バーチャルワールド
- 書 名:バーチャルワールド
- 著 者:ベンジャミン・ウーリー
- 訳 者:福岡洋一(ふくおか よういち)
- 定 価:2,400円
- 頁 数:432p(四六判)
本書の概要
バーチャル・リアリティ時代がやってくる!?
近ごろでは、「バーチャル・リアリティ」という言葉をあちらこち
らで目にするようになりました。バーチャル・リアリティとは、コ
ンピュータが創り出した、現実を模倣した世界のことをいいます。
つまり「仮想的な現実感」という意味です。
たとえば、航空機のパイロットを訓練するためのシミュレーターも
ある意味ではバーチャル・リアリティを利用したものだといえるで
しょう。また、映画「バーチャルウォーズ」や「トータルリコール」
で扱っている世界もバーチャル・リアリティなのです。
今後、コンピュータの表現力が上がることによって、こうしたバー
チャル・リアリティが空想の世界から現実のものへと近づき、私た
ちの仕事や生活を全く変えてしまうかもしれません。
パラダイムシフトが始まる!
現在でも、コンピュータは私たちの仕事や生活の中に好むと好まざ
ると入り込み、私たちの仕事や生活は大きく変えつつあります。そ
して「バーチャル・リアリティ」が実現することで、人間の「経験」
そのものが変貌しようとしています。私たちの望む通りのイメージ
で、体験を再現できるようになる――少なくとも、バーチャル・リ
アリティの提唱者たちはそう主張しています。バーチャル・リアリ
ティはテクノロジーに対する私たちの見方を変えるだけでなく、自
分自身や自らの住む世界に対する見方をも変えると彼らは言ってい
ます。ますます強力になる情報テクノロジーによってシミュレート
された環境が生まれ、現実でも虚構でもない、その中間のどこかに
位置するような新たな宇宙――バーチャルな宇宙が創りだされるこ
とになるのです。
バーチャル・リアリティ時代を生きる人のために
本書の筆者であるベンジャミン・ウーリーはバーチャル・リアリティ
の現状を検証しています。バーチャル・リアリティを生みだした知
的・文化的変動のドラマ、バーチャル・リアリティをめぐる喧噪、
バーチャル・リアリティを推進した人びと、バーチャル・リアリティ
の発展のもつ劇的な意味――そうしたすべてにウーリーの目は向け
られています。バーチャル・リアリティは単なる技術ではありませ
ん。私たちの未来がここから始まるのだと考える技術者や思想家に
よって生みだされ、推進されてきた思考方法なのです。こうしたバー
チャル・リアリストの政治性と文化を明らかにし、はたして彼らは
現実を創造しようとしているのか、それとも現実を把握できなくな
りつつあるのかを探るのが本書です。
目次概要
- 序章
- 第1章 至福のとき
- 第2章 シュミレーション
- 第3章 バーチャリティ
- 第4章 計算可能性
- 第5章 人工知能
- 第6章 サイバースペース
- 第7章 インターフェイス
- 第8章 ハイパーテキスト
- 第9章 フィクション
- 第10章 ハイパーリアリティ
- 第11章 リアリティ
- 第12章 発見