RAID レベル 0 を理解する

RAID レベル 0 では、データはディスク グループ内のすべてのドライブ間にストライピングされます。これによって速度は大幅に向上しますが、データ冗長性は提供されません。RAID レベル 0 では、冗長データやデータ パリティの格納に領域が費やされることがないので、提供されている RAID レベルの中で最大のストレージ容量が得られます。

RAID レベル 0 では最低 1 台のドライブが必要であり、ファームウェアのレベルやストライプ単位サイズに応じて、最大 8 台または 16 台のドライブがサポートされます。

以下に、RAID レベル 0 論理デバイスの例を示します。

RAID レベル 0 の例

2 台の物理ドライブを出発点とします。 RAID レベル 0 の例
2 台の物理ドライブを使用してディスク グループを作成します。 RAID レベル 0 の例
次に、そのディスク グループ内に論理デバイスを作成します。 RAID レベル 0 の例
データはドライブ間にストライピングされ、ブロックが作成されます。

データはディスク グループ内のすべてのドライブ間にストライピングされますが、冗長データは格納されません。

RAID レベル 0 の例

ディスク グループ内の物理ドライブに障害が起きると、RAID レベル 0 を割り当てられた論理ドライブ内のデータは失われます。同じディスク グループに RAID レベル 11E5、または 5E を割り当てられた論理ドライブが存在する場合、それらの論理ドライブ内のデータは失われません。

メモ:ディスク グループに物理ドライブが 1 台のみ含まれている場合、そのディスク グループ内の論理デバイスに割り当てることができるのは RAID レベル 0 だけです。

障害の起きたドライブを交換すると、コントローラによって、すべての RAID レベル 1、1E、5、5E、および 5EE の論理デバイスが交換用の物理ドライブ上に自動的に再構築されます。ただし、障害の起きた RAID レベル 0 論理デバイスに格納されていたデータは失われます。

データが失われる危険性はありますが、論理デバイスの 1 つに RAID レベル 0 を割り当てることにより、この RAID レベルがもたらす高速性を享受できます。毎日バックアップを取っていて容易に作成し直すことができるデータを、この論理デバイスに格納することができます。最大の容量を必要とする場合も、RAID レベル 0 論理ドライブを使用する意義があります。

RAID レベル 0 には、次の利点と欠点があります。
利点 欠点
  • 大幅な速度向上
  • 冗長データやデータ パリティの格納に領域が費やされることがないので、物理ドライブのストレージ容量を最大限に利用できる
データ冗長性がないので、物理ドライブに障害が発生した場合にデータが失われる

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