"DVD-Video"が特徴的なアプリケーション・フォーマットであるのは、テレビに接続する"DVD Player"用だけでなく、"DVD-PC"と呼ばれるパソコンの上でも同様に再生できることです。逆に言えば、"DVD-ROM"として作られたディスクでも、ビデオとオーディオの部分を"DVD-Video"形式のMPEG2ビデオファイルとして作成するだけで、テレビ用の"DVD-Player"でも再生可能になるわけです。これがハイブリッドとも"DVD-Extra"とも言える方法です。
海外でデモをする時、最もウケがいいのは、このパソコン文化とテレビ文化のディスク互換再生です。"DVD-PC"と"DVD Player"でそれぞれのディスクを入れ換えて再生することが何よりも評価されます。ビジネスレベルでは、パソコンでしかかからないディスクのマーケットサイズの小ささに対する福音となるようです。
この"DVD-Video"というアプリケーション・フォーマットを、ビデオデッキの延長線上で理解しようとすると、録画ができないのが"DVD-ROM"で、録画できるようになるのが"DVD-RAM"という図式になりがちです。これは誤解です。そもそも録画という言葉自体が内容にあわないものです。テレビ放送はアナログ情報です。レーザーディスクも同様です。これらから録画しようとすると、画像圧縮のボードが必要となり、さらには、できあがった圧縮ファイルを整理して再生するアプリケーションソフトも必要です。音楽CDに録音するというイメージを想像してみて下さい。CDの約7倍の容量のDVDでも圧縮しないで映像を入れたとしても5分程度しか入らないのです。