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サーバーベースのサインアップ パッケージの実装

サーバーベースのサインアップ処理を使用すると、新規ユーザーおよび既存のユーザーの登録と設定を自動化することができます。この処理では、インターネット サインアップ サーバー (ISS) を使用して各ユーザーから情報を収集します。サインアップ サーバーは、データを顧客データベースに追加し、ユーザーのコンピュータに構成パケットを返送します。このパケットは、インターネット サービスへの以降の接続をブラウザで構成します。

ISP は、次のサーバーベースのサインアップ処理を行うことができます。

サーバーベースのサインアップによるカスタム パッケージの作成

サーバーベースのサインアップ方法を含むカスタム ブラウザ パッケージを作成するには、Internet Explorer 6 カスタマイズ ウィザードの段階 4 で次のように指定します。

パッケージが正しくインストールされるようにするには、カスタム サインアップ ファイルが格納されているのと同じフォルダに、次のファイルが含まれている必要があります。

サーバーベースのサインアップによるカスタム パッケージの配布

サーバーベースのサインアップ方法を使用する場合、カスタム ブラウザ パッケージのサインアップ処理では次の 3 つの操作を行います。

  1. ユーザーのコンピュータが、サインアップ サーバーとの接続を確立します。
  2. HTML/HTTP ベースのダイアログ ボックスを使ってユーザーから収集した情報が、顧客データベースに追加されます。
  3. サインアップ サーバーが、構成パケットをユーザーのコンピュータに返送します。このパケットには、構成とブランドに関する情報が入っています。また、ユーザーがインターネット サービス プロバイダにアクセスするための電話番号も入っています。
  4. なお、ユーザーのセキュリティ オプションが高に設定されている場合は、必要なファイルがダウンロードされないため、サインアップ サーバーは正しく動作しません。

サインアップ サーバーとの接続の確立

ユーザーは、Internet Explorer を起動するサインアップ プログラムを実行した後、サインアップ サーバーにダイヤルし、最初の接続要求を送信します。それに対して、サインアップ サーバーは次の処理を実行します。

HTTP はセッションレスのプロトコルです。ただし、サインアップ サーバーはセッション指向のモードで動作し、セッション ハンドルを使用して特定のユーザーのサインアップ処理に関連するすべてのトランザクションを識別します。たとえば、データベースからこのトランザクションに自動的に割り当てられる連続する番号などが、セッション ハンドルになります。

ユーザーのサインアップ情報の収集

サインアップ サーバーは、一連の HTML ページで Windows ベースのプログラムのウィザードのようにユーザーに操作を実行させ、そこからユーザー情報を収集します。サインアップ サーバーは、ユーザーのコンピュータにオンデマンドでページをアップロードします。ユーザーが最後の HTML ページにある適切なボタンをクリックして、サインアップの使用許諾契約に同意するかどうかを選択すると、サインアップ処理は終了します。

各ページのコンテンツやフォーマットは自由です。HTML ページは一般に次の要素で構成されます。

各 HTML フォームには、入力された文字列を収集したり、ページ間を移動したり、セッションを識別したりするためのコントロールが含まれています。フォームはユーザーから情報を収集し、ユーザーがナビゲーション ボタンをクリックすると、その情報をサインアップ サーバーに渡します。また、サインアップ サーバーはデータを検証し、受け付けられないデータである場合は、ユーザーのコンピュータに編集用のページを送信します。

ユーザーのコンピュータへの構成パケットの返送

ユーザーがサインアップ使用許諾契約に同意すると、サインアップ サーバーは .ins ファイルと共に、構成パケットを作成します。.ins ファイルは、Internet Explorer 6 カスタマイズ ウィザードによって生成され、ユーザーとインターネット サービスに関する情報が含まれています。.ins ファイルには、接続の設定だけを含めることも、グラフィックスを含む接続、ブラウザ、およびメールの設定を含めることもできます。

サインアップ サーバーは、.ins ファイルを使用して、構成パケットをユーザーのコンピュータに返送します。.ins ファイルは、その場ですぐに生成されるか、単にクライアント コンピュータにリダイレクトされます。これにより、ユーザーのコンピュータでは、カスタム ブラウザ パッケージのインストールを続けて処理することができます。ユーザーがサインアップ使用許諾契約を拒否すると、サインアップ サーバーは、サインアップ処理を中止するためのファイルをユーザーのコンピュータにリダイレクトします。

構成パケットには、次の情報が含まれます。

最初の 2 種類のデータは、サインアップ サーバーの一部として作成されます。ブランド用の .ins ファイルのデータは、Internet Explorer 6 カスタマイズ ウィザードによって作成されます。Entry、User、Phone、Device、Server、TCP/IP などの一部の値は、ウィザードで指定することができません。これらの設定は、.ins ファイルで手作業で行う必要があります。

ユーザー グループ別に独自の "プライベート ブランド" が設定された Internet Explorer を提供するには、サインアップ サーバーが .ins ファイルにダウンロードできるように、各種のブランド情報を格納しておきます。たとえば、ロゴ、タイトル バー、お気に入り、検索ページ、ホーム ページ、リンク、オンライン ヘルプの場所などを、バージョンごとにカスタマイズしておきます。この方法では、すべてのユーザーに同じ内容の CD-ROM を配布することができ、個々のブランドはサインアップ時に設定させることができるので、CD-ROM の管理が楽になります。

サインアップ サーバーとして Internet Information Services を使用するときの注意点

サインアップ サーバーとして Internet Information Services (IIS) を使用する場合は、クライアントがサーバーに接続するときに、DHCP の IP アドレスをクライアントに提供するように、インターネット サインアップ サーバーを構成する必要があります。サインアップ処理は比較的短いため、IP アドレスのリース期限はわずかで、通常は数秒です。

サインアップ処理はポイント ツー ポイントのダイヤルアップ接続で使用されるので、DHCP サーバーに割り当てられた IP アドレスに、実際に IP アドレスを割り当てる必要はありません。DHCP の IP アドレスを有効なインターネット アドレスにするか、任意のアドレスにするかは自由です。

.ins ファイルの MIME タイプの登録

クライアントで .ins ファイルを自動的に処理するには、サインアップ サーバーで .ins ファイルの MIME タイプを登録する必要があります。この MIME タイプは、"application/x-Internet-signup" と指定されます。クライアントが .ins ファイルを要求すると、サインアップ サーバーはこの MIME タイプで応答します。これにより、関連付けられているインストール アプリケーションがクライアント側で起動します。

MIME タイプはレジストリで手動で編集する必要があります。.ins ファイルに MIME タイプを追加するには、regedit.exe を使用して次の情報を追加します。

編集するキー :
HKEY_LOCAL_MACHINE¥system32¥CurrentControlSet¥Services¥InetInfo¥Parameters¥MimeMap

追加する値 :
application/x-internet-signup,ins,,5

この値には、文字列は関連付けられていません。MIME タイプの詳細については、IIS のオンライン ヘルプを参照してください。

関連項目