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VFATBAK.TXT
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Wrap
Text File
|
2001-04-30
|
63KB
|
1,565 lines
------------------------------------------------------
VFATBAK version 2.11 Copyright (C) KATONBO, 1996-2001
backup/restore VFAT filesystem from DOS
------------------------------------------------------
VFATBAK v2.11 取扱説明書
■目次
■解説
●概要
●特長
■前提条件
●対象とする使用者
●本ソフトウェアの用途
●動作環境
●バックアップ可能なドライブ
●バックアップ先として利用可能なドライブ
■インストール
■ご使用の前に
●バックアップするファイル・システムの検査
・Windows 95/98/98SE/ME のスキャンディスクについての注意
・DOS 版 SCANDISK についての注意
●復旧の障害となるアプリケーションの停止
●復旧計画の検討
■基本的な使い方
●バックアップ
(1) ドライブ全体をバックアップする場合
(2) 起動ドライブで特定なフォルダだけをバックアップする場合
●リストア
(1) ドライブ全体にリストアする場合
(2) 必要なフォルダだけをリストアする場合
●バックアップ・ファイルのテスト
■コマンド行書式
●コマンド行構造
(1) <オプション> パラメータ
(2) <コマンド> パラメータ
(3) <バックアップ・ファイル指定> パラメータ
(4) <処理対象指定> パラメータ
●<処理対象指定> パラメータの詳細
(1) 基本指定
(2) フォルダ指定
(3) ファイル/フォルダの選択(除外)指定
(4) バックアップ時除外ファイル指定
●<オプション> パラメータ一覧
●<オプション> パラメータの書式
(1) スイッチ型オプションの書式
(2) 値型オプションの書式
(3) スイッチ型オプションの表記法
(4) 値型オプションの表記法
●<オプション> パラメータの詳細
■媒体交換
■表示について
●日本語表示
●エラー・メッセージ
●処理状況表示
■レスポンス・ファイル
■初期設定ファイル
■ビープ音カスタマイズ・ファイル
■注意点、制限事項など
●パス長、フォルダ階層の限界
●バックアップ・ファイルのサイズ
●CTRL-C による中断
●ボリューム・ラベルのリストア
●上書きリストア
●SMARTDRV(ディスク・キャッシュ)について
●「MS-DOS プロンプト」ウィンドウでの使用について
●ハードディスクへのバックアップについて
■著作権、使用条件、免責
■配布条件
■変更履歴
■作者と連絡先
●作者
●電子メール・アドレス/ホームぺージ
●謝辞
■解説
●概要
VFAT ファイル・システムは、Windows 95/98/98SE/ME と Windows NT の FAT ド
ライブで使用されているもので、長いファイル名(Long File Name:以下 LFN)が
使えるのが特徴です。
バックアップ・ツールも LFN を保存できるものが必要となる訳ですが、Windows
上で利用できるほとんどのバックアップ・ツールは、Windows が起動しない事には、
バックアップした内容をリストアする事ができません。
そういう訳で、Windows がおかしくなってしまったら、「セットアップをやり直
すのが一番」というのが通説になっています。
しかし、Windows はサービス・パック、アップデート・モジュールなど、標準の
セットアップに加えて、追加モジュールをセットアップして使われる事が多く、こ
れらを一からやり直すのは大変です。時間をかけて使いやすくカスタマイズしたさ
まざまな設定内容もまた、貴重な資産のはずです。
---------------------------------------------------------------------
VFATBAK は Windows が起動できない状況で、予めバックアップした内容を
DOS を使ってリストアできる、LFN 対応のバックアップ・ツールです。
---------------------------------------------------------------------
Windows 95/98/98SE/ME の「起動ディスク」をはじめ、v5.0 以降の DOS で動作
するので、これらの DOS の起動ディスクから立ち上げて、リストア作業を行えま
す。
次のような場面でお役に立てるはずです。
・Windows を構成するファイルが壊れて Windows が起動できなくなった。
・Windows で使っていたハードディスクを交換したい。
・Windows で使っていたハードディスクのパーティションを切り直したい。
・Windows を FAT ドライブで使っていたが、FAT32 ドライブに変更したい。
●特長
Windows 95/98/98SE/ME、Windows NT の FAT ドライブの長いファイル名を考
慮したバックアップ/リストアを DOS から行えます。
バックアップされるファイルは、圧縮されバックアップ・ファイルにコンパクト
にまとめられます。
バックアップ・ファイルをCD-R などに保存できるように、指定サイズで分割
作成する事ができます。
DOS のドライブとして扱えさえすれば、どんな媒体にもバックアップできます。
MO など、複数枚の媒体に渡って(マルチ・ボリューム)バックアップする事が
できます。
1つの媒体に複数のバックアップ・ファイルを置く事ができます。
全ての属性のファイルをバックアップ/リストアします。
処理できるファイル数に制限はありません。
レジストリ・ファイルも他のファイルと同様に、そのままバックアップ/リス
トアできるので、Windows 環境を完全に復旧できます。
DOS アプリケーションですが、DOS の制限を超えて、Windows で作成可能なフ
ォルダ階層をすべて処理可能です。
視覚障がい者支援読み上げソフト VDM100 が常駐している場合、余計な読み上
げが起こらないようにする一方、プロンプト・メッセージやエラー・メッセージ
が確実に読み上げられるように、VDM100 を自動制御します。また、媒体交換の
タイミングはビープ音で知らせます。
■前提条件
●対象とする使用者
本ソフトウェアは、Windows 95/98/98SE/ME/NT/2000、DOS の細かい動作をある
程度理解されている方を対象としています。全ての属性のファイルを指示どおりに
書き込む事ができるなど、強力な反面、使い方を誤ると非常に危険です。また、本
ソフトウェアが目的とするシステム復旧作業には、各作業の段取りなど、本ソフト
ウェアの使い方以外にも、必要な知識がたくさんあります。
この取扱説明書の内容が理解できなかった方は、使用をあきらめるか、詳しい人
に操作してもらって下さい。突き放すようですが、システム・バックアップは、本
来のパソコン利用の目的の片手間に行うには、負担の大き過ぎる作業です。
●本ソフトウェアの用途
VFATBAK は、Windows システムのある一時点の状態を、構成ファイル全てを保存
する方法によって保存し、必要な時に復旧できるようにする事が目的です。
日々更新されるデータ・ファイルのバックアップには向いていません。そのよう
な用途には、Windows 上で動作する便利なアプリケーションが多く存在するので、
そちらをご利用下さい。
●動作環境
v5.0 以降の DOS で動作します。但し、バックアップ対象の OS で作成した「起
動ディスク」で起動した環境での使用を原則とします。
Windows NT/2000 では、「セットアップ・ディスク」が DOS では無いため、
VFATBAK の使用には、お持ちの Windows 95/98/98SE/ME や MS-DOS 6.2/V の「起
動ディスク」を利用する事になります。
なお、Windows NT/2000 の「セットアップ・ディスク」は、システム復旧のため
に VFATBAK によるリストアの後、必要となります。
日本語 DOS、英語 DOS で動作しますが、英語 DOS では、日本語ファイル名が文
字化けして表示されます。
Windows 95/98/98SE/ME 上で動作する「MS-DOS プロンプト」ウィンドウで、バ
ックアップを行う事は可能です。但し、使用中で読む事ができないファイルがバッ
クアップできない場合があります。
Windows NT/2000 の「コマンド プロンプト」ウィンドウでの動作は、保証しま
せん。Windows NT でのバックアップ操作は、一見動作しますが、不完全です。
DOS 汎用アプリケーションとして作ってあるので、パソコン機種に拘らず動作す
るはずです。
NEC PC-98xx シリーズでも大まかな動作確認はしています。
●バックアップ可能なドライブ
日本語版 MS-DOS、PC DOS、Windows 3.1/95/98/98SE/ME/NT/2000 の FAT フォー
マット、FAT32 フォーマットのローカル・ドライブをバックアップできます。
但し、FAT32 ドライブをバックアップするには、FAT32 を認識できる DOS を使
う必要があります。
FAT32 ドライブは、Windows 95 の OSR-2 以降と Windows 98/98SE/ME の「起動
ディスク」環境から認識可能です。
Windows NT4.0 のセットアップで 2GB 以上の大きさのパーティションを作成し、
FAT フォーマットして作成されたドライブは、クラスタ・サイズが 64KB という特
