BeOS プレビュー・リリース仕様書
(BeOS Preview Release Specifications)
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特長 |
詳細 |
基礎レベルのサービス
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マイクロカーネル |
対称型 マルチプロセシング |
BeOS は、マルチプロセッサ環境に対して最適化されており、
対称型マルチプロセシング・アーキテクチャを使用して、2、4あるいはそれ以上の個数のプロセッサをサポートします。
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普遍的 マルチスレッディング
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OS全体が高度にマルチスレッド化されており、アプリケーション自体も高度にマルチスレッド化
されていることを期待しています。これにより、円滑なタスクの切り替えができ、単一プロセッサ・システムでも
マルチプロセッサ・システムでも性能が向上します。
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プリエンプティブ・ マルチタスキング
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本格的なプリエンプティブ・マルチタスキングがサポートされており、
結果としてタスク切り替えが敏速となり、全般的に性能が向上します。
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仮想メモリ
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あまり使われていないコードをディスクにスワップすることで、メモリを拡張します。
マルチタスキングとマルチスレッディングの機能に組み込まれています。
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メモリの保護
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メモリは保護されており、
一つの不良なアプリケーションがシステム全体をクラッシュさせることはありません。全般的に安定性が向上します。
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クライアント・サーバー・ アーキテクチャ |
クライアント・サーバー・モデルは、性能と信頼性を向上させます。
アプリケーションが明示的にスレッドを作らなくてもオペレーションをマルチスレッド化することを許します。
サーバーはモジュールとして作られているので、機能が拡張されたり、改良されたりしたものを、
OSに追加したり置き換えたりすることができます。
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ファイル・システム |
64-ビット・ ファイル・システム |
64-ビット・ベースのファイル・システムは、
テラバイトあるいはそれ以上のサイズの巨大なファイルやボリュームを許容します。
64ービットを固有のものとしてサポートしますので、プログラミングが簡単になり、性能が向上します。
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マルチスレッド化
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Be のファイル・システムは全体がマルチスレッド化されており、
プロセッサの数がいくつ有っても、それらを活用してプロセシングを展開することができます。
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ジャーナリング
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ジャーナリングは、ファイル・システムにおける変更の歴史を記録します。
これにより停電などの状態からの復帰が迅速にできます。
ファイル・システムは常に矛盾のない状態に保たれていますから、ブート所要時間は最大でも数秒です。
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属性とインデックスを 組み込む
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Be ファイル・システムは各ファイルの属性とインデックスを管理します。
アプリケーションはこれらを使ってデータ・ベースの基盤とすることができます。
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MIME-タイプによる ファイル判別
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MIME(多目的インターネット・メール拡張)-タイプのファイル判別は、
ファイルを判別し、ファイルとアプリケーションを関連付ける一般的な方法を提供します。
これはインターネット・データの判別と整合性を一段と確実にします。
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外部ファイル・システム のサポート |
Be ファイル・システムは、また HFS (MacOS)、DOS、NFS など外部のファイル・
システムも扱うことができます。この機能はモジュール化されていますので、サード・パーティにより
追加されることができます。
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グラフィックス・ システム |
マルチスレッド・ クライアント・サーバー・ アーキテクチャ
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BeOS のグラフィックス・システムは、クライアント・サーバー・アーキテクチャを取り、
高度にマルチスレッド化された手法を可能にし、プロセッサ間でタスクを分担します。
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グラフィックスの 直接アクセス
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Game Kit は、特殊なグラフィックス・アルゴリズムや要求を持つアプリケーションに対し、
安全なやり方でフレーム・バッファへの直接アクセスを提供します。
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広範な 2D ライブラリ
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Interface Kit 中に、
広範な浮動小数点数をベースとする二次元グラフィックス・ライブラリが提供されています。
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アンチエリアス・フォント
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アウトライン・フォントがシステムの標準です。
そしてデフォルトでアンチエリアス機能がオンになっていますから、画面上でも印刷紙上でも
滑らかな文字の外観が得られます。
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3D Kit と OpenGL
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高度の応答性を持つ三次元グラフィックス機能が BeOS 3D Kit により提供されます。
また工業規格の高解像度グラフィックスとレンダリングが OpenGL ライブラリにより提供されます。
