効率的に作業するためのテクニック高解像度または多くのレイヤーを使ったプロジェクトの作成は、プレビューに時間がかかったり、操作が難しくなったりして、作業に時間がかかります。After Effectsでは、迅速で効率的な作業を行うための、さまざまなオプションやテクニックが用意されています。 多くの場合、作業中のレイヤーに関する適切なレベルの詳細情報を表示することで、作業の効率化を図ることができます。例えば、大きいレイヤーの前面で動く小さいレイヤーを含むフレームをアニメートする場合を考えてみます。小さいレイヤーの動きを大きいレイヤーに関連付けて調整する場合は、両方のレイヤーを表示する必要があります。小さいレイヤーに適用したエフェクトのみを調整する場合は、大きいレイヤーの情報を表示しないようにしたり、低い解像度またはワイヤーフレームとして表示したり、そのレイヤーの表示をオフにしたりすることによって、プレビュー速度を速くすることができます。プロジェクトの他の部分を編集する場合は、以下のテクニックを使うと、作業中のエリアの画面更新を高速化することができます。 コンポジションの解像度を低くする。 コンポジション設定ダイアログボックスに設定されている解像度より低い解像度でコンポジションを表示すると、プレビュー速度が速くなります。解像度に合わせてウィンドウサイズを調整すると、さらに高速化されます。詳しくは、解像度の設定を参照してください。 プロジェクトウィンドウでフォルダを使う。 アイテムの検索および移動などを操作しやすくするために、プロジェクトウィンドウでフォルダを作成し、そのフォルダを使ってアイテムを整理することができます。詳しくは、プロジェクトウィンドウでの作業を参照してください。ファイルとコンポジションの検索は、プロジェクトウィンドウの下にある検索ボタン( 不要なウィンドウやタブを閉じる。 作業に必要なウィンドウやタブのみを表示するようにします。After Effectsは、開いているすべてのレイヤーウィンドウやコンポジションウィンドウを更新するために時間を要するので、多くのウィンドウを開いていると、重要なウィンドウを1つか2つだけ開いているときよりも時間がかかります。タブを開いているとメモリが消費されるので、他の作業を高速化するために使用可能なメモリが減ることになります。 ソースアイテムをプロキシで代用する。 高解像度で作業する場合は、レイヤーを低解像度のプロキシまたは静止画のプロキシで代用すると、プレビューや作業を高速化できます。詳しくは、低解像度のプロキシによるフッテージの置換を参照してください。 レイヤーの表示画質を低くする。 ドラフトを選択すると、画質とプレビュー速度が相互に最適なレベルで調整されます。詳しくは、レイヤーの画質の変更を参照してください。 レイヤーを隠す。 タイムラインウィンドウで1つまたは複数のレイヤーを表示する必要がない場合は、レイヤーを隠すかシャイにマークしておくと、プレビュー速度が速くなります。詳しくは、タイムラインウィンドウでレイヤーを表示/隠すを参照してください。 レイヤーをロックする。 誤って変更してしまった内容を元に戻す手間を省くために、表示しても変更しないレイヤーをロックします。詳しくは、レイヤーのロックまたはロック解除を参照してください。 ネスト化されたコンポジションをプリレンダリングする。 完成したコンポジションをムービーとしてレンダリングすることによって、コンポジションを表示するたびに実行される計算に必要な時間とメモリを節約します。詳しくは、ネスト化されたコンポジションのプリレンダリングによる時間短縮を参照してください。 ネスト化されたコンポジションをコラップストランスフォームする。 場合によっては、ネスト化されたコンポジションを含むレイヤーをコラップストランスフォームすることによって、プレビュー速度、レンダリング速度、および画質を高めることができます。詳しくは、コラップストランスフォームプロパティを参照してください。 Illustratorファイルの継続ラスタライズを選択解除する。 詳細の表示またはレンダリングが必要になるまで、Adobe Illustratorファイルに対する継続ラスタライズスイッチの選択を解除しておきます。選択を解除することによって、変更のたびにファイル全体がラスタライズされなくなるため、時間が短縮されます。詳しくは、Adobe Illustrator、PDF、またはEPSファイルの読み込みとコラップストランスフォームプロパティを参照してください。 ウィンドウの更新を中止する。 Caps Lockキーを押して、フッテージウィンドウ、レイヤーウィンドウ、またはコンポジションウィンドウが更新されないようにします。この機能は、更新に時間のかかるレイヤーウィンドウやコンポジションウィンドウで使用すると便利です。Caps Lockがアクティブの場合は、変更内容にかかわらず、開いているすべてのフッテージウィンドウ、レイヤーウィンドウ、またはコンポジションウィンドウが、Caps Lockキーを押す前の状態で表示されます。ウィンドウの表示に影響する変更を加えても、After Effectsは変更されたウィンドウに赤いアウトラインを追加するだけで、ウィンドウは更新されません。モーションパス、アンカーポイント、およびマスクアウトラインなどのウィンドウ制御の更新は続行されます。ウィンドウの更新を再開し、Caps Lockのアクティブ時に加えたすべての変更を表示するには、もう一度Caps Lockキーを押して、Caps Lockを無効にします。 作業中のレイヤーを分離する。 ソロスイッチを使って、レイヤーを分離します。詳しくは、レイヤーのソロ処理を参照してください。 ドラフト3Dを使う。 このオプションを使うと、ハイライト計算とシャドウ計算が実行されないようになります。詳しくは、3Dについてを参照してください。 ワイヤーフレーム相互作用を使う。 相互作用を高速化するには、このプレビューオプションを使って更新をオフにします。指定するには、編集/環境設定/プレビューを選択し、ドロップダウンリストで、Altキー(Windows)またはOptionキー(Macintosh)を押したときにワイヤーフレーム相互作用をオフにするかオンにするかを指定します。詳しくは、レイヤーの画質の変更も参照してください。 四角形マスクを使う。 四角形マスクは、楕円マスクやベジェマスクより高速でレンダリングできるので、可能な場合は四角形マスクを使用します。速度の違いは、レイヤーの表示画質を最高に設定した場合やマスクのエッジをぼかす場合に顕著に表れます。マスクの作成について詳しくは、マスクシェイプの変更を参照してください。 割り当てるメモリを増やす(Macintosh 9.xのみ)。 Macintosh 9.xでのレンダリング性能は、After Effectsに割り当てられているRAM容量に大きく影響されます。割り当てるRAM容量が多いほど、レンダリング速度は速くなります。詳しくは、RAMの効率的な使用を参照してください。不要なレンダリング処理を避けるため、After Effectsはレンダリングされたレイヤー構成要素をRAMに保存して再利用します。ただし、この処理は、レンダリングされた構成要素の保存に十分なメモリがある場合にのみ実行できます。 After Effectsには、最大未使用ブロックの90%までの範囲内で、できるだけ多くのメモリを割り当ててください。残りの10%は使わずに残しておき、後からシステム構成要素を読み込むときにシステムソフトウェアが使えるようにしておきます。 After Effectsの割り当てメモリを増やすには(Macintosh)
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