Microsoft® Visual Basic Control Creation Edition version 5.0®

ActiveX コントロールを初めて作成する

発行:199612 最新情報については、http://www.microsoft.com/vbasic をご覧ください。


はじめに

ステップ 1 : テスト コンテナを作成する

ステップ 2 : ブランクの ActiveX コントロール プロジェクトを追加する

ステップ 3 : コントロール用のビジュアル インターフェイスを描く

ステップ 4 : イベント ドリブン コードを作成する

ステップ 5 : コントロールの使用とテスト

次の過程

ActiveX コントロールを初めて作成する

はじめに

Visual Basic 5.0, Control Creation Edition を使用すれば、通常の Visual Basic のアプリケーションを作成するのと変わらないくらい簡単に ActiveX コントロールを作成することができます。どれほど簡単か? まずはこの先をお読みください。

本書では、Visual Basic を使って ActiveX コントロールを作成する過程がいかにシンプルであるか、その全体像をご理解いただけるように手短にご説明いたします。 Visual Basic に精通している方であれば、これから 10 分後には、立派に最初の ActiveX コントロールを作成することができます。

以下のステップでは、一般的に "スピナー" コントロールと呼ばれている、キーボードではなくマウスを使うことによって値を増減することのできるグラフィカルな ActiveX コントロールを作成していきます。次の図は、それを示したものです。
1

では早速、このスピナー コントロールの作成にとりかかりましょう。


ステップ 1 : テスト コンテナを作成する

下図のように、Control Creation Edition を起動させ、Standard EXE を強調表示し、[Open] をクリックします。これにより、ホスト アプリケーションが作成されます。このホストは、次に作成されるスピナー コントロールのためのテスト コンテナとして使用されます。

2

ステップ 2 : ブランクの ActiveX コントロール プロジェクトを追加する

[File] メニューから [Add Project] コマンドを選択します。
3

[Add Project] ダイアログボックスの中から、[ActiveX Control] を強調表示し、[Open] をクリックします。
4

この時点で 2 つのプロジェクトが開いていなければなりません。次の図でご覧いただけるとおり、これらのプロジェクトは非常によく似ています。また左側の、ツールボックス内に新しいコントロールが表示されていることを確認してください ( 5の番号 1)。ツールボックスのこのコントロールへマウスを移動させるとツール ヒントがポップアップし、"UserControl1" という現在のコントロール名が表示されます。しかし、この時点では、ツールボックスのアイコンは、灰色 (使用できない状態) になっています。この後、いくつかのステップを経て、使用可能となります。

Visual Basic 5.0 では、 ActiveX コントロール作成用にアプリケーション作成用と同じビジュアルなメタファーを使用しています。このメタファーを使い、まずインターフェイスを "描き"、プロパティを設定し、イベント ドリブン コードを入力するという流れで ActiveX コントロール作成を進めていきます。
5

ステップ 3 : コントロール用のビジュアル インターフェイスを描く

まず最初に、マウスを使ってスピナー コントロール用のビジュアル インターフェイスを作っていきます。既存のコントロールを結合し、新しくカスタマイズされたものにするこの Control Creation Edition では、新しいパワフルな機能がサポートされています。この機能を活用し、スピナー コントロールを作成するには、標準のテキストボックスと垂直スクロールバーを結合させます。

まず、Visual Basic のツールボックスにあるテキストボックス コントロールをクリックします。テキストボックス コントロールは、下図の番号 1 にあたるものです。マウスを使って、[Project2] ウィンドウの左上隅に小さいテキストボックスを描きます。次に、ツールボックス内の垂直スクロールバー コントロールをクリックし、テキストボックス コントロールの右側に描きます。垂直スクロールバー コントロールは、下図において番号 2 で示してあります。最後に、新しく描かれたコントロールを囲むように、コントロール サイズ ハンドルをドラッグします。コントロール サイズ ハンドルは、下図の番号 3 にあたるものです。今作成した ActiveX スピナー コントロールは、下図のようになります。