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モジュール化された機能 |
グラフィックスの機能はモジュール化されており、扱いやすいドライバ・アーキテクチャにより、
追加したり、修正したりできるようになっています。 |
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I/O システム |
マルチスレッド
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BeOS の I/O ドライバは、マルチスレッド化されています。
そのためプロセッサ間で I/O タスクの分散ができ、単一プロセッサ・システムでも、より敏速な応答が得られます。
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モジュール化され、 動的なローディング |
I/O ドライバは、必要に応じて動的にロードされます。アーキテクチャはモジュール化されているので、
開発者が新しい機能を追加することができます。
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明快で単純な設計 |
オブジェクト指向設計 |
基礎レベルのサービスは、オブジェクト指向設計により
C と C++ に基づいています。そのため、システム全体を通して、派生クラス作成とコード再利用が可能です。
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設計基準は「単純」 |
全体を通じて、基礎クラス・サービスの設計は、「単純」を基準としました。
無数のオブジェクトを作り、複雑化するよりも、強力なオブジェクトの小さなセットを維持するようにしました。
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アプリケーション・レベル・サービス
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インターネット・ サービス |
TCP/IP が固有
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BeOS のネットワーク機能は TCP/IP をベースにしていますが、これはインターネット固有のプロトコルです。
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組み込み FTP サーバー
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インターネットの FTP プロトコルに基づくファイル・サーバー機能が、
システムに組み込まれています。これを用いて、インターネットに接続された BeOS、MacOS、Windows、Unix
その他のシステム上の人々とファイルをやり取りすることができます。
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組み込み Web サーバー
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BeOS には、簡単な Web サーバー機能が組み込まれていて、
システム立ち上げ初日からあなたのページをネットワークに流すことができます。
この機能はモジュール化されていますので、
より強力なサード・パーティの製品と置き換えることができます。
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組み込み Web クライアント
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BeOS の固有の Web ブラウザとして、NetPositive が組み込まれています。
これはアプリケーション間通信機能と、Replicator 技術を利用します。
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組み込みメール機能
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インターネットのメール・クライアント・サービスがシステムに組み込まれています。
これらの機能はモジュール化されていますから、サード・パーティ開発者の製品を追加したり、
置き換えたりすることができます。
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リモート・アクセス 機能
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インターネット標準の Telnet 機能が BeOS に組み込まれており、
インターネット上どこからでもあなたのシステムにアクセスすることができます。
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AppleTalk 印刷サポート |
BeOS は、標準のイーサネット・
ネットワーク上の AppleTalk 仕様のプリンタでの印刷をサポートします。
標準の AppleTalk レーザ・プリンタへのアクセスが可能です。BeOS は、また TCP/IP
仕様のプリンタもサポートします。
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メディア・サービス |
フォーマット 翻訳サービス
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BeOS には、データ・タイプ・ライブラリが組み込まれています。
アプリケーションは、このライブラリを用いると、ファイル・フォーマットやデータ・フォーマット、
さらに QuickTime や MPEG などの動画データやオーディオ・データのようなメディア・フォーマットの
翻訳機能にアクセスすることができます。
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オーディオ・サービス
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BeOS は、広範なオーディオ・サービスのセットを持っています。
それらはマルチスレッド化され、
マルチプロセッサを意識して作られた組み込みオーディオ・サーバーにより提供されます。
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MIDI サービス
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MIDI サービスは、 MIDI Kit として組み込まれています。
これには、ソフトウェアによる楽器音の MIDI 合成や他のサウンド・サンプルが含まれます。 |
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アプリケーション応答サービス |
メッセージと スクリプティング |
BeOS は、広範なメッセージのアーキテクチャを持っていて、
アプリケーションが互いにメッセージを送り合うことを可能にします。
それはアプリケーションのどの部分からでも、
他のアプリケーションやプロセスのどの部分にでも通信できるという機能です。
このメッセージの仕組みは、スクリプティング機能の基礎になっています。
ネットワーク上にメッセージを流す方法も存在します。
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BeOS レプリケータ
(複製)サービス
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レプリケータ・サービスは、あるアプリケーションのアクティブなデータやコードを、
別のアプリケーションや文書や BeOS システムの文書内にさえも、「複製」し保存することを許します。
