同じドキュメントを作成するにしても、適切な書体を選べるかどう
かで、仕上がりは千差万別。またさまざまな書体から、豊かな想像
力と表現力願望が湧き出て来ます。その願望を実現してくれるのが
TrueTypeフォントというわけです。
一方で、記憶媒体の技術進歩には目を見張るものがあり、CD-ROMの
登場は、私たちのコンピュータ環境を大きく変えようとしています。
500MB以上の記憶容量を持つCD-ROMは、たとえば本書の付属CD-ROM
のように、2400書体ものフォントを1枚のメディアに集約できる素
晴らしい技術であると言えます。しかし、半面すべての書体の形を
見渡すには、途方に暮れるほどの時間を要し、「あの書体のファイ
ル名は何だっけ?」「このファイル名はどんな書体だっけ?」とい
う疑問に即答するには、あまりに数が多すぎるのも事実だと思いま
す。たとえプログラムを作ってディスプレイに表示させるにしても、
2400書体という数字は大きすぎます。
その点では、紙メディアはたいへん便利です。印字見本を手軽に一
望でき、比較的容易に探し出したい書体を見つけ出すことができま
す。そこでCD-ROMと紙それぞれのメディアの特性を活かした、
TrueTypeフォントの本を作りたいというのが、本書の目指すところ
です。
米国をはじめとするアルファベットを使用している国では、文字数
が限られていることもあり、TrueTypeフォントだけをとっても、す
ごく多くの書体が、それもシェアウェアやフリーウェアとして出ま
わっています。
本書に付属するCD-ROMは、米国GROUPWARE社が米国で販売し好評を
博している「SUPER FONTS」を、そのままの形で提供しています。
GROUPWARE社が、米国で出まわっているシェアウェアやフリーウェ
アのTrueTypeフォントとATMフォントを多数収録した作品で、全書
体数はATMフォントを含めた4500にも達しています。
そして本には、CD-ROMに収録されたTrueTypeフォントの全書体の印
字出力見本を、アルファベット順に掲載しました。読者は、本で気
に入った書体を簡単に探すことができ、欲しい書体のファイル名を
インストールするだけで、TrueTypeフォントを使うことができるわ
けです。