超クソゲー2 著者に聞く!

 いきなりこのようなコーナーがあるので「なんでまた?」と驚いた方もおられるでしょう!
別に太田出版さんに恩があったりお金をもらったりしているわけではないのですが、「お楽しみディスク」でゲームレポートの編集を手伝って下さっていたB☆B氏が本を出したという事で特別コーナーを設置し、紹介させていただく事にしました。その本とは!
表紙イメージ 「超クソゲー2」
著者
 箭本進一
 多根清史
 阿部広樹
発行所
 太田出版
定価
 1300円(税別)

本の紹介
このピンクとオレンジの蛍光色の縞模様の目立つ表紙、本屋で既に見かけた事がある人もいるでしょう。また、既に読んだ事がある人も「お楽しみCD」読者の皆さんならいるハズです!
この本はタイトルを見たら一目瞭然!クソゲーと呼ばれている名作(?)の紹介本。ゲームとは縁の遠い人は「”クソゲー”とは何?」という返事が返ってきそうなので、ここで説明させてもらいましょう!
 一般的にクソゲーとは、買ってみたら面白くなかったゲーム、つまり価格に見合わないゲーム。映画でいえばC級映画、レストランで言えば一つ星レストラン、ファ○通評価でいえば2点以下のゲームというゲーム業界の歴史から抹殺されかねないゲームを指します(いいすぎ)。もし、あなたがそういうゲームを購入してしまったら、「面白いから買ってみ!」と人に勧めてみたり、バブリーな人は1時間も遊ばず放置したままであったり、中古ショップへ購入した当日に売りに行ったりするのではないでしょうか? 更に、行動力のある人は文句の電話をかけたり手紙を送ったりした人もいるのでは?
 しかし、この本の著者(箭本進一、多根清史、阿部広樹)は一味違います!「うーん、面白くないぞぉ」と微笑み、この面白くない点にツッコミを入れ満喫し、あわや売れ筋ゲーム以上に面白くない様を楽しみつくします。(と文中から見受けられました。違っていたらすいません!)そう、この本はそれら「うーん、面白くないぞぉ」というゲームをPS、SS、DC、N64、GB、そしてパソコンソフトまで一気に面白おかしく紹介してくれるのです。
この本を読み終わった彼方はこれらクソゲーを無性に欲しくなり、楽しみ、愛していく事になる事でしょう!
そして、彼方もクソゲーハンターとなり著者の3人へ「こんなレアなクソゲーが!」という報告をしていき、歴史に埋もれる前に多くのクソゲーを皆で掘り起こしていこうではありませんか!
 さて、内容の方はというと
まず第1章プレイステーション。「クローンズ・ゲート」開発者インタービュー、PSクソゲー37タイトル大紹介、「あの素晴らしい弁当を2度3度」が何故発売されなかったか真相に迫るべく開発者へ突撃レポート。
続いて第2章ドリームキャスト&セガサターン。「デスクリムゾン」のエコールソフトウェア真鍋社長への業界初だった?レポート、DC&SSクソゲー13タイトル大紹介、1999年11月25日のデス様2&ときメモ2同時発売レポート。
第3章ニンテンドウ64&ゲームボーイ&バーチャルボーイ。バーチャルボーイに関する記事から初まり、N64&GBクソゲー3タイトル紹介。
第4章クソゲーハンター、大須へ行く!。クソゲーハンター3名の大須ツアー&座談会の模様。
そして最後に「おまけ」として、ウインドウズ&マッキントッシュ&PC-9801。残虐発禁ゲーム『POSTAL』開発者(USA)へのインタビューとPCクソゲー3本の紹介。
というような構成となっております。非常に読み応えのある大感動巨編なので、ゲームが大好きな彼方は是非手にとってみて下さい。


超クソゲー2 著者に聞く!
ことのいきさつは、ある日私の手元に1冊のやけに目立つ分厚い本が届いた事から始まる。蛍光紫と蛍光ピンクの縞模様のやけに目立つ表紙には見覚えのある名前がズラリ、皆さんは見覚えがないだろうか?(「見覚えねーよ!」という方は「お楽しみCD20」のエミュレータ特集をもう一度見直してみて欲しい。)そう名前は変れど私にはわかる!彼らだ!彼らがパワーアップして帰って来たのだ、しかも三匹の子豚として!?(写真では見えにくいが、表紙では箭本進一氏はワラの1号、多根清史氏は材木の2号、阿部広樹氏はレンガの3号となっている(笑))
 私は早速クソゲー本を作った3人と太田出版さんに敬意を表して(?)早速コンタクトを取り以下の簡単なアンケートを取ってみた。

