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Text File  |  1996-07-28  |  11KB  |  135 lines

  1. シェアウェア宣言
  2.  
  3.  
  4.                         [シェアウェアとは]
  5.  
  6. 主にパソコン通信で流通しているソフトウェアは大きく「フリーソフトウェア」と「シェアウェア」に分類されます。フリーソフトウェアは、基本的に使用は自由で、料金も無料です。一方、シェアウェアは、継続して使用する場合には料金を支払わなければなりません。ユーザーが、そのシェアウェアを不要であると判断した場合は支払いの必要はありません。
  7.  
  8.                         [個人的立場から]
  9.                         私はボランティアではない
  10.  
  11. この度、BinEditをシェアウェアとして公開するにあたり、個人的な状況について多少説明いたしたいと思います。
  12. 私はこれまでにいくつかのフリーソフトウェアを公開してきました。今後もフリーソフトウェアを提供していきたいと考えています。しかし、プログラム開発には言語ソフトや様々なツール、資料収集、プログラミングの勉強などコストと時間がかかるのも現実です。また、プログラム開発は本業ではないため、個人的な時間を削りながらの作業となっています。これだけの投資をしながら、それに見合う対価が得られないというのは相当きついものがあります。
  13. このような理由により、今回のBinEditはシェアウェアとして公開することにしました。
  14. 皆様がお支払いになるBinEditの登録料金は、今後のプログラム開発のための資金としても活用していくつもりです。この料金はBinEditの対価というだけでなく、今後作られるかもしれない新しいソフトウェアへの投資にもなるということです。
  15.  
  16.                         [大局的な立場から]
  17.                         シェアウェアをめぐる状況
  18.  
  19. 最近の状況を見ると、パソコン通信というもの(広義にInternetなども含めて)が本格的に普及を始めてきたようです。そして、そのネット上で流通しているフリーソフトウェアやシェアウェアの量もぞくぞくと増えつづけています。
  20. こうしたオンラインソフトウェアの数々を見ていると、「これらの作者たちこそが日本の(または世界の)草の根の技術を支えているのだな」と思えてきます。おおげさでしょうか? いえ、私は本気です。誰に命令されるわけでもなく、役所が音頭をとっているわけでもなく:-)、金銭的利益が得られているわけでもないというのに、彼らはソフトウェアを次々と供給しています。この自発的な活動は実に素晴らしいものです。
  21. こうしたソフトウェアの中には市販ソフトウェアに比肩するものあるいは凌駕するものさえあります。そして、それらは作業の効率化に寄与したり、娯楽を提供したりしています。これは立派な商品であり、ビジネスといえるでしょう。オンラインソフトウェアは立派な産業なのです。
  22. しかし、彼らの活動にも限界があります。ずばり言うと金銭的な問題です。技術は日々新しくなり、新しいコンピュータ、新しいOS、新しい周辺機器、新しい機能は次々と登場しています。それらを取り込んでいくにはそれなりのコストと時間がかかります。要するに、マシンは買い替えなきゃいけない、OSは最新にしなきゃいけない、新しい資料を買って勉強しなきゃいけない!のです。
  23. もし、それだけの金銭的負担ができなくなったり、気力がなくなったりすると、オンラインソフトウェアは製作されなくなるのです。そういうことにならないようにするにはどうすればいいのか? 支援です。はげましの言葉、そして特に(現実的に)効果的なのは金銭的支援でしょう。
  24. シェアウェアは彼らを支援する方法の一つです。シェアウェア料金を支払うことによって、支援することになるのです。彼らはその料金を支えに新たなオンラインソフトウェアを供給することが期待されるでしょう。シェアウェア料金はそのソフトウェアに対する対価というだけでなく、将来への投資という面もあることを認識していただきたいと思います。さらに大局的な観点から言えば、未来のコンピュータ技術を育てるということでもあるのです。シェアウェア市場が拡大していけば、さらによりよいソフトウェアが供給されることにもなるでしょう。もちろん、シェアウェア開発者たちも料金に値するだけのものを供給しなければなりません。
  25. シェアウェアは利用者にとっても開発者にとっても利点のある仕組みです。この仕組みを確立するためには、両者の協力はかかせません。この新しいソフトウェア市場のためにも皆様のご理解とご協力をお願いする次第です。
  26.  
  27.  
  28.                         [宣言]
  29.  
  30. 私はシェアウェア開発者の一人として、今後も良質のソフトウェアを皆様に供給していくことを宣言します。
  31.  
  32.  
  33. 宮本 拓海(Takumi & C.B.)
  34. (KFB01741@niftyserve.or.jp)
  35. 1994年8月
  36.  
  37.  
  38. ◆シェアウェア宣言・その後[Ver2.1]
  39.  
