[Q]デスクトップに、よく使うアプリケーションやファイルのショートカットアイコンを並べているのですが、ワープロなどのアプリケーションを画面いっぱいにして使っていると、デスクトップのアイコンにアクセスするのが不便です。なにかよい解決方法はありますか?

(静岡県/佐藤保孝)

[A]かくれてしまったデスクトップをつつきたいという要望は多くの方にあるようで、それを実現するデスクトップツールもいくつか出回っています。その中から、3つ程紹介しましょう。

 まずは、米Microsoft社製のフリーソフト群、PowerToysに含まれる「DeskMenu」を紹介します。PowerToyには、沢山のツールが含まれていますが、各ツールの説明は、本誌96年11月号の102ページなどでも紹介されているので、参照してください。PowerToysは、Microsoftのホームページより入手できます。Windows 95、Windows NTに対応していますが、無保証・非サポートとなっています。PowerToysのインストールは、アーカイブの展開後、install.infファイルを右クリックして、メニューから「インストール」を選択することで実行できます。インストールが完了すると、DeskMenuは、英語の「Startup」にショートカットが追加されるので、いつも自動的に起動したいのならば、カナの「スタートアップ」に移動しておきましょう。DeskMenuは、起動すると、タスクメニュー(デスクトップの画面の右下端にならぶアイコン群)に追加されます。利用方法は、タスクメニューに表示されるDeskMenuアイコンをマウスでクリック(右クリックでも可)すると、デスクトップのアイコンが、メニュー表示されるようになりますので、あとは必要なアイコンをメニューから選択するだけです。DeskMenuは、シンプルながら、十分な機能を持っています。

 次に、「通り抜けループ」を紹介します。通り抜けループは、タキ氏が作られたシェアウェア(500円)です。作者のホームページから入手できます。対応機種はWindows 95で、Windows NT3.51は未サポートです。通り抜けループは、その名が示す通り、任意のアプリケーションから、デスクトップへのループ(輪)をつくります。起動時から利用するには、スタートアップフォルダに通り抜けループを登録します。するとタスクトレイに、赤い輪が表示されるようになります。使い方は、デスクトップを見たくなった時にタスクトレイの赤い輪をドラッグし、デスクトップにドロップすれば、輪の中からデスクトップ画面が現われる仕組みです。通り抜けループの持つ機能はそれだけではなく、ワイパー機能と呼ばれる、画面左端に置かれているワイパーのような棒をドラッグすると、ドラッグと同時に下にかくれていたデスクトップ画面が現われます。ほかにも、キーボードを使ってのショートカットキー([Alt]+[Ctrl]+[←])によるデスクトップの表示や、ファイルをドラッグした状態で、マウスを画面左端にしばらく置いておくと、自動的にワイパーが動き、デスクトップが現われるファイルのドラッグ&ドロップ機能など、たのしくも便利な機能があります。設定画面では、ループの形状、ワイパーの位置、ショートカットキーなどについて、細かく設定ができます。

 最後に紹介するのが、「WinScrool」で、中島氏が作られたフリーソフトです。Windows 95はもちろん、Windows NT3.51/4.0にも対応しています。作者のホームページがあり、最新版を入手することができますし、窓の杜からも入手できます。WinScroolは、デスクトップに縦スクロールバーが貼り付き、仮想的に縦に長いウインドウが提供されます。スクロールボタンを押すと、デスクトップはそのままで、デスクトップの上にあるアプリケーションウインドウがスクロールするツールです。スクロールさせることによって、デスクトップアイコンを表示させることができるので、デスクトップアイコンにアクセスすることが可能です。勿論、仮想デスクトップ機能が使えるので、現在のウインドウが手狭になってきたら、スクロールさせて、新しく空いたデスクトップで新たな作業を行なうこともできます。機能面では、マウスによるスクロールの他に、[Alt]+[↑]や、[Alt]+[↓]で、スクロールができます。マウスポインタを画面の上端や下端にしばらく置いておくと、自動的にスクロールを始める機能もあります。WinScroolは、作者の中島氏によって、勢力的にアップデートされ、バグフィックスや機能拡張が行なわれているだけに、目の離せないツールのひとつでもあります。

 今回の紹介は3つほどですが、デスクトップツールはこれ以外にもまだまだあります。さまざまなものを試用してみて、好みのツールを見つけ出してください。

(相川成周)