−− 音楽理論講座 第1回分 −−  皆さん、はじめまして。通りすがりのToshiです。いままでずぅぅっとROMでし たが、これからよろしくお願いします。  (山)さんがMMLの講座を開いているので、私はゲリラ的な講座(あまり役に立 たない。言ってみれば巨大なゴミか?(^_^;))をやってみたいと思います。(山)さ んはMMLの初歩からやってくださっているようですので、私は主として理論や細か いMMLのテクニック(たいしたものではないので期待しないように(^_^;))につい て書いてみたいと思います。  皆さんはA7とかCm7等の記号を見たことがあると思います。で、これが和音( コード)を表すということも知っていると思います。また、ギターを弾く方なら指の 押さえ方も知っているのではないかと思います。でも、実際どんなのがメジャーで、 どんなのがディミニッシュというのかはっきりしている人は少ないと思います。別に そんなこと知らなくても音楽はできますので、心配はしなくていいですが、今回と次 で、コードというものについて考えてみましょう。  繰り返しますが、MMLで音楽するかたは別に理解しなければならないというもの ではないので、気楽に読んでください。  以下の説明はすべてハ長調音階(要するに調号がついていない)音階を例にとりま す。また、ドレミファソラシ(音名)はCDEFGABで表します。また、教材とし てはFB386を使用します。 まず、予備知識として2つ覚えてください。 〔 度 〕  ふたつの音の間隔のこと。1度からはじまり、8度で同じ音名になる。♯や♭等は 考えない。低い方の音それ自身を1度とし、そこから上に2度,3度,…と数える。  例  1度 CとC         2度 CとD  3度 CとE         4度 CとF  5度 CとG         6度 CとA  7度 CとB         8度 Cと1オクターブ高いC 〔 全音と半音 〕  ピアノの鍵盤の1オクターブ分を思い浮かべてください。白鍵と黒鍵が並んでいま すね。白鍵と黒鍵を区別しないで考えて、となりあった音を「半音」といいます。C (白鍵)とC♯(黒鍵)などは感覚的に半音と分かるでしょうが、実はEとF、Bと 1オクターブ上のC等はいずれも白鍵ながらとなりあっているため半音といいます。 また、半音2個分を「全音」といいます。Dの全音1個分上がE、Eの全音1個分上 がF♯となります。わかるでしょうか?。この辺は実際に鍵盤を見てもらわなければ、 感覚だけでは苦しいですね(^_^;)。黒鍵を除いて考えると、    C  D  E  F  G  A  B  C  D     全音 全音 半音 全音 全音 全音 半音 全音… という関係があります。 〔 和音の基礎 〕  和音の基本は3和音(つまり、3つの音を重ねる和音)です。これは、ある音を基 本として(ルート音(オン)といいます)その上に3度上、5度上の音を重ねるものです。 では3度と5度の音に注目してみましょう。 −3度−   CとE,FとAのような全音2個(=半音4個)を含むものを「長3度」(Major 3rd)という。    DとF,EとG,Bと1オクターブ高いDのような全音1個、半音1個(=半   音3個)を含むものを「短3度」(Minor Third) という。 −5度−   CとG,DとAのような全音3個、半音1個(=半音7個)を含むものを「完全  5度」という。  Bと1オクターブ上のFのように全音2個、半音2個(=半音6個)を含むものを  「減5度」(Diminished Fifth)という。 −− 音楽理論講座 第2回分 −− 〔 和 音 〕  前回の最後にチラッと触れたのですが、和音の構成の基本は、   「ルート音 + ルート音の3度上の音 + ルート音の5度上の音」 です。さらに、3度の音には、   長3度(Major Third) = 全音2個(=半音4個分)を含む   短3度(Minor Third) = 全音1個と半音1個(=半音3個分)を含む が、5度の音には、   完全5度         = 全音3個と半音1個(=半音7個分)を含む   減5度(Diminished Fifth) = 全音2個と半音2個を(=半音6個分)を含む が、ありました。それでは、和音とコードネームの関係はどうなっているのでしょう か。皆さんが、おそらく知ってるだろう和音に、ド・ミ・ソの和音があります。これ を例に考えてみましょう。