殊な FAT ドライブとなりますが、これもバックアップ可能です。
ネットワーク・ドライブはバックアップできません。
Windows NT/2000 の NTFS フォーマットのドライブはバックアップできません
(DOS からも認識されません)。
ASSIGN、SUBST、JOIN などで作られた仮想的なドライブは、バックアップ対象と
してサポートしていません。
ソフトウェアで実現された圧縮ドライブに格納されているファイルは、原理的に
はバックアップ可能ですが、復旧時に圧縮ドライブとして復旧する事は、VFATBAK
の役目ではありません。
他国語版 Windows のドライブも、原理的には概ねバックアップ可能と思われます
が、動作保証できるだけの動作確認はしていません。
●バックアップ先として利用可能なドライブ
DOS からドライブとして正しく認識できるドライブであれば、どんなドライブに
もバックアップ・ファイルを作成する事が可能です。
ネットワーク・ドライブや、MO、ZIP などの取り出し可能媒体を利用できます。
CD-R/RW に直接バックアップする機能はありません。
いったん他の媒体にバックアップし、作成されたバックアップ・ファイルをマス
タリング・ソフトで CD-R/RWに焼いて、復旧時に利用する事は可能です。
■インストール
付属の INSTALL.TXT をご覧下さい。
■ご使用の前に
●バックアップするファイル・システムの検査
バックアップする内容に問題があっては、正しくバックアップできませんし、そ
の内容をリストアしても正しい動作は望めません。Windows 付属のユーティリティ
か市販のユーティリティを使って、バックアップするドライブを検査し、障害があ
れば修正を済ませておいて下さい。
・Windows 95/98/98SE/ME のスキャンディスクについての注意
残念ながら、「スキャンディスク」は DOS の制限を越える深い場所にあるフォ
ルダに関する扱いが完全ではありません。
Windows 98 以降では、「スキャンディスクの詳細オプション」ダイアログに、
「ファイル名の長さのエラーを報告(S)」という項目が追加され、DOS の制限を越
える深いフォルダを問題と見なす動作を抑制する事ができるようになりましたが、
深いフォルダについて、スキャンディスクは次のようなエラーを報告する事があり
ます。
|エラー - ローカル ディスク (D:)
|------------------------------------------------------------------------------
|901120 バイトのデータが 55 個の破損ファイルの断片中に存在します。破損ファイ
|ルの断片に使用できるファイルやフォルダが含まれる場合もありますが、通常はディス
|ク領域の無駄です。
|
|○破損ファイルの断片を破棄してディスク領域を修復(D)
|◎破損ファイルの断片をファイルに変換(C)
|○エラーを無視して続行(I)
|
| [ OK ] [ キャンセル ] [ 詳細(M)... ]
|詳細情報
|------------------------------------------------------------------------------
|55 個の破損クラスタが 55 個のチェーンに見つかりました。
|
|破損クラスタは現在ファイルに関連付けられていませんが、ファイルのデータの一部で
|あったデータが含まれています。通常は、このデータは既に削除されたファイルのもの
|であるため、破棄しても安全です。特に破損クラスタ数と破損チェーン数が同じ場合
|は、何も問題ありません。
|
| [ OK ]
これに対しては、必ず「エラーを無視して続行(I)」を指示して下さい。
「破損ファイルの断片を破棄してディスク領域を修復(D)」などを実施すると、
短いファイル名でのパスの長さが 66バイトを越える深いパスにあるフォルダやフ
ァイルを切り捨てる形の処理がされます。この処理が不完全なため、以後の使用に
支障を来たします。
具体的には、パスの長さが 66バイトを越える深いパスにあるフォルダやファイ
ルがドライブ上で使用していた領域を開放してしまう一方、きれいにフォルダの削
除を行わないために、切り捨てたはずのフォルダ以下が存在するように見えるとい
う状況になります。
切り捨てたはずのフォルダ以下にはアクセスできてしまい、それを通じて他の正
常なファイルやフォルダが破壊される危険があります。
DOS 版 SCANDISK では、上記のようなエラー報告は起きません。
・DOS 版 SCANDISK についての注意
DOS 版 SCANDISK では、FAT32 ドライブ上の 4GB 付近のサイズのファイルを異
常と見なす場合があります。
実際には、4,294,967,296バイトからクラスタ・サイズを引いたサイズ以上のフ
ァイルを異常と見なして、次のようなメッセージを表示します。
|==================== 問題が見つかりました =====================
|x:xxxx ファイルのサイズが間違って報告されています.一部のプログラムが
|ファイル全体を検索できない可能性があります.または,ファイルの最後の
|方に無効なデータが含まれている可能性があります.
|
|x:xxxx ファイルのサイズ情報を修正するには,[修復する]を選んでくだ
|さい.
このメッセージのとおりに「修復」操作をすると、該当ファイルはサイズ 0 に
される一方、このファイルが使っていたディスク上の領域は正しく開放されないと
いう、中途半端な状態になります。DOS 版 SCANDISK のこの警告は無視して下さい。
●復旧の障害となるアプリケーションの停止
コンピュータ・ウィルス対策ソフトの中には、ハードディスクのパーティション
情報などが格納されている、マスター・ブート・レコードと呼ばれる部分に対する
ウィルス感染を、検知/修復する機能を持つものがあります。この機能を有効にし
た状態をバックアップすると、バックアップ内容の復旧後の再起動時に、復旧を阻
害する動作を起こす場合があります。このような機能は予め無効にしておいて下さ
い。
●復旧計画の検討
Windows システムが起動しなくなった場合に、復旧させる手順を予め確認してお
いて下さい。例えば、MO 媒体や、ネットワーク・ドライブにバックアップを取る
場合、フロッピーから起動した状態で、MO ドライブ、ネットワーク・ドライブを
アクセスできるように、起動フロッピーを用意して SCSI ドライバやネットワーク
・ドライバを組み込むなどの準備をしておく必要があります。
Windows 95/98/98SE/ME、Windows NT/2000 それぞれの復旧のための参考情報を
RECOVER.TXT にまとめているので、一緒にご覧下さい。
■基本的な使い方
●バックアップ
(1) ドライブ全体をバックアップする場合
実行例> VFATBAK B X:\BAK C:\
バックアップ・ファイル X:\BAK.001~ に C:\ 以下の全ての内容をバックアッ
プします。
(2) 起動ドライブで特定のフォルダだけをバックアップする場合
実行例> VFATBAK B X:\BAK C:\ WINDOWS DOS PROGRA~1
X:\BAK.001~ に C:\ 直下のファイルと、フォルダ WINDOWS、DOS、PROGRA~1
(Program Files)以下の内容をバックアップします。
-R- オプションを指定して、ルート・フォルダ直下のファイルがバックアップさ
れないようにすることもできます。
●リストア
(1) ドライブ全体にリストアする場合
実行例> VFATBAK R X:\BAK C:\
バックアップ・ファイル X:\BAK.001~ の全ての内容を C:\ 以下にリストアし
ます。
(2) 必要なフォルダだけをリストアする場合
実行例> VFATBAK -R- R X:\BAK C:\ WINDOWS
バックアップ・ファイル X:\BAK.001~ からフォルダ \WINDOWS 以下の内容だけ
をリストアします。-R- オプションが無ければ、ルート・フォルダ直下のファイル
もリストアされます。
●バックアップ・ファイルのテスト
実行例> VFATBAK T X:\BAK
バックアップ済みのバックアップ・ファイルを検査します。
処理中は、通常のファイル情報に加え、右端に検査状況が表示されます。c は圧
縮データ、n は無圧縮データを表し、そのデータ単位が正しく読み出せた事を示し
ます。以下に表示例を示します。
---SH-- COMMAND.COM 117638 2000-06-08 17:00 ccnncc
検査状況
エラー無しで、最後まで読み終える事ができれば、問題ありません。
※バックアップ・ファイルのテストについて
バックアップが正常に終了した場合、バックアップ対象のドライブには特に問題
が無かったと言えます。
しかし、バックアップ・ファイルを格納したドライブについては、まだ安心でき
ません。
バックアップ先ドライブに機器障害があるような場合、実際には正しく書き込め
ていなくても、DOS を通じてエラーが報告されず、結果として VFATBAK が異常を
検知できない事は、実はよくあります。
VFATBAK では、バックアップ・ファイルの書き込み時、書き込み単位毎に検査情
報を一緒に書き込んでおり、バックアップ・ファイルの読み出し時に、この検査情
報と照合する事で、書き込んだはずの内容が正しく読み出せるかどうかを検査する
事ができる設計になっています。
バックアップ・ファイルのテストでは、リストア時と同じ方法でバックアップ・
ファイルを読み、この検査を行います。
バックアップの度にこれを行うのは、時間もかかり負担ですが、リストア時にバ
ックアップ・ファイルが正しく読めなければ何にもならないので、初めてバックア
ップに使う機器では、是非行なって下さい。
