INTERNET WORLD 95 FALL

1995/10/30 in BOSTON

World Trade Center

INTERNET WORLD行くのは初めてなので、従来とどのように違うかはわからない。しかし、ショウの規模から考えていたよりも、人が多いように思う。なにしろ、プレスで登録するだけに1時間ほどかかってしまった。

さて、事前にアクロバットのデータで読んだ案内によると、カンファレンスが充実しているようで、カンファレンス中心のショウかと思った。しかし、どうもカンファレンスの方はおもしろくない。もちろん、私が英語をきちんと聞き取れないという点もあるだろうが、ごく普通のことをしゃべっているだけで、目新しさを感じられない。

さて、展示会の方だが、こちらは活気がある。特にびっくりしたのは、何とマイクロソフトとIBMがばっちりブースをとっていたことだ。今日は、とりあえず全体をざっと目を通して、その後で気がついたところを集中的に取材してきた。



Netscape Navigator 2.0と
Netsacpe Navigator Gold 2.0が前面に

Netscape社

Netscape社は、意外に小さいブースで、Netscape Navigator 2.0を中心としたプロダクツ紹介をしていた。

プレゼンテーションの項目にNetscape Navigator Gold 2.0のデモが入っていたので注目していたが、一瞬Netscape Editorなるウィンドウが出てきて実演しただけで、それもグラフィック等が入っていないページのみで、はたして期待しているようなWYSWYGエディタに仕上がっているのかは不明だった。なお、Netscape Navigator Goldのβは早ければ年内、遅くても96年1月までにはリリースしたいそうだ。ただし、インターネット上でこれを配布するかどうかは明言してくれなかった。製品版としても、1996年の第一四半期にはリリースしたいとのこと。



BlackBirdはいつからInternet Publishing
Systemになったんだ

Microsoft社

ここの注目株はBlackBirdだ。なにしろ、これをInternet Publishing Systemと名づけて紹介しているのだ。BlackBirdでHTMLが作れるのか!と思い質問してみると、そうではないとのこと。結局、HTMLに代わる新しいデータ形式で保存される。これをWWWサーバー経由でダウンロードしながら、クライアントソフトでビューイングするというものだ。BlackBirdは、そもそも、CD-ROMやMSNでコンテンツを提供するためのオーサリング環境だったはず。いったいいつからINTERNET PUBLISHING SYSTEMになったのだろうか。

ちなみに、このBlackBirdのクライアントはWindows 95版がβ版としてリリースされている。必要な人は、bbbeta@microsoft.comに連絡をすればよい。Windows NT版が来年の初め、Macintosh版も、来年の終わりに出てくるそうだ。



ようやく出てきたNLM版のWWWサーバー

Novell社

Novellは、LanWorkplaceなどのTCP/IP関連商品を展示していた。その中で、おもしろかったのはWWWサーバーをNetWare 4.xサーバーの上のNLM(NetWare Loadable Module)として提供するソフトである。つまり、NetWareサーバーを導入しているところなら、それをWWWサーバーと兼用できるようになる。前々から噂には聞いていたのだが、ついに実現したわけである。


Live放送も可能なRealAudio Server 2.0

Progressive Network社

こう書くよりもRealAudioを作っているところ、といった方が通りがよいかもしれない。ここでは、RealAudio Server 2.0のデモンストレーションをやっていた。Ver.2.0では、まず第一に、音質の向上が挙げられている。これは、どんなマジックを使ったのかと期待していると、ファイルサイズも大きくなっていて、つまり圧縮率を低くすることで音質を向上させているのだ。彼らによると、FMラジオクオリティまでに改善されているとのこと。その代わり、最低の転送速度が28.8Kbpsとなっていた。

そして、もう一つの大きな改善は、Live放送ができるようになったことだ。つまり、その場でVoiceデータを圧縮しながらインターネット上に提供できるようになるのだ。まさに、インターネットでラジオ放送ができるようになる。


また始まるのかWWWブラウザー競争

Internet関係のソフトウェアプロダクツが集まるからかもしれないが、ちょっと前に比べて、NetscapeやMosaic以外のWWWブラウザーが増えてきているように思う。MicrosoftのInternet Explorerもそうだし、OracleのWebSystemの中のPowerBrowserもそう。これ以外にも、GNNのGNNworksやWOLLONGONG社のEmissaryなどもある。どれも、HTML 3.0対応を売りにしている点と、メールやニュースを含めた統合環境を提供しているて点で共通性があるようだ。

今後、WWWブラウザーはこうした統合化の方向へ向かうように思う。

HTMLオーサリングツールも種類が出そろう。でも、なぜかMS-Word 6.0ベースが多い

HTMLのオーサリングツールもさまざまなものが出展していた。QuarterdeckのWebAutherとか、SkiSoftのWebPubilsher。また本家MicrosoftのInternet Word Assistant、それにHotMetal Proなどさまざまなオーサリングツールがあった。しかし、こうならべてみるとなぜかWord 6.0ベースのものが多い。



明日の取材メモ

10/31に、IBMのブースをきちんと取材してこようと思う。また、Oracleも取材したい。というのも、10/30の夜にプレス向けの記者会見をやっいたのだが、その内容が、Oracle WebSystem 1.0というもので、WWWのサーバーソフトとWWWブラウザを組み合わせた商品で、ライブオブジェクトの様なものを実現しているとの情報が入ったからだ。うかつにも、この発表会にいっていなかったので、この件も取材してこようと思う。