話題のニューメディア
DVDってなんだ?

発 行:96/02
雑誌名:アニメージュ
該当頁:P198-199
出版社:徳間書店
表 題:話題のニューメディア
    DVDってなんだ?
ビデオに燃え、LDに酔ったぼくらアニメ ファンの心を、またまたとらえるニューメ ディアが、今年いよいよ登場する。よりき れいな映像で、手軽で使いやすく、しかも 機能も満載…。そんな夢のような方式。そ の名も「DVD」だ!


すごいその1

  1. DVDはベリー小さい!

    DVDのなにがすごいって、まずはこれでしょう。 見たまんま、とにかく小さい!ということ。 劇場映画一本分楽々入るディスクのはずなのに、 直径はたったの12センチしかない。 つまりは、いまの音楽用CDとまったく同じ大きさなんだ。 これまでだと、ソフトがたまってくると、 かさばって保管場所に困ったりしたけれど、 この大きさなら、そんな悩みも一気に解決してしまう。 音楽用のCDラックなんてのも、そのまま使えそうだね。 「難しいことはよくわからないけれど、 この大きさで映画がまるごと入ってるって、 なんかちょっと凄いことかも…」と、 単純に感動させてくれる大きさだ。


すごいその2

  1. DVDはスーパー絵がキレイ!

    いくら小さくたって、画質がきたなかったりすると、 ちょっとかなしい。でもそんな心配はDVDには無用! きたないどころか家庭用のなかでは、 これまでのどんな方式よりもキレイな絵でソフトが再生できるというから、 これは涙もの。それもそのはずDVDのキャッチフレーズは 「スタジオマスターテープなみの高画質」(おお、なんかすごそうだぞ!)。 小さいながらも、そんなに密度の濃い仕事ができるのは、 なんでも最先端のデジタル画像圧縮技術を使用しているらしい…なぁんて、 細かい話は置いといて、 要は、ごひいきの作品を、いちばんキレイな絵で見せてくれるのが DVDというわけだ。


すごいその3

  1. DVDはウルトラ長時間!!

    まだまだ続くぞ。小さくて高画質というだけで、 じゅうぶんシアワセなのに、さらには、 ボリュームまで満点、というお話しだ。 つまり長時間再生が可能、ということね。 「そんな出来すぎた話ぃ」とか思うでしょ。 でもホントなのだ。しかもディスク片面に133分収録という、 超大盛り!さらに、このDVD、両面再生盤もあるから、 その場合だと、なんと聞いて驚け約4時間30分だぁっ! TVアニメ全話コレクションなんてのも、 1枚で一気に10話分カタがつく計算。 素材がちがうので、単純な比較はできないが、 記憶容量としては、音楽用CDのなんと7倍もの大容量なのだ。 すごいでしょ。


すごいその4

  1. DVDはデラックス高機能!

    最後に、DVDのさまざまな機能をいくつか紹介しよう。 まずは32チャンネルの字幕スーパー機能だ。 ソフトが対応さえしていれば、 この機能により再生時に最大32通りもの字幕や図表 (シナリオとか設定資料とか)を呼び出せる。 画面に対応した脚本やら設定やらが、 ポンと出てくるというわけ。 さらに、本筋とは別の場面を用意して、 設定を変えれば本編とはちがう物語が展開する、 という機能にも注目。 枝分かれして、見る度にちがう話が進むアニメ、 なんてファンにはたまらないね。ほかにも、 8種類の吹き替え音声(セリフだけ全く違う別バージョンなんてのも楽しめそう) などもあり、DVDには無限の可能性を広げる機能が満載なのだ。




(本文〜前略)ここはひとつ、 DVDはぼくたちアニメファンにとってどこがどうお得なのか、 という点で、お話しを進めましょう。

なにより、絵が圧倒的にキレイだというのは、大きな魅力だよね。 そのうえ、小さいから管理も楽々。 アニメをコレクションする人にとって、 DVDは大きな味方になってくれそうだ。

でも、いちばん気になるのは、やっぱり付加機能。 DVDには、アニメの楽しみ方を根本から変えてしまうかもしれない、 と思わせてくれる魅力にあふれているのだ。 そのひとつが、ちがう物語がいくつも展開する「マルチ・ストーリー機能」。 たとえば、推理物を探偵側と犯人側などと、 それぞれの視点で描き分けることで、 片方では謎だった事実がもう一方を見て初めて明らかになったり、 相手の心情が浮かび上がったりする。 おなじ物語がまったく別の印象になるかもしれない。 まさしく2倍おいしい機能。

さらに「字幕スーパー機能」も魅力的。 字幕といっても、16色のカラーの絵素材なども使えるので、 いろいろな情報を埋め込むことができる。たとえば、 その作品の絵コンテを順番に字幕にして並べておいたとする。 本編のアニメを見ている途中で、その絵コンテの字幕を呼び出せば、いま見て いた場面の絵コンテが、画面に現われるというわけ。 このほか、別の字幕では、画面に出ているメカの設定資料が現われたり、 監督の解説文やら、シナリオが飛び出てきたり、ということも可能なのだ。

ここで紹介したのはあくまで一例。アイデア次第で、 「え、こんな事も!?」ということができるメディア、 それがDVDだ。 読者のみなさんも、いろいろ頭をひねりながら、 今年の発売を心待ちにしていて欲しい。