もしこのテストで、次のようなエラーが出た場合は、バックアップ先ドライブの
異常を疑って、調査する必要が有ります。
# record header damaged
# record data damaged
VFATBAK 以外のアプリケーションでは、異常を報告しないかも知れません。これ
は、一般のアプリケーションが、機器が故障している事を前提としては作られてい
ない事が普通なので、あり得る事です。
上記エラーが出た場合、次のような問題が考えられます。
(1) バックアップ先ドライブの書き込み動作に問題がある
バックアップ時にバックアップ先ドライブに問題があって、バックアップ・フ
ァイルが正しく書き込めていなかった。
(2) バックアップ先ドライブの読み込み動作に問題がある
バックアップ時には正しく書き込めていたが、読み出しが正しくできない。
バックアップ・ファイルの読み出しに使う機器や、媒体を変えてみたり、媒体を
フォーマットし直したりすると、現象が変わって問題を判別できるかも知れません。
いずれの場合も、ドライブ装置、媒体、接続ケーブルやコネクタ、インターフェ
ース・カード、ドライバ・ソフトウェアなど、ドライブを構成している各要素を疑
ってみる必要があります。
■コマンド行書式
●コマンド行構造
VFATBAK のコマンド行は次のような構造になっています。
VFATBAK <オプション> <コマンド> <バックアップ・ファイル指定> <処理対象指定>
プログラム名 VFATBAK に続き、パラメータを半角スペースで区切って指定します。
例> VFATBAK -S+ -O+ B X:\BAK C:\
以下に、各パラメータの概要を示します。
(1) <オプション> パラメータ
<オプション> パラメータは、-S+ のように '-' で始まる文字または単語で、
VFATBAK の動作を目的に合わせて変更したい場合に、必要に応じて指定します。省
略可能です。詳細は後述します。
(2) <コマンド> パラメータ
<コマンド> パラメータは、VFATBAK の基本動作を決定する文字です。省略する
事はできません。次の4つがあります。
B:バックアップ動作(ドライブの内容→バックアップ・ファイル)
R:リストア動作 (バックアップ・ファイル→ドライブ)
T:バックアップ・ファイルの検査動作
L:バックアップ・ファイルに含まれるファイル一覧の出力動作
(3) <バックアップ・ファイル指定> パラメータ
<バックアップ・ファイル指定> パラメータは、バックアップ内容を保存するフ
ァイルの名前を指定するパス文字列です。省略する事はできません。
拡張子は VFATBAK が自動的に決定するので、指定する必要はありません。.001
から始まって、媒体が交換される度に .002、.003 のように変化します。
(4) <処理対象指定> パラメータ
<処理対象指定> パラメータは、バックアップまたはリストアの対象を指定する
パス文字列です。省略する事はできません。
バックアップ/リストア対象を一部のフォルダに絞るなどの指定を伴う事もでき
ます。詳細は後述します。
●<処理対象指定> パラメータの詳細
<処理対象指定> パラメータには、バックアップ時は、バックアップするフォル
ダのパス、リストア時は、リストア先のフォルダのパスを指定して下さい。
指定できるパスは、DOS から見える形式の名前です。
例えば、C:\Program Files というフォルダがありますが、これは Windows 動作
中にのみ扱える「長い名前」で、これを直接 VFATBAK に指定する事はできません。
DOS から見える形式の名前は、この例では PROGRA~1 のようなものです。次のよ
うにして確認できます。
・Windows 95/98/98SE/ME の場合
「MS-DOS プロンプト」ウィンドウで DIR コマンドを実行する。
例> DIR C:\
:
PROGRA~1 <DIR> 00-09-07 16:53 Program Files
:
・Windows NT/2000 の場合
「コマンド プロンプト」ウィンドウで DIR /X コマンドを実行する。
例> DIR C:\
:
00/01/19 20:24 <DIR> PROGRA~1 Program Files
:
従って、C:\Program Files フォルダ以下をバックアップしたい場合の実行例は
次のようになります。
例> VFATBAK B X:\BAK C:\PROGRA~1
以下に、指定方法のバリエーションを示します。
(1) 基本指定
基本的な使い方では、C:\ のようにルート・フォルダを指定する事で、ドライブ
全体のバックアップ/リストアを指示する事になります。
バックアップの例> VFATBAK B X:\BAK C:\
リストアの例> VFATBAK R X:\BAK C:\
(2) フォルダ指定
バックアップ時、<処理対象指定> パラメータに特定のフォルダを指定すると、
そのフォルダ以下の内容だけをバックアップします。
指定したフォルダそのものは、バックアップには含まれません。
バックアップの例> VFATBAK B X:\BAK C:\WINDOWS
リストア時、<処理対象指定> パラメータに特定のフォルダを指定すると、その
フォルダ以下にバックアップ内容をリストアします。
指定するフォルダは存在している必要があります。
リストアの例> VFATBAK R X:\BAK C:\WINDOWS
(3) ファイル/フォルダの選択(除外)指定
例えば、C:\ 以下の内容のうち、特定のファイルやフォルダだけを選択または除
外してバックアップしたい場合は、<処理対象指定> パラメータのパス指定に続け
て、「選択(除外)指定パラメータ」を指定する事ができます。
選択(除外)指定パラメータは、<処理対象指定> パラメータのパス指定を基準
とした相対パス表現のファイル名またはフォルダ名で、半角スペースで区切って複
数指定する事ができます。
ファイル名の場合は、*.DLL、ABC???.DAT のような DOS のワイルドカード表現
を使う事もできます。
選択(除外)指定パラメータの総数は、後述する「初期設定ファイル」、「レス
ポンス・ファイル」と、コマンド行での指定を合計して 50個までです。
以下に指定フォルダだけをバックアップする例を示します。
選択バックアップの例> VFATBAK B X:\BAK C:\ WINDOWS DOS PROGRA~1
この例では、X:\BAK.001~ に C:\ 直下のファイルと、フォルダ WINDOWS、DOS、
PROGRA~1(Program Files)以下の内容をバックアップします。
システム復旧を目的としているため、ルート・フォルダ直下のファイルは、この
場合も自動的にバックアップされるようになっています。
-R- オプションを指定して、ルート・フォルダ直下のファイルがバックアップさ
れないようにすることもできます。
以下に、指定ファイルだけをリストアする例を示します。
選択リストアの例> VFATBAK R X:\BAK . WINDOWS\*.DAT
この例では、カレント・フォルダ(".")以下に、\WINDOWS フォルダの SYSTEM.
DAT、USER.DAT を取り出します。
画面表示で目的のファイルが取り出せた事が確認できたら、CTRL+C キーを押し
て止めて構いません(取り出し終えた事を検出して自動的に停止するようにはなっ
ていません)。
結果として、カレント・フォルダの下に WINDOWS フォルダが作成され、その下
に目的のファイルが格納されます。この例のように、元々隠しファイルだったもの
は、その属性も復元され、隠しファイルとなります。DIR /A コマンドなどで確認
して下さい。
-X+ オプションを指定すると、このパラメータの意味は反転して、指定した内容
を除外してバックアップまたはリストアするようになります。
以下に、指定フォルダを除外してバックアップする例を示します。
除外バックアップの例> VFATBAK -X+ B X:\BAK C:\ WINDOWS\TEMPOR~1
この例では、C:\ 以下の内容のうち、\WINDOWS\TEMPOR~1(C:\Windows\
Temporary Internet Files)フォルダを除外した内容をバックアップします。
(4) バックアップ時除外ファイル指定
どのフォルダにあるかに拘らず、特定の名前のファイルを除外したい場合は、<
処理対象指定> パラメータのパス指定に続けて、「バックアップ時除外ファイル指
定」パラメータを指定する事ができます。
バックアップ時除外ファイル指定パラメータは、'-' に続けて書かれたファイル
名で、半角スペースで区切って複数指定できます。-*.BAK のように DOS のワイル
ドカード表現を使う事ができます。
バックアップ時除外ファイル指定パラメータの総数は、後述する「初期設定ファ
イル」、「レスポンス・ファイル」と、コマンド行での指定を合計して 50個まで
です。リストア時には指定できません。
●<オプション> パラメータ一覧
<オプション> パラメータの一覧を示します。
-2 : ファイルのタイム・スタンプの年表示 2桁/4桁切替
-2{+|-} 既定値:-2+(4桁表示)
-A : バックアップ・ファイルの分割サイズ指定
-A<分割サイズ>
-C : バックアップ・ファイル圧縮指定
-C{+|-} 既定値:-C+(圧縮する)
-D : 不完全ファイル名の無視指定
-D{+|-} 既定値:-D-(無視しない)
-F : 初期設定ファイルの変更指定
-F<初期設定ファイルのパス>
-G : ログ・ファイルのパス指定
-G<ログ・ファイルのパス>
-G-(ログ出力を抑制する場合)
-I : 長過ぎるパスの無視指定
-I{+|-} 既定値:-I-(無視しない)
-J : 分割バックアップ・ファイルの連続読み込み指定
-J{+|-} 既定値:-J-(連続読み込みしない)
-M : 媒体交換プロンプトの制御
-M{+|-} 既定値:-M+(媒体交換プロンプトを表示)
