我が国の酒造の歴史は、はるか古代にさかのぼりますが、商品として
造られ始めたのは鎌倉以降のこと。
広島の酒造りも中世には本格化し、広島藩では歴代の藩主が
酒造家を育成保護し、浅野氏が将軍家への贈り物として
持参したという歴史も残されています。
そして、広島が全国に名だたる酒都として今日に至った背景の、
今一つに酒造家三浦仙三郎氏の功績があげられます。
三浦氏は、広島の酒づくりの唯一の難点として、
この地方の水が軟水であることに着目。酒造りに適した硬水で造られる
灘の酒を越えるべく、「軟水醸造法」を開発したのです。
低温で長期間発酵させる軟水醸造法で造られた酒は、
口当たりが柔らかく、しかも濃醇な甘口になりました。
これが灘の男酒にたいして、広島の"女酒"といわれる名酒の
始まりです。
広島の酒「玉扇」は、日本でも数少ない美しい川として誇れる
太田川を水脈に、旨し水と旨き米どころを
懐にかかえ、口当たりやさしい女酒の伝統を守り育てております。
175年の伝統を誇る、味と香りの極み
- 玉扇の酒-
今から約175年前の文化文政年間に創業。昭和25年12月に、それまでの社名から
「玉扇酒造株式会社」
と改め、今日に至っております。「玉扇」とは、須佐之男命(スサノオノミコト)
の神話に登場する勾玉と、めでたい宴席につきものの扇とを組み合わせたもの。
玉扇の酒は、日本酒三大名醸地として有名な、広島独特の軟水醸造法を
用い、酒造好適米を丁寧に自家精米して造り上げて
おります。