PDやMO,DVD-RAMといったリムーバブルメディアはFAT32でフォーマットできますか。またFAT32にするメリットはあるのでしょうか。
OSの機能だけでは,リムーバブルメディアをFAT32でフォーマットできません。既存のリムーバブルメディアはHDDに比べて容量が小さいので,FAT16でフォーマットしても,クラスタギャップによるむだをそれほど気にする必要がないので,このような仕様になっているのでしょう。また,書き込みが遅いメディアでFAT32を使うと,ファイルテーブル更新のオーバーヘッドが激しく,速度が落ちるという問題もあります。実際,HDDでさえ,キャッシュをオフにした状態でFAT32を使用するとかなり遅くなります(SCANDISKを実行したときなどに実感できるでしょう)。
なお,マイクロスタッフ(TEL:03-3325-4670。http://www.microstaff.co.jp/)が販売している「SCSI郎バックアップEZ」(価格:6000円)を使用すれば,リムーバブルメディアをFAT32でフォーマットできます。また,SCSI郎バックアップEZではDVD-RAMを疑似的にMOに見せかけることでFAT32でのフォーマットを可能にしています(ただし現在対応しているのは松下電器産業製ドライブのみ)。
MOやPDなど,640MB程度のメディアならFAT16でもクラスタサイズは8KBですから,FAT32を用いてさらに小さなクラスタサイズにするメリットはあまりないでしょう。むしろ,ファイルの管理単位が細かくなってしまうのでアクセス速度が低下する可能性があります。
DVD-RAMの場合はFAT16でフォーマットするとクラスタサイズが32KBになるうえ,全容量を使うことができないので,なんらかの理由でUDFを利用したくないときには,FAT32を利用するメリットはあります。
(坪山博貴)