-O : ファイルの上書き制御
-O{+|-} 既定値:-O-(上書きしない)
-P : 第1回目の媒体交換プロンプトの抑制
-P{+|-} 既定値:-P+(媒体交換プロンプトを表示)
-Q : 処理状況表示の抑制
-Q{+|-} 既定値:-Q-(表示抑制しない)
-R : ルート・フォルダ直下ファイルの扱いを制御
-R{+|-} 既定値:-R+(ルート・フォルダ直下ファイルを扱う)
-S : ビープ音の制御
-S{+|-} 既定値:-S-(ビープ音 OFF)
-V : VDM100 常駐時の読み上げ機能を制御
-V{+|-} 既定値:-V+(制御する)
-X : ファイル/フォルダ選択指定の意味を反転
-X{+|-} 既定値:-X-(反転しない)
-Y : 上書きとなるファイルのスキップ
-Y{+|-} 既定値:-Y-(スキップしない)
-Z : 圧縮処理をしないファイルの拡張子を指定
-Z<拡張子のリスト>
-Mem : 作業メモリ量の調整
-Mem<入力バッファ数>,<出力バッファ数>,<FATキャッシュ数>,<ディレクトリ・キャッシュ数>
既定値:-Mem94,94,4,4
-IgnNoLock : ドライブのロックができない場合の警告を抑制
-IgnNoLock{+|-} 既定値:-IgnNoLock-(ドライブ・ロックできない事を警告する)
-IgnBigF : 2GB 以上のファイルのリストア不能警告を抑制
-IgnBigF{+|-} 既定値:-IgnBigF-(大きなファイルの警告を行う)
-IgnCapa : バックアップ・ファイル格納ドライブの容量管理を抑制
-IgnCapa{+|-} 既定値:-IgnCapa-(容量管理を行う)
-IgnDisturb : DOS プロンプト実行での他プログラムの干渉警告を抑制
-IgnDisturb{+|-} 既定値:-IgnDisturb-(外部干渉の警告を行う)
-IgnDupEnt : 同名ファイル/フォルダのリストア失敗警告を抑制
-IgnDupEnt{+|-} 既定値:-IgnDupEnt-(同名異属性上書きの警告を行う)
-WaitArchDrvReady : バックアップ・ファイル格納ドライブの準備待ち動作を制御
-WaitArchDrvReady{+|-} 既定値:-WaitArchDrvReady+(ドライブ準備待ちを行う)
●<オプション> パラメータの書式
<オプション> パラメータの書式には、次の2とおりがあります。
(1) スイッチ型オプションの書式
書式> -<オプション名><+ または ->
例1> -S+
例2> -P-
特定の機能の ON または OFF を指示するオプションです。オプション名の後ろ
に + を指定すると機能の ON、- を指定すると機能の OFF を表します。
(2) 値型オプションの書式
書式> <オプション名><追加情報>
例1> -A600M
例2> -ZCAB,ZIP,LZH
数値やファイル名などの追加情報を必要とするオプションの書式です。追加情報
は、オプション名に続けて、スペースを置かずに指定しなければなりません。
以下の <オプション> パラメータの詳細説明では、オプションの書式を次のよう
に表記します。
(3) スイッチ型オプションの表記法
表記法> -<オプション名>{+|-}
例> -C{+|-}
(4) 値型オプションの表記法
表記法> -<オプション名><追加情報>
例> -A<分割サイズ>
●<オプション> パラメータの詳細
以下に、各 <オプション> パラメータの詳細を示します。
・-2 : ファイルのタイム・スタンプの年表示 2桁/4桁切替
-2{+|-} 既定値:-2+(4桁表示)
処理状況表示やログに記録される、ファイルのタイム・スタンプの年表示を 4
桁表示にするかどうかを指定します(2000年対策の '2' です)。
・-A : バックアップ・ファイルの分割サイズ指定
-A<分割サイズ>
バックアップ・ファイルを指定サイズで分割します。
通常は、バックアップ先媒体の容量いっぱいまでバックアップします。このオ
プションを指定すると、バックアップ・ファイルが指定のサイズになったら、あ
たかも媒体がいっぱいになったように、媒体交換プロンプトを表示します。
-M- オプションが指定されていれば、媒体交換プロンプトも表示されず、自動
分割処理が可能となります。
バックアップ・ファイルを CD-R などに格納したい場合などに、媒体容量以下
の分割サイズを指定し、バックアップ・ファイルを自動的に分割しながらバック
アップする事ができます。
<分割サイズ> に指定できる数値は、65532 から 2147483647 までです。
-A640M のように、補助単位 K(x1000)、M(x1000000)を数字の最後に指定
できます。
バックアップ先媒体の容量以上の値を指定すると、容量を使い切った時点で、
媒体交換プロンプトが表示されます。
バックアップ・ファイルを後で CD-R などに格納したいが、バックアップ先と
して使えるドライブが MO ドライブなどの取り出し可能媒体で、バックアップ総
量は 媒体容量を超えそうだという場合にも、-A オプションを指定する事で、バ
ックアップ・ファイルは指定サイズ以内に分割されつつ、媒体がいっぱいになれ
ば媒体交換プロンプトが表示されます。
但し媒体交換プロンプトで表示される媒体番号は、実際の媒体が何枚目である
かに拘らず、分割されたバックアップ・ファイルの番号となります。例えば、フ
ォーマット後容量 1.14GB の 1.3GB MO 媒体に -A640M -M- 指定でバックアップ
した場合、1枚目の媒体には拡張子が .001、.002 のバックアップ・ファイルが
格納され、1枚目を要求する媒体交換プロンプトで表示される媒体番号は 3 とな
ります。
・-C : バックアップ・ファイル圧縮指定
-C{+|-} 既定値:-C+(圧縮する)
バックアップ時に、ファイルの圧縮を行うかどうかを選択します。バックアッ
プ・ファイルのサイズを小さくする事が圧縮処理の目的です。
パソコンの処理性能が低い場合、圧縮処理に時間がかかる事が原因で、処理が
遅くなる事があります。
一方、バックアップ先ドライブのデータ転送速度が遅い場合は、圧縮によって
転送量が減る結果、処理時間が短縮される事もあります。
「圧縮する」設定でも、全てのファイルが圧縮されるわけではありません。圧
縮の効果が上がらないファイルを圧縮するのは時間がかかるだけなので、ファイ
ルの最初の部分の圧縮率が悪い場合は、そのファイルの圧縮をあきらめます。
拡張子が .CAB、.ZIP、.LZH などであるような、圧縮済みである事が予めわか
っているファイルについて、-Z オプションで拡張子を指定しておけば、圧縮効
果があるかどうかの検査も省略します。
圧縮する判断となったファイルでも、圧縮率が悪い部分は圧縮しない内容がバ
ックアップ・ファイルに出力されます。このため、バイナリ・エディタなどの道
具を使えば、ファイルの内容が部分的にわかってしまいます。ファイルの内容の
不可視化を副作用として期待しないで下さい。
・-D : 不完全ファイル名の無視指定
-D{+|-} 既定値:-D-(無視しない)
長いファイル名を持つファイルを従来の DOS 環境で削除すると、長いファイ
ル名に関する情報が、残骸としてフォルダに残る事があります。このような残骸
を無視するかどうかを指定します。
-D- では、このようなファイル名の残骸に出会うと、スキップするかどうかを
問い合わせるプロンプトを表示します。
-D+ を指定すると、ファイル名の残骸に出会っても次のようなメッセージを表
示してスキップし、処理を続けます。
# illegal LFN entry : ?ONGFI~1.DAT
このとき表示されるファイル名は、削除された短いファイル名の残骸で、削除
操作の結果、先頭の 1 バイトには削除マークが付いているため、これを '?' で
置き換えて表示しています。
フォルダ上に、上記のような単純なスキップ処理ができないような矛盾がある
場合、プロンプト表示無しに # illegal LFN entry エラーで終了する場合があ
ります。このような場合は、スキャンディスクなどで、矛盾を修正してください。
・-F : 初期設定ファイルの変更指定
-F<初期設定ファイルのパス>
読み込ませる初期設定ファイル(後述)を、標準である起動フォルダの
VFATBAK.INI 以外のファイルにしたい場合に、そのパスを指定するのに使います。
・-G : ログ・ファイルのパス指定
-G<ログ・ファイルのパス>
-G-(ログ出力を抑制する場合)
処理状況を、指定パスのファイルに記録します。
バックアップ時には、-G オプションを指定しなくても、にバックアップ・フ
ァイル名の拡張子を .LOG にしたログ・ファイルを、バックアップ・ファイルと
同じフォルダに作成します。
媒体交換が発生する場合でも、ログ・ファイルも自動分割されます。
ログ出力による処理速度の低下を嫌うなどの理由で、ログ出力を抑制した場合
は、-G- を指定して下さい。
リストア時は、ログ・ファイルの出力に使えるドライブがあるとは限らないの
で、-G オプションを明示的に指定しなければログ・ファイルは作成されません。
ログ・ファイルは、バックアップ・ファイルに含まれる内容を確認したり、処
理内容を後で確認するのに利用できます。
使用 OS や、実行時のコマンド行の内容など、診断に必要な情報も記録される
ので、思ったように動かないという場合、作者に状況を伝えるには、このログ・
ファイルを示していただくのが一番です。
・-I : 長過ぎるパスの無視指定
-I{+|-} 既定値:-I-(無視しない)
処理できない長いパスに出会った時に、それをスキップして処理を続けるかど
うかを指定します。
処理できない長いパスに出会うと、スキップするかどうかを問い合わせるプロ
ンプトを表示します。
-I+ を指定すると、このようなパスに出会っても # too long or deep path
