実行時環境

IBM OS/2 Warp Developer Kit, Java(TM) Edition, Version 1.1.7 (Developer Kit)

この Developer Kit は、Sun の Java(TM) version 1.1.7 プログラミング環境 を IBM の OS/2 Warp オペレーティング・システムに移植したものです。 このファイルでは、Developer Kit の実行時コンポーネントの使用方法を説明します。


  • インストール
  • Java インタープリター
  • アプレット・ビューアー
  • 構成
  • プラットフォーム固有の変更
  • JIT コンパイラーを使用不可にする
  • DBCS 環境についての情報
  • その他の情報の入手
  • 注意事項

  • インストール

    インストールについての最新情報は、\JAVA11 ディレクトリー内の README ファイルを参照してください。 このファイルは、Developer Kit ファイルを解凍したディレクトリーにもあります。

    実行時コンポーネントをインストールすると、CONFIG.SYS の PATH および LIBPATH ステートメントに以下の変更が加えられます。

      PATH        x:\java11\bin; が追加される。
      LIBPATH     x:\java11\dll; が追加される。
    

    ここで x は、Java 実行時コンポーネントをインストールしたドライブを表します。


    Java インタープリター

    Java インタープリター JAVA は、Java バイト・コードを実行します。 Java バイト・コードは、.class という拡張子のファイルに入っています。

    hello.class という Java アプリケーションを実行するには、 OS/2 コマンド・プロンプトに次のように入力します。

            java  hello
    

    注:ファイル名では大文字と小文字が区別されます。 ファイルの拡張子を指定する必要はありません (拡張子は必ず .class になります)。

    Abstract Window Toolkit (AWT) を使用する Java アプリケーションは、 JAVA コマンドで開始できます。 旧バージョンの Java for OS/2 Warp との互換性を保つために JAVAPM コマンドが用意されていますが、このコマンドは必要なくなりました。

    .class ファイルは、Java コンパイラー JAVAC を使って作成します。 Java コンパイラーは Java ツールキット・コンポーネントの一部です。 このコンパイラーが必要になるのは、ユーザーが Java プログラムを作成する場合だけです。

    OS/2 コマンド・プロンプトにオプションなしで JAVA と入力すると、ポップアップ・ ウィンドウに使用可能なオプションのリストが表示されます。


    アプレット・ビューアー

    Java アプレット・ビューアー APPLET によって、Java アプレットを簡単に実行できます。 指定した HTML ファイルに Java アプレットが含まれていなければ、何も実行されません。

    tictactoe.html ファイルに入っているアプレットを実行するには、 OS/2 コマンド・プロンプトに次のように入力します。

           applet  tictactoe.html
    

    OS/2 コマンド・プロンプトにオプションなしで APPLET と入力すると、ポップアップ・ ウィンドウに使用可能なオプションのリストが表示されます。


    構成

    さまざまな環境変数を使用して、Java 実行時コンポーネントの動作を変更できます。

    SET JAVA_AUDIO_RATE=n
    オーディオ再生のサンプリング速度を設定します。 n に 8 を設定すると、再生速度は毎秒 8000 サンプルになります。 毎秒 11025 サンプルにするには、値 11 を設定します。 Java ランタイムは通常、入力データ・ストリームの速度に一致するサンプリング速度 8000 を最初に試し、次に 11025 を試します。

    ドライバーの中には、サンプリング速度 8000 がサポートされていても、 実際にはうまく機能しないもの (たとえば、1995 年 10 月以前に製造された ThinkPad 701C) もあります。 この場合、再生サンプリング速度を 11025 に設定してください。

    SET JAVA_AUDIO_VOLUME=v
    オーディオ出力のボリューム・レベルを調整します。v には、最大ボリュームに対するパーセンテージを 0 から 100 までの値で指定します。デフォルトは 75 です。

    SET JAVA_COMPILER=<xyz>
    ロードする JIT (Just In Time) コンパイラーの名前を指定します。デフォルトの JIT は JAVAX です。

    JIT を使用不可にするには、存在しない DLL 名を指定してください。

    SET JAVA_CONSOLE=1
    JAVA および APPLET で開始する Java プログラムを Java コンソールで実行することを指定します。

    SET JAVA_HOME=<dir>
    共用 Java ランタイム・ディレクトリーのバスを指定します。

    SET JAVA_NLS_SBCS=1
    2 バイト文字セット (DBCS) 環境の場合にも Java を 1 バイト文字セット (SBCS) モードで実行することを指定します。

    SET JAVA_NOPRINTDLG=1
    印刷の前にプリンターのプロパティーのダイアログ・ボックスが表示されないようにします。 印刷ジョブは、ユーザーが介入しないでも、デフォルトのプリンター・プロパティーを使って印刷されます。

    SET JAVA_USER=<dir>
    hotjava\property ファイルなど、ユーザー固有のファイルのためのディレクトリーのパスを指定します。

    SET JAVA_WEBLOGS=<dir>
    起動された各 Java プロセスの weblog ファイルが書き込まれるディレクトリーのパスを指定します。

    SET JAVA_CLOCK_RESOLUTION
    java.lang.System クラスの currentTimeMillis メソッドに設定する タイマーの精度を指定できます。 精度はミリ秒単位で指定します。 たとえば、以下のようになります。
    SET JAVA_CLOCK_RESOLUTION = 1
    currentTimeMillis を使う Java アプリケーションのタイマーの最低の精度 が 1 ミリ秒 (最高精度) に設定されます。

    設定できるタイマー精度は、 OS/2 オペレーティング・システムで用意されている精度によって決まります。 Java システムの場合は、値が最も近い精度に切り捨てられます。 最高精度の 1 ミリ秒という値は、どんな場合にも設定できます。 JAVA_CLOCK_RESOLUTION のデフォルト値は 10 ミリ秒ですが、 この値は 1 ミリ秒の精度に切り捨てられるのが普通です。

    currentTimeMillis を使うときの Java のパフォーマンスを最適化したい場合は、 次の値を使ってください。

    set JAVA_CLOCK_RESOLUTION = 32
    この値は、Java のベンチマークを実行するときに重要な意味をもちます。


    プラットフォーム固有の変更

    OS/2 プラットフォームに固有の変更点がいくつかあります。

    全体

    アプレット・ビューアー

    Java アプリケーション


    JIT コンパイラーを使用不可にする

    Developer Kit には、Just-In-Time (JIT) コンパイラーが用意されています。 このコンパイラーは、Java アプリケーションやアプレットの実行中に頻繁に使用されるバイト・コード・シーケンス用のマシン・コードを生成します。 デフォルトで、JIT は使用可能になっています。

    JIT を使用不可にすると、 Java アプリケーション、アプレット、コンパイラー自身の問題を突き止めるために役立ちます。 それには、2 つの方法があります。 たとえば、以下のようになります。

    DBCS 環境についての情報


    その他の情報の入手

    Java および IBM についての最新情報は、IBM Java ホーム・ページまたは Sun's Java Web サイトにアクセスしてください。


    注意事項

    商標

    以下の名称は、米国またはその他の国における International Business Machines 社の商標です。

    Java は Sun Microsystems 社の商標です。

    著作権