6

ステップ 4 : イベント ドリブン コードを作成する

ここまでで、スピナー コントロール用のビジュアル インターフェイスが完成しました。次のステップでは、垂直スクロールバーの現在の値をテキストボックスへ書き移すイベント ドリブン コードを作成します。垂直スクロールバーの上向き、または下向きの矢印をクリックした場合に、テキストボックスに表示された値が増減するようにしなければなりません。このようにするためには、垂直スクロールバーの Change イベントにコードを入力する必要があります。先程描いた垂直スクロールバーをダブルクリックしてください。すると、コード ウィンドウが表示されます。コード ウィンドウに次のコードを入力してください。

text1.text=vscroll1.value

このコードを入力し始めた時点で、驚かれたことでしょう。しかし、これは Visual Basic 5.0, Control Creation Edition の開発環境に新しく加えられた "インテリジェントな" 機能のほんの一部にすぎません。「・」(ピリオド)が入力されると、Visual Basic 5.0 は、設定可能なテキストボックスのプロパティをすべて表示します。すべての ActiveX コンポーネントにはこの種の情報が含まれており、Visual Basic では、必要な場合に自動的に使用可能な状態になります。

コードの入力後、閉じるボタンをクリックして、コード ウィンドウを閉じます (下図 7 の番号 1)。最後に、閉じるボタンをクリックして、スピナー コントロールのフォームを閉じます (下図 7 の番号 2)
7

ステップ 5 : コントロールの使用とテスト
この時点で、全て順調に進んでおり、スピナー フォームが閉じられていれば、ツールボックス内のスピナー コントロールは灰色ではなく、使用、または、テスト可能な状態になっています ( 8 の番号 1) 。現在、作成された環境は下図のようになっていなければなりません。
8

新しく作成したコントロールをテストする場合、下図のように、ツールボックス内の該当するコントロールをクリックし、[Form 1] 上に配置します。アプリケーションを動作させるには、F5 キーを押します。スピナー コントロールの上向き、または下向きの矢印をクリックするたびに、コードで指示したとおり、テキストボックス内の値が変化します。
9

おめでとうございます。これで、あなたにとって初めての ActiveXコントロールが完成しました。しかも、たった一行、コードを作成しただけでできたのです!

次の過程

さて、次のステップでは、http://www.microsoft.com/vbasic/controls 上の文書を見てみましょう。そして、あなたの ActiveX コントロールに簡単に組み込めるすばらしい新機能についてさらに学んでいただきます。これらの新機能にはカスタム プロパティ ページが含まれ、Java アプレットを作成する以外の方法として、あなたのコントロールをデータ認識可能にしたり、あなたのコントロールをWebページに載せる方法を紹介しています。

ActiveX コントロールが作成されると、次にあげるものを含めてすべての Microsoft ActiveX コントロールのホスト上ですぐに使用できます。

Office '97

Visual Basic 4.0

Visual C++

Front Page 2.0

Web ページに ActiveX コントロールを載せたい場合は、ActiveX Control Pad が必要となります。ActiveX Control Pad は、Visual Basic 5.0, Control Creation Edition に組み込まれており、下記のサイトから自由にダウンロードできます。

http://www.microsoft.com/workshop/author/cpad/download.htm

さらに ActiveX コントロールは Microsoft Visual Basic Applications のライセンスを持つすべてのアプリケーション上でご使用いただけます。このご案内の作成時現在、以下のベンダーがライセンスを取得しています。

Adobe Systems, http://www.adobe.com/

Auto Desk, http://www.autodesk.com/

B&C Microsystems Inc., http://www.bcmicro.com/

HAHT Software, Inc., http://www.haht.com/

Micrografx, http://www.micrografx.com/

NetManage, http://www.netmanage.com/

Onpoint Technologies, Inc., http://www.onpoint.com/

OSI Software, Inc., http://www.osisoft.com/

Rockwell Software, http://www.software.rockwell.com/

Sagent Technology, Inc., http://www.sagenttech.com/

SAP, http://www.sap.com/

StarBase Corporation, http://www.starbasecorp.com/

Systems Modeling, Inc., http://www.sm.com/

Tandata Corp., http://www.tandata.com/

The EC Company, http://www.eccompany.com/

Vanitive, http://www.vanitive.com/

Visio Corporation, http://www.visio.com/

最新のリストについては、下記のWebサイトをご覧ください。

http://www.microsoft.com/vba/vbawho.htm

ActiveX コントロールをWebページで使用する場合には、ActiveX コントロールとVBScript が対話できるスクリプトを作成するためにActiveX Control Padを使用できます。ActiveX Control Pad Visual Basic 5.0, Control Creation Edition FrontPage97の一部として送信されます。FrontPage は、次の Web サイトからダウンロードできます。

http://www.microsoft.com/frontpage/97beta/


© 1996 Microsoft Corporation 戻る | FAQ