というメッセージを表示してスキップし、処理を続けます。
VFATBAK v2.xx から、DOS で処理できるパスの最大長 66バイトを越えて、
Windows 上で作成可能な範囲の深いパスを処理できるようになりました。しかし
例えば深いパスを含むルート・フォルダ以下のバックアップ内容を、バックアッ
プ時とは異なるフォルダ以下にリストアすると、リストア先フォルダのパス長が
加算され、処理限界を越える事があります。-I オプションは、そういった状況
での動作を決めるためのものです。
VFATBAK v2.xx が処理できるフォルダ階層、パス長の限界は、129 階層、259
バイトまでです。
・-J : 分割バックアップ・ファイルの連続読み込み指定
-J{+|-} 既定値:-J-(連続読み込みしない)
1つのフォルダに置かれた、連続したバックアップ・ファイルをリストアまた
はテストしたい場合に、媒体交換プロンプトを表示しないで自動的に処理するか
どうかを指定します。
-J+ を指定しなければ、1つのバックアップ・ファイルを読み終える度に、媒
体交換プロンプトを表示します。
・-M : 媒体交換プロンプトの制御
-M{+|-} 既定値:-M+(媒体交換プロンプトを表示)
バックアップ先の媒体がいっぱいになったときに、媒体交換のプロンプトを表
示するかどうかを選択します。
バックアップ・ファイルの指定サイズ分割オプション -A を指定して、自動分
割バックアップを行いたい場合は、-M- を指定して下さい。
媒体交換プロンプトは、バックアップ先ドライブの種類に拘らず、ハード・デ
ィスクの場合にも表示されます。この場合、媒体交換はできませんが、バックア
ップ先のパスを変更する事はできます。
・-O : ファイルの上書き制御
-O{+|-} 既定値:-O-(上書きしない)
バックアップ時では、指定されたバックアップ・ファイルが既に存在する場合、
リストア時では、リストアしようとしたファイルが既に存在する場合に、常に上
書きするかどうかを選択します。
-O+ を指定しなければ、ファイル毎に上書きを確認するプロンプトが表示され
ます。
バックアップ時、-O+ 指定や上書き確認プロンプトによって、バックアップ・
ファイルの上書きを指示すると、同じフォルダにある拡張子部分の番号が連続す
る複数のバックアップ・ファイルは、最初の上書き処理の時点で一括削除されま
す。
・-P : 第1回目の媒体交換プロンプトの抑制
-P{+|-} 既定値:-P+(媒体交換プロンプトを表示)
最初の媒体交換プロンプトを表示するかどうかを選択します。
バッチ・ファイルでの実行などで、プロンプトを省略したい場合は -P- を指
定して下さい。
・-Q : 処理状況表示の抑制
-Q{+|-} 既定値:-Q-(表示抑制しない)
画面に表示される処理状況表示を抑制するかどうかを選択します。
画面表示による速度低下を嫌うなどの理由で、画面表示を抑制したい場合は、
-Q+ を指定して下さい。
・-R : ルート・フォルダ直下ファイルの扱いを制御
-R{+|-} 既定値:-R+(ルート・フォルダ直下ファイルを扱う)
ルート・フォルダからのバックアップ/リストア時に、ルート・フォルダ直下
にあるファイルをバックアップ/リストアの対象とするかどうかを選択します。
ファイル/フォルダの選択(除外)指定よりも優先します。
起動ドライブのルート・フォルダ直下には、システムの起動に必要なファイル
が置かれているため、部分バックアップの場合でも、自動的に処理対象となるよ
うに既定値を決めています。
・-S : ビープ音の制御
-S{+|-} 既定値:-S-(ビープ音 OFF)
媒体交換プロンプトなどのキー入力状態になった時に、ビープ音を鳴らす機能
を使うかどうかを選択します。
VFATBAK を動作させながら別の作業を行うような場合に便利です。媒体交換プ
ロンプトでは、ディフォルトの設定では何かキー入力があるまで約 1 秒間隔で
ビープ音が鳴り続けます。
このオプションは、IBM PC/AT 互換機と PC-98xx シリーズでのみ指定可能で
す。その他の機種では、指定しないで下さい。
ビープ音は好みの音に変更できます。詳しくは「■ビープ音カスタマイズ・フ
ァイル」をご覧下さい。
・-V : VDM100 常駐時の読み上げ機能を制御
-V{+|-} 既定値:-V+(制御する)
斎藤正夫さんの視覚障がい者支援読み上げソフト VDM100 が常駐している場合
に、読み上げ機能を自動的に ON/OFF する機能を使うかどうかを選択します。こ
のオプションは、VDM100 が常駐していなければ無視されます。
バックアップ/リストアなどの処理中は、状況表示のファイル・リストが表示
されますが、これが読み上げられると処理が遅くなる上に耳障りであるため、読
み上げ機能 OFF で使う事が多い一方、その状態では媒体交換のプロンプトが表
示された時にわからない、という視覚障がいをお持ちの方の訴えに基づいたオプ
ションです。
-V+ が指定されると、処理中は VDM100 の読み上げ機能を OFF とし、プロン
プト・メッセージやエラー・メッセージのみ読み上げるようになります。終了時
には、VFATBAK 起動時の VDM100 の状態に戻します。
ビープ音オプションと併用すればより便利でしょう。
本機能は、VDM100 バージョン 5.10 以降で利用可能です。
動作テストは VDM100 PC-98xx シリーズ版でのみ行いました。
・-X : ファイル/フォルダ選択指定の意味を反転
-X{+|-} 既定値:-X-(反転しない)
<処理対象指定> パラメータの、ファイル/フォルダの選択(除外)指定の意味
を反転します。
-X+ を指定すると、指定ファイル、またはフォルダ以外が処理対象となります。
「-ファイル名」形式のバックアップ時除外ファイル指定や、-R オプションの
効果には影響を与えません。
・-Y : 上書きとなるファイルのスキップ
-Y{+|-} 既定値:-Y-(スキップしない)
リストア時に既存ファイルへの上書きが発生する場合に、スキップするかどう
かを選択します。
-O+(上書きする)と -Y+ が同時に指定された場合は、-O+ が優先され、常に
上書きするようになります。
・-Z : 圧縮処理をしないファイルの拡張子を指定
-Z<拡張子のリスト>
-C+(圧縮する)が指定されている場合に、圧縮処理から除外するファイルの
拡張子を指定します。
ファイルを圧縮バックアップしようとする場合、ファイルの最初の部分の圧縮
を試み、圧縮率が悪い場合は圧縮をあきらめます。圧縮済みである事が予めわか
っているファイルについて、-Z オプションで拡張子を指定しておけば、圧縮効
果があるかどうかの検査も省略します。
拡張子は '.' を含めずに、',' で区切って指定します。-Z オプションの全長
が 300バイトを超えない範囲で、いくつでも指定できます。
指定例> -ZCAB,ZIP,LZH
・-Mem : 作業メモリ量の調整
-Mem<入力バッファ数>,<出力バッファ数>,<FATキャッシュ数>,<ディレクトリ・キャッシュ数>
既定値:-Mem94,94,4,4
作業用に使うメモリの量を変更します。
主メモリが十分確保でず、起動できないような場合に、使用メモリ量を減らす
事が可能です。
各パラメータの意味と単位、指定可能範囲は次のとおりです。
<入力バッファ数>:ファイル/アーカイブ入力バッファ (単位 512バイト:1-127)
<出力バッファ数>:ファイル/アーカイブ出力バッファ (単位 512バイト:1-127)
<FATキャッシュ数>:FAT キャッシュ・バッファ (単位 4096バイト:1- 15)
<ディレクトリ・キャッシュ数>:ディレクトリ・キャッシュ・バッファ(単位 4096バイト:1- 15)
既定値は、VFATBAK v1.xx とほぼ同環境で動作するように、実際の主メモリ消
費量が 360KB 付近になるように決めています。
実際に確保される作業メモリは次のようになります。
<入力バッファ数>:94 x 512 = 48,128バイト
<出力バッファ数>:94 x 512 = 48,128バイト
<FATキャッシュ数>: 4 x 4096 = 16,384バイト
<ディレクトリ・キャッシュ数>: 4 x 4096 = 16,384バイト
作業用メモリ量は、処理速度に影響します。多ければ速く、少なければ遅くな
る傾向にあります。
・-IgnNoLock : ドライブのロックができない場合の警告を抑制
-IgnNoLock{+|-} 既定値:-IgnNoLock-(ドライブ・ロックできない事を警告する)
バックアップ/リストア中に、処理中ドライブが変更される事を防ぐ、ドライ
ブ・ロック機能を持たない OS 環境である場合に、次のプロンプトを表示するか
どうかを選択します。
# drive locking is not supported
continue ? (Y/[N]) :
ドライブ・ロック機能を持つ Windows 95 以降の DOS 環境では、通常は警告
は出ません。
ドライブ・ロックができない状況で、VFATBAK 以外に処理中ドライブを操作さ
れると、結果は保証できません。MS-DOS6.x、IBM PC DOS などでネットワーク・
アクセスされた場合や、Windows 3.x で他のプロセスがファイル・アクセスする
場合に問題が起こる可能性があります。
・-IgnBigF : 2GB 以上のファイルのリストア不能警告を抑制
-IgnBigF{+|-} 既定値:-IgnBigF-(大きなファイルの警告を行う)
FAT32 ドライブでは、最大 4GB のサイズのファイルを格納できますが、その
ような大きなファイルを含むバックアップ・ファイルを、最大 2GB のファイル
までしか格納できない FAT16 ドライブにリストアしようとする場合に、次のプ
ロンプトを表示するかどうかを選択します。
