加工



●登録への最後のステップは、ファイルの加工です。

■青空文庫の基本フォーマット

●青空文庫の登録ファイルは、「テキスト・ファイル、HTMLファイル、エキスパンドブック・ファイル」の3つのフォーマットを基本とします。これらのファイル形式へのとりまとめ作業は、原則として私たち呼びかけ人が担当します。
●しかしながら、「HTMLファイルの知識なら自信がある」「エキスパンドブック制作のスキルなら誰にも負けない」という方もいらっしゃるでしょう。そう思われる方は、どうぞ積極的に名乗り出てください。
●以下、3つのフォーマットについての処理の原則を簡単に説明しておきます。

■フォーマットによる処理の違い

●3つのフォーマットで処理が大きく異なるのは、「ルビ」と「外字」です。
【ルビ】
●テキスト・ファイル=入力されたテキストどおりに「漢字《ルビ文字》」の形式で処理します。
●HTMLファイル=ルビをくくる記号は「全角の()」を使用し、「《》→()」に変更します。また、連続する漢字熟語の後者にのみルビがつく場合に用いた区切り線「|」は削除します。
●エキスパンドブック・ファイル=エキスパンドブックのルビ機能を使って、印刷物と同じような形式の処理をします。
【外字】
●テキスト・ファイル=入力されたテキストどおりに入力者注の形式で処理します。
●HTMLファイル=外字部分には「※」を入れ、入力者注は削除。一方、ファイルの末尾には、グラフィック・ツールで作成した外字画像の一覧表を置きます。そして、「※」から一覧表のタイトル部分へアンカーを使ったファイル内リンクを張ります。
●エキスパンドブック・ファイル=エキスパンドブックのフォントサイズと同一サイズの画像をグラフィック・ツールで作成し、直接本文に埋め込みます。さらに、目次もしくは奥付ページの余白などに「外字グラフィックが使われているページ」を列記します。
【改行コードの確認】
●テキスト・ファイルについては、改行コードが「CR+LF」(MS-DOS仕様)になっているかどうかを確認します。
【T-Timeへの対応】
●(株)ボイジャーから発売されているテキスト・リーダーT-Timeには、HTMLファイルをルビ付きで表示する機能があります。ルビ表示したほうが読みやすい、理解がスムーズになると思われる作品については、今後は「T-Time対応」を原則としていきます。
●その場合の書式は、タグ<!R>を使用し、
   <!R>抽出(ひきだ)し
のようにします。

■ファイル冒頭の注記

●以上の処理原則については、読者の側で混乱が生じないようにするため、各ファイルの冒頭(作品名・著者名のすぐあと)に下記のような注記を入れます。
●テキスト・ファイル
[表記について]本文中、底本のルビは「《ルビ》」の形式で処理した。また、JISにない外字は「※」で代用し、そのあとに[#注釈]の形式で字形などを示した。
●HTMLファイル
[表記について]本文中、底本のルビは「(ルビ)」の形式で処理した。また、JISにない外字は「※」で代用し、字形についてはファイル末尾の外字一覧表中のグラフィックで示した。
●エキスパンドブック・ファイル(目次もしくは奥付ページに入れる)
[表記について]本文中、JISにない外字は、すべてグラフィック化した文字で代用した。グラフィックを埋め込んだページは以下のとおり=○○、○○ページ。

■PDFの扱い

●異機種間に横たわる互換性の壁を越え、画像などのマルチメディア素材を含むレイアウト文書を共通して閲覧できるファイル形式として、Adobe社が提唱するPDF(Portable Document Format)が広く注目を集めています。
●登録希望者・工作員の方々からの要望があれば、同じAdobe社のAcrobat日本語版によるPDF化にも積極的に対応していきます。

■TTZの扱い

●テキスト・ファイルやHTMLファイルを縦組みやルビ付きで読むことができるT-Timeの機能は、製品版を購入したユーザーにしか活用できません。これに対し、同じ機能がより広い範囲で活用できるよう、フリーウェアT-Time Liteが開発・販売元の(株)ボイジャーからリリースされています。
●T-Time Liteで製品版のT-Timeと同じ機能を活用するためには、対象となるファイルが専用の「TTZ形式」である必要があります。また、TTZ形式への加工には、(株)ボイジャーからライセンス提供される専用のツールが必要です。今後、青空文庫ではTTZ形式にも徐々に対応していきます。



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