ステレオエフェクトとは、各マスター、バスにかけることのできる、ステレオタイプのエフェクトです。バスと共にエフェクトのセンド、リターンとして使用したり、マスターでマスタリングに使用することなどが想定されています。このため、バスの空間系、モジュレーション系のエフェクト等は、初期値ではエフェクト音のみ出力されるように設定されています。
ステレオエフェクトのうち、インサーションエフェクトにもあったものはほとんど全く同じ効果です。ここでは、インサーションエフェクトにはないエフェクト、新しく追加されたパラメーターについてのみ解説します。
●エキスパンダー LR(ExpandLR)、エキスパンダー2 LR(Expnd2LR)、リミッター LR(Limit LR)、コンプレッサー LR(Comp LR)、コンプレッサー2 LR(Comp2 LR)、コンプレッサー3 LR(Comp3 LR)
無印のエキスパンダー、リミッター、コンプレッサーが両チャンネルをトリガー、ステレオリンクして処理するのに対し、リミッター LR、コンプレッサー LRでは、それぞれのチャンネルを独立して処理します。
・ステレオリンク(0~100%)-0%では左右のチャンネルは完全に独立して処理されます。値が上がるほどもう一方のチャンネルに影響を及ぼし、100%になると完全にステレオリンクされた状態になります。
●リバーブ(Reverb)、アーリーエコー(E.Echos)、ディレイ(Delay)、コーラス(Chorus)、フランジャー(Flanger)、フェイザー(Phaser)
・ドライレベル(-100~100%)-ダイレクト音の出力レベルです。ステレオエフェクトでは、ダイレクト音の音量も調節できるようになっています。
●クロスアーリーエコー(C.E.Echos)、クロスディレイ(C.Delay)、クロスコーラス(C.Chorus)、クロスフランジャー(C.Flange)
それぞれのエフェクトにクロスフィードバック、クロスレベルを加えたエフェクトです。
・クロスFB(-99~99%)-エフェクト音をもう一方のチャンネルにフィードバックさせる割合です。あまり大きい値を指定すると発振する可能性がありますので注意して下さい。
・クロスレベル(-100~100%)-ダイレクト音をもう一方のチャンエルに出力するレベルです。
★空間系
●ディレイLCR(DelayLCR)
LCR(左、中央、右)それぞれの入力音に対し、別々に反射音を指定できるディレイです。
・タイムL、R、C(0~1000ms)-音が反射する時間です。
・フィードバック(0~100%)-反射した音が、再び反射する割合です。ディレイLCRのフィードバックは、タイムL、C、Rのうち、最も長い時間でおこります。
・ハイ(0~100%)-反射音の高音のレベルです。値が小さいほど、反射音の高音は減衰します。
・レベルL、R、C(-100~100%)-入力音にミックスするエフェクト音のレベルです。
・ドライレベル(-100~100%)-ダイレクト音の出力レベルです。
★その他
●サラウンド(Surround)
左右の音を強調し、ステレオ感を増すエフェクトです。
・デプス(0~100%)-左右の音を強調する割合を指定します。100%では、中央の音はほとんど聞こえなくなり、左右の音だけが残ります。
●サラウンド2(Suround2)
サラウンド音にディレイをかけて原音にミックスするエフェクトです。
・デプス(0~100%)-左右の音をミックスする割合を指定します。
・ディレイ(0.1~10.0ms)-サラウンド音のディレイです。
●ステレオコントローラー(St.Ctrl)
ステレオの度合いを変更するエフェクトです。
・ステレオ(-200~200%)-ステレオの度合いを指定します。0%でモノラル、100%で変化なし、200%でサラウンド100%になります。また、値をマイナスにすると左右が逆になります。