# too big file for FAT16 drive
skip? Yes/All/Cancel ([Y]/A/C) :
・-IgnCapa : バックアップ・ファイル格納ドライブの容量管理を抑制
-IgnCapa{+|-} 既定値:-IgnCapa-(容量管理を行う)
バックアップ時、バックアップ・ファイルを格納するドライブについては、書
き込める容量が無くなったら媒体交換プロンプトを表示できるように、可能な限
り容量管理を行なっています。この容量管理機能を使うかどうかを選択します。
バックアップ・ファイルを格納するドライブが、圧縮ドライブなどの場合、容
量計算と実際に書き込み可能な容量がずれる場合があります。
圧縮ドライブの場合は、書き込んだデータが圧縮され、元の大きさよりも少な
い容量しか消費しないため、実際に書き込み可能な容量が残っているのに、容量
を使い果たしたと判断する状況になります。
ドライブの容量が十分ある事が予めわかっていて、容量管理が邪魔な場合には、
-IgnCapa+ を指定して下さい。
ネットワーク・ドライブでは媒体交換のための容量計算が正しく行えないので、
容量管理は行いません。
バックアップ対象ドライブと、バックアップ・ファイルを格納するドライブが
同じ場合、媒体交換を行う事は無意味なので、自動的に -IgnCapa+ が設定され、
次のメッセージが表示されます。
# -IgnCapa+ is turned on forcibly
・-IgnDisturb : DOS プロンプト実行での他プログラムの干渉警告を抑制
-IgnDisturb{+|-} 既定値:-IgnDisturb-(外部干渉の警告を行う)
VFATBAK の処理中は、できる限り対象ドライブへのアクセスは避けていただき
たいのですが、エクスプローラによるファイルの閲覧や、プログラム起動などの
ドライブ・アクセスを伴う操作を行うと、VFATBAK のドライブ・ロック処理によ
り 最大 30秒間、操作に反応しない場合があります。
また、Windows システムが自動的にドライブをアクセスする場合もあります。
VFATBAK は処理中に発生したドライブ・アクセスを保留させており、定期的に
ドライブのロックを開放する時に、矛盾が起きないやり方で、それらのアクセス
を許可します。
本オプションは、この時次のプロンプトを表示するかどうかを選択します。
# target drive is accessed by other
continue ? Yes/Always/No ([Y]/A/N) :
-IgnDisturb+ を指定すると、対象ドライブに対し、外部からのアクセスがあ
った事を示すメッセージ # target drive is accessed by other だけを表示し、
自動的に処理を続行します。
・-IgnDupEnt : 同名ファイル/フォルダのリストア失敗警告を抑制
-IgnDupEnt{+|-} 既定値:-IgnDupEnt-(同名異属性上書きの警告を行う)
リストア時、フォルダを同名のファイルへ、または、ファイルを同名のフォル
ダへ上書きする事はできないので、そのような状況では、スキップするかどうか
を問合わせるようになっています。次のプロンプトを表示するかどうかを選択し
ます。
# another type file entry exist
skip? Yes/All/Cancel ([Y]/A/C) :
・-WaitArchDrvReady : バックアップ・ファイル格納ドライブの準備待ち動作を制御
-WaitArchDrvReady{+|-} 既定値:-WaitArchDrvReady+(ドライブ準備待ちを行う)
MO や CD-ROM などの取り出し可能媒体ドライブを使って、バックアップ/リス
トアを行う場合、媒体を交換した後、ドライブが利用可能になるまでに時間がか
かる場合があります。
このため、ドライブの準備ができる前に媒体交換プロンプトで [Enter] キー
が押された場合に、ドライブが利用可能になるまで待機し、利用可能になったら
処理を開始するようになっています。
本オプションは、このドライブ準備待ち動作をするかどうかを選択します。
ドライブの準備待ち中は、次のメッセージが表示されます。
waiting for drive X: becoming ready...([Esc]:Cancel)
この自動待機動作が、MO ドライブやドライブを接続する SCSI アダプタ、OS
の組み合わせなどで、うまく働かない場合がまれにあります。
実際には、Windows 95 OSR-2 の「MS-DOS プロンプト」ウィンドウ環境と、
TEKRAM DC-310 という SCSI アダプタの組み合わせで、上記メッセージを表示し
た後処理が進まないという現象を経験しました。この場合は、[Esc] キーを連打
して、準備待ち状態をキャンセル後、媒体交換プロンプトで [Enter] キーを押
し直す事で処理を続行できました。
-WaitArchDrvReady- を指定する事で、このような状況を避ける事ができます。
ドライブの準備ができない間は、媒体交換プロンプトで [Enter] キーを押す
度に次のメッセージが表示されます。
# backup file couldn't open : <ファイル名>
■媒体交換
バックアップ時にアーカイブ・ファイル書き込み先の媒体がいっぱいになった場
合や、リストア時に媒体の内容を読み終えた場合に、次のようなプロンプトが表示
されます。
Insert Volume 2 in X: ([Enter]:OK, [Esc]:Cancel, ... [?]:Help) :
(1) 続行操作
バックアップ/リストアを続けるには、媒体を交換し [Enter] キーを押して下さ
い。媒体が交換されていない状態で [Enter] キーが押された場合は、再度同じプ
ロンプトが表示されます。
媒体はフォーマットされ、十分空き容量があるものを用意して下さい。
(2) 中止操作
バックアップ/リストアを中止するには [Esc] キーを押して下さい。次のような
再確認のプロンプトが表示され、これに 'Y' で応えるとプログラムは停止します。
VFATBAK going to stop. You are OK? (Y/[N]):
(3) 媒体交換プロンプト・ヘルプ
媒体交換プロンプトで '?' を入力すると、次のような操作ガイドが表示されま
す。
Commands:
[Enter] : Continue backup/restore on new volume
[Esc] : Cancel backup/restore
[?] : Display this
[!] : Execute a DOS command
[p] : Change backup folder path
On string input prompt:
[Enter] : Complete input
[Esc] : Cancel input
[Backspace] : Backspace
(4) 1行コマンド実行
媒体交換プロンプトで '!' を入力すると、次のプロンプトが表示され、DOS コ
マンドを1行入力して実行する事ができます。媒体の内容を確認したり、未フォー
マットの媒体をフォーマットするのに利用できます。
Command:
コマンドが実行されるときの作業フォルダは VFATBAK 起動時の作業フォルダで
す。CD コマンドを実行しても、コマンド実行直後に自動的に元に戻るので意味は
ありません。
(5) バックアップ・パス変更
VFATBAK ではバックアップ先媒体としてハードディスクなども利用でき、媒体が
いっぱいになると媒体交換プロンプトが表示されます。この場合媒体交換は無理で
すが、バックアップ・ファイル・パスを変更してバックアップを続ける事ができま
す。
媒体交換プロンプトで 'P' を入力すると、次のプロンプトが表示され、バック
アップ・ファイルを作成する新しいフォルダのパスを指定できます。バックアップ
・ファイル名は変更できません。
Old backup folder: X:\
New backup folder:
指定されたフォルダのパスが不適当なものであった場合は、変更前の状態に戻り
ます。
バックアップ・ファイルにはバックアップ・フォルダのパスが変更された事は記
録されません。リストア時には、予めバックアップ・ファイルを1つのフォルダに
集めておくか、媒体交換プロンプトが表示されたときに、この 'P' 操作で必要な
バックアップ・ファイルが順番に読まれるように、バックアップ・ファイル・パス
を変更して下さい。
■表示について
●日本語表示
日本語が表示できない環境で使用される事も考慮して、全てのメッセージは英語
としています。ファイル名は日本語が表示できる環境であれば正しく表示されます。
日本語が表示できない環境では、日本語ファイル名の部分は化けて読めませんが異
常ではありません。
●エラー・メッセージ
エラー・メッセージは次の形式で表示されます。ログ・ファイルでエラー・メッ
セージを探す手がかりにできます。
# エラー・メッセージ
エラー・メッセージに対応する日本語を ERRMSG.TXT にアルファベット順に示し
ました。必要に応じてご覧下さい。
●処理状況表示
プログラムの実行中、画面には処理状況を示す表示が行われます。以下に、表示
例と内容の説明を示します。
*1 backup file name: X:\BAK.001
*2 A---H-- BOOTLOG.TXT 70709 2000-09-07 18:03 38%
---SH-- COMMAND.COM 117638 2000-06-08 17:00 58%
*3 --V---- C_HD
: :
*4 -D----- [C:\WINDOWS]
-D----- [C:\WINDOWS\SYSTEM]
A------ INFRARED.DLL 67667 2000-09-07 17:20 36%
: :
*5 -D----- [..]