  40. BinEdit2.0を作った後、仕事がやたらと忙しくなってしまい、なかなかバージョンアップ作業ができませんでした。ようやく2.1をリリースできましたので、今回はその後の経過などを報告します。
  41. まずBinEditの登録ユーザー数をずばり申しますと、
  42. 14人(1995年7月25日現在)
  43. です。ダウンロード数は925。登録数は1%は越えているのですが、雑誌の付録CD-ROMやフリーウェア・シェアウェア集CD-ROMにも収録されたことを考えると、実際は1%以下とみなしてもよいでしょう。もちろん、「こんなの使い物にならねー!」とか「この程度の機能じゃ払えないよっ」という方も多かったのだと思います(そんなmailは一度もありませんでしたが)。そのようなご意見は謙虚に受け止めたいと思います。とはいえ、14人とは!
  44. 本音で言いますと、
  45. これじゃ気合が入りません(笑)。
  46.  
  47. あなたは多いと思われますか、少ないと思われますか?
  48.  
  49. 今回のバージョンアップでは本気で機能制限を組み込もうかと思いました。しかし、どの機能を制限すればいいか思い付かなかったことと、そして機能制限はあまりスマートではないという個人的な見解でやめることにしました。その前にもっと機能を追加していきたいとも思いますので。
  50.  
  51. さて、私がシェアウェア代金をどう使っているかということですが、実はまだ何も使っていません(笑)。最近買ったものに置き換えますと、そうですね、VIP-C、Symantec C++のバージョンアップ代とInside Macintosh CD-ROM(アメリカで買ったから安かった)購入費ぐらいに相当するでしょうか。
  52.  
  53. シェアウェアはたくさんあるのですが、その現状はほとんど知られていません。その一例を今回は書き記したわけですが、今後もバージョンアップの度に報告していきたいと思います。
  54.  
  55. そうそう、ついでに申しますと、NIFTY-Serveのシェアウェア送金代行システムは、シェアウェア代金から10%の手数料が天引きされる仕組みになっています(その分、作者の手取りが減る)。ご存じない方も多いようですので、ご参考までに。
  56.  
  57. 1995年7月
  58.  
  59. ◆シェアウェア宣言・その後[Ver2.2]
  60.  
  61. 前回、泣き言を書いたせいか(笑)、それともファイルオープン時のダイアログを10秒間表示するようにしたのが功を奏した?のか、登録が幾分増えました。
  62.  
  63. Ver2.1をアップロードしてからの登録ユーザーは12人、
  64. 合計26人
  65. (いずれも1995年9月30日現在)となりました。(参考までに、9月26日現在のVer2.1のダウンロード数は548で前回並み)
  66. あんまり増えたという自覚はないのですが(笑)、Ver2.0は11ヶ月かかって14人、Ver2.1は2ヶ月で12人です。まあ、確かに増えてます。今回は少し気合が入りました(もっと気合をください(^_^;)。
  67. ただ、登録が増えているといっても、このペースがいつまでも続くわけではないでしょう。バージョンアップ代は無料ですので、既に登録しているユーザーからは今後送金はありません。とすると、新規ユーザーを開拓するしか増収の道はありません。ううーん、なんか割りが合わないような気がするなあ。まあ、これで生活しているわけではないのでこれ以上気にしませんが。
  68.  
  69. ところで、「シェアウェア宣言」は私個人についてだけではなく、すべてのシェアウェア(とフリーソフトウェア)に対してもその理解と協力をお願いしているものです。
  70. プログラミングをご存じの方は、その大変さがおわかりになると思いますが、ソフトウェアなんてそう簡単にできるものではありません。この大変さを理解していただければありがたいのですが。
  71.  
  72. またついでに申しますと、NIFTY-Serveのシェアウェア送金代行システムは、作者への支払額を月末に集計し、計3万円を越えると銀行に振り込んでくれます。それに満たない場合は年に2回しか振り込んでくれません。私が発表しているシェアウェアはこのBinEditだけですし、登録のペースはご覧の通り。毎月振り込んでもらう状態には程遠いですね。とほほ。
  73.  
  74. 私自身について少し。
  75. 私は以前プログラマーでしたが、現在は別の仕事をしており、仕事としてプログラムを書くことはほとんどありません(でも一応コンピュータ関係の仕事です)。Macのプログラミングを始めたのはプログラマーをやめた後のことです。なぜいまだにプログラミングをするのか? それは必要だから! こういうツールが欲しいな...と思っても見つからなかったりすることがあります。それなら、自分で作っちゃえ!というわけです。このBinEditも、他のフリーソフトウェアもそうしてできました。「必要なものは自分で作る」...これが私の基本的な態度です。
  76.  
  77. 1995年9月30日
  78.  
