発表会速報


Apple 社長兼CEO、スピンドラー氏来日記者会見(95年11月16日)

11月16日、ホテルニューオータニで会見を行った米Apple Computerの社長兼CEOのマイケル・H・スピンドラー氏(右)
アップルコンピュータ(株)代表取締役会長、米Apple Computer上級副社長、アップルパシフィック社長のジョン・フロイサンド氏(左)

【会見概要】  スピンドラー氏の来日記者会見の内容は、日本国内でのWindows 95の発売を目前に控えて、Windows 95に対するアップルおよびMac OSの先進性をあらためて強調するものだった。

 スピンドラー氏は、アップルがマルチメディアやネットワークに早くから取り組んでおり、出版やマルチメディアタイトル制作、WWWサーバーなどの、コンテンツの制作現場でMacintoshが広く浸透していること、同社のQuickTimeテクノロジーはハードに依存しないプラットホームになっていること、さらに次世代OSのCoplandの進捗状況や、Coplandで採用されるOpenDocはアップルとIBMで取り組んでいる先進的な技術であることなどに触れた。

 さらに、Windows 95が英語圏で発売されたあとアップルの販売が伸びており、もっとも最近のIDCの調査ではアップルがパソコンでシェア第1位であったことから、日本国内でも、Windows 95が発売されれば、Macintoshに非常に似ているWindows 95は、似て非なるものであり、比較してみればMacintoshの優位性がユーザーに分かってもらえるはずだと述べた。また、Windows 95が32bitクリーンでないこと、Macintosh用の32bitアプリケーションは1400本あるのに対し、Windows 95用はわずか100本にすぎないことなどを指摘した。

 スピンドラー氏につづいてフロイサンド氏より、NetscapeやInternet Connect PPPをプリインストールしたPerformaシリーズ新モデルの発表と、アップルワークグループサーバを使って、同社が運用を開始したアップルコンピュータのホームページの紹介がなされた。アップルでは、PerformaシリーズのインターネットソフトウェアプリインストールモデルのPerforma5320、Performa5220(どちらも12月上旬販売開始)の発表に合わせ、同社のホームページ内に「パフォーマタウン」を11月16日より開設した。

 また、フロイサンド氏は、新しく中国語圏で発売された「macintosh Chinese Dictation Kit Version 1.0」を紹介した。これは、キーボードによる入力が1バイト語圏より煩雑になる2バイト語圏を対象として、まず中国語版が発売されたもので、ユーザーがマイクで入力した言葉を音声認識して入力するもの。  


【コメント】  Windows 95の国内発売を控え、Windows 95一色になりそうな日本市場に釘をさすために、アップルがWindows 95に対するMacintoshの優位性を、スピンドラーCEO自身があらためてプレゼンテーションするのが今回の会見の目的であったといってよい。それだけアップル米本社にとっても日本が大切な市場に成長したということだろう。
 会見に続いて行われたデモンストレーションでは、Chinese Dictation Kitの出来がかなり良い感じだった。2バイト語圏も含めた言語対応では、もともとMacintoshはマイクロソフトよりかなり進んでいるが、Dictation Kit日本語版が中国語版と同じレベルの出来で発売されれば、キーボードアレルギーの中高年層には福音となるかもしれない。 (レポート:くどう)


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DOS/V POWER REPORT編集部 dosv-power-report@impress.co.jp