ド・ミ・ソ=C・E・Gです。(FB386をお持ちなら、 一行実行などで、PLAY "C","E","G"とやってみましょう。明るい感じがしますネ)  まず、ルート音がCです。  ドとミの間は、全音2個分ですから、長3度です。  ドとソの間は、全音3個、半音1個ですから、完全5度です。 このような、「長3度(Major) + 完全5度」を持つ和音を「メジャー」と言います。 「メジャー」は記号では普通ルート音のみで表します。この例では、ルート音が「C」 ですから、「C」(シーと言います)です。 次に、ド・ミ・ソのうち、長3度のミを短3度のミ♭に変えてみましょう。(FB3 86をお持ちなら、PLAY "C","E-","G" とやってみましょう。少し暗い感じがします ネ) このような、「短3度(Minor) + 完全5度」を持つ和音を「マイナー」と言います。  「マイナー」は記号では「m」(小文字のm)で表します。この例では、ルート音 が「C」ですから、「Cm」(シー・マイナーと言います)です。  つまり、3度がメジャー(長)ならメジャー・コード、3度がマイナー(短)なら マイナー・コードになるわけです。 問題1.DとDmをMMLで表しなさい(C="C","E","G"のように)。各10点 なお、いまやった2種類の和音を、基本三和音といいます。  基本の次には応用が来るのが世の常なんですが、コードの種類は大変多いので何に しようか迷ってしまいました。で、個人的に呼び方が気に入っている、7thコード (セブンス・コード)について見てみましょう。  今までやって来てうすうす気づかれた方も多いと思いますが、7thコードの7th とは、いうまでもなく音程の7度に由来しています。何の7度かといいますと、勿論 ルート音に対する7度ということになります。そこで、その7度についてもう少しみ てみます。  3度や5度に2種類あったように、7度にも2種類あります。   長7度(Major Seventh) = 全音5個と半音1個(=半音11個分)を含む   短7度(Minor Seventh) = 全音4個と半音2個(=半音10個分)を含む で、作り方は上でやった基本三和音に7度の音を付け加えて作ります。結果として4 重和音となります。勘のいい方は、もう半ばおわかりと思いますが、  「基本三和音 + 長7度」を持つ和音を「メジャー・セブンス」といい、  「基本三和音 + 短7度」を持つ和音を「マイナー・セブンス」といいます。 記号は、基本三和音の記号の後ろに、メジャー・セブンスなら「M7」あるいは 「maj7」を付け、またマイナー・セブンスなら単に「7」を付けます。  例えば、先のC(="C","E","G")を例にとると、    "C","E","G","B" で、 CM7またはCmaj7(シー・メジャー・セブンス)    "C","E","G","B-"で、 C7(シー・セブンス)となります。 基本三和音と7thコードでメジャー・マイナーの記号の省略の仕方が異なることに 注意してください。基本三和音では、メジャーの記号を省略しますが、7thコード ではマイナーの方の記号を省略します。つまり、Cm7は、シー・マイナーのセブン スであって、シーのマイナー・セブンスではない(そんなものはない)というような ことです。 問題2.Cm7とCmM7をMMLで表しなさい。各20点 −− 音楽理論講座 第3回分 −− ○楽式  どんなに複雑な音楽でも、分解してみれば、短い旋律がいろいろ組合わさって作曲 されていることが分かります(ちょうど大きなプログラムも小さなサブルーチンの集 まりで出来ているというのに似ていますね)。このような旋律の構造を研究すること を「音楽形式」、略して楽式(Musical form)といっています。 では、実際の旋律を見てみましょう。ここでは、誰もが知っていて、しかも著作権の 問題がないと思われる、童謡の「春が来た」を例にとってみます。 「春が来た」 ハ長調 4/4拍子    歌詞        はるがきた はるがき た  どこに き  た(休)    旋律(MML)      G4E8F8G4A6 G4E8F8G4>C4<  A4G4E4.C4   D2.R4    小節番号        1      2       3     4              やまにきた さ とに き た の にも き た (休) G4A8G8E4G4 >C4D8C8C4< G4>E4D4.C2.