最近はたいていの魚が一年中市場に出ているが、最も季節性の強いのがこのフグ。フグちりで熱燗を一杯というのは、左党ならこの季節誰しも思い浮かべるシーンである。フグには卵巣や肝臓にテトロドトキシンという神経毒を含むものが多い。フグをよく食べる都道府県では、フグ調理師の免許を持った者しか調理はできない。フグ刺しは独特な薄作りだが、これは肉質に弾力がありすぎてふつうの切り方ではかたくて食べられないからである。