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ウイスキー起源説 |
私見ですが、
ウイスキーを愛する者として、そうであって欲しいし、またそう思う方が楽しいのではないでしょうか。
1172年の言い伝え以後の経過はあまり知られていません。(ちょっと寂しい)しかし、16世紀のイングラン<
ド王国・クイーン・エリザベス1世(1558年〜1605年)は、大変アイルランド産ウイスキー(アイリッシ
ュ・ウイスキー)を好み、常に数樽のアイリッシュ・ウイスキーを保有していたと記録があります。そのことから
も16世紀にはすでに飲用に値するアイリッシュ・ウイスキーが存在し、且つ評価されていたと言うことが言えま
す。特に、アイルランド最古の蒸溜所として、北アイルランドのブッシュミルズ蒸溜所は1608年に創立されて
おり、記録上スコットランドより古いと言うことも見逃せません。
お酒(アルコール飲料)はそもそも人類誕生より、偶然と人々の探求心、研鑽が融合することのより誕生しま
した。古代エジプト時代にはすでにワイン、ビールなどの醸造酒(低アルコール飲料)が存在していた記録が
あります。それらお酒は生命の水と形容され、神に捧げる貢ぎ物、薬用、報酬、そして人々の疲れを癒す飲み
物として生活の一部、また文化を形成していきました。(参考:ファラオの食卓・吉村作治薯・小学館)
しかし、ウイスキーやブランデーと言った蒸溜酒(高アルコール飲料)はいつ、どこで誕生したのでしょうか。
まず、最初の蒸溜技術は起源前200年から290年ごろのエジプトで発見されたようです。初めは水から蒸
気、次に海水から水と塩(人々の生活に欠かすことのできないもの)を分離する技術をあみだしたようです。
その後、蒸溜技術はアラビアに受け継がれ発展進歩しましたが、まだ飲み物を造る技術は発見されてはいませ
んでしたが、今日私たちが使っているアルコール(alc-ohol)と言う言葉は、アラビア語のアル・コホル
(al-kohol)から進化したのです。それ以後10世紀になるまであまり画期的な進歩は記録上はなかったようで
す。しかし、10世紀の中頃になるとアラビアの錬金術師を中心に蒸溜について数々の興味深い文献が出版され
だしました。残念ながら、まだ飲み物と言うよりは薬用としてのアルコール効果が研究されていました。やがて、
13世紀から15世紀になると、初めてイタリアやオーストリアで飲み物を造るための蒸溜技術が発見され、さ
らに蒸溜酒の研究をまとめた文献も出版されました。但し、穀物からアルコール(スピリッツ)を造るための技
術であったかは定かではありません。私見ではありますが、果実、薬草などと発酵させ、蒸溜したアルコールで
はなかったのかなと思います。
飲み物としての蒸溜技術は13世紀から15世紀ごろに初めて文献として登場した記録がありますが、驚くこと
にヨーロッパの北の端にあるアイルランドでは12世紀にはすでにに飲み物として、穀物からスピリッツを造る
蒸溜技術が発見されていたと言う話しが伝わっています。それは、「ヘンリー2世がアイルランドに攻め込んだ
1172年当時、すでにこの地で穀物からスピリッツを造る蒸溜技術があり、民衆はそれを飲んでいた。」これ
が事実ならアイルランドではすでに穀物を蒸溜した、飲用に値する独自のアルコール飲料(一種のウイスキー)
が存在していたということが言えます。但し、面白いことにこの時代のアイルランドにおいてウイスキー蒸溜の
技術が伝導されていたと言う歴史的な公式記録は現在のところ発見されていません。(アイルランドのしかるべ
く部署に昔の記録を調べてくれるようにお願いはしています。)ではなぜあのような話しが残っているのでしょ
うか。
と考えてみました。
以上のことなどを総合してみますと、アイ
ルランドが「ウイスキー発祥の地」である可能性が高いと思われます。しかし、公の記録としては1494年のス
コットランド大蔵省に生命の水の記録があるので、公正な軍配としてはスコットランドがウイスキー発祥の地とな
ります。いろいろと長年にわたりアイルランド対スコットランドを調べていますが、調べれば調べるほど謎が深ま
り、また夢が膨らんでいきます。今後も時間がある限り調べていきたいと思っております。新事実が発見できまし
たら、直ぐにでも発表させていただきます。皆様も何かお知りなことがありましたら、メールをお待ちいたしてお
ります。
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