
次に、Be社によるMedia OSの定義とは別の角度からBeOSを眺めてみることにします。以下に、MacOSやUnixなど従来のOSとBeOSとの違いを簡単にまとめてみました。
(1)MacOSとの違い
メモリ保護機能が実現されており、アプリケーションの不正な動作によってOSや他のアプリケーション内部のデータが壊されることはない。これによって、システムの堅牢性が高められている。
各アプリケーションの実行単位(スレッド)はプリエンプティブにスケジューリングされるため、実行対象となるスレッドの切り替えが比較的スムーズに行われる。
OSは通常のファイルとしてハードディスクに格納され、MacOSのToolboxのようにROMに格納されることはない。したがって、OS全体のアップデートが比較的簡単である。
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(2)WindowsやUnixとの違い
'90年代になって一から設計されたOSであり、高度にモジュール化されている。また、既存のシステムの拡張ではないためAPIがシンプルで理解しやすく、アプリケーションの開発が比較的簡単である。
OSのすみずみに渡ってマルチスレッド化されており、大きなメディアデータを扱っても良好なスループットと応答性を示す。
柔軟なアプリケーション間通信機構と、その上に構築されたスクリプティング機構、およびアプリケーションを部品化するための仕組(レプリケータ)を持つ。これらはすべて統一された枠組みによって実現されており、非常にシンプルで理解しやすい構造を持つ。
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