
インターネットは大学や国立の研究機関が中心になって構築してきたため、必要なソフトウェアの多くも研究者たちによって開発され、無料でコピーできるフリーソフトとして配布されてきました。そのため、逆に市販品が少なく、一般ユーザにとってはソフトを入手するのに苦労する面もあります。ただ、最近ではコンピュータ雑誌の付録CD-ROMにインターネット関連のフリーソフトが収録されることが多くなり、以前よりはよほど入手も楽になりました。
それでも、最新のソフトはインターネット上で配布されています。インターネットでプログラムファイルをやりとりする方法の一つが、 FTP (ファイル転送プロトコル)ですが、具体的にはそのFTPソフトを使って、ファイルを保存してあるサーバーコンピュータにログインし、そこからファイルを指定して自分のコンピュータに転送します。
基本的にはサーバーにログインするためには、そのコンピュータの管理者が発行するログインIDとパスワードが必要ですが、FTPについてはパスワード無しで誰でもログインできるanonymous(匿名) FTPというしくみがあります。ログイン時に正式なログインIDの変わりに「anonymous」または「guest」というIDを使うと、パスワード無しでもログインできるのです。ただし、これができるのはanonymous FTPを認めているサーバーだけであり、当然のことながら自由にコピー・配布ができるソフトウェアしか入手できないようになっています。それでも大学や研究機関を中心に全世界に多くのanonymous FTPサーバーが公開されています。なお、anonymous FTPはパスワード無しでのログインが可能ですが、エチケットとして自分の正式なユーザアドレスをパスワード代わりに入力し、素性を明らかにすることになっています。

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