A------ WINSOCK.DLL 21520 2000-09-07 17:32 68%
-D----- [C:\WINDOWS\COMMAND]
: :
*6 A-----L ブルー~1.BMP 190 2000-06-08 17:00 80%
A-----L ブルー~2.BMP 190 2000-06-08 17:00 55%
A-----L 千鳥格子.BMP 470 2000-06-08 17:00 49%
: :
*7 vol 002 i/o bytes: 136,828,154/ 93,744,534 elapsed time: 0:05:04 (304 sec)
*8 [total] i/o bytes: 535,085,868/ 417,857,760 elapsed time: 0:16:23 (983 sec)
*9 skipped: 1 files
・*1 backup file name: X:\BAK.001
処理中のバックアップ・ファイル名を表示します。媒体が交換されたり、バッ
クアップ・ファイルが分割される場合にも、その都度表示されます。
・*2 A---H-- BOOTLOG.TXT 70709 2000-09-07 18:03 38%
<属性> <ファイル名> <ファイル・サイズ> <タイム・スタンプ> <圧縮率>
処理中のファイル情報をこのような書式で表示します。以下に各項目の詳細を
示します。
(1) <属性>
ファイルの属性を7桁の記号で表します。- はその属性が設定されていない事
を示します。各桁は次の意味を持ちます。
ADVSHRL
|||||||
||||||+- 長いファイル名を持つ (Long file name)
|||||+-- 読み出し専用ファイル (Read only)
||||+--- 不可視ファイル (Hidden)
|||+---- システムファイル (System)
||+----- ボリューム・ラベル (Volume label)
|+------ フォルダ(サブディレクトリ)(subDirectory)
+------- 書き込み済みファイル (Archived)
(2) <ファイル名>
従来の形式のファイル名を表示します。長いファイル名は表示しません。
(3) <ファイル・サイズ>
ファイルのバイト単位のサイズです。
(4) <タイム・スタンプ>
ファイルに最も最近加えられた作成/変更の日時です。日本語環境と英語環境
では、日付の表示方法が変わる場合があります。日本では YYYY-MM-DD の形式が
一般的ですが、外国では別の慣習があるためです。VFATBAK では DOS コマンド
の DIR の日付表示に合わせてあります。
(5) <圧縮率>
バックアップ時のみ表示されます。元のファイルに対してどのくらい圧縮され
て格納されたかを示す目安です。数字が小さいほど、圧縮できた事を示します。
100% は圧縮されなかった事を示します。
・*3 --V---- C_HD
ボリューム・ラベルはこのような表示となります。
・*4 -D----- [C:\WINDOWS]
フォルダに移動する場合の表示です。
・*5 -D----- [..]
一つ上のフォルダに戻る場合の表示です。
・*6 A-----L ブルー~1.BMP 190 2000-06-08 17:00 80%
長いファイル名を持つファイルはこのような表示となります。
・*7 vol 002 i/o bytes: 136,828,154/ 93,744,534 elapsed time: 0:05:04 (304...
バックアップ・ファイル毎の入出力バイト数と媒体交換からの経過時間をこのよ
うに表示します。
バックアップ時の入力バイト数は、各ファイルのファイル・サイズの合計となり
ます。出力バイト数は、実際にアーカイブ・ファイルに書き込まれたバイト数で、
圧縮する設定が有効なら入力バイト数より小さくなる傾向にあります。しかし、復
元のための付加情報や、長いファイル名の情報が加わるため、その分は増加します。
リストア時の入力バイト数は、アーカイブ・ファイルから読み込まれたバイト数
です。出力バイト数は、リストアされたファイル・サイズの合計となります。
経過時間には、媒体交換プロンプトなど、処理が中断しているときの時間は含み
ません。
・*8 [total] i/o bytes: 535,085,868/ 417,857,760 elapsed time: 0:16:23 (983...
処理全体の入出力バイト数と経過時間の合計です。
・*9 skipped: 1 files
バックアップ、またはリストアできなかったファイル/フォルダがあれば、その
数を表示します。処理できなかったフォルダに含まれるファイルの数は考慮されま
せん。
■レスポンス・ファイル
DOS のコマンド行には半角換算で、128 文字までしか指定できません。これを補
うため、コマンド行が長くなる場合には、パラメータを記述したファイルを '@'
に続けて指定する事で、読み込ませる事ができます。このファイルをレスポンス・
ファイルと呼びます。
ファイルの内容はコマンド行パラメータの全体または一部です。各パラメータを
半角スペースの他、改行で区切って並べる事ができます。
行の先頭が ; である行はコメントとして無視します。
以下に、レスポンス・ファイルの指定例とレスポンス・ファイルの例を示します。
指定例> VFATBAK @BACKUP.RSP
レスポンス・ファイルの例:
---- BACKUP.RSP ----
-P- -C- B X:\BAK C:\
WINDOWS
PROGRA~1 DATA
-WIN386.SWP
-*.BAK
---- BACKUP.RSP 終わり ----
コマンド行の中で、@<ファイル名> の書式が現れるとその位置にファイルの内容
が展開されるイメージとなります。@<ファイル名> の記法はいくつ現れても構いま
せんが、全てのレスポンス・ファイルが展開された結果がコマンド行の書式に適合
している事が必要です。
以下は、BAK_DIR.LST にバックアップ対象とするフォルダのリストだけを記述す
る場合の例です。
指定例> VFATBAK B X:\BAK C:\ @BAK_DIR.LST
レスポンス・ファイルの例:
---- BAK_DIR.LST ----
WINDOWS
PROGRA~1 DATA
---- BAK_DIR.LST 終わり ----
■初期設定ファイル
VFATBAK の初期設定を記述したファイルを起動時に自動的に読み込ませ、
VFATBAK の動作をカスタマイズする事ができます。このファイルを初期設定ファイ
ルと呼びます。
コマンド行の評価よりも先に読まれるので、オプションの初期値を変更したり、
バックアップから常に除外したいファイルなどを指定するのに便利です。
既定値では、初期設定ファイルは、VFATBAK.EXE が置かれたフォルダに置かれた
VFATBAK.INI という名前のファイルです。
配布ファイルには、VFATBAK.INI ファイルのサンプルを同梱しています。
場合によって、初期設定ファイルを使い分けたい場合は、-F オプションで初期
設定ファイルを指定して下さい。VFATBAK.INI の代わりに、指定された初期設定フ
ァイルが読み込まれます。
初期設定ファイルの例を以下に示します。
---- VFATBAK.INI ----
; configuration for backup
:backup
[option]
-S+ -Zcab,zip,lzh
[-file]
WIN386.SWP
PAGEFILE.SYS
; configuration for restore
:restore
[option]
-S+
---- VFATBAK.INI 終わり ----
初期設定ファイルの書式を以下に示します。
(1) <コメント>
; で始まる行はコメントとして、無視されます。
(2) <動作区分>
:backup、:restore のいずれかで、バックアップ、またはリストア用のパラメ
ータの開始を表します。
(3) <セクション>
パラメータの区分を表します。バックアップ用には次のセクションを指定でき
ます。
[option] : オプション指定
[select] : フォルダ/ファイル選択(除外)指定
[-file] : バックアップ時除外ファイル指定
リストア用には次のセクションを指定できます。
[option] : オプション指定
[select] : ファイル/フォルダ選択(除外)指定
(4) <パラメータ>
各セクション以下に、コマンド行に指定する内容と同じものを指定できます。
各パラメータは、空白、改行で区切る事ができます。
■ビープ音カスタマイズ・ファイル
VFATBAK のビープ音仕様を記述したファイルを起動時に自動的に読み込ませ、好
みのビープ音にカスタマイズする事ができます。このファイルをビープ音カスタマ
イズ・ファイルと呼びます。
ビープ音カスタマイズ・ファイルは、VFATBAK.EXE が置かれたフォルダに置かれ
たVFATBAK.SND という名前のファイルです。あればこれを読み込み、無ければ既定
値のビープ音が採用されます。
配布ファイルには、VFATBAK.SND ファイルのサンプルを同梱しています。
ビープ音カスタマイズ・ファイルの例を以下に示します(既定値のビープ音を表
す内容です)。
---- VFATBAK.SND ----
; VFATBAK sound configuration
; <sound_id>=<times>,<frequency>:<duration>:<dalay>,...
chgvol =-1,1000:800:800
complete=1,1000:100:300,800:400:600
abort =1,400:800:500
ask =2,440:50:50
---- VFATBAK.SND 終わり ----
ビープ音カスタマイズ・ファイルの書式を以下に示します。
(1) <コメント>
; で始まる行はコメントとして、無視されます。
(2) <ビープ音仕様>
<ビープ音識別名>=<ビープ音仕様文字列> の形式で、ビープ音の仕様を記述しま
す。ビープ音識別名には、音を出す場面に応じて次の 4 つがあります。
chgvol : 媒体交換プロンプト表示時。
complete : 正常終了時。
abort : 異常終了時。
ask : その他のキー入力待ち状態。
ビープ音仕様文字列の形式は次のとおりです。
<繰り返し回数>,<発音パターン>,...
