思慕-すれ違いの時-
作者コメント
彼女は名は桜。桜の花が咲く暖かい日に生まれた子。血統書付きの純血種。
世界に何匹も居ない民族の末裔です。
生まれながらに歴史と運命を背負った娘は、自分の情熱を押し殺す術を子供の頃から身につけています。
そんな彼女が迎える今日と言う日は、親の決めた結婚相手との初めての見合いの日。
周りの人々が長い時間をかけて仕立た儀式のはじまりです。
心なしか晴れない彼女の顔にだれ一人気がつく余裕など持ちあわせていませんでした。
気がついたところでどうすることもできないのですが。