ＹＭＣＡスポーツ・海洋科学専門学校助手の渡辺弥生さん（２６）は、日本初のサッカー女子一級審判員。今年一月の全日本女子サッカー選手権決勝では、十八回の歴史の中で初の女性主審を務めた。資格を取って二か月とは思えない落ち着いた審判ぶりで“女子サッカーの天皇杯”という大舞台をこなした。
現在、この資格を持つのは、渡辺さんを含め四人だけ。Ｌリーグや国体など、女子の全国大会を中心に活躍している。
渡辺さんがこの道に進んだのは、神奈川県立田奈高校で父・武さんが顧問を務めるサッカー部に入ったことがきっかけ。男子に交じって練習に励み、練習試合では一年生の時から副審を任された。だが慣れない審判に一苦労。判定への激しい抗議で、泣き出したという苦い思い出もある。
日体大女子サッカー部時代は、プレーヤーとして全国大学女子選手権四年連続制覇を果たす一方、三級審判員資格も取得した。九一年のアジア女子サッカー選手権（福岡）で副審を務めるなど、選手、審判の両面にわたり日本女子サッカーの最前線で活躍した。
卒業後は審判活動に専念。仕事に加え、土日は試合や審判講習会に明け暮れて、休日らしい休日はない。世界を舞台に活躍することがサッカーを始めたときからの夢。「ゲームコントロールできる」国際レフェリーを目指し頑張っている。
（9月27日12:12）
|
