2学期スタート 供花の通学路越えて
多井畑・竜が台小では集団登校続く/神戸
97.09.01 大阪読売夕刊
二学期がスタートした一日、近畿各地の小中学校で始業式が行われた。小学生連続殺傷事件が起き
た神戸市須磨区では、三月の連続通り魔事件から続けてきた集団登下校を解消する学校も多く、日焼
けした顔の児童、生徒たちは新たな気持ちで新学期を迎えた。
事件で家裁送致された少年が通っていた友が丘中では、集団登下校が取りやめられ、生徒たちは友
人と肩を並べて登校。夏休み前から、各クラスの教諭と生徒にはがきを配布して心のケアを図る“一
葉のコミュニケーション”活動をしており、岩田信義校長は式で「二学期は自分の力を発揮して頑張
ってほしい」と述べた。
また、女児二人が通り魔被害に遭った竜が台小では、この日も事件現場に真新しい花が飾られ、そ
のわきを集団登校の児童が校門に向かった。六年男児が犠牲になった多井畑小でも、学年が違う子供
同士の交流が図れると、集団登校を継続。両小とも、小グループに再編しながらも続ける。
一方、五月に二年生の浦久保充代(みちよ)さん(当時十三歳)が殺害された奈良県月ヶ瀬村の月
ヶ瀬中では、生徒らが充代さんのめい福を祈り、悲しみを乗り越えていこうと誓い合った。
式では一分間の黙とうが行われ、ハンカチで目頭を押さえ、すすり泣く女生徒も。猪岡益一校長は
「友だちがいなくなったのはさびしいけれども、私たち一人ひとりが頑張ろう」と励ました。充代さ
んの机には、この日も新しい菊の花が供えられた。
写真=連続通り魔事件の現場に供えられた花の横を登校する竜が台小の子供たち(午前8時10分、
神戸市須磨区竜が台で)
(C)The Yomiuri Shimbun Osaka Head Office,1997
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