ぴあテン スペシャル
“これならほしい”SDソフト大投票

発 行:関東: 95/12/18
    関西: 96/01/06
    中部: 95/12/20
雑誌名:ぴあ
出版社:ぴあ
表 題:ぴあテン スペシャル
   “これならほしい”SDソフト大投票
1996年、マルチメディアのフロントラ インに、SDが踊り出る。SDは、いわゆ るDVDのこと。そこで、時代を先取りせ ずにはいられないぴあが、SDになってほ しいソフトを、ぴあテン方式で大投票して いただくことにしましたッ。

WHAT IS SD?

  1. SDがあれば、もう何もいらない。

    スーパー・デンシティ・ディスク。SDは その名が示す通りの、次世代の高密度ディ スクだ。映像、音響、そしてコンピュータ 3つの能力を兼ね備えた、その光ディスク は、まちがいなく、次代のスタンダード・ メディアになる。

    12cmCDサイズに圧倒的なポテンシャ ルを搭載した次世代メディアが、いよいよ 来秋、デビューする。

    ビジュアル、オーディオ、コンピュータ。 3つの分野の楽しみ方を、ただ1枚のディ スクでカバーするメディアがいよいよ96 年秋に登場する。

    その名はSD。「高密度」を意味する名を 持つSDソフトは、現在の12cmCDと 同じサイズの光ディスクだ。つまり、ひら たく言ってしまえば、このコンパクトなS Dディスク1枚が、映画を見たり、音楽を 聴いたり、コンピュータのアプリケーショ ンをこなす能力を持っているというわけだ

    (中略)

    映画やコンサートライブ等、発売されるソ フトも、むりなくコレクションできる価格 が予定されている。しかも、SDのハード は、10万円を切る!という驚異の価格で 登場するという。

    来年がこれほど待ち遠しい年の瀬が、かつ てあっただろうか!


  2. SDでビジュアルライフはこうなる!

    ■SDなら、長時間。
    わずか12cmのSDディスクの片面には 135分の映像が入る。これは、現在ソフ ト化されている映画の実に94%をすっぽ り収録してしまう長さだという。これから はわが家でも、映画のラストシーンまで現 実を忘れてのめりこめる、というわけだ。

    ■SDなら、高画質。
    難しい用語で説明するならば、SDにはM PEG2画像圧縮技術が採用されている。 これがどういうことかというと、ハヤイ話 が、スタジオマスター級の高画質!という ことになる。技術の進歩、おそるべし。

    ■SDなら、大迫力。
    実は今までのドルビーシステムは、背後の スピーカー、LとRはモノラルで、同じ音 が鳴っていたのだ。しかしSDのドルビー は、背後のスピーカーを別チャンネルに設 定できる。SDなら、迫ってきたヘリコプ ターが、部屋中をぐるぐる旋回しまくる迫 力が再現できるというわけだ。

    ■SDは字幕・副音声が凄い。
    SDには、映画の字幕が最大32種類入る し、副音声も最大8つまで切り換えられる ようになる。もう字幕版を買うか吹き替え 版を買うかの心配はご無用。その上例えば “英語の会話に英語の字幕”という作品が 発売されればリピート機能を使って、ヒア リング学習にも大活躍してくれるのだ。

    ■SDで、ディレクター気分。
    SDには、同時進行する最大9パターンの 映像から、好きな映像を選択できるマルチ アングル機能がある。ディレクター気分で スイッチングしたり、バンドメンバーのひ とりだけをずっとアップで楽しむなんてマ ニアックな楽しみかたもできる。さらに、 ドラマを見ていて自分の好きなストーリー を選べるマルチストーリー機能もある。

    ■SDは、テレビを選ばない。
    SDなら、ワイド収録された映像を4:3 比のフツーのテレビで見るときも安心。画 面の上下に黒い帯がでる「レターボックス 画面」や、画面いっぱいに映し出す「パン スキャン画面」も自由自在。どんなテレビ にもマルチに対応するってわけだ。


  3. オーディオも、SD

    SDは、12cmCDサイズのディスクに CDをはるかに超えるハイビット/ハイサ ンプリングのデジタルオーディオの世界を 実現するべく検討している。しかも“従来 のCDの音質なら”約7倍の収録時間が可 能だ。

    • 原音のニュアンス、自然の音を忠実に、 緻密に再現。最高サンプリング周波数96 kHz/24bitの高音質。

    • 48kHz/16bitの場合最大8ch まで再生できる、マルチチャンネルオーデ ィオ。

    • SDのハードでは、従来のミュージック CDソフトも再生できるから、ソフト資産 がムダにならない。


  4. コンピュータも、SD

    マルチメディアの進化は、TVとパソコン の高い次元での相互互換をはじめ、AVと コンピュータ産業とのリンケージを要求し ている。その要求に答えるのが大容量ディ スク・SDなのだ。

    • 従来のCD−ROMの約7倍、4.7G Bという大容量。両面2層ディスクでは最 大17GBを実現。今後のオンライン大容 量化にも対応している。

    • 従来のソフト資産をスムーズに継承でき るよう、既存のCD−ROMとの再生コン パチビリティを確保。

    • 再生専用のほか将来は、追記型、書換型 もラインナップ。ディスク相互のすぐれた 互換性を実現。


この雑誌の発売時点では、 DVDはSDという名称で呼ばれていました。
紹介した機能は、SDの基本的なポテンシャルを 示すものであり、発売されるSDソフトがその全ての機能を 備えていることを示すものではありません。