基本的な RDS プログラミング モデル
RDS は、次のような状況にあるクライアント アプリケーションを対象としています。このクライアント アプリケーションでは、サーバー上で実行するプログラムと、目的の情報を返すために必要なパラメータを指定します。サーバー上で呼び出されたプログラムは、指定されたデータ ソースにアクセスして情報を取得します。また、そのデータを処理することも可能です。次に、結果の情報を、使用しやすい形式でクライアント アプリケーションに返します。RDS は、次に示す一連の操作を実行する手段を提供します。
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サーバー上で呼び出すプログラムを指定し、クライアントがそのプログラムを参照する手段を獲得します。この参照は、"プロキシ" とも呼ばれます。これはリモート サーバー プログラムを表します。クライアント アプリケーションは、ローカル プログラムを呼び出すようにプロキシを "呼び出し" ますが、実際にはリモート サーバー プログラムを呼び出します。
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サーバー プログラムを呼び出します。データ ソースおよび発行するコマンドを識別するためのパラメータをサーバー プログラムに渡します。サーバー プログラムは、実際に ADO を使ってデータ ソースにアクセスします。ADO は、渡されたパラメータの 1 つを使用して接続し、もう 1 つのパラメータに指定されているコマンドを発行します。
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サーバー プログラムは、データ ソースから Recordset オブジェクトを取得します。また、Recordset オブジェクトをサーバー上で処理することもできます。
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サーバー プログラムは、結果の Recordset オブジェクトをクライアント アプリケーションに返します。
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クライアントでは、返された Recordset オブジェクトが、ビジュアル コントロールで使用されやすい形式に変換されます。
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その Recordset オブジェクトに変更を加えた場合は、サーバー プログラムに変更が送り返され、その変更がデータ ソースに反映されます。
このプログラミング モデルには、便利な機能があります。データ ソースへのアクセスに複雑なサーバー プログラムを必要としない場合は、必要な接続パラメータおよびコマンド パラメータを提供すれば、自動的に、既定のサーバー プログラムを使って指定データを取得できます。一方、複雑な処理が必要な場合は、独自のカスタム サーバー プログラムを指定できます。たとえば、カスタム サーバー プログラムには ADO のすべての機能を自由に組み込むことができるので、複数の異なるデータ ソースに接続し、各データ ソースのデータを複雑な方法で組み合わせて 1 つの単純なデータに加工し、その結果をクライアント アプリケーションに返すこともできます。
さらに、ADO では、必要に応じて、既定のサーバー プログラムの動作をカスタマイズできます。
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