このAdobeの新製品Pagemillのデモを見て「私がほしかったのはこれだ!」と釘付けになってしまった。
簡単にいうとPagemillは、HTMLのオーサリングシステムだ。もちろん、この会場にはさまざまなHTMLオーサリングシステムが存在する。しかし、こいつはぴか一だ。
たとえば、別のWWWページへリンクを張るには、ドラッグ&ドロップするだけでよい。Pagemillは、オーサリングとブラウジングの二つの機能を持っている。オーサリングのウィンドウに、ブラウジングのウィンドウで見ているページをリンクさせたいときは、ブラウジングしているウィンドウの右上のアイコンをオーサリングのウィンドウにドラッグ&ドロップすればリンクの出来上がりだ。
他にも、Finderのグラフィックアイコンをオーサリングウィンドウにドロップすればグラフィックが貼り込まれるし、貼り込んだ図形のハンドルをドラッグしてサイズを変えることもできる。サイズの変更が自由自在なのは図だけではない。<HR>で生成される水平線もドラッグして線の幅を変えたりできる。もちろん貼り込んだグラフィックは自動的にGIFファイルに変換される。
デモの内容を見る限りでは、きわめて自然なオペレーションでHTMLを生成できる。残念なのは、Netscape拡張を完全にフォローできていないこと。特に、表がつかえないのは今となってはかなり致命的だ。が、その点を除けば今のところ最高のオーサリングシステムだ。
おっと、それと日本語がつかえるかどうかはわからないとの回答だった。このPagemillはすでに発売済みで99ドル。今のところMacintosh版のみ。来年の早いうちにWindows版を出したいそうだ。
ともかく、HTMLのオーサリングシステムを探している人、そしてオーサリングシステムを作ろうとしている人は絶対一度は触ってみるべきだ。どうせ作るのなら、これ以上の商品を作ってもらいたい。
たとえば、どのhtmlがどこから参照されているのか。どのリンクがミスリンクしているのかなどを管理してくれる。このため、ファイル名を変えたり、ディレクトリ構造を変えたりすると、自動的に参照元のhtmlの中のファイル名やディレクトリ構造も更新されてしまう。また、ミスリンクのウィンドウを見ると、リンク先不明のURLの一覧が出てくる。ミススペルや違うファイルだった場合は、そのウィンドウ内で修正すれば、これも参照元のHTMLの中が自動的に修正される。
この手の機能は、WWWサーバーやWWWオーサリングシステムとの組み合わせでいくつか見受けられた。また、WWWではないがBlackBirdのオーサリング環境もプロジェクト管理をしていた。純粋なHTMLのオーサリングシステムと、こうしたWWW Publishingシステムはきちんと区別されている。HTMLを作るだけではWWWサーバーはできないということだろう。
ちなみに、AdobeのSitemillは年内にMacintosh版をリリースし、来年Windows版をリリースするスケジュールだそうだ。
昨日も少しレポートしたが、WWWブラウザもNetscape独走の時代は終わったようだ。このショウでは、統合環境型のWWWブラウザが数多く展示されている。これらは、Netscape 1.1から表をぬいたぐらいの拡張に対応している場合が多いのでNetscapeの影響力が大きいことには変わりない。しかし、統合化することで新たな方向性を見つけようとしているようだ。Netscape社がメールを統合してきたのは、彼らのオリジナルの思い付きではなく、こうした競合他社の動向も反映されているのだろう。ただ、どのソフトも実をいうといまいち感をぬぐえない。
たとえば、NDC SoftwareのMarinerはWWW、Mail、NetNews、IRC、Gopher、Telnet、FTPを統合したソフトウェアだが、まず統合したことに意味があるのか?と思う点も多い。FTPは単にWWWでAnnonymous FTPした時のようだし、Mailの中にURLをもぐりこませることができるのだが、書くときはHTMLタグも表示されてしまって、読む状態と書く状態が違う形になっている。WoolongongのEminessyもそうだが、複数のリソース(WWW、Mailなど)をExplorerのようなツリーで管理するのも本当に使い易いのだろうか?と思う。
こうしたソフトは試用版が用意されてることが多い。ともかく使って、注文をどんどん付けていこう。ちなみに、Marinerは、http://www.mariner.ncd.com/ からや、FTPサーバーftp://ftp.mariner.ncd.comからダウンロードできる。
さて、昨日レポートしたRealAudio社のデモを見てきた。彼らの言うとおりFMクオリティの音は確かに聞いただけで違いが分かる。また、シンクロナイズドという音とWebのページの同期機能もなかなかだ。この同期機能は、WWWブラウザに依存しないと言っていたので、どうやらRealAudioサーバーにサーバープッシュの機能を盛り込むことで実現しているようだ。また、Netscape 2.0のフレームとPlug-inやOLEエンベッド機能をつかって、ページの中にボリュームボタンや、FF/REVバーを付けたページもデモしていた。こうなると、もう一つのアプリケーションだ。こうしたWWWページへの組み込みはNetscape 2.0でしかできないが、Internet ExplorerなどもOCXを使ったエンベッドができるようになるので、そのうちできるのではないかと予想していた。
また、彼らはMicrosoft Plus!やAppleのInternet KitにRealAudioが含まれていることなど、スタンダードとなりうる数のクライアントが存在していることを強調していた。TureSpeechなど競合他社(ちなみにTrueSpeechは二つ左のブースだった)がかなり気になるらしい。
日本時間の今日(11/1)に日本で発表したInternet Watchにそっくりなサービスがアメリカにもあった。といってもWatchはプランしている最中からnetWatchというサーバーがアメリカにはあったりと、世界で一番乗りというわけにはいかない気がしていたのだが。
ともかく、このNetGuideは元々雑誌で、インターネットに関係するツールやモデム、もちろんWWWサーバーに関することも含めた情報を提供している。こいつの、オンライン版が存在しており、週に一度Hotなサイトやインターネットのトレンド情報をE-Mailで提供してくれるそうだ。興味がある方は、netguidenow@cmp.comまで、メールの本文にsubscribeと書いて送るればよい。私も早速購読した。