ユーザー コンピュータとの接続の確立

ユーザーは、Internet Explorer を起動するようなサインアップ プログラムを実行した後、ISS にダイヤルし、最初の CGI 要求を送信します。それに対して、ISS は次の処理を実行します。

HTTP は、セッションレスのプロトコルです。ただし、ISS は、セッション ハンドルを使用することによってセッション指向のモードで動作し、各ユーザーのサインアップ処理に関連するすべてのトランザクションを識別します。たとえば、データベース システムからトランザクションに自動的に割り当てられるシーケンス番号などが、セッション ハンドルになります。

サーバーの準備

Microsoft Internet Information Server 3.0 (IIS) を使用している場合は、次のステップを実行して、この ISS Server フォルダから全ファイルを IIS システムの InetSrv フォルダにコピーします。IIS を使用していない場合、コンポーネントの詳細な格納先については、Understanding the Server Folder Components を参照してください。

サーバーをインストールするには

  1. Microsoft Windows NT 4.0 をインストールします。このとき、TCP/IP と Microsoft Internet Information Server 3.0 もインストールします。Windows NT 4.0 のインストールに関するその他の情報については、『Windows NT Server Resource Kit』を参照してください。
  2. RAS (Remote Access Service) をインストールします。DHCP (Dynamic Host Configuration Protocol) を使用すれば、IP アドレスを自動的に割り当てたり、静的 IP アドレスの範囲を設定したりできます。ダイヤルアップ用のユーザー アカウントを有効にし、呼び出しを受信できるよう RAS を設定します。
  3. RAS をインストールするときは、ダイヤルアップ用のユーザー アカウントを有効にし、呼び出しを受信できるようにしなければなりません。
  4. IIS を標準モードでセットアップした場合は、次のコマンド ラインを使用して、カスタム ブラウザのファイルとディレクトリを Inetpub ディレクトリの中の次のサブフォルダにコピーします。
  5. WWWRoot サブフォルダへのコピー: xcopy:\server\eng\isp_file\server\wwwroot /s/e

    Signup.exe を変更しないままサンプルのサインアップ サーバーを使用している場合は、IIS のデフォルトのディレクトリ構造を使用しなければなりません。デフォルト以外のディレクトリ構造の場合は、WWWRoot の Insfiles ディレクトリに .ins ファイルを作成するための最終要求を送信した後で、次の CGI エラーが表示されます。

    "The specified CGI application misbehaved by not returning a complete set of HTTP headers. The headers it did return are:"

    このエラーが発生するのは、CGI アプリケーションのソース コード内にディレクトリ パスがハードコードされているためです。そのため、ソース コードを変更していない場合は、IIS のデフォルトのディレクトリ構造を使用しなければなりません。

    Scripts サブフォルダへのコピー: xcopy:\server\eng\isp_file\server\scripts /s/e

注意
CD-ROM からディレクトリにファイルをドラッグ アンド ドロップするときは、隠しファイルを忘れていないか確認してください。隠しファイルを表示するには、[表示] メニューの [フォルダ オプション] をクリックし、[表示] タブで [すべてのファイルを表示] をクリックします。スクリプトを正しく実行するには、すべてのファイルを移動しなければなりません。

オプションを変更するには

  1. ダイヤルアップ アクセスで Guest アカウントを使用する場合は、Guest アカウントを有効にし、.ins ファイルで指定されているのと同じパスワードを使用しなければなりません。Guest アカウントにはパスワードを設定しないのが一番簡単です。
  2. Scripts ディレクトリのプロパティを変更して、読み込みと実行のアクセス権を有効にします。
  3. ユーザーは、ダイヤルアップするときに名前の解決方法がない場合、IP アドレスを使用して IIS サーバーにアクセスしなければなりません。
  4. 最初の Web ページにアクセスするには、次の URL を使用します。
    http://サーバー名/scripts/template/home.htm

Guest アカウントを作成するには

  1. ユーザー マネージャ ユーティリティを実行し、デフォルトの Guest アカウントのパスワードを [なし] (パスワードなし) にします。
  2. リモート アクセス管理ユーティリティを起動します。
  3. [ユーザー] メニューで [ユーザー アクセスの許可] をクリックし、Guest アカウントに対してダイヤルインの許可を与えます。
Acc2.ins ファイルを変更するには

次に示すエントリは、一般にどのユーザーにも必要なものなので、.ins ファイルに手作業で追加しなければなりません。エラーのチェックが実行されないため、各エントリの指定に誤りがないように十分注意してください。

注意
次のエントリは、ユーザーによって異なる可能性があります。各ユーザーがそれぞれ異なるネットワークからサービスを受ける場合は、特にそうです。

セクション エントリ コメント
[Entry] Entry_Name プライベート ラベルのカスタマイズで変わる可能性があります。
[Server] 全エントリ  
[TCP/IP] 全エントリ  
[Custom] 全エントリ 不要
[Custom_File] 全エントリ 不要
[Scripting] 全エントリ 不要
[Script_File] 全エントリ 不要

次のエントリは、ユーザー固有のものであり、.ins ファイルに必ず追加しなければなりません。ただし、Outlook Express のエントリは、サービスによって Outlook Express の機能が提供される場合だけ必要であり、例外です。そのようなエントリを動的にファイルに格納するための機構は、サーバーで使用できるサービスによって異なります。サインアップの際は通常、ユーザーによる入力が必要です。ほとんどのサーバーは、この操作を簡単に実行できるような何らかのマクロ機能を CGI でサポートしています。

セクション エントリ コメント
[Phone] 全エントリ  
[User] 全エントリ  
[Internet_Mail] Email_Name  
Email_Address  
POP_Logon_Name  
POP_Logon_Password  
[Internet_News] NNTP_Logon_Name  
NNTP_Logon_Password  

Windows 3.1 の場合は、Outlook Express のエントリがすべて設定されていないと、設定値が一切使用されません。

別のサーバーに割り当てられているユーザーの場合は、次のエントリを変更して、ウィザードに入力した情報を置き換えなければなりません。

セクション エントリ コメント
[Internet_Mail] POP_Server  
SMTP_Server  
Domain  
[Internet_News] NNTP_Server