BeOSを特徴づけるキャッチコピーは、既に"Media OS"というBe社自身が用意した立派なものがありますが、僕は「プレイステーションの作りやすさとセガ・サターンの高性能さを合わせたOS」という印象を勝手に持っています。どちらも家庭用ゲーム機ということで非常に厳しいレスポンスを要求されるシステムですが、その要求を見事に満たして十分なシェアを獲得しています。デジタルメディア・コンテンツ分野を第一のターゲットとするBeOSを語るのに、同じようにマルチメディアを処理する家庭用ゲーム機をたとえに出すのは、それほど悪くないんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。

とはいえ、僕はゲームを開発したことはなく、プレイステーションについては一度開発資料に目を通しただけ、セガ・サターンの方は人づてに開発の様子を聞いただけという程度の経験しかありません。ですから、上に書いたたとえには勝手な思い込みが入っています。

ですが、奇しくもBeBox同様二つのCPUを搭載したセガ・サターンと、そして比較的シンプルなAPIを用意し、またディベロッパー同士のネットワークを介した情報交換のための場を提供することによって、開発に参入する企業の敷居を低くして成功した(ように見える)プレイステーションのことを考えると、BeOSを上に書いたように表現するのは実に適当なんじゃないかと思えるのです。

そう。Be社は、インターネットを使ってディベロッパーに開発情報を公開したり、またディベロッパー同士が情報交換するのを助けるのに積極的です。まだ利益も上げていない小さな会社なのだからそれくらいの営業努力は当然だという意見もあるでしょうが、僕は非常に好感を持っています。

自宅にプレイステーションを持っていることもあって、僕はセガ・サターンよりはプレイステーションに肩入れしてしまいがちです。そうして、心ひそかにBeOSのことを「ハイパー・プレイステーション」と呼んで愛着を感じているんです:-)