Steve Jobs(ex.NeXT CEO)●ここ数日ほとんど起きていたので,いままでの話と前後してしまうかもしれませんが...。NeXT社,まあGilbertがさっき話していた補完的な関係というのが今回の話に至った最大の要因ですが,NeXT社は通常であれば株式公開への道を進むはずでした。しかし,今回の話を聞き,我々にとってもっとも良い居場所であると結論づけたのです。私と一緒に働いてきた多くのNeXT社員は,もう一世代分もこの技術に注力してきました。かなり先進的なモノです。
San Hose Mercury News記者●(攻撃的に)私がNeXT社のプレス関係資料を読んでいたところ,『WIRED』誌2月号であなたは「デスクトップコンピュータ業界は死んだ。技術革新もほぼ絶えた。Microsoft社は少ししか技術革新ができず,そのわずかなものすらApple社の功績を踏台としてできたものだ」とか他誌でも同様なコメントを残していますが,今回に至るにはどのような心境の変化があったかお聞かせください。
Career Strategy誌●Steveに質問があるのですが,1984年当時にも質問させていただいたことですが,その時もあなたは「技術革新」という用語を使いました。たしかにMacintoshによってそれは実現されましたが,今回の合併話を別にして,今あなたが頭の中で考えている「技術革新」の具体例をお聞かせいただけないでしょうか?
Jobs●現時点では何も固まった計画はありません。ご存じのようにApple社ではQuickTime Media Layerを中心に開発を推進してきたわけで,まあ残念ながら私はその技術に関してはほとんど把握していないので,数週間以内にはすべて叩き込まれるでしょうが(会場笑)。個人的な喜びとしてPIXAR社という事業があるわけですが,Apple社とPIXAR社はお互いに優れた技術を保持していますが,両社の関する可能性はまだまったく模索していない状況です。とりあえずお互いにいいコネクションができた,というところでしょうか。