レビューと私感 今、ふと気づいたのだが、ここのページ、「遙かなる時空の中で」というゲームを 知っている人はともかく、知らない人にはなんの説明もなかった。 どんなゲームかということについて、沸騰した頭に 冷水を注ぎ込み、出来るだけ冷静に 書いてみようかと思う。 まず、ジャンルだが、アドベンチャーに分類されるらしい。 大まかなストーリーだが、現代の女子高校生「元宮あかね」が、 友人の森村天真・流山詩紋と共に、「魔界に通じる井戸」と呼ばれる場所から 遙かに離れた時代の京へと飛ばされる、というところから 話は始まる。 あかねは龍神様に選ばれた神子、つまり「龍神の神子」として、 天真と詩紋は、「龍神の神子」を護る「八葉」の一員として この世界に召還(?)されたのだった。 そして、京を窮地に追い込んだ鬼の一族と 戦うことになったのだ。 物語は10章立てになっており、1章と10章は1日ずつ、 2~9章にそれぞれ12日ずつ割り振られている。 その12日のうち、強制的なイベントが起こるのが4日間、自由に動き回れるのが 8日間という割り振りがされており、8日間×8章分=64日を どのように過ごすかによって、勝敗が決する。 鬼との戦いの勝ち負けではない。 もちろん、鬼との戦いに備えるためにするべきことも多々あるが、 鬼との戦いに敗れることは、まず無いと言っていい。 敗れたとしても、何度も挑戦できる特権を持っているし。 ここでいう勝敗というのは、 「八葉」(天真・詩紋を含み、全部で8名の男性)の誰の心を掴むか、 一度に何人の心を掴んで、どんなイベントを見、どんな素敵なセリフを 聞くことが出来るかということ、 勝敗がかかっているのは そっちの方面である。 注:これは、かなり私的思い込みかもしれない。 このゲームをしている全ての方が、こんな思いでプレイしているとは 限らないので、そこんとこ、よろしく。(笑) つまり、そういうゲームである。 1つ1つの章で、どんな展開が待ち受けているかということは 端折っておく。 難解なことは一つもないように思えるから。 以上で説明終わり。 私が最初に受けた印象だが、 「アンジェリーカーも大人になる」ということに気を使って 作ってくれたゲームだな、ということであった。 アンジェリークに登場する男性陣とこのゲームの八葉の男性陣を 比べると、「八葉」は、わがままを言わない。 こちらが誠実に対応していれば、あちらも誠意を持って あかねと接してくれる、という気がした。 「自分の好みと合わない」という理由で、感情パラメータを 上下させないのだ。 ゲームの種類が違うので、単純に比べてはいけないが、「アンジェリークSP2」を ライフワークのごとくプレイして、守護聖の思考に合わせ、 「恋愛は大切」と答えたり、「恋愛は大切じゃない」と答えたり、 「外に出るのが好き」と答えたり、「家にいるのが好き」と答えたり、 「自分に自信あり」と答えたり、「自信なし」と答えたり、 まるで違う人格をいくつも持ってるんじゃないか? と思える選択を 会う人ごとに変化させることに半ば飽きてきていた私には 八葉は大変大人に思えた。 キャラの書き分けは、大変良くできていると思う。 みんながみんな、それぞれ心に悩みを持ち、 あかねと親しくなることで、感情を吐露し、時に涙する光景は 「守ってあげたい!」という気持ちを最大限にまで 膨れ上がらせ、テレビに手を突っ込んで 「よしよし」と頭を撫でてあげたいという 衝動に駆られたほどだ。 素晴らしいと感じさせてくれるのに、大きな効果を持っているのが 豪華声優人の声、声、声、だ。 声については、「遊んでみてのお楽しみ」ということに しておこう。 夢に出てくるかと思うほど素敵だというだけに 留めておこうと思う。 恋愛部分だけを別枠にせず、ストーリーに絡めながら 少しずつ彼らの思いがわかってくるというのもよい。 特に、設定がものすごい人物が約一名いるのだが、 彼の心の葛藤は、見ていて胸が詰まった。 それだけ私がこのゲームにのめり込んでいたということかもしれないが。 不自然な設定が、なぜか不自然さを感じさせず、 好きなキャラにまで格上げしてしまったほどだ。 「八葉」には、アンジェリークと同様、子どもキャラも 存在している。 二名というべきか、三名というべきか悩むところだが。 私が彼らと同年代だったら、彼らに夢中になった可能性も 少しはあったかもしれない。 でも、おなかから子どもを二人も産んでいる私には、 彼らを落とそうという気力がないのも 仕方がないことだろう。 いや、スチルはもちろんコンプするつもりだが。 注:あくまでも、わたしの嗜好の問題です。 彼らのことは愛しく思っているけど、大人キャラと どっちを狙う? という選択をせまられたら 大人キャラを選んでしまうだろうというだけのことで。 もう一つ。 もう少し攻略し甲斐のある会話の選択であれば もっともっとのめり込めたと思う。 何人かのチャートを作りわかったことだが、 会話の選択によって、恋愛イベントが失敗するということがまずない。 「出かけない」というのは論外だが、そのほかの 会話どれを選んでも、だいたい無難にイベント成功と なってしまうのは、間口が広すぎるのではないかと思った。 今思いつく不満は、唯一そのことだけだ。 最後に、乙女心を失っていない方で、PSを所持し、 一日一時間でもゲームをする時間のある女性には お薦めのゲームだということを記しておこう。 乙女心を徐々になくしつつある私も(笑) 充分、いや、十二分に楽しめたのだから。 以上私感終わり。
(2000/04/19)

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