SCC Sound Synthesizer S-cube version 0.2 取扱説明書 [本ツールの概要] SCC Sound Synthesizer S-cube (以下、S-cube) は、矩形波/サイン波/三角波/ ノコギリ波を倍音合成することで、SCC の音色データ(MuSICA VCD 形式)を作成する ツールです。 SCC は、自由に波形が作成できる反面、波形の作り方が全くわからないといった 問題があります。(実際、本ツールの作者は、波形の作り方がわからず、方眼紙に 適当な波形の絵を描いて、それをデータ化して使ってました…^^;) MSX には、SCC を使える音源ドライバがいくつかありますが、SCC を活用されて いる方はそんなに多くはないのではないかと思います。 せめて、FM 音源のように、波形の倍音合成ができれば、出音を狙って作れるのに… と考えた私は、S-cube の原型である波形データ計算プログラムを作り、実際に それを使って音色を作っていました。 そのプログラムを改良し、倍音合成だけ ならず、変調(波形モーフィング)にも対応させ、実際に作成した音をモニタリング できるようにしたのが、この「S-cube」なのです。 [S-cube 0.2 の特徴] ・ベース波形として、矩形波/サイン波/三角波/ノコギリ波が使用可能 ・MuSICA VCD 形式のSCC音色が最大50音色(うち10音色はモーフィング兼用)作成可 ・基本波形を1〜8倍音で合成することで音色を作成 ・始点/終点2つの波形を指定し、始点から終点の波形に変化する過程を10段階に  分割して音色データを作成する、モーフィング音色作成機能搭載 ・作成したデータは実際の波形として画面に表示可能 ・作成したデータをディスクに保存、読み込み可能 ・作成した音色データをその場でモニタリング可能(実機の場合要SCCカートリッジ) ・作成した音色は、MuSICAで利用可能  (※アタック/ディケイ/サスティン/リリースはS-cubeでは編集できません) [用語解説] ・矩形波:MSXやSEGA-MARKIII搭載の標準音源チップ(PSG)から鳴るような音。      プレーンでエッジの効いた感じ。 高音で鳴らすと美しい。 ・サイン波:NHKの時報の音。 「ポー」という柔らかい感じ。 ・三角波:ファミコンのゲーム音楽のベースライン音色によく使われる癖のある音。      高音で鳴らすと、サイン波に近い音になる。(例:DQ3のラーミアの曲) ・ノコギリ波:非常に癖のある音で、ファミコンのVRC6搭載ゲームっぽい音がする。        (例:悪魔城伝説) また、デチューンをかけて2音同時に鳴らすと        RaveRacer の EUPHORIA っぽい音がした。(経験者は語る) ・倍音:1倍音を基本波形とし、2の乗数ごとに1オクターヴ高い音が鳴る。     つまり、倍音を 1, 2, 4, 8 で合成すると、基本オクターヴ、1オクターヴ     高い音、2オクターヴ高い音、3オクターヴ高い音を1音で同時に鳴らした     のと同じになる…理論上は。 ゑ"、3倍音や6倍音はどうなんだって??     2〜4倍音、4〜8倍音の間の音が鳴るんですよ。 あんまり難しいことを     ツッコまないよーに。(大汗) [S-cube の使い方] MSX 実機の場合は、SCC 搭載カートリッジ(スナッチャー、SDスナッチャー等)を スロット1に挿して電源を入れ(SCC カートリッジが無いと音が鳴りません)、 S-CUBE.BAS をBASIC上からロードし、run してください。 MSXエミュレータの場合、 スロット1で SCC を有効、もしくはスロット1で Konami5 8k 形式の ROM が認識 される状態として、同様にBASICから S-CUBE.BAS を実行させてください。 (MSX-PLAYerの場合、特に意識しなくてもデフォルトでSCCの音が鳴るようです) 無事に起動すると、タイトル画面の後、画面上部に波形表示、下部に鍵盤、最下部に ファンクションキーの対応コマンドが表示されます。 操作は全てキーボード上で行います。 ・ファンクションキー :波形編集、ファイル保存・読み出し等の機能を実行します。 ・鍵盤に描いてあるキー:現在表示されている音色でSCC単音を鳴らします。 ・カーソルキー左右  :演奏する鍵盤のオクターヴを上下させます。 ・エスケープキー (Esc):実行中の機能をキャンセルします。 なお、終了キーは定義してありません。 Ctrl-STOP で停止してください。(^^;) [ファンクションキー割り当て各機能の使い方]  読み込むファイル名を聞かれますので、入力してください。 入力の際、拡張子は  入れないでください。(自動的に「.VCD」という拡張子がつきます)  ファイル名を入力すると、本当に良いかどうか聞いてきますので、「1」(Yes)  または「2」(No) を入力してください。 1 を入力すると、そのファイル名が  ディスク上に存在すれば、データの読み込みを行います。  編集する音色番号を変更します。 編集したい音色番号を 0〜49 で入力して  ください。  現在編集中の音色に、新たな波形を合成します。 なお、ピークレベル(-127、  +127)を超えた場合は、合成後のピークレベルが-127〜+127の間に収まるように  自動的にレベル調整を行います。  F3を押すと、まず波形選択を促されますので、「1」(サイン波)、「2」(矩形波)、  「3」(三角波)、「4」(ノコギリ波) のいずれかを選択してください。  続いて、倍音の入力を促されますので、1〜8 の値を入力してください。  