基本的な RDS プログラミング モデル

RDS は、次のような状況にあるクライアント アプリケーションを対象としています。このクライアント アプリケーションでは、サーバー上で実行するプログラムと、目的の情報を返すために必要なパラメータを指定します。サーバー上で呼び出されたプログラムは、指定されたデータ ソースにアクセスして情報を取得します。また、そのデータを処理することも可能です。次に、結果の情報を、使用しやすい形式でクライアント アプリケーションに返します。RDS は、次に示す一連の操作を実行する手段を提供します。

  1. サーバー上で呼び出すプログラムを指定し、クライアントがそのプログラムを参照する手段を獲得します。この参照は、"プロキシ" とも呼ばれます。これはリモート サーバー プログラムを表します。クライアント アプリケーションは、ローカル プログラムを呼び出すようにプロキシを "呼び出し" ますが、実際にはリモート サーバー プログラムを呼び出します。

  2. サーバー プログラムを呼び出します。データ ソースおよび発行するコマンドを識別するためのパラメータをサーバー プログラムに渡します。サーバー プログラムは、実際に ADO を使ってデータ ソースにアクセスします。ADO は、渡されたパラメータの 1 つを使用して接続し、もう 1 つのパラメータに指定されているコマンドを発行します。

  3. サーバー プログラムは、データ ソースから Recordset オブジェクトを取得します。また、Recordset オブジェクトをサーバー上で処理することもできます。

  4. サーバー プログラムは、結果の Recordset オブジェクトをクライアント アプリケーションに返します。

  5. クライアントでは、返された Recordset オブジェクトが、ビジュアル コントロールで使用されやすい形式に変換されます。

  6. その Recordset オブジェクトに変更を加えた場合は、サーバー プログラムに変更が送り返され、その変更がデータ ソースに反映されます。

このプログラミング モデルには、便利な機能があります。データ ソースへのアクセスに複雑なサーバー プログラムを必要としない場合は、必要な接続パラメータおよびコマンド パラメータを提供すれば、自動的に、既定のサーバー プログラムを使って指定データを取得できます。一方、複雑な処理が必要な場合は、独自のカスタム サーバー プログラムを指定できます。たとえば、カスタム サーバー プログラムには ADO のすべての機能を自由に組み込むことができるので、複数の異なるデータ ソースに接続し、各データ ソースのデータを複雑な方法で組み合わせて 1 つの単純なデータに加工し、その結果をクライアント アプリケーションに返すこともできます。

さらに、ADO では、必要に応じて、既定のサーバー プログラムの動作をカスタマイズできます。

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