速報!Netscape Navigator 2.0 Goldレポート


1996年12月27日
インターネットウォッチ編集部
山下憲治
さて、待ちにまったNetscape Navigator 2.0 Gold(以下Netscape Gold 2.0と略す)がようやくNetscape社のftpサーバーに置かれた。Netscape Navigator Goldとは、WWWブラウザとHTMLオーサリングソフトが一体となったプロダクツ。Netscape Navigator 2.0のリリースの頃よりアナウンスはあったのだが、今回初めてエンドユーザーがテストできるβ版が登場した。URLは以下の通り。まだ、ミラーサイトに置かれたかどうかは確認していない。なお、今回のリリースはWindows用の32bit版だけだ。

また、機能等にについては次のドキュメントに詳細が載っている。

まだまだβ版!できないことが多すぎる

よろこんで、インストールしたものの、10分使った印象は「あれもできない、これもできないが多く、使い物にならない」の一言。気になった、使えない機能を挙げると。

などなど。はっきりいって、今の段階では「β」ということを差し引いてもPageMill以下と言える。ただ、動作は非常に軽い。きちんと作り込んでくれれば、弊社で使っている重たいWORDベースのオーサリングシステムから開放される予感はある。

日本語は使えた

正式にはインターナショナルキャラクタに未対応となっているが、調査の結果日本語のHTMLを読み込ませると、編集ウィンドウ内に日本語が表示される。ただし、文字コードが自動的に変換されるわけではない。新規作成して日本語を入力しようとすると2byte文字は化けてしまう。

また、編集時も削除等の動作は1byteずつで、漢字を削除するには2回BSキーを押す必要がある。このところ、Netscape 2.0の動きを見てもインターナショナルサポートは結構後回しになっているようだ。

Goldでやれるオーサリング内容は?

Goldは、HTML 3.0のうち基本的なタグはサポートしているし、その属性もサポートしている。編集能力として欠けているのは次のようなところだ。

できないこと

このうち、表、フォームタグ、クリッカブルマップが編集できないのでは、既存のHTMLエディタから乗り換える気にはならないだろう。PageMillと比較して、次のようなところが気になった。

はっきり言うと、WYSIWYGエディタの良さを活かす工夫がなされていない。つまり、PageMillはさすがAdobeといったところだろうか、操作法が非常に直感的だったのだが、Netscape Gold 2.0はまだまだ無骨な作りなのだ。

また、こうした問題の一つとしてフローティング図版(文字が回り込むように設定してある図版)がやはりWYSIWYGで表示されない。こうした、専用エディタだからこそやってもらいたかった機能が片端からないのはなぜだろう?

一般保護エラーも多いぞ

本当はこのレポートをこのNetscape Gold 2.0を使ってオーサリングする予定だったのだが、今はWORDHTML 0.4を使って書いている。それは、保存するたびになんども一般保護エラーを発生するため、仕事にならなかったからだ。普通のNetscape Navigatorに比べてまだまだ、プログラムとしての完成度も低いようだ。

今回の結論

まだまだ、「実用」として使うには程遠い。
機能的にも、もっと強化されないと他の商品の方が魅力的

となった。なお、ご意見御感想はken@impress.co.jpまで。