ネスト化されたコンポジションの画質の維持ネスト化されたコンポジションのレンダリング中に、トランスフォームプロパティ(回転、スケールなど)に対する変更を計算するには2とおりの方法があります。初期設定では、ネスト化されたコンポジションの各レベルでトランスフォームプロパティを適用し、ラスタライズする方法が使われます。もう一つの方法は、コラップストランスフォームと呼ばれる方法で、ネスト化されたコンポジションのトランスフォームプロパティとラスタライズの計算を、レンダリング処理が選択したレイヤーに達するまで遅らせる方法です(レイヤーにマスクまたはエフェクトが適用されている場合は、レイヤーのトランスフォームプロパティをコラップスすることはできません)。トランスフォームをコラップスすると、画質が向上し、レンダリング時間も大幅に短縮できます。 ネスト化されたコンポジションのトランスフォームをコラップスするには タイムラインウィンドウのレイヤー機能パネルで、ネスト化されたコンポジションを含むレイヤーの横にあるコラップストランスフォームのスイッチアイコンをクリックします。 コラップストランスフォームを使うと、ネスト化されたコンポジションを縮小した後に連続するコンポジションでサイズが元に戻された場合でも、解像度を維持することができます。コラップストランスフォームを使わないと、ネスト化されたコンポジションを一度縮小すると、元の解像度を維持できません。トランスフォームをコラップスする場合は、ネスト化されたコンポジションの元の解像度が維持されます。最終解像度は、コラップストランスフォームを使ったコンポジション内でのサイズによって決まります。 ![]() 初期設定で使用される方法 ネスト化されたコンポジションを縮小した後に連続するコンポジションでサイズを元に戻すと、縮小時の低い解像度が維持されます。 ![]() コラップストランスフォーム ネスト化されたコンポジションを縮小した後に連続するコンポジションでサイズを元に戻すと、元のレイヤーの解像度が維持されます。 レイヤーのトランスフォームプロパティをコラップスすると、レイヤー内のネスト化されたすべてのコンポジションの不透明度設定は、コラップストランスフォームプロパティを使用するレイヤーの不透明度の設定に結合されます。 トランスフォームプロパティはコラップスできますが、マスクプロパティやエフェクトプロパティはコラップスできないため、トランスフォームをコラップスすると、マスクやエフェクトに関連するすべてのコンポジションおよびレイヤースイッチは、自動的にオフになります。オフになっているレイヤースイッチをクリックすると、コラップストランスフォームをオフにするように指示するメッセージが表示されます。エフェクト、マスク、マスクの境界線をぼかす、モーションブラーなどのレイヤープロパティをオンにしたり、トランスフォームプロパティをコラップスしたレイヤーに転送制御を適用したりすることはできません。トランスフォームプロパティがコラップスされたコンポジション内にネスト化されているコンポジションでは、コラップストランスフォームのスイッチがオフになっている場合のみ、これらのプロパティを適用することができます。 レイヤーに、ネスト化されたコンポジションではなくAdobe Illustratorファイルが含まれている場合は、そのレイヤーのコラップストランスフォームのスイッチが連続ラスタライズスイッチとなり、フッテージの画質を高めるために使うことができます。詳しくは、Adobe Illustrator、PDF、またはEPSファイルの読み込みとコラップストランスフォームプロパティを参照してください。 ネスト化されたコンポジションで3Dレイヤーを編集する場合、トランスフォームをコラップスすると作業しやすくなります。コラップトランスフォームが使われていない3Dオブジェクトが含まれる下位のコンポジションでは、上位のコンポジションで、3D調整された2Dイメージとして、コンポジションをレンダリングします。ただし、コラップストランスフォームをオンにすると、次に上位のコンポジションに3Dレイヤーがレンダリングされるので、3Dレイヤー間の3Dの関係や、上位コンポジションの他の3Dレイヤーとの3Dの関係が維持されます。下位のコンポジションから、3Dレイヤーの相対的な位置を、グループとして操作し続けることができます。 |