  79. ◆シェアウェア宣言・その後[Ver3.0]
  80.  
  81. まずは(例によって)登録ユーザー数の報告です。
  82. Ver2.2をアップロードしてからの登録ユーザーは17人、
  83. 合計43人
  84. (いずれも1996年2月28日現在)
  85. 今回は登録のペースが落ちています(5ヶ月で17人ですので)。どうも、この「シェアウェア宣言」の文章に左右される傾向があるように思えます。
  86. この報告は、一種の決算報告のつもりですので今後も続けたいと思います。
  87.  
  88. さて、上記の登録数から計算しますと、これまでの収入は(2,500 * 0.9) * 43 = 96750円となります(実際には郵便振替の場合や振込手数料がありますので正確ではありませんが、ほぼ正しい数字です)。1年半の結果がこれです。ところで、昨年は私の本業で担当した仕事がささやかながら小ヒットしまして、ボーナスがいつもより約9万円上乗せされました(ボーナスは業績給ですので、次回もこの額を維持できるとはかぎりません)。うーん、ちゃんと仕事した方がもうかるかもね...って思った年末だったのでした。「もっと本業をしっかりしろよ」または「本業よりもプログラマの方が面白いんじゃない?」などという声が聞こえてきそうですが、私自身はどちらがよいかは今の段階では判断できません。再びプロのプログラマとしてやっていく気があまりしないためでもありますが。
  89. ただ、その本業が忙しいため、BinEditのバージョンアップだけでも大変な状態になってしまいました。しかし、バージョンアップ、サポートはちゃんと続けていきます。
  90.  
  91. あ、そういえばシェアウェアの代金ですが、いまだに使ってません。そろそろ新しいMacを買いたいのですが、Apple社の最近の状況が気になって躊躇しています。Macがそう簡単に消えてしまうことはないとわかってはいるのですが...。
  92. Macの存亡には魅力的なソフトウェアの有無もかかわるでしょう。(青二才ながら)そういうソフトが作れればと思います。
  93. あるいは、これからプログラマを志す人を支援するとか。ちょっと思うことはあるのですが、こう忙しくてはなかなか実行できません。
  94.  
  95. 1996年2月29日
  96.  
  97. ◆シェアウェア宣言・その後[Ver3.0.1]
  98.  
  99. 今回より、登録ユーザー数は末尾に一覧の形で報告します。そちらをご覧ください。
  100. さて、この報告からもおわかりのように、登録料の合計が10万円を超えました。これを機会にMacを買い替え、その購入費用の一部として10万円を使わせていただきました。これで、Fatバイナリのアプリが作れるようになったので、さっそく今回から活用しています。
  101.  
  102. 本業は6月末にちょっと一段落しましたが、もう次の仕事がはいっているため忙しさはあいかわらずです。それにもかかわらず「ホームページを開設しよう!」などとやっているのですからなかなかバージョンアップができませんでした。申し訳ないです。ホームページのURLは
  103. http://www.dtinet.or.jp/~takumi-m/
  104. です。拙作のアプリケーションだけでなく、イラストやコラムを掲載しています。一度お越しください。
  105. ホームページを作っていてあらためて思ったのですが、プログラミングはかなり大変な作業だ、ということです。プログラムが巨大になるほど労力も増していきます。イラストや文章はある程度定期的に新作を発表できるのですが、プログラムはそうはいきません。それにイラスト/文章と違ってバージョンアップやサポートの作業も発生します。
  106. BinEditは決して大作ではないのですが、バージョンアップ作業は結構大変なものになってきています。BinEditのバージョンアップはまだ続きますが、これからの新作は小品中心にならざるを得ないかもしれません(ちょっと弱気)。でも、やっぱり「必要なものは自分で作る」が信条ですので、プログラミングをやめてしまうことはないでしょう。
  107.  
  108. 1996年7月28日
  109.  
  110. ◆決算報告
  111.  
  112. ・収入の部
  113. 登録者数
  114. 1994年9月   2
  115. 1994年10-12月 4    
  116. 1995年 1- 3月 4    
  117. 1995年 4- 6月 3    
  118. 1995年 7- 9月 13(1)
  119. 1995年10-12月 12(2)
  120. 1996年 1- 3月 14
  121. 1996年 4- 6月 11
  122. -------------------------
  123. 合計     63(3)
  124.  括弧内は郵便振替の件数
  125.  
  126. 収入金額(1996年3月分までの合計)
  127. 121,567円
  128. (振込手数料や消費税などを処理した合計金額です)
  129.  
  130. ・支出の部
  131. 100,000円 PowerMacintosh7200/90購入費用の一部として
  132.  12,470円 SymantecC++8.4Jアップグレード
  133. -------------------------
  134. 合計 112,470円
  135.