図書カード
青空文庫
Blue Sky Collection
No.
著者名 山村暮鳥
書籍名 ちるちる・みちる
底本 「ちるちる・みちる 山村暮鳥童話集」名著復刻 日本児童文学館、ほるぷ出版
1974(昭和49)年5月初版発行
底本の親本 「ちるちる・みちる 山村暮鳥童話集」落陽堂
1920(大正9)年8月22日初版発行
入力者名 橋本山吹
校正者名 トム猫

作品について:1920(大正9)年、洛陽堂より刊行。多くの童話を書いた暮鳥の、最初の童話集である。信仰に生き、病と貧困に苦しんだ暮鳥が、逆境の中で切りひらいた新しい童話文学のはじまりと言えよう。「自序」によれば、暮鳥がその愛娘・玲子に、寝床で語り聞かせたお伽噺がもとになっているという。キリスト教精神にみちた、美しくも悲しい物語、大人も考えさせられる寓話を集めた、珠玉の童話集。(橋本山吹)
著者について:1884(明治17)年、群馬県西群馬郡棟高村(現群馬町)に生まれる。11歳で小学校高等科を中退。働きながら教会学校に通い、学ぶ。18歳で前橋聖マッテア教会にて受洗。神学校に進み、日本聖公会の伝道師となる。伝道活動の傍ら、萩原朔太郎、室生犀星と人魚詩社を設立。キリスト者としても、真摯に神を求めるがゆえに「教会に於て上級聖職と相容れず、家具蔵書の一切を売り飛ばし……身をもつて走つた。全所有として懐中に一冊の赤くして小さきボードレールがあつた。」(『半面自伝』より)という暮鳥であった。
1915(大正4)年、みずから「小生は今の文壇乃至思想界のためにばくれつだんを製造してゐる」と語った、前衛的な詩集『聖三稜玻璃』を人魚詩社より刊行。口語自由詩の新たな可能性を切りひらくが、当時の文壇には容れられず、排斥され苦しむ。
34歳で結核に倒れ、病床に伏す。同年、詩集『風は草木にささやいた』を刊行、自然と人間への賛歌を歌いあげ、病の中にあっても旺盛な創作活動をつづける。その後、転地療養するも、結核患者でクリスチャンであることにより村を追放されるなど、試練がつづく。
やがて日本聖公会より俸給停止を受け、また吐血、喀血、下痢を繰り返し、貧窮と病に苦しむ。苦境にある暮鳥を助けるために、室生犀星、前田夕暮らが「鉄の靴会」を発足させ、その翌年、長編童話『鉄の靴』を刊行。暮鳥は子どもを愛し、多くの童話を残した。
1924(大正13)年、病状悪化。詩集『雲』の校正を病床で終える。その刊行を待つことなく、茨城県磯浜にて12月8日に逝去。40歳の若さで受難の生涯を閉じた。その短い一生のうちに暮鳥は驚くほど多くの作品を残し、死後刊行された著書も少なくない。(橋本山吹)


 テキストファイル ルビなし 20K ZIP圧縮 1999/11/11/01
 テキストファイル ルビあり 27K ZIP圧縮 1999/11/11/01
 HTML版 1999/11/11/01
 エキスパンドブック版 175K 1999/11/11/02


●テキストファイルをクリックすると、最新の圧縮されたテキストファイルが直接ダウンロードされるか、そのファイルが保存されているホームページにリンクします。
●HTML版をクリックすると、直接テキストがブラウザー上に現れるか、そのページがあるホームページにリンクします。
●エキスパンドブックをご覧になるには、エキスパンドブックブックブラウザ、およびヘルパーアプリケーションの登録が必要です。 (Macの登録方法Windowsの登録方法
前の図書カード トップページへ 次の図書カード
作家別 【あ】【か】【さ】【た】【な】【は】【ま】【やらわ】
作品別 【あ】【か】【さ】【た】【な】【は】【ま】【やらわ】
法律