■ 貧乏人のためのCG講座 アラカルト編

おすすめツール集

 ここでは私が現在使っているものを中心に、画像関係のフリーウェア、シェアウェアを紹介したいと思います(なので、全部Windowsのソフトです)。もし、皆さんの中で「これはおすすめ!」というものがありましたら、ぜひお知らせ下さい。なお、ここに書いてあるコメントはあくまで私の個人的な感想を述べたものですので念のため。

 また、ここに挙げたソフトはほとんどが「Vector Software Pack」、「窓の杜」、「Freeware Position」、「goo ダウンロード」などから入手可能です。



■ グラフィックエディタ・レタッチソフト

・ART/fw95

 「アートフォー」と読みます。市川ソフトラボラトリーのグラフィックエディタ「DaisyArt」の生みの親、丸岡勇夫氏作成のフリーウェアです。当然といえば当然ですが、操作性は「DaisyArt95」とよく似ていて、パレットデータやペン先データも「DaisyArt95」との共用が可能らしいです(未確認(^^;)。

 動作は軽快で、作業時のガンマ値を設定する機能もついているのですが、比較的古いソフトのため、レイヤをサポートしていないのが痛いところです。初期状態でフィルターが少ないのもマイナス点。フィルタに関してはプラグイン型式で追加できるようなのですが、今のところART/fw用のプラグインは残念ながら見たことがありません(^^;。


・D-Pixed Ver.2.16 Home Page

 Doichan!氏作の256色専用グラフィックエディタです。本格的なレイヤ機能や、40倍(!)まで拡大可能な強力なルーペなどを装備していて、ドット1つ1つを操って精密な絵を描くことができます。またアドインの形で様々なフィルタやペン、ファイルセーバー/ローダーを追加でき、非常に拡張性が高いのも特徴です。

 操作性は、かつてPC-9801全盛のころ一世を風靡した「マルチペイント」などの16色グラフィックエディタに近く、これらのソフトを使っていた人なら違和感なく操作できると思います(最近の人にとってはどうなのかなぁ?(^^;)。マンガのコマ割りやフキダシを作成する機能など、珍しい機能も持っています。

 初期状態でサポートする画像フォーマットはDPX(D-Pixed専用画像フォーマット)、BMP、PNG、PAC(PostPetの部屋およびおやつデータ)。しかし、アドインを使えばMAG、TIM(プレイステーション用の画像フォーマット)、ICO、CEL(Kiss用セルデータ)などを扱うことができるようになります。なお、GIFについてはVer.2.11から正式サポート外となっていましたが、Ver.2.16からはとうとうGIF関連の全機能が完全に削除されました。GIFを利用したい人は他のソフトと併用する必要があります。


・Dibas32 Ver.1.04

 ねたろ氏作のフリーのフォトレタッチソフト。作者いわく「開発途上」だそうですが、基本的な画像処理を行うのに必要十分な機能を持ちあわせています。また、後述する画像ビューアー「Susie」のプラグインに対応していて、様々な種類のファイルを扱うことができます。

 画像の縮小や減色の性能はなかなか優秀で、またJPEG保存時や減色のオプションも豊富なので画像処理が必要な場面でなにかと役に立つと思います。しかも、これらの操作はすべてプレビューで結果を確認しながら操作できるのでとても便利。なんと、フィルタを「自作」することさえできます。反面、絵を「描く」ための機能は貧弱なので、ゼロから絵を作成するのにはあまり向いていません。また、今のこのバージョンでは「文字」の入力はできません。


・GIMP for Win32 Home Page

 UNIX上で動作する定番フォトレタッチソフト「GIMP」のWindows版。現在、Tor Lillqvist氏が中心となって開発が進められています。元々がPhotoshopを目指して開発されただけあって、機能的にはまったくヒケをとりません。潜在能力からいえば、ここで紹介しているソフトの中でも随一でしょう。しかもこれでフリーソフトなのですから、感謝、感謝♪です。

 ただ、あくまでも「開発中」のため、バージョンによってはひどく不安定だったり、最悪起動さえできない場合もあるので、その点は注意が必要。全体的な処理スピードにしても、まだまだ洗練されていない感じです(特に、肝心の画像表示の遅さにはかなり閉口させられます)。また、UNIXからの移植版のため、普通のWindowsソフトのつもりで使おうとすると、操作方法やメニュー階層に違和感を感じることもあるかと思います。

 なお、海外のソフトなのでメニューなどはすべて英語ですが、日本語化するためのパッチも公開されています。日本語化パッチはこちら

Special Thanks! > sけいしさん
 sけいしさんのサイト(http://www6.freeweb.ne.jp/computer/skeishi/)も、GIMP for Win32を使う上で参考になると思います(^^)

