1973年(昭和48年)南アルプスの甲斐駒ヶ岳のふもと白州峡に、サントリーが山崎蒸溜所に続き、第二
のモルト蒸溜所をスタートさせました。自然の宝庫と言っても過言ではない自然公園&蒸溜所の白州蒸溜所は
大きな森に囲まれ、60種類にも及ぶ野鳥が気ままに暮らしています。蒸溜所の敷地は約25万坪という広大
な土地にあり、野鳥の保護区にも指定され、また行楽地的要素もふんだんに含んでいます。
白州蒸溜所の
ポットスチルはランタンヘッド型と呼ばれ、ネック下部に少しふくらみがあるものが使われています。また、
ポットスチルの形は個々の蒸溜所で違うものを使い、いろいろなモルト原酒を生産しています。
秘められた第三の蒸溜所
1981年(昭和56年)サントリー第三の蒸溜所として白州蒸溜所の敷地内の東部に白州・東蒸溜所が神秘
のベールに包まれスタートしました。公に公開されたのは昭和63年になってからで、蒸溜所がスタートして
から7年もたってからでした。蒸溜所はモルト原酒を大量に生産できればいいのではなく、製品となるモルト
ウイスキー、ブレンデッドウイスキーを考え、バラエティーにとんだモルト原酒ができなくてはなりません。
白州・東蒸溜所のポットスチルはランタン型で白州蒸溜所のもよりひとまわり小さく、ネック下部がふくれた
ものを使っています。
百人百様のモルト原酒
素晴しいモルト原酒を造るのには様々なファクターがあります。まず、第一にウイスキー造りに適した環境、
その環境には仕込みに使う優良な水があるかと言ったことも重要となります。さらに熟成・貯蔵に適している
かという環境もたいへん重要です。
心をこめた環境
いつも私がモルトウイスキーの説明をさせていただく時にお話しさせていただくことなのですが、「私たち人
間とモルトウイスキーは同じなのです。」なぜなら「誕生する時の環境も重要ですが、育つ日々の環境が大き
く個々の個性を決める最重要ファクターなのです。」「ただ食べ物を与え、いい服(熟成に使う樽)で着飾り、
いい家(熟成庫)に住まわせば、優秀な人間(モルト原酒)になるとは限りません。」「子を育てると同じく
心やさしい真心を持った育て方がモルト原酒にも必要なのです。」
また、稀にほったらかしていても素晴しい人間(モルト原酒)に育つ場合もあります。しかし、時には厳しく、
時には・・・と言うように常に気にかけていなくては、糸の切れた凧のようになてしまいます。さらに、若い
(8年、10年熟成)からダメとか年をとっている(21年、30年熟成)から大丈夫とは必ずしも言えませ
ん。若い時は若い時のピークがあり、年を重ねていてもピークを過ぎていることもあります。人間もモルト原
酒も、一番輝いているピークが最高な時(飲み頃)ではないでしょうか。
ピュアモルト白州12年
・上記の図は白州及び東蒸溜所の蒸溜器
・白州蒸溜所の発酵槽
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