最後に、ピークレベルの入力を促されますので、1〜127 の値を入力してください。  始点と終点の波形を指定し、始点から終点の波形へ変化する過程を10段階に分けて  音色データとして計算します。 本機能を使用すると、音色番号40〜49に計算結果が  記録され、計算以前に音色番号40〜49に定義してあった音色は消えてしまいますので  ご注意ください。  F4を押すと、現在の音色名一覧が表示され、始点の音色番号入力を促されますので、  0〜49の値で入力してください。  続いて、終点の音色番号入力を促されますので、同様に0〜49の値で入力してくだ  さい。  入力すると、始点の波形と終点の波形が画面に表示され、これで良いかどうかを  聞いてきますので、「1」(Yes) または「2」(No) を入力してください。 1 を  入力すると、音色番号8〜15に、計算したモーフィング音色が記録されます。  現在編集中の音色を、1つ前の状態に戻します。 Undo を2回連続で実行すると、  Undo する前の状態に戻ります。  但し、F4(波形モーフィング)実行によって変化した状態は、F5 で戻すことは  できません。  保存するファイル名を聞かれますので、入力してください。 入力の際、拡張子は  入れないでください。(自動的に「.VCD」という拡張子がつきます)  ファイル名を入力すると、本当に良いかどうか聞いてきますので、「1」(Yes)  または「2」(No) を入力してください。 1 を入力すると、そのファイル名で  ディスクに音色データがセーブされます。 セーブされたデータは、そのまま  MuSICAで読み込んで音色データとして使用することができます。  (但し、アタック/ディケイ/サスティン/リリースのパラメータはそのまま  ですので、必要に応じて編集してください)  現在編集中の音色名を設定します。 半角英数字8文字以内で入力してください。  そのとおり、作成した全波形を画面に表示します。 モーフィング波形なんかを  作ったときに変化が見れるので面白いかと。 …そんだけです。(笑)  現在編集中のデータをクリアします。 本当に良いかどうか聞いてきますので、  「1」(Yes) または「2」(No) を入力してください。 [Tips] ・変数 WX, WY の値を変えると、波長解像度と振幅を変更することができます。  ここを変えることで、SCC 以外の規格の波形メモリ音色エディタとして使用  できるかも。(※試してません→0.2ではメモリが足りませんでしたT_T) ・810 行目は、SCC の挿さっているスロットの選択です。 SCC を認識しない場合、  ここを変えると認識する場合があります。 ・本ツールは、MS(X)-DOSやMS-Windows上でソースが見れるよう、敢えてアスキー  形式でセーブしています。 一度BASICでロードし、通常の形式でセーブし直すと  心持ちロード時間が早くなるかもしれません。 [やりたかったけどまだ実現していない機能] ・波形の自由編集モード ・矩形波のデューティ比変更(ファミコン音源のエミュレート) ・逆ノコギリ波(これって音色変わるんですか?) ・半端整流機能(MSXのOPLLについてる機能…なんとなく今思いついた) ・GUI化&マウス対応 [注意事項] ・本ツールは無保証です。 本ツールを使用したことで如何なる損害が発生しても、  作者であるWiz.は一切関知いたしません。 ・ツール作者の環境では動作しましたが、元々作者が個人的に使っていたツール  ですので、全ての環境で動作することを保証するものではありません。  動かなかったらゴメンナサイ。 ・バグや機能不足な点は多数あるかと思いますが、作者であるWiz.はそれに  伴うバージョンアップの責は負いません。 勘弁してください。 ・使い方がわからない等ツッコミどころ満載かと思いますが、そんなに難しい  プログラムではありませんので、できるだけ自分で調べてみてください。(ぉぃ)  それでもわからない場合、掲示板やメールでの質問も可ですが、返事は期待しな  いでください。(大汗) ・このプログラムの解析、改造、移植等はご自由にどうぞ…というか、むしろ  熱烈希望です。 是非、どなたか Windows-GUI 環境に移植してください…(T_T) ・一応、著作権は主張したいと思いますが、上記のとおり、このプログラムを参考に  新しいプログラムを作成するのは自由です。 でも、ドキュメントの端っこにでも  私(Wiz.)の名前を書いていただけると嬉しいかも。 ・あと、このプログラムの移植版・改良版を作成された方は、是非私までご連絡  ください。 私のページからリンクさせていただくと共に、是非そのツールを  使わせていただきたいと思います。(^^) ・他サイトや雑誌、CD-ROM 等への転載はご自由にどうぞ。 雑誌やCD-ROMへの  転載時は、事前にご連絡戴けると有難いです。(同人関係含む) [改版履歴] 0.1 2002/11/01 MGSDRV用として初版公開。 0.2 2004/12/11 MSXマガジン永久保存版3号用に、MuSICA 向けに改造。 ・音色保存形式を MuSICA-VCD 形式に変更 ・それに伴い、編集可能音色数を50に変更 ・波形モーフィング対象音色を@40-49に変更 ・画面レイアウトを一部変更 ・COPY 文を使った為、MSX2以降専用に。(^^;) F1/F6 の機能を入れ替え ファンクションキー実行中にSCCキーボードが鳴るバグ修正 Dec.11, 2004 Presented by. Wiz. e-mail: wizpsg@fsinet.or.jp Home : http://taka-p.homeip.net/