■BeCareful:FREEWARE & SHAREWARE

 第〇回 蜜蜂と蝶々のいる生活

BeOSには、今のところ市販アプリケーションなどは存在していないので、フリーウェアやシェアウェアを十二分に楽しんでみよう。十二分というのは、懇切丁寧な市販アプリのような、懇切丁寧なインストーラやマニュアルがあるワケではないので、自分の手でソフトウェアを動かすことによって、逆にBeOSの骨格やクセのようなものが見えてきてけっこう興味深い、という意味だ。

今回はDR8.3を中心に話を進める。後にも先にもDR8.3の話は、AA:PRが出てしまった今となってはこれが最後となるだろう。でも、今だからこそ、DR8.3用のフリーウェアやシェアウェアで、たくさん遊べる時期なのである。

●ソフトウェアの入手先

BeOSのソフトウェアは、次のページからほとんどのものが手に入る(日本語関連のページについては後述)。

  • www.be.comのBeWareのページ
  • www.bespecific.comのFTP DOWNLOADのページ
  • BeWareのページは、AA:PR用のソフトや、新着ソフトなどの区分がきちんとされていて、使いやすくなっている。また、Planned XXXなどように、開発予定のものもわかるようになっている。

    フリーウェア/シェアウェアのCD-ROMも販売しているBeSpecificのページ(このページのデザイン、けっこう好きです。ソースも綺麗!?)では、「BeScpecific 1」に収録されているソフトを中心にサービスを提供している。たとえば、BeWareで、リンクページからダウンロードするようになっていて、そのリンクがはずれていても、BeSpecificに行けば一発でダウンロードできたりする。

    入手先は、WWWのページだけではない。上記の2ヶ所にはFTPサイトもあり、Terminalを起動して、ftpコマンドを使って、anonymousでログインしてダウンロードすることもできる。FTPのほうが若干速く感じる。

    まだフリーウェアの方が圧倒的に多数だが、ぼちぼちとシェアウェアも登場しはじめている。ゲームなども定番のテトリス・ライクなものなどが多い。その中でもInnerstrikeという3Dゲームは、Descentタイプで、オープニングがかっこいい。

    Message
    from
    Kagi

    Kagiは、デベロッパーのためのソフトウェア登録サービスです。最初はMacintoshで、次にWindowsとNewtonで使われはじめました。Kagiは、配布が基本であるシェアウェアの世界から生まれましたが、インターネットが発達するにしたがって、シェアウェアと、市販ソフトウェアとの境界が曖昧になってきました。Kagiは、そのどちらにも使用されています。

    デベロッパーが、登録料を徴収する方法を模索していたとき、彼らができる最も簡単なことは、"About Box"や"Splash Screen"に登録料の送り先についての情報を入れておくことでした。Kagiを使うことで、ユーザが登録しやすくなり、作者は、自分の製品と一緒に登録アプリケーションをバンドルし、そのソフトウェアを開くためには、登録しなくてはならないことをユーザに知らせることができます。登録アプリケーションは、ユーザ・インタフェースが使いやすく、クレジットカード番号や通貨交換などの、ユーザからの情報を収集しやすくなっています。ユーザは、現金、小切手、クレジットカード、あるいは電子マネーを使って登録することができます。

    Kagiを使うと、ユーザがシェアウェアを登録するときに柔軟に対応することができます。もちろん、Eメールを使った電子的な提出、ウェブベースの登録などもありますが、一部の人々は、このような方法に慣れることができず、同じアプリケーションに対していまだにファックスや郵便での登録が行われています。

    BeOS用のKagiの登録アプリケーションはすでに完成し、Beのデベロッパーがすぐにもでも使用することができます。現在のバージョンはDR8用のもので、DR9用のバージョンももうすぐリリースされます。この登録アプリケーションをBeOSで使用する詳細については、ウェブサイトをご覧になってください。

    Good luck to everyone developing software for the BeOS!

    ●ファイル名や解凍手順などの基本的なこと

    BeOSの基本的なところは、かなりUNIXライクで、野蛮といえば野蛮、ワイルドといえば少しは聞こえがいいが、圧縮ファイルの解凍でもコマンドラインが必要となる。今後は、MacintoshやWindows 95などのように、洗練されたGUI形式の圧縮/解凍ができようになるだろうが、バイナリという形式のファイルそのもののフォーマットを、故意に確定していなかったり、ファイルシステムの仕様も確定していないので、これにはもう少し時間がかかるだろう。

    ダウンロードしたファイルは、大抵の場合、

    xxxxx.tar.gz
    xxxxx.taz

    のようなファイル名になっている。

    これを解凍するには、Terminalを起動して、そのファイルのある場所を(pwdコマンドやlsコマンドで)確認して、

    $ gzip -d xxxxx.tar.gz

    と入力する。ファイル名のキーボード入力がうっとうしい場合には、ファイル名の上にマウスポインタを移動してダブルクリックすると、Macintoshのように、ファイル名が反転し、選択できる。コマンドキー+Cでコピーし、コマンドキー+Vでペーストする。

    $ gzip -d xxxxx.tar.gz

    と入力できたらリターンキーを押すと、プロンプト

    $

    が表示される。lsコマンドでファイル名のリストをとってみると、

    xxxxx.tar

    という、.gzがなくなったものができている。今度は、

    $tar xvf xxxxx.tar

    と入力して、リターンキーを押すと、「xxxxx」という名前のディレクトリまたはいくつかのファイルが解凍される。

    現在のBeOSでは、ともかく、「gzip -d」と「tar xvf」という2つのオマジナイをおぼえてしまおう。それぞれ、「ジージップ」、「ター」と発音する。

    ●さらに基礎知識が必要な場合もある

    せっかく苦労して解凍したのに、ダブルクリックしてもコマンドラインから実行しても動かない、ということが当たり前のように起こる。そんなときには、次の2つが原因となってることがほとんどだ。