発音パターンは、<周波数>:<発音時間>:<無音時間> の形式を1セットとして複
数並べる事ができ、これらで表現される音が繰り返し回数だけ発音されます。
周波数には Hz 単位の聞こえる範囲の数値を指定して下さい。
発音時間と無音時間には 1/1000 秒単位の数値(0~65535)を指定して下さい。
最大 65 秒まで指定可能ですが、この間、キー入力に反応しないのであまり長くし
ない方がいいでしょう。
繰り返し回数に -1 を指定すると、何かキー入力があるまで鳴り続けるようにな
ります。
ビープ音仕様文字列は最大 255 バイト指定でき、それより長い部分は無視され
ます。
■注意点、制限事項など
●パス長、フォルダ階層の限界
VFATBAK v2.xx が処理できるフォルダ階層、パス長の限界は、129 階層、259 バ
イトまでです。
●バックアップ・ファイルのサイズ
バックアップ・ファイルは、サイズが 2,000,000,000 バイトを越える場合は自
動的に分割されます。
FAT32 ドライブには最大 4GB のファイルを作る事が可能ですが、バックアップ
・ファイルを FAT32 ドライブ以外に置いて復旧作業ができるように、このように
しています。
●CTRL-C による中断
ほとんどの場合、いつでも CTRL-C の入力で処理を中止できます。
バックアップの中止では、バックアップ・ファイルを削除して停止します。
リストアの中止では、リストア中だったファイルを削除して停止します。リスト
ア動作では、長いファイル名の情報をリストアする際、中断すると中途半端な状態
が残る可能性のある作業中は、CTRL-C を無視しています。このため、小さなファ
イルが連続してリストアされているような場合に、CTRL-C が効きにくい場合があ
ります。
●ボリューム・ラベルのリストア
VFATBAK でバックアップした内容は、任意のフォルダにリストア可能です。ただ
し、フォルダに置かれたボリューム・ラベルをスキャンディスクが異常として扱う
ため、ボリューム・ラベルはルート・フォルダにしかリストアできないようにして
あります。
●上書きリストア
リストアは、原則として空のドライブまたはフォルダに行なって下さい。既存の
ファイルに上書きする事は可能ですが、多少多めに時間がかかります。
MS-DOS 6.2/V、IBM PC DOS などでは、IO.SYS 他のシステム・ファイルが、ドラ
イブのフォーマット直後に配置されないと、そのドライブからの起動ができません。
このような OS では、フォーマット直後のドライブにリストアして下さい。
Windows 95 以降のシステム・ファイルには、このような配置条件はありません。
●SMARTDRV(ディスク・キャッシュ)について
VFATBAK v1.xx では、多数のファイルがあるフォルダの処理が極端に遅くなる事
があり、ディスク・キャッシュ・ユーティリティの組み込みは半ば必須でしたが、
VFATBAK v2.xx から、このような点が改善されました。
ディスク・キャッシュ・ユーティリティの組み込みによる処理速度向上の可能性
はありますが、同様の処理を VFATBAK 内部で行うため、処理対象の内容によって
は、かえって処理時間がかかる場合もあります。
Windows 付属のディスク・キャッシュ・ユーティリティ SMARTDRV.EXE は標準で
は C:\WINDOWS\ フォルダにあります。Windows 95/98/98SE での組み込みには、
CONFIG.SYS で HIMEM.SYS を組み込んでおく必要があります。Windows ME では不
要です。
SMARTDRV の組み込みは SMARTDRV.EXE をパラメータ無しで実行するだけで十分
です。
実行例> SMARTDRV
リムーバブル・ドライブの書き込みキャッシュは特に指定しないと OFF 状態に
なります。MO などにバックアップする場合に、書き込みキャッシュを ON にする
には、<ドライブ名>+ の形式のパラメータを指定して、書き込みキャッシュを有効
にして下さい。
次の例では、F:ドライブの書き込みキャッシュを有効とするように指示していま
す。
実行例> SMARTDRV F+
●「MS-DOS プロンプト」ウィンドウでの使用について
Windows 95/98/98SE/ME の「MS-DOS プロンプト」ウィンドウで動作させた場合
の動作について説明します。
Windows 動作中は、VFATBAK 以外のソフトウェアがドライブを操作する可能性が
あります。表立ってアプリケーションが実行されていなくても、Windows システム
によって操作される場合があります。
VFATBAK は通常とは異なる方法でドライブを操作するので、バックアップ/リス
トア対象のドライブをロックし、他のソフトウェアによるドライブ操作を一時保留
させ、矛盾が生じないようにしています。
このため VFATBAK 動作中は、エクスプローラによるフォルダ内容表示をはじめ、
あらゆる Windows 操作が待たされる事になります。できる限り、Windows の操作
は控えるようにして下さい。
しかし長時間操作できないのも困るので、各種プロンプトによる停止時と、動作
中の約 30秒毎に、ドライブのロックを解除します。保留されていた Windows 操作
は、このときに処理されます。このタイミングで、外部からの操作があった事を示
す次のプロンプトが表示され一時停止します。
# target drive is accessed by other
continue ? Yes/Always/No ([Y]/A/N) :
'Y' または [Enter] キーを押すと、先に進みます。
このプロンプトは、外部からの操作を検出する度に表示されるので、頻繁に表示
されて困る場合は、'A' を押して全て無視する事もできます。但し、メッセージだ
けは表示されます。
ファイル操作などを本格的に行いたい場合は、'N' を押して VFATBAK を中断さ
せて下さい。
特に Windows 操作を行なっていない場合でも、例えばエクスプローラで、
VFATBAK の処理対象ドライブを表示させているだけで、繰り返し上記プロンプトが
表示される場合があります。必要がなければ、これらのウィンドウも閉じておいて
下さい。
予め -IgnDisturb+ オプションを指定しておけば、上記プロンプトで 'A' を押
した場合と同様に、プロンプトによる停止動作は無くなり、メッセージ表示のみと
なります。
●ハードディスクへのバックアップについて
障害発生時に、バックアップ・ファイルが読める状態でなければ、復旧の役には
立ちません。内蔵ハードディスクなどへのバックアップは、バックアップ作業が短
時間に終わるメリットがありますが、発生する障害の種類によっては、復旧時にド
ライブがアクセスできずに、バックアップとして使えない場合も考えられます。十
分検討の上ご利用下さい。
■著作権、使用条件、免責
本ソフトウェアに含まれる全ての実行ファイル、説明文書に関する、著作権を含
む一切の権利は作者が有します。
本ソフトウェアが使用する圧縮技術は、米国 Unisys 社のライセンスを受けてい
ます。
Licensed under U.S. Patent No. 4,558,302 and foreign counterparts.
作者に無断で、本ソフトウェアの販売、他の製品への添付、改造、リバースエン
ジニアリング、などの行為を行う事を禁止します。
本ソフトウェアは、ライセンスを得た人のみが使用する場合、5台までのパソコ
ンで使用する事を認めます。同時に複数の人が使用する場合や、多数のパソコンで
使用する場合は、同時使用者数と、使用パソコン数÷5、のいずれか大きい方の数
のライセンスの取得が必要です。
本ソフトウェアの使用によって生じた、いかなる結果についても、作者は責任を
負いません。
■配布条件
再配布は、配布ファイルの内容を変更しない限り制限しません。ただし、直接の
配布先以外のネットへの転載、CD-ROM への収録などの大規模な再配布、雑誌や書
籍などへの掲載の場合には、事前に作者まで連絡下さるようお願いいたします。
■変更履歴
v2.11 「MS-DOS プロンプト」ウィンドウで、バックアップ対象ドライブに、バッ
クアップ・ファイルを出力する使い方で、# target drive is accessed by
other プロンプトに対し続行指示後、# broken chain on : <ドライブ名>
エラーまたは、# media full : <バックアップ・ファイル名> エラーで停
止するという不具合を修正。
ルート・フォルダ直下ファイルの除外指定が機能しない不具合を修正。
長い名前を持つファイルの、上書きリストアの処理を一部改良。
v2.10 DOS の制限を超える、深いパスの処理が可能となるよう全面改修。
Windows ME 起動ディスク環境に対応。
v1.12 DOS のファイル操作機能に依存する方式の最終版。
■作者と連絡先
お問い合わせは電子メールでお願いします。
●作者
北島雅博(ハンドル:かとんぼ)
●電子メール・アドレス/ホームぺージ
電子メール :katonbo.kitajima@nifty.ne.jp
ホームページ URL:http://www.05.alphatec.or.jp/~katontek/
http://member.nifty.ne.jp/katontek/(ミラーページ)
●謝辞
ユーザのみなさんより、多くの使用レポート、改善提案、ご声援をいただき信頼
性や機能を高める事ができました。
読み上げソフト VDM100 自動制御機能は、VDM100 作者の斎藤正夫氏と、動作確
認をして下さった堀ちゃん氏のご協力により実現できました。
ここに感謝の意を表します。
以上