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グレンモーレンジ蒸溜所のウイスキーの性格を形成する要素とプロセスに対する飽くなき努力と研究の成果が「ポート
・ウッド・フィニッシュ」(ポート仕上げ)という画期的な新製品を誕生させました。
「ポート・ウッド・フィニッシュ」の最大の特色は、言うまでもなくウイスキーをポート・ワインの空樽で熟成したと
いう点ですが、グレンモーレンジの酒質の大きな特徴である「バーボンの空樽による熟成」という過程を否定すること
なく、二つの特色を見事に調和させたことにあります。
グレンモーレンジはアメリカン・オークのバーボンの空樽で熟成されることで有名ですが、この「ポート・ウッド・フ
ィニッシュ」は最低12年間バーボン樽で熟成された後、「仕上げ」として少なくとも2年間ポート・ワインの空樽で
熟成されます。こうして生まれたウイスキはとても素晴しく、年代物の赤銅のような色をしており、「甘さ」と「切れ
味」の複雑かつ微妙なバランスをその味わいと香りに中に見い出すことができます。
では何故、「ポート・ウッド・フィニッシュ」が誕生したのか。その辺りを探ってみると、それは彼たちが「ウイスキ
ー造りの最も重要なテーマ」の一つとして、長年に渡って調査、研究を重ねてきた「樽がウイスキーにもたらす効果」
という点に結び付きます。
グレンモーレンジは数年前、「シェリー樽仕上げ」の18年ものを発表しましたが、この時シェリー樽の効用を最大限
に引き出すために、「仕上げ」の熟成期間は「長くても18カ月程度」という結論に達していました。しかし、彼たちの
研究はこの時点で終了することなく、さらに次のステップへと進んでいったのです。
「仕上げ」のための熟成期間は、シェリー以外の樽を使用した場合2年以上の時間が効果的であると判断し、何が一番
望ましいかを見極めるために様々な実験が行われたのです。ポート・ワイン以外にもマデラ・ワインやコニャックの空
樽などが試され、それぞれ興味深い結果が得られました。
しかし、彼たちにとって最良の答えが得られたのはポート・ワインの空樽でした。
そして、グレンモーレンジ蒸溜所の努力と研究の結晶と言える作品「ポート・ウッド・フィニッシュ」は蒸溜所ブラン
ドで世界初の「ポート仕上げのシングル・モルト・ウイスキー」として商品化され、市場にお目見えしたのでした。
[商品特性]
グレンモーレンジの特徴であるアメリカン・オーク製のバーボン空樽で最低12年熟成した原酒をポート・ワインの空
樽でさらに2年以上熟成させました。この間にウイスキー原酒は、ポート・ワインの空樽から素晴しい色、香味がゆっ
くりと溶け込んでいきます。こうして誕生した「ポート・ウッド・フィニッシュ」は、素晴しい芳香性、奥深く余韻の
ある味わいを持ったシングル・モルトウイスキーになりました。
[テイスティング・ノート]
香り
水を数滴たらすと、ウイスキーの重要な香り、バター・スカッチやダーク・チョコレートなどの香ばしさとともに、ミ
ントを思わせる様々な爽やかな香りが立ち上がります。その他にも次のような香りが楽しめます。
・びゃくだん・オール・スパイスなど
[テイスティング]
ウイスキーを口に含むと、あたかもベルベットをすすっているかの様な心地よさ、官能的ともいえるなめらかな口あた
りを感じるでしょう。複雑に交錯する甘さと切れ味、その絶妙なバランスは飲み手を十二分に楽しませてくれることで
しょう。(ビター・チョコレートと新鮮なミントのアロマを想像してみてください。)
アフター・テイストは、ほのかなポートの香りが長い余韻となって漂います。