展示会リポート
'95 国際放送機器展
日本コンベションセンター（幕張メッセ） 11月15日～11月17日
1995年11月15日から17日まで、日本コンベションセンターで95'国際放送機器展
（Inter BEE'95）が開かれた。国際放送機器展は、業務用放送機器の展示会で
展示ブースは、プロオーディオ部門と映像・放送関連機材部門とに分けて展示を
行なっていた。出展社は、15カ国434社からなり出展社の中心はアメリカと日本が
占めている。展示会リポートでは、展示されていた中からおもしろそうな物、
買うことができる範囲の物をお届けする。
ビクターデジタルビデオカメラ GR-DV1
本体標準価格 220,000円
ビクターからは、12月に発売予定のビクターデジタルビデオカメラ GR-DV1が展示されていた。
本機は、DV方式のデジタルビデオカメラで使用カセットはミニDVカセットを使用する。
本体の大きさは、ほぼミニDVカセット3本分というコンパクトな仕上がりで、
これさえあればいつでもどこでも手軽に高画質画像が撮影というすぐれものだ。
編集機能も充実しており、13種類の演出／効果および18種類の場面切り替え機能を
もち、別売りアクセサリーキットを使用すれば高精度自動編集機能も実現できる。
いまから発売が楽しみな製品だ。
ビクター DIGITAL S ビデオカセットプレーヤー PR-D50
ビクターからは、DIGITAL S方式のプレーヤーも展示されていた。DIGITAL S方式とは、YUV 4:2:2方式のコンポーネントデジタル信号を記録する方式で、W-VHSをベースにした
高密度メタルテープを使用し、最大104分の記録が可能になっている。
同時にドッカブルレコーダーも参考出品されていたが、発売は来年の夏頃とのこと。
価格的には、他の業務用デジタルフォーマットよりも低価格（といっても個人では
なかなか買える値段ではないが）にしたいとのこと。従来のS-VHSサイズの
カセットハーフを使用しているので、願わくばこの技術を民生機に転用した
モデルを望みたい。しかし、現在はその予定はないとのことであった。
参考出品されていたドッカブルレコーダー
Panasonic DVC PRO関連機器
松下電器産業株式会社からは、DVC PROフォーマットにもとづいた様々な機器が展示されていた。
DVC PROとは、最近様々な製品が出されているDVCフォーマットの上位規格にあたるも
ので、放送業務として十分耐えるだけの規格となっている。映像はデジタル
コンポーネント1/5圧縮記録、音声はPCM 2CH サンプリング周波数48KHz 量子化
bit数16bitを確保しており、高画質・高音質な記録が可能となっている。
撮影したその場で編集が可能なラップトップエディター
3CCDカメラレコーダー"VJcam"。民生用DV方式を採用したハンディカメラレコーダー。
ビデオジャーナリストやニュースの素材の収集などに最適。
SONY Digital Betacam 関連機器
ソニー株式会社からは、Digital Betacamを中心とした放送機器の展示を行なって
いた。放送局ではその高画質とデジタルであることによるダビング特性の良さから、
すでに普及が始まっているDigital Betacamだが、さらに撮影範囲をフィールドまで
広げその場で編集をしようという提案が行なわれていた。
Digital Betacamによるフィールド編集システム
車の後部に積まれていたDigital Betacamフィールド編集システム
Diamond Edge 3D
亜土電子のブースで見かけたのが、Diamond Edge 3D。Diamond Edge 3Dに関しては、
DOS/V POWER REPORT 12月号でも紹介しているので詳しくはそちらを参照して欲しいが、
Windows 95上で高速で動き回るバーチャファイターRemixの画面は、
確実に来場者の興味をひいていた。写真も撮ったのだが、あまりに高速で
動く画面がブレてしまったので、ここにはDiamond Edge 3Dボードをさしてある
筐体の写真を掲載しておく。
会場全体を回って思ったのが、デジタル化の波は確実に放送現場にも押し寄せている
ということだった。DV規格の登場によって民生機と業務機の差があまりなくなり、
編集に関しても確実にデジタル化しているのが実感できた。望むべくは、
このような機器が個人的に買える価格になって欲しいのだが、あと
数年は無理なのかもしれない。
(レポート：谷川)
DOS/V POWER REPORT編集部
dosv-power-report@impress.co.jp