パソコン通信とインターネット

財団法人ニューメディア開発協会が10月5日に発表した「全国パソコンネット局実態調査」では、国内のパソコン通信人口は今年6月末現在で推定368.9万人となっている。これは、1万人以上の会員をかかえる18局の商用ネットのほか、同協議会が所在を確認している約2000局の草の根BBSにアンケートをとり、回答のあったものの集計をもとに推定されている。昨年の結果が約260万人だから、パソコン通信利用者数は順調にのびているといえる。

BBSの中でも10万人から100万人規模の会員数をもつニフティサーブやPC-VAN、ASAHIネットなどの大手商用ネットでは、インターネットへの接続サービスを提供している。インターネットに接続されたネットワークとの間で電子メールがやりとりされ、さらに、最近では専用通信ソフトによるWWWサーバーへのゲートウェイ機能も提供され始めている。これらのパソコン通信ネットの会員になることで、プロバイダーに入会するのと同様のインターネットアクセスができるようになりつつある。

では、実際に、インターネットにつながっているBBSが全国にどれくらいあるのだろうか。日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)に登録されたorドメイン(学術・公共・草の根ネットワーク・その他)のうち、「パソコン通信」と書かれていたものは、9月20日現在で10件ぐらいしかないが、実際はどうだろうか。インターネットマガジンでは、9月末、全国650局のBBSの運営者の方にアンケートを送った。BBSは、すでに何らかのメディアで紹介されたことがあるところ(とくに電子ネットワーク協議会のデータベース「ねっとバンク」を参考にした)と、JPNICに登録されたorドメインのうち、パソコン通信サービスをしている可能性があると判断した十数件から選んだ。回答を得られたのは121局。その結果をもとに、インターネットに接続されたBBSを紹介するのが本書である。


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