蔵は佐原市の中心部から少しはずれて同じ町中にある。佐原は水郷の町である。町を二分して小野川が流れて利根川に通じているが昔はこの川筋がメインストリートであった。江戸の地理学者、伊能忠敬の旧宅もこの川べりにあって、今は国の重文になっている。そしてこの川をまたいで現在の目抜き通りに架かる橋が忠敬橋。この橋を渡って町の繁華街を通りすぎたあたりに、東薫の蔵はある。文政八年(一八二五)創業、社長の石毛康夫さんは六代目である。
 杜氏は及川恒男さん、南部杜氏である。社長も杜氏も昭和八年の生まれ、同い年の呼吸がピタリと合っている。及川さんは富山県で六年、杜氏を務めたのち、ここへ移った。昭和四十八年のこと。そのときの社長との初対面の挨拶がふるっている。
 「吟醸酒をつくってもいいですか。」
 社長さんが述懐する。「富山の蔵では、なかなか吟醸を造る機会がなく、何度もお願いしてようやく造らせてもらったというんです。だからいってやった。うちはいいよ。キミの造りたい酒を造ってくれていいんだ。 といったあと、あまりに吟醸にこだわっているから、気安 めのつもりで、すぐに鑑評会に入賞しなくていいんだ。 ゆっくりやってくれよ。入賞、入賞と思いつめて体でもこ わされたら大変ですからねえ。そしたら三年目の50年 に、とうとう全国に入ってしまった。驚きましたよ。」
 及川さんは、50年の初入賞以来、52、55、56、57、 59、60、61年と、これまで八回、全国新酒鑑評会に入賞 している。ここ二十年間に限っていえば、いまでも千葉県 では最多入賞の記録保持者である。その及川さんの話。
 「わたし、富山県へ出る前、宮城県の蔵で頭をしており ました時分に、巡回してこられた平野(佐五郎)先生から 親しくご指導を受けそれが今日のわたしをあらしめている と思います。きびしい先生でしてね。蔵に来られてガラス 戸の桟を指先でこすって、少しでも汚れがあると、ものす ごいカミナリが落ちるのです。そんな些細なところから躾 けられたわけです。」
 社長さんが受けて「うちへ来た当座、よく掃除していま した。蔵人にやらせるんですが自分も一緒にやっていまし たね。それでたちまち、改装したみたいにあたりがピカピ カになって、これはただの杜氏やない。なにかやってくれ る、と期待していました−。」
 こんどは及川さん。「もう今となっては時効かと思うか らいいますが、あのころ先生、ひそかに平野酵母と言うの を育種、培養されていて、それをわたしたち弟子どもに分 けてくださっていたんです。昭和四十一年に市販されるよ うになりましたが、先生はその原株は同じでしょうが、 ちょっと違うんですね。あのころの私の入賞のほとんどは 平野酵母のおかげ。それと、自由にやらせてくれた社長の 後盾、それに応えた技術ですよ。」




本醸造二人静
味と香りが調和した酒
種類本醸造
甘辛度甘辛中間
内容量1800ml×1本
税送料込み(日本国内)3,200円



東薫吟醸セット
卯兵衛の酒:米のうま味を充分に引き出した酒
吟醸二人静:ほのかな吟醸香のあるスッキリした酒
種類卯兵衛の酒:純米吟醸酒
吟醸二人静:吟醸酒
甘辛度ともにやや辛口
内容量720ml 各1本
卯兵衛の酒:
吟醸二人静:
セット
税送料込み(日本国内)4,200円



東薫吟醸セット すずめ焼付き
卯兵衛の酒:米のうま味を充分に引き出した酒
吟醸二人静:ほのかな吟醸香のあるスッキリした酒
種類卯兵衛の酒:純米吟醸酒
吟醸二人静:吟醸酒
甘辛度ともにやや辛口
内容量720ml 各1本
卯兵衛の酒:
吟醸二人静:
セット
税送料込み(日本国内)6,100円



東薫本醸造生酒(6本入り)
スキッリとした呑み口の酒
種類生酒(要冷)
甘辛度やや甘口
内容量300ml×6本
セット
税送料込み(日本国内)3,500円



東薫本醸造生酒(6本入り) すずめ焼付き
スキッリとした呑み口の酒
種類生酒(要冷)
甘辛度やや甘口
内容量300ml×6本
セット
税送料込み(日本国内)5,400円

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