よく聞かれる質問 1. SPXS.NLMではウォッチドッグのアルゴリズムはどのように動作するのですか? あるセッションにおいて、一定時間内にデータの交信が発生しなかった場合にのみウォッチドッグパケットが送信されます。デフォルトのWATCHDOG_TIMEOUT(あるセッションで最後のパケットが発生してから、最初のウォッチドッグパケットが送信されるまでの時間)は60秒です。この値は、(TLIインターフェイスを通して)SPXのアプリケーションから変更することが出来ます。あるセッションが受信するあらゆるパケットは、そのセッションに関しての、ウォッチドッグタイマをリセットします。このパケットには、ユーザのデータパケットだけではなく、システムパケットも含まれます。ウォッチドッグを要求するパケットは、SPXヘッダの中のSYSとACKビットがセットされています。受信側は、SYSビットをセットして応答します。データに対するACKはウォッチドッグパケットに載せて送り返すことが出来ます。ウォッチドッグのアルゴリズムがコネクションを終了させるためには、データパケットで行なわれる適切な時間間隔でのリトライの回数の半分のリトライを行なう必要があります。リトライを行なったにもかかわらず、交信相手が無応答の場合、ウォッチドッグのアルゴリズムは、別の経路を探します。もし、別の経路があれば、リトライを続行します。これらの一連の動作を行なった上で、それでもまだ交信相手から応答が戻らなかった場合、ウォッチドッグのアルゴリズムは、コネクションを終了させるために、一方的な中止(アボート)を行ないます。 2. SPXCONFG.NLMを使って、SPXS.NLMのどのようなパラメータを設定できますか? SPXCONFG.NLMを使って、SPXウォッチドッグ中止タイムアウト、SPXウォッチドッグチェックタイムアウト、SPX ACK待機タイムアウト、SPXのリトライ回数と、配列されたSPXのセッションの数を変更することが出来ます。SPXSのこれら以外のパラメータは影響を受けません。 3. SPXSでラウンドトリップ時間はどのように計算されるのでしょうか? 測定されたラウンドトリップ時間の偏差値と平均値を使って、バン・ジャコブソン法を基にしてラウンドトリップ時間を計算しています。あるパケットが到達しない場合のタイムアウト時間を決定するためには、ラウンドトリップ時間+2*(平均ラウンドトリップ時間の偏差値)を使います。ラウンドトリップ時間の初期値は同一セグメント内での応答時間の2倍を使用します。ラウンドトリップ時間の上限はその値になります。 4. SPXSにおいて、ウォッチドッグメカニズムはどのようにしたら無効にできますか? SPXWDOG.NLMはSPXのウォッチドッグメカニズムを無効にするパッチです。NetWare Connectの様な遠隔地からのアクセスを行なう場合にSPXのウォッチドッグに関する問題を回避するために使います。SPXウォッチドッグは動作するように印が付けられないので、実行することが出来なくなります。 SPXWDOG.NLMをロードすると、次のサーバのSETパラメータが追加されます。 "set spx watchdogs=ON/OFF"  デフォルトはONです。 このパラメータは3xと4xサーバで使用できます。ウォッチドッグを完全に動作しないようにするためには、遠隔地のクライアント/サーバのウォッチドッグも禁止する必要があります。IPXODI v3.02とIPX.NLM(クライアント用の32ビットIPX)はSPXのウォッチドッグを禁止するためのパラメータを持っています。このプログラムがどのバージョンのNetWare OS上でも動作するのでPatchmanは必要ありません。 5. SPXに対してのSPXIIの利点は何でしょうか? SPXパケットのヘッダには、シーケンス管理、応答確認管理、ウインドウサイズ管理のフィールドがあります。初期のSPXでは定義の全てを実装していたわけではありませんでした。受信バッファの総数、データを送るIPXソケット、ウインドウサイズの指示などです。一つのIPXソケットに対して、2つ以上のSPXセッションが使われるようになると、どのバッファがどのセッションに属しているのかという問題が出てきました。この問題に対して、はっきりと決めることが出来ないため、通知されたウインドウサイズは信頼出来ないものとなってしまいました。SPXIIが使用するSPXヘッダのフィールドは、ウインドウに関して完全に対応しています。SPXIIは異なったウインドウの管理アルゴリズムを処理するのに充分に対応出来るように作られています。 ラージパケット: もともとのXNS仕様では、パケットの長さは576バイトまででした。この仕様では、データは512バイトまで、ヘッダは64バイトでした。SPXIIでは、2つのエンドポイント間の最大のパケットサイズの決定のメカニズムと、パケットレベルのサービスではなく、メッセージレベルのサービスを提供しています。SPXIIは大きなメッセージを適切なサイズの媒体パケットに分割します。最大のパケットサイズは、コネクションが確立されるときに行なわれ、経路異常が発生した場合、再度ネゴシエーションが行なわれます。SPXIIは送受信のパケットサイズが違う可能性があっても処理できるようになっています。これは、2点間に平行した経路がある場合、IPX RIPルータでは、経路の確定を行なわないという状況に対応したものです。 TLIインターフェイス: SPXはTLIを通して全ての機能をサポートしているわけではありません。SPXIIはTLIのサポートを改善しています。 6. SPXS.NLMとサーバOSに含まれているSPXの差は何でしょうか? OSに含まれているSPXはさまざまなアプリケーションで使われている従来のECBをサポートしています。ECBはSPXS.NLM(SPXII)ではサポートされていません。SPXS.NLM(SPXII)はSTREAMSメカニズムを実装していて、STREAMSメカニズムはTLIインターフェイスをサポートしています。 7. SPXSではパケットの最大サイズを変更出来ますか? SPXSはIPXからネットワークボードが使っている最大パケットサイズを取ることが出来ます。これはSPXのレベルからは変更出来ないオプションです。この値は、コネクション確立フェイズでSPXが相手とパケットサイズの調整を行なう場合に使用されます。