・Hyper Paint Home Page

 Kiriman氏作のフルカラーグラフィックエディタ。複数枚のレイヤを同時に利用可能だったり、豊富なペンやフィルタ類を装備しているなど、フリーウェア屈指の強力な機能を備えています。ただ、すべての機能はツールバーにびっしりと並んだアイコンに割り当てられていて、Windowsの標準的なインターフェイスとはだいぶ雰囲気が違います。使い勝手にかなりクセがある上、機能がてんこ盛りなので、操作をおぼえるのには少々時間がかかるかもしれません。


・Pixia Home Page

 株式会社「匠」が作ったフリーのフルカラーグラフィックエディタ。上記ホームページからダウンロードできます。豊富なフィルター、100段階までの多段階アンドゥ、編集可能なペン先、枚数無制限のレイヤ機能などを装備していて、これがフリーソフトとは信じがたいような出来です。編集可能な画像サイズも最大10240×10240ドットと大きく、タブレットの筆圧検知にも対応。操作性としては、ここで紹介している中ではGIMPを除けば最もPhotoshopに近いようです(とはいえ、違うところもずいぶんあります。なまじ似てる分、始末が悪いとも言えます(^^;)。メモリ管理の問題なのか、ハードディスクへのアクセスがやたらに多く、動作がやや重いのが気になるといえば気になりますが、現状では、フリーグラフィックエディタの大本命といえるでしょう。


・Pmacs Home Page

 昌達(ChangTa)という会社が作ったフルカラーグラフィックエディタ。シェアウェア版が正式に公開となったため、従来のフリーウェア版(プレリリースバージョン)はサポート中止となりました。レイヤや多段階アンドゥをサポートしていて、かなりの高機能です。描画機能やフィルター類も含め、すべての機能を「部品化」して本体から独立させ、追加、削除を可能にしたという設計は非常にユニークです。ただその反面、画像編集時にはツールボックスなどのウィンドウも独立して多数開いてしまうので、インターフェイス的にちょっとうっとうしく感じるかもしれません。


・Super KiD FE

 「マルチペイント」が広まるさらに前、PC-9801用のグラフィックエディタ「Z's STUFF KiD98」で一時代を築いた株式会社Zeit(すでに倒産)のグラフィックエディタ「Super KiD95」のフリーウェアバージョンです。ヘルプファイルがない、編集可能な画像サイズが市販品に比べて小さい、100×50ピクセルを超える画像を保存しようとすると画像にロゴが入るといった制限はありますが、その他は市販のものとまったく同様に使えます。保存に関しては、クリップボードを経由して他のグラフィックエディタに出力すればOKです(ただ、256色で作業していたものもフルカラーモードになっちゃいますが(^^;)。

 さすがに編集機能は強力で、装備しているフィルタ類の数はここで紹介しているソフトの中でもピカイチです。が、比較的古いソフトなので、レイヤを扱えないのが難点です。優れたソフトには違いないのですが、なにぶん、ヘルプファイルがないので機能の詳細については分からない点が多いです(^^; 。まだ見落としてる機能があるかもしれません。

 なお、今はまだこちらのサイトからダウンロードできますが、Zeit自体がもう何年も前に倒産しているのでいつここからダウンロードできなくなるか分かりません。導入を考えている方はお早めに。



■ 背景作成支援

・Terragen Home Page

 M.P.Fairclough氏作の景観作成ソフトです。フリーで利用できるバージョンでは、作成できる画像の大きさに制限があり、またアンチエイリアスも不完全です・・・が、実用上ほとんど問題はないでしょう。フラクタルによって地形を自動生成し、設定に基づいてレンダリングを行います。描写は非常にリアルで、大気の厚さや光の散乱なども見事に再現します。ほとんど初期状態のままで作業しても、簡単にこのくらいの画像は作れてしまいます。地形は自動生成させるほかに、自分の手で好きなように修正することができます。このソフトに関する日本語のページ(Terragenの世界)も開設されているので参考にするとよいでしょう。


・カシミール3D Home Page

 DAN杉本氏作のフリーの山岳展望解析、景観作成ソフトです。国土地理院の数値地図や、作者のページなどで公開されているフリーの標高データを利用し、レンダリングを行うことでリアルな風景CGを作成することができます。ほとんど初期状態のままで作業しても、簡単にこのくらいの画像は作れてしまいます。雲の種類や高度、マッピングされるパターンなど細かいところまでチューニングが可能で、しかもインターフェースが分かりやすいので初めての人もとっつきやすいと思います。ただ、派手目の発色になることが多いので、背景として使うなら若干の色調整が必要かもしれません。

 カシミール自体には、Terragenと違って架空の地形をゼロから生成する機能はありませんが、任意のグレースケールやBMPを地図として使うことはできます。また、Ver.6.0 Beta1からはプラグインが実装可能となり、その第1弾として「地形エディタ」などが公開されています。