製作について
●今回2年越しで作成されたという事でしたが、どのようないきさつで企画が持ち上がったのでしょうか?
箭本
浜の真砂は尽きるとも、世にゲームは尽きまじ…という事で、歴史の必然かと。
多根
自分は途中参加です。二人に誘拐されて孤島に連れて行かれ、手術台で泣き叫んで目がさめると、クソゲーハンター3号に改造されていました。あっ2号か。
阿部
超クソゲーのヒット御礼慰労会という名目で太田出版に呼び出されてみたら、超クソゲー2の企画会議でした。
●作成にあたってどのような点で苦労されましたでしょうか?
箭本
やはり「更に濃密な1冊」にする為のタイトルの選定でしょうか。
多根
ギャルゲーの後にギャルゲーの後にギャルゲーのレビューをやって、スケジューリングに失敗した!と半泣きになりました。1週間でギャルゲー4本は健康に悪すぎます。
阿部
前作は知る人ぞ知る作品を中心にチョイスしましたが、今回はまだどの雑誌にも紹介された事のない、つまり誰も知らないゲームを中心に選んでみました。
●「クソゲー本の記事」として取材されたと思うのですが、相手に嫌な顔はされませんでしたか?
箭本
趣旨をご理解頂いた様で、特に取材に絡むトラブルは有りませんでした。
多根
「クソゲー」=普通の枠ではくくれない、規格外のゲームという趣旨をご説明すると、納得して頂けました。自分は話術でも食っていけそうな気がします。
阿部
超クソゲーの企画意図を理解していただけるぐらい洒落がわかる人でなければ、そもそも取り上げるほど面白くはないと思いますね。
反響について
●読者の方からの反響はどうでしたでしょうか?良かった反響と悪かった反響で何かありましたら教えて下さい。
箭本
好意的な反応ばかりでした。
「本を読んで取り上げられていたゲームを買いたくなった」という反応がありがたかったです。
多根
「冷静な分析の中にかいま見える狂気」とか誉めてもらえるのは有難いんですが、俺はレクター博士か雨宮ですか。励ましのお便り、募集中!(特に女性)
阿部
今回は、日の当らないゲームを中心にチョイスしたせいか「知ってるゲームがない」というご意見が多かったみたいですね。
●ゲーム会社の方から苦情・お礼・反響・感想などありましたでしょうか?その中で面白いエピソードなどありましたら教えて下さい。
箭本
「超クソゲー1・2」で取り上げた作品の幾つかに関わったという方からのメールがありました。
多根
取り上げたギャルゲー2本に関わってる方から、内情のメールをもらいました。一生というか2~3年のうちに「あんなゲーム」や「こんなゲーム」に2本も縁を持つとは、凄いと思います。
阿部
1のとき、あるゲームを取り上げたのですが、会社からは抗議文章が送られてきて一開発者と名乗る人物からは内情暴露文章が送られてきた事ですかね。
その他
●「このゲームはやっとけ!」というゲームを1本教えて下さい。またその理由もお願いします。
箭本
「GUNDAM0079war for the earth」。
アメリカンなセンスで再構成されたガンダム。
日米の違いがひしひしと感じられます。
多根
「できる!ゲームセンター」ですね。どうあがいてもゲーセンを潰してしまう物悲しさを、あなたも味わってみましょう。
阿部
やっぱり、「バトル昆虫伝」をオススメしたいですね。むやみにかっこいい昆虫バトルは必見。
●最後に「お楽しみCD」の読者の皆様へ何かコメントをお願いします。
箭本
「超クソゲー2」よろしくお願いします。
感想などお送り頂ければ幸いです。
多根
次回の企画を色々と考えてますので、お楽しみに!
復刻版の「ゲームセンターあらし」もよろしく。
阿部
くそげーも、なかなかオツなものですよ。くそゲーである事そのものを受け入れればね。


 本当はもっと聞きたい事が山ほどあったのだが、どうでも良い事をバッサリと切り落とした結果、このようになってしまった。非常に簡単すぎるアンケートで、著者3名様にも読者の皆様にも非常に申し訳ない。
 まぁ、本を読もうという人や読んだ人がだいたい思うだろう事で、メディアとして出して良い程度の内容のみをアンケートとして出したので、あまり突っ込んだ事やピーな事を出さないようにしてもらったので、少し著者のみなさんにとっても実力を発揮できない押さえ気味のアンケートになってしまった。実際、本の方では非常に突っ込んだ記事ばかりなので期待してほしい。


感想

 ちなみに、私は運が良かったのか悪かったのか、この本で紹介されている中でやった事があるゲームは「シェンムー」のみ(しかもまだ○○さんの家を探しているところで3D酔いを起こしてダウン中)で、残念ながらその他のゲームについては知っていてもやった事が無い。一般的にクソゲーとはそういうものなのだろう。だからこそ、このようなお宝発掘的な内容が我々ゲーマーにとっては宝の地図のような価値があるのだ。
 さて最後は、この本を読み終えた後、ふと思ってしまった事を書いて終ろう。
 昔は単なるオモチャ程度であったゲームも今やTVや映画と並ぶ子供からお年寄りまでが楽しむ娯楽の一つになり、大きなビジネスとなってしまった。その大きなビジネスに巻き込まれた「ゲーム」は「単なる遊び」として作ってしまうと激しいバッシングを受けてしまい訴えられてしまうという程になってしまった。
 大きなビジネスとして成長するに従い規制やら何やらで、自由にゲームが作れなくなったり、発売できなくなったりしていくかも知れない。そうなっていくと一般的に良質と判定されたゲームだけしか市場に出回らなくなりクソゲーが無くなってしまうかもしれない。もしかすると、この本で紹介されたようなゲームはレアな裏ゲーとして闇で高額で取引される物になってしまうかもしれない。クソゲーは逆に、これから先貴重な物になる可能性を秘めた物になるのでは!嫌だ!嫌だ!やっぱり嫌だ!クソゲーが存続して欲しい!無難に面白いゲームばかりなんて耐えられない!
 まぁ、そう簡単にクソゲーが無くなるようならゲーム会社も苦労しないのだが・・・

お宝発掘本だと思ってみてはどうでしょう!ちょっと価値観変りまっせ! by新人一号