ジンの発祥は1660年(一説には16世紀の終わり頃)にオランダのライデン大学の医師、
フランシスクス・シルヴィウスによってスタートしたと言われています。当時、利尿作用
があると認められていたジュニパー・ベリー(杜松の実・Juniper Berry)を利用して薬
用酒を作りました。
また、当時の蒸溜酒は、質素な単式蒸溜器で出来上がるアルコールは雑味の多く、ジュニ
パー・ベリーのような爽快な香りを持ったお酒を、人々は好んで飲むようになりました。
語源はジュニパーのオランダ語からジェネバ(Genever)と呼ばれるようになりました。
英国上陸は2つの説
英国上陸の説は2つあります。まず、「オランダのオレンジ公ウイリアムが英国王室に迎え られたのを契機に、オンドンで流行した。」また、「ジェネバ(Genever)を飲んで勇気を 出し士気を高めて戦っていたと言われるオランダ軍人の習慣を、英国軍人が取り入れた。」 どちらも間違いではないと推測します。何故なら、歴史的にお酒はロイヤルと軍人には切っ ても切れないものだからです。
英国が主導権を取ったジェネバ
英国上陸を果たしたジェネバは、遂にその呼び名も英国風と替わっていきました。ジュニ エーヴルと呼ばれていたものが、短縮され、ジン(Gin)と呼ばれるようになりました。
薬用酒から社会不安酒へ
1730年ごろになると、それまで薬用酒として病気を直すアルコールであったものが、ジン を飲んで「酔っ払い」が社会問題へと発展していきました。そして、当時ジンは社会の貧し い人々にとって安いアルコールとして受け入れられ、無秩序、退廃と言った、社会の害悪と 見られていました。
主要ブランドの誕生
18世紀中頃になると英国政府は、ジンの製造方法、製造量の規制といった厳しい法律を発令 しました。それにともない、現在でも知られているジンの主要ブランドが誕生しました。
ロンドン・ドライ・ジンの誕生
1831年に誕生した連続式蒸溜器の発達とともに、英国のジンもより洗練されたアルコールへ と変身していきました。所謂ロンドン・ドライ・ジンまたはブリティシュ・ジンの誕生です。 現在は、世界各国でジンを産出していますが、ほとんどが、ロンドン・ドライ・ジン・タイプ のドライ・ジンです。