■ 画像コンバータ・ビューア

・ACDSee 3.0 Home Page

 ACD Systemが配布しているシェアウェアで、30日間の試用ができます。実際に画像を表示する「ACDSee Viewer」と、ディスク内の画像を管理するための「ACDSee Browser」とからなっています。「ACDSee Browser」はエクスプローラ似た操作性で、とっつきやすいと思います。

 対応する画像フォーマットは一般的なものからデジカメ画像、動画、MIDIまで非常に幅が広く、しかも海外製のソフトにもかかわらず「Susie」のプラグインにも対応していたりします。ちょっとした画像加工機能や、簡単にHTML形式のフォトアルバムが作れる「HTML Album Generator」などもあって、なかなかの高機能です。

 なお新潟キャノテックからは日本語版が発売されています。


・BTJ32 Home Page

 紅月燐火氏作の画像コンバータです。読みこめるフォーマットはBMP、JPEG、PNG、WMF、EMF、ICOなどですが、「Susie」のプラグインによって拡張することができます。書き出せるフォーマットはBMP、PNG、JPEGです。複数ファイルの一括処理や、JPEG保存時に画質のプレビューができたり、複数の画像品質で圧縮されたファイルを一度に出力することができたりと、使い勝手は非常に良好です。


・GV Home Page

 「Susie」と双璧をなす、とびた氏作の国産ビューアです。初期状態で非常に多くの画像フォーマットに対応しているので、「Susie」のようにプラグインを別途そろえる必要がないという手軽さがあります。また、国産なのでMAGやPICといった日本独自の画像フォーマットにも対応しているのがうれしいところです(最近ではこれらのファイル形式を使うこともめっきりなくなりましたが(^^;)。


・IrfanView32 Home Page

 海外製の画像ビューア&コンバータです。シェアウェアですが、個人での使用に関してはフリーということになっています。JPEG、GIF、BMP、PNG、TIFF、PCX、ICOなどの入出力に対応しています。ちょっとこれは未確認なのですが、このソフトがUnisysから正式にGIFの読み書きについてのライセンスを受けているのであれば、GIFの入出力を合法的に行える貴重なフリーソフト(ただし個人のみ)ということになります。ちなみに、入力だけなら上記以外にも数多くのフォーマットに対応しています。

 複数画像の一括変換も可能で、多数のファイルを処理する必要がある人は重宝するかもしれません。しかも、一部のフォトショップのプラグインが使用可能なので、かなりお勧め。なお、こちらではメニューなどを日本語に置き換えた「日本語版」が公開されています。


・Susie Home Page

 たけちん氏作の日本を代表する画像ビューアです。初期状態ではBMPとフルカラーべたくらいしか読めませんが、プラグインの形でローダーを組み込むことにより多種多様なフォーマットを読むことができるようになります。これらのプラグインは他のソフトでも使用可能な場合があって(例えばHyper Paintなど)、非常に重宝します。また、外部プログラムを組みこむ形なので、新しい画像フォーマットが出てきてもすばやく対応できるという利点があります。なお、プラグインは上記のたけちん氏のホームページなどから入手することができます。



■ その他のユーティリティ

・Biden Home Page

 Shidar氏作の画像縮小専門のユーティリティです。BMP画像を補間縮小するだけ、という簡単なソフトですが、単純なだけに分かりやすいです。縮小速度重視の「快速縮小」、画質重視の「美縮小」、両者の中間的な性質の「画像縮小」の3つの縮小方法から1つを選んで画像を縮小します。用途に合わせてうまく使い分けましょう。


・Bitmap Resizer Home Page

 杏世氏作の画像加工ユーティリティです。BMP画像をトリミングする機能と高精度な拡大・縮小機能がキモになっています。拡大・縮小に独自のアルゴリズムを採用していて、整数倍より小数倍の半端な拡縮率の方がきれいになる傾向があるらしいです。その他に減色や色調補正、画像合成機能など、ちょっとした画像修正に便利な機能が搭載されています。特に、縮小時に選択した色のみを補間処理から保護する「選択色保護機能」は透過GIF画像を縮小するときに非常に強力な武器になりえます。


・Padie Home Page

 多摩川源五郎氏作の減色専門ユーティリティです。Susieのプラグインを用いて画像を読み込み、設定にしたがって減色した後、BMPに書き出します。この「設定」というのが非常に細かいチューニングが可能で、誤差拡散法の有無、アルゴリズム、パレット中にシステムカラーを含ませるかなどを指定できます。また、複数画像に対するバッチ処理も可能です。

 性能的にはシェアウェアの「OPTPiX」(Vector Software Packから入手可能)に一歩譲るそうですが、それでも非常に高性能。普通のレタッチソフトなどの減色機能にいま1つ物足りなさを感じている人は使ってみる価値ありです。


・Teon Home Page

 Bidenと同じ作者が作った「ボタン作成ツール」です。簡単な指定をするだけで、BMP画像を立体的な「ボタン」に加工することができます。ただそれだけのソフトですが、意外と便利。ちなみにウチのバナーはこれのお世話になっています(^^;




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