    • ファイルタイプの設定
    • ライブラリがない

    ファイルタイプに関しては、Macintoshで「クリエイターとタイプ」を知っている人はピンときたと思うが、そのファイルが、実行形式なのかテキストなのかなどをシステムに教えてるために存在している。そして、BeOSのフリーウェアの中にも、このファイルタイプを変更するものが数多い。

    BeOSのウィンドウには、いくつかのメニューがあるが、FILEメニューの一番下に、Add-Onsがある。ここに入るアドオンソフトで、ファイルタイプが変更できるものを組み込んでみよう。

    • まずNetPositiveで、Beのホームページに行く。
    • BeWareのアイコンをクリック。BeWareのページが表示されたらスクロールして「Looking for the mot popular BeOS software?」のところへ行く。
    • Geb's Goodiesというリンクをクリックする。テープルになったファイルのリストが表示されるのでGeb's Goodiesを探して、クリックする。
    • Download (40Kb)のリンクをクリックして、ダウンロードする。
    • gebsgoodies1.1.tar.gzというファイルがダウンロードできたら、Terminalを起動し、

      $gzip -d gebsgoodies1.1.tar.gz
      $tar xfv gebsgoodies1.1.tar


      と入力する。
    • gebsgoodies1.1というディレクトリができているので、これをダブルクリックして開く。
    • Browser Add-Onsというディレクトリをさらに開き、3つのアドオンを、systemディレクトリ内のadd-onsBrowserへドラッグする。
    • ウインドウのFILEメニューを開き、add-onsを表示して、増えていることを確認する。
    • ファイルを1つマウスでクリックして選択して、Add-OnsからChoose Typeを選ぶと、ダイアログが表示される。
    • TYPEBAPPを設定すれば、実行可能なファイルに変身する。

    ライブラリがなくて起動できないこともある。たとえばAuroraというペイントソフトは、起動しようとすると、Datatypesというライブラリを必要とする旨のメッセージを表示する。

    このような場合は、BeWareのLibraryページからDatatypesライブラリをダウンロードする。解凍の方法は説明した通りだ。解凍後にTerminalで、Datatypes1.40のディレクトリに移動し、次の2つのコマンドを実行する。

    $setup.sh
    $copy.sh

    これで、Datatypesというライブラリは、systemディレクトリのlibディレクトリに自動的にコピーされる。ライブラリによっては、手動でコピーする必要があるものもある。

    ●日本語でインターネットしよう

    今回解説したことを踏まえて、日本語インターネットブラウザと日本語メールソフトをダウンロードして、インストールしてみよう。

    この2つのフリーウェアは、Beのウェブページの日本語訳なども行っているB-PROJECTが提供している。大感謝! AA:PR版(またはDR9版)ももうすぐ提供してくれる予定とのことだ。

    B-PROJECTのページは日本語なので、BeOSのNetPositiveでアクセスしても、漢字コードが解釈されないので、何がなんだかわからない。ここは、Macintoshのインターネットブラウザでアクセスするのが大正解。ホームページが表示されたら、左側にあるDevelopmentのボタンをクリック。このページは、マニュアルになるので保存しておこう。ただし、現段階ではMacintoshでしか読むことができない。ともかく、

    • mitsubachi_0.9a.tar.gz(ウェブブラウザ)
    • chocho_0.5b.tar.gz(電子メールソフト)

    という2つのファイルをMacintoshでダウンロードする。URLは、http://www.kyoritsu.co.jp/Be/だ。ダウンロードしたら、BeOS Launcherのあるフォルダの中のFor the Braveフォルダにコピーしよう。

    • BeOS File System Toolをダブルクリックで起動する。
    • disksと入力するとBeOSのパーティションをSCSIのIDで返してくる。
    • use 0 2というように、使用するBeOSのパーティションを指定する。
    • copyコマンドを使い、mitsubachi_0.9a.tar.gzchocho_0.5b.tar.gzをコピーする。Macintoshの側のファイル名の先頭には、「:」を付け、|

      copy :mitsubachi_0.9a.tar.gz mitsubachi_0.9a.tar.gz

      と入力する。
    • 同じように、chocho_0.5b.tar.gzもコピーする。
    • BeOS File System Toolを終了し、BeOS Launcherを起動する。
    • BeOSが起動したら、無事にコピーされているのを確かめて、Terminalを起動し、2つのファイルを解凍する。mitsubachi_fKanBeというディレクトリに展開されたはずだ。それぞれのディレクトリからpwdコマンドを入力すると、/boot/mitsubachi_f/boot/KanBeと表示されれば大成功。このディレクトリの位置は、絶対動かさないように、とマニュアルには書いてある。
    • /boot/KanBeのディレクトリに移動して、lsコマンドを入力すると、KanBe.libというファイルが見えるはずだ。これを/boot/systemlibディレクトリにコピーする。Terminalで作業するのであれば、

      $cp KanBe.lib /boot/system/lib/.

      と入力すればいいし、もちろんマウスでドラッグしても構わない。

    これで、mitsubachichochoの起動の準備はできた。chochoを起動する前に、この漢字変換エンジンであるKanBeを起動しておく必要がある。BeOSで日本語インターネットの日々がスタート!!

    この後は、TKOという日本語エディタをダウンロードして、インストールすれば、日本語のメールの返事も書けるようになる。これは各自で挑戦して欲しい。

     
    BeFun編集部