<DVD-Video> の音声機能

●映画館のような高音質サラウンド

ドルビーデジタル(AC−3)とは、音声の圧縮方式の名称です。 これにより、各チャンネルが完全に独立した5.1チャンネル・デジタルサラウンド機能が可能となりました。

この5.1チャンネル・デジタル・サラウンドは、前2チャンネル、後ろ2チャンネルの計4チャンネルに加え、主にセリフなどに使用されるセンター・チャンネルを加えた5チャンネルを、完全独立(ディスクリート)で記録・再生します。さらに、ここぞという場面で重低音を響かせるサブウーハーの0.1を加え、5.1チャンネルとなるわけです。

これにより、前後、左右、自在に音声が動き回ります。大地の不気味な地鳴りや恐竜の足音といった超低音、高速で移動する物体が前後左右をかけめぐる音なども、まるで実際にその場で聴いているような迫力とリアリティで再現できます。

ドルビーデジタル(AC−3)では、5.1チャンネル以外にも2チャンネルのステレオ、センターを加えた3チャンネル、リアのサラウンドを加えた4チャンネルなど、様々な組み合わせでディスクを作ることも可能です。

音の分離や臨場感、方向感が増したドルビーデジタルですが、従来のドルビー・プロロジックでは、サラウンドチャンネルを含む4チャンネルの音をマトリクス処理によって2チャンネルの中に重ねて記録しており、これを再生時にデコーダの中で4チャンネルに戻して再生していました。

すなわちチャンネルは完全独立ではなく、後ろはモノラルです。 そのため、前から後ろへの移動は聞き取れるのですが、後ろで右から左への移動などが再現できませんでした。 また、後ろのチャンネルは7kHz以上の高域がカットされていました。 しかしドルビーデジタルの登場により、ご家庭でも劇場並のサラウンドを実現できるようになったのです。