これらの複製物は、完全にアクティブで、元のアプリケーションや文書の一部であったときと同様に
操作することができます。
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MIME タイプの判別
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アプリケーションのメッセージとデータは、
インターネット標準の MIME (多目的インターネット・メール拡張)タイプ判別システムを使用して送られます。
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国際化サービス |
組み込み Unicode |
BeOS は、システム全体にわたって Unicode をインプリメントしました。
これによりマルチバイト言語の使用が可能となり、BeOS の新しい外国語版作成の基礎として働きます。
使われたフォーマットは、 UTF-8 です。このフォーマットは Java 言語でもインプリメントされています。
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Unicode フォント・サポート
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Unicode フォントはシステム全体にサポートされています。
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Unicode ベースの テキスト・ユーティリティ |
FontDisplay や Keymap を含め、いくつかのユーティリティが、
マルチバイト文字環境において役に立つツールを提供します。BeOS 内の基本的なテキスト・クラスである
BTextView も Unicode を意識しています。 |
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Unix/Posix |
Posix 互換性 |
BeOS は、完全に機能する Posix 組み込み層を持っており、
広い範囲の Posix 互換コードをコンパイルし、走らせることができます。その中には GNU のコマンド・
ライブラリも含まれます。その多くは BeOS の CD-ROM に入っています。
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Unix 機能と bash シェル |
Unix のコマンド・ライン機能がシステムを操作するもう一つの方法として提供されていますが、
これにはスクリプト機能と Borne-Again (bash) シェル・サポートを含みます。これらの機能は、
Telnet 経由でリモートにアクセスすることも許しています(インターネット・サポートを見て下さい)。
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ユーザ・インターフェースと印刷 |
Tracker インターフェース |
BeOS のデスクトップ・インターフェースは、BeOS Tracker により提供されます。
これは、強力な関数ライブラリで、ユーザーとアプリケーションに直接のサービスを提供します。
それには、TrackBar、desktop、HFS やその他の外部ファイル・システム・ボリュームへのアクセス等を含みます。
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印刷サービス
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印刷サービスは、BeOS の Interface Kits に組み込まれていて、(マルチスレッド化された
Print Server による)バックグラウンド印刷サービス、Postscript 印刷と直接印刷等々の機能を提供します。
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広範な環境設定 |
BeOS は、preference の広範なセットを持っていて、システムのほとんどすべての角度から
カスタマイズすることを可能にします。
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オブジェクト指向設計 |
オブジェクト指向の フレームワーク |
BeOS のアプリケーション・レベル・サービスは、
手続き型の設計ではなく、オブジェクト指向アプリケーション枠組みに基づいています。
このことは、全般的なアーキテクチャを簡単化し、プログラミングが早くなり、
広範囲にわたってコードの再利用と派生クラス作成を可能にします。
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モジュール化された ソフトウェア設計 |
BeOS のために設計されたソフトウェアは、一般的に次の4区分に入ります。
すなわち(グラフィカルまたはコマンド・ラインの)アプリケーション、共有ライブラリ、add-on 部品
(plug-in)、それにデバイス・ドライバです。 |
開発サービス
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開発環境 |
組み込まれた Metrowerks CodeWarrior IDE |
CodeWarrior IDE(総合開発環境)は、BeOS に組み込まれていて、
BeOS の特長を利用し、完全にマルチスレッド化され、複数のプロセッサ上での並列コンパイルができます。
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デバッグ機能
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CodeWarrior は、また広範囲の低レベルおよびソース・レベルのデバッグ機能を提供します。
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CodeWarrior Lite をバンドル |
CodeWarrior Lite は、BeOS にバンドルされており、
64k バイトまでの大きさのプログラムやライブラリを作成することができます。
サイズに制限のない CodeWarrior の完全版は、 Metrowerks
から入手できます。 |
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Java サポート |
Java ランタイム・ライブラリ
Java 言語サポート
Java IDE サポート |
(BeOS CD に含まれている)CodeWarrior Lite には、
Java ランタイム・ライブラリがバンドルされており、Java アプレット実行が可能です。
Java 言語とそのコンパイルは、CodeWarrior 環境で完全にサポートされています。 |
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BeOS アーキテクチャ
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BeOS アーキテクチャは次の三層から構成されます。
- マイクロカーネルとデバイス・ドライバ - BeOS サーバー - BeOS ソフトウェア・キット |
完全な BeOS API と技術的なドキュメンテーションが Be ウェブ・サイト
http://www.be.comに置かれていて、
HTML、Postscript、
Acrobat フォーマットでダウンロードすることができます。 |

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すべての仕様は予告なく変更することがあります。
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