タイムリマップについて
After Effectsでは、タイムリマップと呼ばれる処理を使って、レイヤーの継続時間の一部を簡単に拡大、圧縮、逆方向再生、または停止することができます。例えば、映画のチケットをちぎる人のフッテージを使う場合、チケットをちぎる場面のフッテージを再生し、半分ちぎれた状態でモーションを停止させ、いくつかのフレームを逆方向に再生して、ちぎられる前の状態をもう一度表示することができます。 ![]() フッテージは、通常一方向に一定の速度で表示されます。 ![]() タイムリマップは、レイヤー内のフレーム範囲の時間を歪曲します。 オーディオのみ、またはオーディオとビデオの両方を含むレイヤーをタイムリマップすることもできます。オーディオとビデオを含むレイヤーにタイムリマップを適用すると、オーディオとビデオの同期は保持されます。オーディオファイルをリマップして、ピッチを徐々に増減したり、オーディオを逆方向に再生したり、鳥のさえずりやスクラッチサウンドを作成したりすることもできます。 タイムリマップは、レイヤーウィンドウまたはタイムラインウィンドウで実行できます。一方のウィンドウでビデオをタイムリマップすると、両方のウィンドウに結果が表示されます。各ウィンドウでは、レイヤーの継続時間を異なる形式で表示します。 ![]() A. 現在のタイムマーカー B. タイムリマップマーカー C. タイムリアップ値 D. ナビゲータバー ![]() A. 最初のフレーム B. 最後のフレーム C. アクティブなフレーム D. 最大速度 E. 現在の速度 F. 最小速度 タイムラインウィンドウでタイムリマップを実行する場合は、タイムリマップグラフに表示される値を使って、ムービーのどのフレームをどの時点で再生するかを判断し制御することができます。 タイムリマップ 現在時刻に再生するフレームを示します。値グラフマーカーを上下にドラッグすると、それに応じて値が変わります。値をクリックして新しい値を入力することもできます。タイムリマップ値は、レイヤーウィンドウのアウトポイント値の横にも表示されます。 値:タイムリマップ 上の値はレイヤーの最後の(一番高い)フレーム、下の値は最初の(一番低い)フレームを示します。 速度:タイムリマップ 上の値はレイヤーの最大速度を示します。下の値は常に、上の値にマイナス記号を付けて負の値にしたものです。中央の値は現在時刻におけるビデオの再生速度を示します。通常の速度は100%で、スローモーションの場合は100%より小さく、ファーストモーションの場合は100%より大きくなります。 「タイムリマップ使用可能」を有効にすると、After Effectsは、タイムラインウィンドウのレイヤーの開始および終了ポイントにタイムリマップキーフレームを追加します。リマップキーフレームを追加することによって、複雑なモーションエフェクトを作成できます。タイムリマップキーフレームを追加するたびに、キーフレームのすぐ下のグラフに値グラフマーカーが表示されます。このマーカーを上下に動かすと、タイムリマップ値は、現在時刻に再生するように設定されているビデオのフレームに変わります。After Effectsは次に中間のフレームを補間し、そのポイントからフッテージを正方向または逆方向に再生します。 リマップされたビデオの再生速度は、リマップされているフレーム数と、その変更に対してタイムラインに割り当てられた時間の長さによって異なります。例えば、フレームを1秒間停止しても、レイヤーの継続時間を伸ばさない場合は、停止したフレーム以降のフッテージは通常より速く再生されて、残り時間内にすべてのフレームが再生されます。 タイムリマップを行うとレイヤーの一部が元の速度で再生されなくなるので、ソースフッテージの元の継続時間は無効になります。必要に応じて、レイヤーの新しい継続時間を設定してから、タイムリマップを実行してください。詳しくはトリミングについてを参照してください。 タイムリマップを実行してフレームレートが元の速度に比べて大幅に変更された場合は、レイヤーのモーション画質に影響することがあります。フレーム合成をオンにして、スローモーションエフェクトまたはファーストモーションエフェクトを向上させることができます。詳しくはフレーム合成の使用を参照してください。 関連項目: |