RDRAMについて

次世代メモリのRDRAMのクロックは800MHzといわれていますが,これは現在のメモリSDRAMのクロック100MHzに比べて8倍速いということなのですか。また次期メインメモリとして普及するのでしょうか。


最初の質問の速度についてですが,結論からいいますと8倍にはなりません。データの転送レートは,次の式で表されます。

転送レート=周波数×バイト数

 RDRAMの場合,バス幅は16ビット(=2バイト)なので1チャネルの転送レートは,

800[MHz]×2[バイト]
  =1600[MB/sec]=1.6[GB/sec]


 一方Pentium以降のメモリのバス幅は64ビット(8バイト)のため,

100[MHz]×8[バイト]
  =800[MB/sec]=0.8[GB/sec]


となります。
 実際はレイテンシやディレイ(SDRAMでいうとX-1-1-1のXの部分)などがあって,すべてのサイクルが1クロックでデータ転送するわけではなく,またキャッシュなどの要因も絡んでくるために,体感的な速度が2倍になるわけではありませんが,単純にバスの転送能力で見た場合の最大転送レートでいうと2倍となります。
 次に普及するかどうかですが,RDRAMを使用するにはPCのアーキテクチャの大幅な変更が必要となり,専用のスロットも必要になります。当然現在販売されているDIMMは差さりません。インテルは,次世代チップセット(コードネームCamino)でRDRAMに対応する予定ですが,市場の動向によっては133MHzのSDRAMもフォローすると発表しています。こうなるとDIMMも使える133MHzのSDRAMのほうが有利でしょう。しかも133MHzでの転送レートは1.064GB/secとなり,RDRAMにはまだ及ばないもののかなり追いついてきます。
 ただ,現状のアーキテクチャのままSDRAMを133MHz以上にするのはかなり難しいといわれており,一方のRDRAMはチャネル数を増やすことで比較的容易に倍の転送レートが実現します。したがって数年後のメモリの主役としてのRDRAMはかなり有望と思われます。
(編集部)


RDRAMはクロック周波数が高いものの,バスの本数は少ない