━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      PCM factory ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 収録プログラム名:PCMF.BAS PCMCALC.REX 対応機種 :FM TOWNS(要RAM:2MB,要F-BASIC386 V1.1L20) 作者 :城所 仁 ● 口 上 このプログラムは,バラついた状態のPCMデータのレベルを自動調整する「PCMレ ベル正規化アンプ」に,ノイズの原因となる高い周波数を遮断する「ローパスフィ ルタ」と無信号時の音を削る「ノイズゲート」が一体となったもので,これらを使 うことによってなかなかきれいにサンプリングすることが難しかったPCMデータを きれいに再生することができます。◎h!FM '90年6月号に掲載したものを,作 者の城所仁氏および◎h!FM編集部のご好意により収録させていただきました。 ● 使い方 このプログラムは,F-BASIC386によるメインルーチンPCMF.BASと,マシン語サブ ルーチンPCMCALC.REXから構成されています(よって,F-BASIC386 V1.1L20がない と動きません)。 F-BASIC386用のワークディスクに2つともコピーしたあと,F-BASIC386 V1.1L20 を立ち上げてから, RUN"PCMF.BAS" として起動します。 プログラムの使い方ですが,まず画面左下方の「原料」ボタンをマウスでクリッ クします。するとファイル名を聞いてきますので,PCM音声モードのデータ,つまり .SNDファイルのファイル名を入力します。なお,ここで「record」と入力すると録 音モードになります。 次に「原料」が入荷されたので,画面中央左側の「原料検査」ボタンをクリック することでPCMデータを再生してみることができます。 まずは音量を調整しましょう。まず一番左側の「level adjust」と書かれたボッ クスですが,これがアンプのボリュームにあたります。このボックスのパラメータ バーをクリックして音量を調整するわけですが,100%のときは正規化,つまり最 大値が±126になるように増幅します。0%ならもちろんデータをゼロクリアしてし まいます。 真ん中のボックスの「low pass filter」ですが,これはPCMデータの高音部をカ ットして,いくらかノイズを減らすものです。もちろんこれはデータそのものがあ る程度低い周波数で構成されていることが前提となります。パラメータバーが100% に近いと,より高音まで通過させ,0%に近いほど高音部がカットされます。です から,50%に近いパラメータで,「女B」を聴くと,より低くこもった声になりま す(あんまり低くすると音声そのものもカットされてしまう)。 右側のボックスのノイズゲートですが,このノイズゲートは,あるレベル以下の 音がある時間以上続くとその音をカットするというものです。縦のパラメータバー がその「あるレベル」を表わし,横が「ある時間」を表わします。このノイズゲー トは使い方を間違えると,かえってノイズが増えますので,パラメータバーの設定 は試行錯誤を繰り返して,根気よく調整してください。縦のパラメーターバーを0% にすれば働かなくなります。 そうして必要なパラメータをセットしたら,「製造」ボタンをクリックします。 するとパラメータバーによって指定されたパラメータでPCMデータが加工されます。 この加工されたデータは「製品検査」でチェックでき,「出荷」ボタンをクリック し,ファイル名を入力することでファイルに落とせます。 ところで,ノイズゲートを使って余分な雑音をカットした場合,PCMデータのほと んどはゼロで埋まっています。PCMデータはかなり巨大なファイルになりますので, このほとんどをゼロで埋められたデータをそのままファイルに落とすのは無駄な感 じがするでしょう。 そのときは出荷時に,ファイル名の後ろに「filename,c」という具合に「,c」を 付ければ,前後のゼロデータを削除してファイルに落とします。 なおPCMデータの加工はコピーされたバッファに行いますので,「原料」となるデ ータは保持されます。ですから「製造」の操作は何度でも行うことができますので, 「原料」と「製品」を聴き比べて,好みのデータを作ってみてください。 ● 著作権・再配布について このプログラムの著作権は作者が保持しておりますが,著作権法の定める「個人 的な利用」の範疇であれば自由に利用してくださってけっこうです。また,転載・ 配布についても事前の許諾なしに自由に行ってくださってかまいません。ただし配 布時に, 1. 「城所 仁」がプログラミングしたものであること 2. ◎h!FM '90年6月号に掲載されたものであること 3. 作者の自由転載許可に基づいて転載・配布したものであること を,説明用のテキストに明記してください。