供する。
複数のダウンロード サイトをサポートする。
その他の内部および外部の開発、カスタマイズ、機能拡張、デバッグ機能の強化をサポートする。
セットアップ、アンインストール、およびメンテナンスの各モード時に、ハードディスク内のごみ箱、occache、wininet キャッシュ、一時ディレクトリなどをクリーンアップすることにより、ディスク スペースを節約する。
非 SBCS の拡張文字セットをサポートする。
インターネット用の新しい .inf ファイルのフォーマットをサポートする。