発表会リポート


DVD 正式発表

 新高輪プリンスホテル 白鳳の間 12月08日



 当日午後に連絡が入り、18:00という遅めの時間に開始された。会場はTV、新聞社などの姿も多く見られた。発表の概要は、下記の発表資料に譲る。
 発表資料はA4 2枚だけで、仕様の分は遅れて配られるなど、寸前まで討議が続いていた様子がうかわれた。
 席順は向かって左から東芝、タイムワーナー、ソニー、パイオニア、フィリップス、ビクター、三菱、松下、日立という順であった。司会はソニー広報室、質疑応答の割り振りなどは東芝の西村専務が担当するというようにMMCDとSDの融合には気を使っているようすがうかがわれた。規格提唱メーカーは今回出席した9社にトムソンが加わる。

 製品の発売は従来の発表どおり来秋である。注目される書き換え可能なタイプは、これからスペックの調整にかかるということで、来年中の登場は難しいであろう。
 コピーガードはCGMS(コピーガードマネージメントシステム)が導入されるようだ。
 ライセンス、CDとの継承性、米国司法省が規格決定経過について質問状を送っている点など、ナイーブな問題についてはほとんど明らかにされず。手打ちが決まった9月15日から2ヶ月半を経て、参加している企業が協調して前進しているということを伝えることに重点が置かれていた。
 注目されるのはNTSCとPALで音声の記録方式が異なることで、理由として並行輸入品による市場の混乱の防止があげられていた。


以下 当日発表資料(当日配付されたものをテキスト化したものです)

平成7年12月8日

株式会社 日立製作所
松下電器産業株式会社
三菱電機株式会社
日本ビクター株式会社
パイオニア株式会社
フィリップス エレクトロニクス N.V.
ソニー株式会社
タイム ワーナー インク
株式会社 東芝

 高密度光ディスクの規格統一について9月15日に基本合意し話し合いを行ってきましたが、このたび名称も含めて最終決定しました。

 規格については、別紙にあるように決まりました。
 これで、映画用のDVDプレーヤー、コンピュータ用のROMについては規格が確定しました。なお、音楽用の規格については、音楽業界の要望を聞いた上でまとめ上げることになります。
 規格の名称については、DVDとします。


 DVDは、今後、映画、音楽、コンピュータに限らず、様々な用途に応用されることが期待されます。
 我々は、これらの多様な用途に対応できるDVD規格の光ディスクを、マルチメディア社会の新しいメディアとして全世界に提案・普及させていく考えであり、今後もさらなる技術の革新に努めていきます。
 なお、今月12、13日には、この多目的デジタルディスクの早期立ち上げと事業の発展を目指し、DVDフォーラムを開催します。


 9社は、ライセンスに関してこれから協議をしていく予定です。


DVD規格の主な仕様(片面一層記録の場合)

(共通事項)
・ ディスク直径 120mm
・ ディスクの厚さ 1.2mm(0.6mm×2)
・ 記憶容量 片面4.7ギガバイト
・ トラックピッチ 0.74μm
・ 半導体レーザー波長 650/635nm
・ レンズ開口数 NA=0.6
・ エラー訂正方式 RS-PC方式
・ 変調方式 8-16方式
(映像再生用の仕様)
・ 転送レート 可変方式 平均4.69メガビット
・ 画像記録方式 MPEG2画像圧縮
・ 音声記録方式 Dolby AC-3*(5.1ch)、LPCM (NTSC)
MPEG2 AUDIO、 LPCM (PAL/SECAM)
(最大8カ国の音声と32カ国語の字幕を記録可能)
・ 収録時間 133分
(転送レート平均4.69メガビット(映像+音声)時。
DolbyTMACー3(5.1ch)3言語4サブタイトルを含む。)
・ファイル管理構造 Micro UDF 及び ISO-9660
(コンピューター用の仕様)
・ファイル管理構造 Micro UDF 及び/または ISO-9660

*”Dolby”は、Dolby Laboratory Licensing Corporation の商標です。



(レポート:伊達)

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